伊豆大島、神奈川県の大垂水峠、山梨県の笹子峠でのライドを経験して、上り坂を走る”ヒルクライム”の魅力に気がつきました。
ヒルクライムって走っている最中はめちゃくちゃツラいんですが、その分、上り切った先で見る景色には感動しますし、味わえる達成感は格別なんですよね。
そんなヒルクライムをより楽しく、より快適に走るためにはどうしたらいいのか?…ということで、クロスバイクに『バーエンドバー』を取り付けてみました!
今回はバーエンドバーの全貌と、ヒルクライムの魅力について話をしていきます。
バーエンドバーとは?
聞きなれない言葉ですが、そもそもバーエンドバーとはなにか?百聞は一見に如かず。こちらのクロスバイクをごらんください。
ハンドルの端っこに付いている角みたいなものが、バーエンドバーです。
その名の通り、ハンドル”バー”の終わり(端っこ)に取り付ける”バー”のことをいいます。
形状や長さなどいろいろな種類があるのですが、僕が購入したのは比較的長くて、先端がグイっと曲がっているタイプのもの。
商品名は『BBB バーエンド クラシック ベンド BBE-07』です。
名前に”クラシック”と入っていますが、昨今このようなタイプのバーエンドバーは珍しいのかな。
個人的にはカッコいいと思うんですが、いかがでしょう?
正面から見るとこんな感じになっています。
このバーを取り付けるだけで、ワンランク上のクロスバイクになったような気がしますね。街乗りだけで使っているわけじゃないぜ!感が伝わってきます。
クロスバイクにまたがると、このように見えます。
握ったときに力が入りやすいように、ハの字になっているんですね。
ハンドルバーの端っこに取り付けるためには、バーエンドバーの幅の分だけハンドルグリップ、ブレーキレバー、シフトレバーを内側にずらす必要があります。
そう聞くと難しそうだったので、僕はショップに持参して店員さんにお願いしました。
使ってみた感想・レビュー
良いところ
①ハンドルを握るポジションが増える
クロスバイクに標準装備されている真一文字のハンドル『フラットバーハンドル』は、ハンドルを握るポジションがひとつしかありません。
つまり、クロスバイクに乗っている間はずっと同じ体勢で走らなければいけないわけです。
同じ体勢で長時間走っていると、手のひらや肩などに疲労が蓄積されていき快適なライドの妨げになってしまいます。
そんなときこそ、バーエンドバーの出番!
バーエンドバーを取り付けることによりハンドルを握るポジションが増えて、長時間同じ体勢で走るということがなくなるのです。
ハンドルを握る場所を変える(=体勢を変える)ことで、本来1か所に溜まるはずだった疲労を分散させることができ、トータル的な疲労減少につながるというわけです。
こちらも百聞は一見にしかず!実際に握ってみましょう!まずは、通常のポジション。フラットバーハンドルを握る形ですね。
お次に、バーエンドバーが取り付けてある根本部分を握る形。
ガッツリとバーエンドバーを握りこむ形。
僕が取り付けたバーエンドバーは長いので、バーの中でも多少ポジションを変化させることはできます。先端を握ったり、根本を握ったりですね。
握る場所を変えるだけで楽になるものなの?と、僕自身も思っていたんですが、実際に体験してみるとちょっと驚くくらい違います。
見た目の変化は少ないかもしれませんが、同じ体勢をとらないということが重要なんだと感じています。
あとは、メンタル的なところも大きい。ハンドルを握るポジションを変えることによって気分転換ができるということですね。
バーエンドバーの先を握りこむと、フラットバーハンドルを握るよりも前傾姿勢になるので多少の空気抵抗軽減にはつながると思います。
気持ち程度の効果かもしれませんが、風の強い日なんかは重宝します。
②自転車を体に引き寄せやすくなる
急勾配の坂道を上るとき、またはギアを重くして加速するときを想像してみてください。
グイっとペダルを踏み込むのと同時に、握ったハンドルを体の方に引き寄せていませんか?そうなんです。自転車って下半身だけで乗るものではなく、上半身も使う乗り物なんですよね。
フラットバーハンドルは手を上から覆いかぶせるように握るため、パワーが地面方向にかかってしまい、自転車を体に引き寄せる動作をしにくい。
それ対してバーエンドバーは、上からではなく横から握るため、ペダルの踏み込みに合わせた引き寄せ動作が非常にしやすくなっているのです。
速く走ることに特化して設計されたロードバイクのドロップハンドルも、バーエンドバーと同じように上からではなく横から握りますよね?つまりそういうことです。
これは実際に体験しないと理解しにくいですが、横から握る種類のハンドルに慣れてしまうとフラットバーハンドルが握りにくくなるほどの大きな違いがあります。
気になったところ
①すぐにブレーキをかけられなくなる
唯一にして最大のデメリット!…というか、注意点ですね。
写真を見るとわかりますが、バーエンドバーを握るとブレーキレバーから指が離れてしまい、瞬時にブレーキをかけることができなくなります。
なので、基本的には人や車の多い市街地、信号が多くストップ&ゴーを繰り返すような道路ではあまり使わない方が賢明です。
どうしたって低速になるヒルクライム、見晴らしのいい道、サイクリングロードでの使用をオススメします。握りやすいとはいえ、安全第一ですね。
検証!輪行袋には入るのか?
輪行をする人にとっては、「バーエンドバーをしていて輪行袋に入るのか?」ということが気になるところですよね。
輪行についてはこちらの記事をご覧ください。
結論は、まったく問題なく入るので輪行の妨げにはなりません。
比較的長いバーエンドバーの『BBB バーエンド クラシック ベンド BBE-07』で検証したので、他の商品でも大丈夫だと思います!
坂道を駆け上がるヒルクライムの魅力
上り坂を走るのって、本当にツラいんですよね。息が苦しくて肺が痛くなるし、足はつりそうになるし、先が見えないと絶望的な気分になるし…。
自ら進んでツラい坂を上っている自分に、「…いったいなにを?」と自問自答しながら走ることもしばしばです。
しかし!それでも、上り坂があったら走りたくなってしまう魅力があるんです。僕が感じた3つの魅力をお話しますので、共にヒルクライマーをめざしましょう!
①わかりやすい達成感を味わえる
スポーツ自転車の魅力の1つに”達成感”というものがあります。
島や湖畔を一周したり、100km以上のロングライドを走り切ったりすると、とても大きな達成感を得ることができますよね。
ヒルクライムでは、その達成感を非常にわかりやすく味わうことができるのです。
峠を走るのであれば、ふもとから上り切ったポイントまで走ればクリア!スタートからゴールが明確になっているのでわかりやすいです。
有名な峠なんかはサイクリストの方々がブログで取り上げていたり、目標タイムが設定されていたりと、自分の実力を試す目安にもなります。
②上り切った先のきれいな景色
ひたすらペダルを回し、ツラい思いをして峠を走り、上り切った先。そこで見ることのできる景色は何物にも代えがたいご褒美です。
車や電車を利用せず、自分の力だけでこんなに高いところまで上ったんだという感動が待っているので、本当に疲れなんて吹き飛びます。
峠によっては、上り切った先が木々に覆われていて景観がよくないところもありますが、それはそれでいいのです。こればっかりは、いくら言葉で説明しても実際に体験してみないとわからない。
ぜひとも、峠を走ってみてください!
③技術を磨いてタイムを縮めるという楽しみ
ヒルクライムを速く走るためには、ガムシャラにペダル回すのではなく、さまざまな技術が必要になってきます。
ペダルの回し方、姿勢、ダンシング(立ち漕ぎ)での体の使い方、ギアチェンジのタイミング、ペース配分、メンタルの持ち方などです。
前回よりも短い時間で上れるように、トレーニングをして技術を磨き再チャレンジ!そういう楽しみ方ができるのもヒルクライムの魅力です。
ヒルクライムイベントに参加してみるのもいいですよ。
ヒルクライムはあまりスピードが出ないので、落車などの危険性も少なく、初心者でも気軽に参加できるサイクルイベントです。
ロードバイクでの参加が前提のイベントが多いですが、探してみるとクロスバイクでも参加できるイベントもあります。イベント参加目標にして練習に励むのもいいかもしれませんね!
~過去に参加したヒルクライムイベント~
おわりに
今回はバーエンドバーとヒルクライムの魅力についてお話ししました。
バーエンドバーは様々な種類があるので、自分の好みに合った形を見つけることが大切です。
ハンドルのグリップと一体になっているタイプもあるので、グリップ部分が劣化して寿命がきたときに丸ごと変えてしまうのも手かもしれません。
僕自身も、楽しそうな峠を調べて走りに行く…というライドを何回か経験していますが、まだまだ修行不足の身です。
これからも有名な峠はもちろんのこと、旅先で偶然出会った上り坂なんかも楽しんで走っていきたいと思います!
スポーツ自転車ライフを快適にし、楽しいサイクリングにつながるようなオプションパーツなどを取り付けたら、またご紹介しますね~!
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