東京都の『葛西臨海公園』から新潟県の『直江津』まで無事に走り切り、日本横断ライドを達成することができました。
太平洋と日本海をクロスバイクで結ぶ旅は完結しましたが、せっかくここまで来たので、フェリーに乗って『佐渡島』まで渡り、サイクリングを楽しもう!
佐渡島は、日本一長い県道である新潟県道45号佐渡一周線があったり、スポニチ佐渡ロングライドが開催されていたりと、サイクリストの聖地です。
日本で2番目に大きい島で、一周はなんと約210kmあります。
本当は佐渡島一周、通称『サドイチ』に挑戦したいところなのですが、体力的にも時間的にも厳しそうなので、今回は観光メインで走っていきます。
~前回のライドはこちら~
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興味のある方はご一読ください。
走行計画を立てる
まずは、佐渡島ライドの走行計画をお話しますね
いきなり3日目となっていますが、日本横断ライドの延長でおこなっているので通算した日数で表記しています。
直江津港から佐渡島の小木港までは、佐渡汽船の高速カーフェリーに乗っていきます。所要時間は1時間40分。頭に”高速”と付くだけあって速いですね。
フェリーの出発時間が決まっていたので、3日目は距離を短くしたり、早朝に出発したり、乗り遅れないような工夫をしていたわけです。
後輪がパンクしたときは、時間はたっぷりあるものの、「間に合うか!?」と焦りました。
佐渡島をのんびりと観光メインで走る予定。
行き先はほとんど決めていないですが、詳細は佐渡島の宿でゴロゴロしながら考えます。行き当たりばったりも”ひとり旅”の醍醐味ですよね。
帰りは、行きとは違う航路を使います。両津港を出航して新潟港に入り、そのまま新潟駅周辺のビジネスホテルに直行です。
日本横断ライドからはじまった自転車旅の最終日。この日は、新潟駅から『上越新幹線Maxとき』を利用して大宮駅まで帰るだけ。
周辺をクロスバイクで散策してみようとも考えましたが、中途半端になりそうだったので寄り道せずに帰宅します。
新幹線での輪行ははじめての経験。調べたところ、2階建てになっているMaxときは通路が狭くて輪行には不向きらしい。ちょっと不安です。
チケットを予約するときにシート指定ができなかったので、ダメ元で『車両の端付近』で希望を出しました。あとは出たとこ勝負!
ちなみに、地図だとこんな感じです。
地図の左下にある『上越』から伸びているのが、直江津港から小木港の往路です。佐渡島をサイクリングして両津港まで移動し、復路は新潟港までフェリーに乗っていきます。
なんとなくの雰囲気は伝わりましたかね?
ほんの少しの直江津ライド
それでは、当日の様子に話を戻しましょう。
船見公園を出発して、まずは予備チューブの補充に向かいます。島でパンクしたらシャレになりませんからね。
ここに来るまでの道中で、直江津に自転車屋があるのは確認済み。
訪れてみると、個人経営の小さなお店だったので、「ここにクロスバイクのチューブなんて売ってるのか?」と少し不安になりましたが、バッチリ買えました。素晴らしい品揃えです。
据え置きの空気入れもお借りできたので一安心。携帯ポンプだと”空気圧のゲージ”が付いていないので、どうしても甘くなってしまいがちですからね。
コンディションも整ったので、改めて出発しよう!
直江津港に進む道中にいい感じの定食屋があったので、立ち寄って腹ごしらえ。
親子丼をチョイス。言わすもがな美味でした!疲れた体にエネルギーが入ったぜ。
そんなこんなで、13時ちょうどに『佐渡汽船直江津ターミナル』に到着です。
高速カーフェリーの乗船券は3,780円。自転車は輪行袋に入れれば手荷物として扱われるので、窓口で手荷物運賃540円を支払うだけで乗れちゃいます。
出航の時間は14時10分ですが、時間に余裕をもって輪行の準備にとりかかるとしよう。
ひさしぶりの輪行ですが、体が覚えているもんだね。大容量サドルバックを付けたまま入るかな?とチャレンジしましたが、うまく収まらなかったので外します。
輪行できれば、今回のようにフェリーで海を渡ることだってできちゃいます。
サイクリストとして、ぜひマスターしておきたい技術ですね!
準備万端!…だったんですが、強風のため出航が30分くらい遅れるというアナウンス。
「船酔いしないか心配だな…」
そんなことを考えながら、待合室でウトウトしていたら、あっという間に出航時間になりました。
輪行袋を担いでフェリーに乗り込むと、係員の人が親切に誘導してくれて、無事に自転車を収納することができました。
ベルトでの固定は係員の人がやってくれるので、僕は見ているだけです。どんなにフェリーが揺れようと倒れる心配はなさそう。
ちなみに、自転車を輪行していたのは僕だけでした。
佐渡汽船の高速カーフェリーはすべて指定席です。
深々と腰を下ろし、意気揚々と出航を待ち構えていたのですが、ひと息ついて安心したら急に睡魔が襲ってきました。気がつけば夢の中。
佐渡島に到着する寸前に目が覚めましたが、強風で遅延しただけあって、波が高く、フェリーがめちゃくちゃ揺れています。起きていたら確実に船酔いしてたな。
荒波を乗り越えての上陸
時刻は16時50分、佐渡島に到着!無事に上陸を果たしました。
佐渡島の盆踊り歌である『佐渡おけさ』の像がお出迎え。上陸記念にパシャリ!
小木港から宿まではひとつ山を越えなければいけないので、もたもたしていると日が暮れてしまいます。急いで出発しましょう!
まずは、国道350号を走ります。
道幅は広く、交通量も少ないので走りやすいですが、結構な上り坂。ヘトヘトですが、「佐渡島に来たんだ!」というワクワク感が高まりますね。
しばらく走っていると、海が見えてきました!
坂を上り切ったご褒美ですね。そして、お待ちかねの下り坂。楽々と進んでいきます。
勢いよく駆け下りていると、地面からの振動でフロントライトが外れて吹っ飛んでいくというアクシデントが発生。
輪行解除したときに、きちんと取り付けられていなかったみたいです。明日の4日目は短距離ですがナイトライドをする予定なので、壊れていなくて本当によかった。
海は風が強いため荒ぶっていますが、快晴なのもあいまってとてもきれいですね。
海なし県で生まれ育ったので、海を見るだけでもテンションが上がります。
海岸線を、佐渡島の景色を楽しみながらマイペースに走ります。
道中で数台のロードバイクとすれ違いました。凄いスピード!もしかして、毎年5月に開催されるという『佐渡ロングライド』の練習かな?
佐渡島一周海岸線コースは1周210kmもあり、ハードですが島を丸ごと満喫できる人気のサイクリングイベントだそうです。200km超え?未知の領域すぎるぜ…。
太陽が少しずつ沈みはじめてきましたが、このペースでいけば真っ暗になる前には宿にたどり着くことができそう。
空と海、夕日がとても美しくて癒されます。太陽がぼんやりしているのも、なんだか幻想的ですよね。
それにしても、まさか自分がひとりで佐渡島を訪れることになるとは夢にも思いませんでした。自転車に乗ることで、確実に”世界”が広がるのを感じます。
結局19時近くになりましたが、宿までたどり着くことができました!
本日の宿はアットホームな感じのペンションです。居心地よさそう。荷物を置いたら、再度クロスバイクにまたがり、まずは腹ごしらえに出かけます。
佐渡島の町並みを眺めながら、飲食店を探してウロウロしますがお店が少ない。ようやくみつけた『ファミリーレストランたいがあ』というお店で焼肉定食をいただきました。おいしかった!
ペンションに戻ったら洗濯機をお借りして、衣類をすべて洗濯。こういう”洗濯機が備え付けられている宿”を選ぶと、とても楽ですね。
そして、お待ちかねのお風呂タイム!広い湯舟でしっかりと旅の疲れを癒します。ふーい、生きててよかった。
お風呂を出たら、もう1度クロスバイクの乗って、近所のコンビニまでひとり宴会の買出しに向かいます。夜風が涼しくて、とても気持ちいい。
3日という期間の中で、とても長い時間を自転車の上で過ごしました。なんだか一体感が増したように感じます。
空を見上げると満天の星空…というわけではないですが、見応えのある佐渡島の夜空が広がっていました。なんだか自分の中で哀愁を感じてしまいます。
ひとり宴会を楽しみながら、佐渡島の地図を見て、明日の観光プランを練りましょう。どこに行くのも自分の自由。楽しい1日になりそう!
その日は疲れていたこともあって、日付が変わる前に就寝。おやすみなさい~!
【佐渡島1日目のライドデータ】
所要時間 1時間55分
走行時間 1時間39分(-16分)
走行距離 29.38km(トータル400.86km)
クロスバイクで佐渡島を感じる
おはようございます!自宅を出発してから4日目の朝がやってきました。
今日は佐渡島をしっかり走れる最初で最後の日なので、出航の時間まで存分に堪能していきますよ!
出発は7時50分。まずは、ペンションのすぐそばにあった『佐渡歴史伝説館』に行ってみることにしました。
ゆっくり走っても10分くらいの距離だったので、本日1人目のお客さんになれた~!
佐渡歴史伝説館は、佐渡にゆかりのある歴史上の人物や伝説を等身大のロボットが動いて紹介してくれるという博物館なんです。
館内は薄暗く、ロボットが結構リアルなので最初はビビリましたが、とてもおもしろかったです。佐渡島の歴史と伝説を知ることができました。
次の目的地は、佐渡島といえばここ!皆さんご存知の『史跡 佐渡金山』です。
真野湾沿いを進み、県道31号を走るのが最短コースですが海が見えない。かといって、県道45号を使い、きれいに海岸線を走っていたのでは時間がかかりすぎる。
地図とにらめっこしていると、県道45号をショートカットできそうな細い道を発見。ここを抜ければ『七海海岸』を眺めながら走れそうだ。
佐渡歴史伝説館を9時15分くらいに出発。佐渡金山までは約27kmなので、2時間もあればたどり着けるかな?
しばらくは、真野湾を眺めながらのサイクリング。
海沿いは遮蔽物がないので、風が強く吹いています。日本横断ライドに引き続き、今回の旅は風に泣かされるなぁ。
狙い通り県道45号をショートカットして、七浦海岸に出ました。
奥に見えるのは、七浦海岸の代表的な景観地である『夫婦岩』です。
七浦海岸には大小さまざまな岩が点在していて、景観の変化に富んでいます。走っていて飽きませんね。
今回は時間的に見れませんが、ここは”夕陽の名所”としても有名だそうです。
七浦海岸を抜けると”相川”という町に入りました。佐渡金山まで残り2.5km程度なのですが、結構な上り坂に大苦戦。
気温は涼しいくらいなのに、ドバドバと汗が出てきます。
走っていると、なんだかわかりませんが素敵な雰囲気を持つ施設?…が視界に飛び込んできました。思わずパシャリと写真撮影。
どうです?なんだか、神秘的な空気を感じませんか?
後日知ったのですが、ここは産業遺跡『北沢浮遊選鉱場』といい”ジブリのラピュタっぽい”ということで注目されている名所だそうです。確かにそれっぽい!
史跡・佐渡金山を越えて往け
出発から2時間くらい走り、時刻は11時30分。無事に佐渡金山にたどり着くことができました~!
敷地内の駐車場には車や大型観光バスがたくさん停車しており、人気の観光スポットだということがうかがえます。自転車で来ている人はいませんでしたね。
それでは、いよいよ佐渡金山を見学してきます。
佐渡金山には見学コースが何種類かあり、今回は1番オーソドックスな『宗太夫坑コース』を選んでみました。
実際の坑道跡を見学できるのですが、当時の採掘作業現場が忠実に再現されていて、とても見ごたえがあります。こんな過酷な現場で働いていたの?と恐ろしくなりました。
見学コースの他に、実際に使われていた作業道具や、佐渡金山を再現した精巧なミニチュア模型が展示されている資料館もあり、じっくり見たら丸一日かかりそう。
佐渡島を知る上では欠かせない場所ですね。来島する機会があれば、ぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
時刻は12時を少し過ぎたところ。昼ご飯の時間です。さすがにお腹が減ったので、どこかで腹ごしらえをしよう。
道中に『金山茶屋』というナイスなネーミングの食事処があったのを思い出し、そこに行ってみることにしました。
注文したのは、ここの名物でもある『金山カレー』です!こういう観光地特有の食事に弱いんですよね。
佐渡金山のシンボルである『道遊の割戸』がしっかり再現されています。カレーの上に浮いている金箔が”いかにも”な演出で大好きです。うん、おいしい!
さて、このあとは『トキの森公園』に行ってみようと思います。
地図アプリでルートを調べてみると、来た道を引き返して向かうのが1番速く着くらしい。でも、同じ道を走るのはもったいない気がしていやだなぁ。
地図を見ていると『大佐渡スカイライン』という展望道路を発見。ここを抜ければ、トキの森公園までそんなに離れていない場所に出れそうです。
どうやらヒルクライムのようですが、距離的には日本横断ライド2日目で走った『碓氷峠』と同じくらいなので、なんとかなるだろう!
この選択が、佐渡島ライドをただの観光ではなく”修行”にし、一生の思い出に残るライドとしたのでした。
~次回のライドはこちら~
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