2021年11月中旬、関東では冬の訪れを感じはじめる時期です。
日ごとに気温が下がっていく様子は、まさに”三寒四温”というのか”一雨一度”というのか。とにかく寒いのが苦手な僕にとっては、嫌な季節の到来です。
冬は基本的に自転車に乗りません。いや、寒すぎて乗”れ”ないのです…が、そんな僕にうってつけの場所があります。
いわずと知れた日本の南国『沖縄県』です。
今回は、一周完全走破に向けた”沖縄自転車旅”の様子をお伝えしていきましょう!
前回の沖縄自転車旅をおさらい
沖縄本島は、2019年12月に走ったことがあります。そのときも”本島一周”を目標に掲げて走行計画を練り、チャレンジしました。
これは、そのときの簡易的な走行マップです。
1日目に那覇市から名護市まで移動し、2日目に本部半島を経由して北部を回り名護市に戻ってくる。3日目に東側を走り、那覇市まで戻るというのが”最初の計画”でした。
おさらいがてら、もう少しだけ詳しくお話していきます。
1日目は那覇市から名護市まで、約87kmを走りました。
沖縄輪業でロードバイクをレンタルして、出発したのが13時45分。そこから那覇市内の施設を2か所巡り、マンホールカードをゲット。
名護市をめざす道中、北谷町に立ち寄りさらにマンホールカードを1枚もらいました。
白亜の灯台がそびえる『残波岬』を経由して進んでいると、すっかり日も落ちてナイトライドに突入。レンタル品のフロントライトを点灯するも、そこから放たれたのは弱く頼りない光。
名護市まで続く国道58号は街灯がない区間も多く、この光量では道路が全然見えない…が、立ち止まるわけにもいきません。四苦八苦しながら宿まで走りました。
2日目は本部半島を一周しました。
最初に立てた走行計画では、名護市を出発して本部半島をぐるりと回り、そのまま北部『やんばる』を一周する予定でした。走行距離、実に170km以上を予定。
日の出と共に出発し、暗くなってから走ることも覚悟していました。しかし、ナイトライドの”肝”となるフロントライトが光量不足で使えなかったため、計画は崩れ去りました。
夜はそれでなくても危険が伴いますからね。なんとなく”獣”もいそうですし、安全第一。急きょ、本部半島をまったり一周することにしたというわけです。
本部半島はとてもいいところ。瀬底島、古宇利島、屋我地島などで、いろいろな景色をまったりと楽しむことができ、「サイクリングはいいものだ」としみじみ思いました。
3日目は最終日。予定通り、名護市から那覇市まで走りました。
夜明け前に出発し、暗い中での山越えライドは結構怖かったです。行きとは反対の本島東側にたどり着くと、そのまま南下。
うるま市あたりでは、「与勝半島も走ろうか?」と迷いましたが、旅の”終了時刻”が決まっていたため泣く泣くスルー。
絶景の『知念岬』を経由して、そのまま南部をぐるりとまわり、那覇市に到着。沖縄本島一周は”未達成”となりましたが、とても素晴らしい自転車旅となりました。
簡単ではありますが、おさらいでした。
詳しくは、それぞれのブログ記事を読んでいただければ幸いです。沖縄の絶景と共に、僕の自転車旅を追体験してみてください!
走行計画を立てる
そんなわけで、未走破エリアである『やんばる』を攻略するため、実に2年越しの再チャレンジとなりました。
しっかりと走行計画を練っていきましょう。
今回は”ただ自転車で走る”だけではないので、少し複雑です。地図の見方は、点線がバス輪行、実線がロードバイクで走るところです。
全行程2泊3日の自転車旅、その詳細を説明していきましょう!
那覇空港に到着したらモノレールで美栄橋駅に移動して、今回も『沖縄輪業 前島2号店』でロードバイクをレンタルします。
理想は自前の愛車を飛行機で輪行することなのですが、諸々あって横着してしまいました。結果的には、「今後はなるべく自分の自転車で走ろう…」という事態が起こります。
今回は未走破エリアを走るのがメインイベントなので、過去に走ったことのある”那覇市⇒名護市”は『やんばる急行バス』で輪行をすることにしました。
そんなわけで時間にも余裕があるので、那覇市と名護市でマンホールカードをもらうべく走り回ることにします。下調べしておきましょう。
沖縄県の最北端『辺戸岬(へどみさき)』を経由して、待望の『やんばる』を一周します。
走行距離が約150kmとなかなかの長距離なのに加えて、激しいアップダウンも見込まれますので、相当過酷な道のりが予想されます。
前日はよく休んで、体調と気力を万全に整えておく必要がありますね。
同じ宿で2泊するため、スタートとゴールが同じところ。疲れている終盤になって、「宿の場所はどこだろう?」と調べる必要がないのは、ずいぶん気持ちがラクです。
この場所を走るために沖縄を訪れたといっても過言ではありません。存分に楽しもう!
最終日が一番複雑で、いろいろと”不安要素”があります。
まずは名護バスターミナルからバス輪行で、うるま市の『安慶名バス停』まで移動します。そこから、沖縄本島中部の東海岸に突出した『与勝半島』まで走ります。
与勝半島から海の上を約5kmも伸びている『海中道路』を利用して、近隣の離島に渡り、サイクリングを楽しみます。
ぐるりと一周したら沖縄市まで自走して、そこから再びバス輪行。美栄橋駅に着いたら、ロードバイクを返却し、那覇空港に移動します。
飛行機は18時ちょうどに飛び立つので、万が一にも遅れることはできません。余裕をもった行動を心がける必要があります。
最大の不安要素は”バス輪行”です。那覇市⇒名護市間で利用した『やんばる急行バス』のような高速バスとは違い、普通の路線バス。輪行袋を車内に持ち込まなければなりません。
事前に電話で問い合わせをしたところ、「車内に持ち込みOKですが、時間帯によっては乗客がたくさんいます」との回答でした。邪魔になるわけにはいきません。
名護ターミナルからは始発を利用するので大丈夫だとは思いますが、問題は沖縄市から那覇市までですね。路線的にも時間帯的にも、混雑が予想されます。最悪、自走か?
とにかく、こんな感じで2泊3日の自転車旅を計画しました。
1日目・2日目は問題ないとして、3日目も状況をみて対応すればなんとかなるだろう!
旅に持っていく道具たち
2019年の沖縄自転車旅は、観光旅行も含めてトータル6泊7日でした。
滞在日数が多い分、持っていく道具も膨れ上がり、リュックサックだけでは納まり切らないのでトップチューブバッグ、大型サドルバッグを持参しました。
写真で見るとこんな感じ。沖縄輪業でレンタルしたロードバイク『GIANT(ジャイアント)TCR SLR2』に積載された荷物の数々。
これだけ見ると普通の自転車旅ですが、さらに40Lも入る大容量リュックサックを背負っているので、トータルで見るとやはり結構な重量でしたね。
今回はそもそも2泊3日ですし本格的に走るのは2日目のみなので、大幅に持っていくものを削減できそう!なんて思っていたのですが、そこまで大きくは変わりませんでした。
一応、比較できるように前回の道具一覧に追記していきます。見方は『×』が削減したもの、『〇』が新たに持参したものです。
×
×
×
〇フロントライト
・テールライト
・ガーミン一式(本体、ケイデンスセンサー)
・SPDペダル
〇輪行道具
前回の自転車旅でロードバイクと一緒にお借りしたフロントライトの光があまりにも弱く、ナイトライドに四苦八苦。2日目の『やんばる』走行を断念する原因にもなりました。
そんな苦い経験を活かして、フロントライトを持参することにします。
愛用しているCATEYEの『VOLT800』です。800ルーメンの光が、沖縄の闇夜を切り開いてくれることでしょう。頼もしいアイテムです。
そして、輪行道具。初日、そして3日目は”バス移動”が走行計画に組み込まれているため、これがないとお話になりません。超重要です。
定番品である『OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100 超軽量型』と、エンド金具、スプロケットカバー、フレームカバーをまとめて持参します。
~輪行についてはこちら~
・サイクルキャップ
・アンダーウェア
・パット付インナーパンツ
・アンダータイツ
・グローブ
・レインウェア
・着替え(
・ハンドタオル
×
・帽子
×
・ビニール袋×2
・デジカメ
・モバイルバッテリー
・充電器類
・現金、クレジットカード、保険証など
・トラベルノート
・洗顔剤、保湿液
・日焼け止め
・常備薬
・ドライアイ用目薬
×
・メガネ拭き
ロングTシャツ2枚とマリンシューズは、どちらも”観光”で使うものなので今回は不要。かさばるものなので、削減できたのは大きいです。
そもそも『SPDシューズ』は普通のスニーカー並みに歩きやすいので、履き替え用のマリンシューズはいりませんね。
靴底に金属の留め具が埋め込まれているため、空港のセキュリティチェックでは脱ぐことになりますが、問題なく通過できるのでご安心を。
・ウルトラライトダウン(UNIQLO)
・サイクルジャージ
・アンダーウェア
・ハーフパンツ
・アンダータイツ
・下着
・靴下
・ネックウォーマー
・SPDシューズ
着用していくものなので、変化なし!
飛行機に乗り込むときは、機内持込手荷物の個数と重量に制限があるので注意が必要です。
今回利用する格安航空会社『ジェットスター』では、リュックサックやキャリーケースなどの荷物1個と手荷物1個。総重量は7kgまでと決められています。
そのため、荷物の取捨選択はいつも以上に気をつかうわけですね。
ちなみに、サイクリングの必須アイテムである『ヘルメット』と『パンク修理道具』は沖縄輪業でレンタルできるので、そちらを利用していきます。
0日目!海を越えて沖縄へ
沖縄自転車旅の初日は、朝4時に起床。
現地での時間をたくさん確保したく、早い時間帯の飛行機を予約したため、起きてから1時間後には家を出ることになりました。
朝方は冷え込みます。UNIQLOのウルトラライトダウンで防寒しますが、それでも寒い。
しかし、11月の沖縄県の平均気温は22度、暑いときは25度近くにもなるので、あまり着込んでいくわけにもいきません。余計な荷物を減らすために、今は耐えるのだ。
そして、無事に成田空港に到着しました。
7時40分発のジェットスターに乗り、約3時間半のフライトです。
それにしても、11月の航空券はめちゃくちゃ安かった。日曜日に行って、平日の火曜日に帰ってくるという曜日的な要因もあるのかもしれませんが、片道なんと5,820円。
沖縄に行って、「海のアクティビティを楽しみたい!」というなら話は別ですが、サイクリングをするのであれば間違いなく冬季がオススメです。
走りやすい気候ですし、航空券も安い。最高以外の言葉が出てきません。
そんなわけで、機内に乗り込みます。
振り返るとひとりで飛行機を利用するのは初の経験です。なんだか緊張してきたぞ。
まぁ、乗っていれば到着するのでラクなものです。離陸後しばらくして飛行が安定したら、朝早かったこともあり寝てしまいました。
目が覚めると、そこは沖縄県の那覇空港です。
外に出て最初に発するのは、「暑い!」の一言。
沖縄県の人からすれば涼しくなってきた時期なんでしょうが、11月の関東から来た身としては十分に暑い。素晴らしい。天気もいいし、絶好のサイクリング日和です。
それでは、出発しましょう!
最初に必須アイテムである”ロードバイク”を借りに行かなければなりません。むかう先は『沖縄輪業 前島2号店』です。
事前に3日間レンタルの予約をしておきました。
那覇空港に隣接する沖縄都市モノレール『ゆいレール 那覇空港駅』まで、ほんの数分歩きます。
『日本最西端の駅』
こういうの好きです。
自転車で旅をするようになってから、日本列島の”端っこ”への憧れが強くなりました。これは自分だけ?それともサイクリストあるある?
〇関東の最南端……野島崎(千葉県南房総市)
〇本州の最北端……大間崎(青森県大間町)
〇日本の最北端……宗谷岬(北海道稚内市)
〇鹿児島県の最南端……与論島(鹿児島県)
〇日本の最南端……波照間島(沖縄県)
思い出せるかぎりを列挙してみましたが、我ながら結構いろいろ行ってますね。
モノレールに揺られながら車窓からの眺めを楽しんでいると、2年前の思い出がよみがえってきます。再び沖縄県に来れた喜びを嚙みしめながら、目的の『美栄橋駅』で降車します。
そこから徒歩5分くらいで沖縄輪業に到着!
ここからが本格的な”自転車旅”のはじまりです。どんな出来事が待ち受けているのか?無事に『やんばる』を走り切ることはできるのだろうか?
不安と期待が入り混じりますが、とにかく楽しもう!続く。
~次回のライドはこちら~
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