クロスバイクで輪行しよう!基本と注意点について

OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100 役立ち情報・体験談

今回は『輪行(りんこう)』についてお話しします。

輪行とは『自転車を分解してコンパクトにし、専用の袋に入れて、電車・船・飛行機などの公共交通機関に持ち込んで移動すること』をいいます。

 

●公共交通機関で長距離を移動した先でサイクリングを楽しめる
●船や飛行機で海を渡って島を走ることができる
●アクシデントが発生しても電車で帰ってこれる

このようなメリットがあります。

長距離を移動できるだけではなくアクシデントへの備えにもなりますので、サイクリストの皆さんはぜひマスターしておきましょう。

それでは、輪行の基本知識とやり方、注意点を説明していきます。

 

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輪行(りんこう)とは?

自転車を分解してコンパクトにし、専用の袋に入れて、電車・船・飛行機などの公共交通機関に持ち込んで移動することを輪行といいます。

初心者の方が”分解”と聞くとすごく難しそうに感じるかもしれませんが、輪行時におこなうべき分解は前輪と後輪を外すことだけです。

 

クロスバイクやロードバイクのようなスポーツ自転車では、タイヤを外すのに工具を一切使用しないので手軽に着脱することができます。

タイヤを外してコンパクトにしたら、専用の袋、通称『輪行袋』に入れて準備完了です。

 

メリット

①行動範囲が広がる
②サイクリングの自由度が上がる
③アクシデントがあったとき公共交通機関を頼ることができる

①行動範囲が広がる
個人的には、これが輪行の最大のメリットだと思っています。

そこまで行く時間がない、体力がない・・・などの理由で諦めなければいけない遠方の地でも、公共交通機関を利用すれば走りに行けちゃいます。

いつか走りたいと思っている北海道にだって、僕が住んでいる関東からだったら新幹線で4時間半くらいで到着するので、「連休があったら走りに行くか」と思える所要時間です。

 

また、行動範囲というのは距離としての意味だけではなく、海という物理的な壁も越えることができるということです。

島を走ることができるのは輪行マスターの特権!僕自身、伊豆諸島最大の島である伊豆大島を走りたくて輪行を学びました。

例外はありますが、島に行くためには船にしろ、飛行機にしろ、輪行は必須だと思ってください。

 

②サイクリングの自由度が上がる
輪行が”できる”のと”できない”のとでは、サイクリングの計画を立てるときの自由度に大きな差が生まれます。

例えば『日帰り100kmのロングライドを計画する』というケースで考えてみましょう。

 

輪行できない場合

❶自宅を出発。帰りも自走するため50km地点で折り返す。

輪行できる場合

❶以外にも・・・

❷自宅を出発。帰りは輪行するため100km地点で電車に乗る。

❸最寄り駅から100km地点まで電車輪行。そこから自宅まで100kmをサイクリングする。

❹最寄り駅から100km地点まで電車輪行。さらに100km走ったところから電車輪行で帰宅する。

 

輪行できた方が計画段階で選択肢が多いことは一目瞭然ですよね。前述した”行動範囲が広がる”というのもまさにこのこと。

❶~❹と走行距離はすべて同じ100kmですが、自宅から50km地点までしか行けない❶と、電車とサイクリングを組み合わせて200km地点まで行けた❹では、行動範囲に雲泥の差があります。

 

③アクシデントがあったとき公共交通機関を頼ることができる
万全を期してサイクリングに臨んでも、突発的なアクシデントが起こる可能性はあります。

メカトラブルや体調不良により自走することが困難になってしまった場合、途中リタイアの手段としても輪行は超重要スキルです。

 

とくに長距離を走るロングライドや自転車旅では、移動する手段が”自走のみ”というのは心細く不安なものです。

輪行できれば、「なにかあっても電車さえあれば帰れる!」という安心感を得ることができます。

家に帰るまでがサイクリングです。

どんな状況でも無事に家までたどり着ける手段を用意しておくのもサイクリストとしては必要なことですよね。

 

デメリット

①自転車にダメージを与える

①自転車にダメージを与える
輪行の唯一にして最大のデメリットになります。

自転車の前後についているタイヤを外す。タイヤで自転車を挟み込み、バラバラにならないように紐で縛り上げる。自転車に肩掛け紐を通して、輪行袋に入れて担ぐ。持ち運ぶ。

これが輪行の一連の流れです。

 

緩衝カバーなどを使ってなるべく自転車にダメージを与えないように気をつけますが、パーツ同士の接触を完全にゼロにすることはできません。

多少の擦り傷や身に覚えのない傷ができることは往々にしてあります。

 

輪行でもっとも利用するのは電車でしょう。駅構内を想像してください。

輪行袋を肩で担ぎ、階段を上り下りしたり、狭い改札を通ったり、トイレに行きたくなって壁に立てかけたり・・・。注意して扱っていても、どこかしらにぶつけたりするものです。

大型客船での輪行は大量の輪行袋がひとまとめにして置かれるので、袋越しとはいえ他の自転車と接触することは避けられません。

東海汽船大型客船内の輪行袋

飛行機での輪行は未経験ですが、自分の目の届かないところで自転車が扱われるので、荒く積み下ろしをされてしまったら傷はついてしまうでしょう。

 

ここまで脅し気味に書きましたが、気をつけていればダメージは最小限に抑えられますし、多少傷つこうが走るのにはまったく影響ありません。

それよりも、輪行できるメリットの方が圧倒的に大きいと思います。

 

輪行をするのに必要な道具

①輪行袋
②エンド金具
③スプロケットカバー
④フレームカバー

①輪行袋

輪行袋と一口にいってもいろいろな種類ありますが、大別すると『縦置き型』と『横置き型』の2種類があります。

縦置き型
●フレームを立てて収納するので、リアエンドを保護する”エンド金具”が必要になる。
●コンパクトに収まるので、電車内でも邪魔になりにくい。
横置き型
●フレームを逆さまにして収納するので、”エンド金具”を付ける必要がない。
●収納が比較的容易。
●縦置き型に比べて横幅があるので、電車内でもスペースをとってしまう。

どちらを選択するのがいいでしょうか?

 

一見すると、エンド金具を取り付ける必要がなくて収納が楽な『横置き型』に軍配が上がりそうですが、僕としては『縦置き型』を推奨します。

前後の両輪を外したとしても、やはり自転車は大きな荷物。ほかの乗客の迷惑にならないように、少しでもコンパクトにして持ち運べた方がいいですからね。

 

僕が使っている輪行袋は『OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100 超軽量型』です。

OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100

縦置き型輪行袋の定番品です。畳んだ状態でのサイズは縦18cm×横10cmとかなりコンパクト。

袋には長さを調節できるバックルベルトが付いているので、工夫次第でいろいろなところに取り付けられそうです。

OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100

広げてみました。真ん中に置いてあるのが、輪行袋が入っていた袋です。

フレームにタイヤを縛りつけて固定する中締めベルトが3本、肩に担ぐためのショルダーベルトが1本が付属しています。

輪行袋、付属品をすべてまとめた重量は約330gでした。超軽量型というだけあってかなり軽い。

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②エンド金具

L-100は縦置き型の輪行袋なので、リアエンド(後輪が付いているところ)を守るためにエンド金具というアイテムが必要になります。

OSTRICH(オーストリッチ)エンド金具 エンド幅135mm MTB向け

僕が購入したのは『OSTRICH(オーストリッチ)エンド金具 エンド幅135mm MTB向け』という商品になります。

ほんのちょっと値段が安い”ロード向け”という商品もあるのですが、クロスバイクで使用するときは必ず丸いスペーサーが付属している”MTB向け”を購入しましょう。

 

どういうことか?

リアエンドの幅はロードバイクが130mm、クロスバイクが135mmと決まっているのですが、エンド金具の幅はロードバイクの130mmに合わせて作られています。

そのため、クロスバイクでエンド金具を使用するときは5mm幅のスペーサーをかませて足りない分を補ってあげる必要があるのです。

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③スプロケットカバー

スプロケットとは後輪に付いている歯車のこと。

ギザギザした形状のため剝き出しにしておくと、輪行時に自転車のフレームを傷つけてしまう恐れがあります。

 

そこで活躍するのがスプロケットカバーというアイテムです。

OSTRICH(オーストリッチ)フリーカバー MTB用

僕も愛用している『OSTRICH(オーストリッチ)フリーカバー MTB用』という商品です。

OSTRICH(オーストリッチ)フリーカバー MTB用

裏はこのようになっています。スプロケットをすっぽりと包み込んで衝撃から守ってくれます。

ちょっと小さい”ロード用”という商品もあるのですが、エンド金具と違ってロードバイクでも”MTB用”を使用してまったく問題ありません。実践済みですのでご安心ください。

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④フレームカバー

フレーム全体をガチガチに覆う必要はありませんが、タイヤが接触する部分だけは保護しておいた方が安心です。

僕が使っているのは『TIOGA(タイオガ)フレームプロテクター』というフレームカバーです。

TIOGA(タイオガ)フレームプロテクター

大きなフレームカバーが2枚、さらに一回り小さいものが1枚入っています。

TIOGA(タイオガ)フレームプロテクター

計3枚入ってひとつの商品なので、なんだかお得な感じがしますね。僕は大きいサイズのフレームカバー1枚のみを使用しています。

ロングライドや自転車旅で余計な荷物を増やしたくないというのもありますが、フレームとタイヤが接触するのはほんの一部分なのでそれだけで十分なのです。

フレームカバーについては、わざわざ買わなくても家にあるタオルなんかで代用可能です。

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輪行袋に自転車を入れよう!手順を解説

それでは、実際に輪行袋に自転車を入れる手順を解説していきますね。

ここではクロスバイクを使用していますが、ロードバイクでも手順は一緒なのでご安心ください。

 

①輪行作業をする場所の確保

まずは輪行作業ができるスペースを探しましょう。

広い場所ならどこでもいいわけではなく、ほかの人に迷惑をかけないというのが大前提です。最低限のマナーは頭に入れておきましょう。

●人の往来が少なく、邪魔にならないところでおこなう
●扉の前、改札口付近、点字ブロックの上などでは作業をしない

輪行作業は、自転車を3台並べられるくらいの面積があれば十分です。

 

また、必ず地面が平らなところで作業するようにしましょう。

不安定なところでおこなうと、ふらふらとバランスの悪い自転車を支えるというひと手間が増えますし、不意に自転車を倒してしまう危険性もあります。

 

②輪行袋に入れるときに邪魔になるものを外す

このあとの手順で自転車をひっくり返すので、地面と接触するものは先に外しておきます。僕の場合だと、サイクルコンピューター、フロントライトです。

ボトルケージにささっているボトルはそのままでも大丈夫ですが、中身が入っている場合は水漏れ防止、軽量化のため捨てておきましょう。

 

③フロントとリアのギアをアウタートップに入れる

左右のシフトレバーを操作して、フロントとリアのギアを一番外側に移動させます。いわゆる”アウタートップ”と呼ばれる、ペダルがもっとも重くなるギア位置です。

クロスバイクのアウタートップ

フロントギアをアウターに入れる理由は、輪行袋をチェーンリング(ペダルが付いているギザギザした歯車)から守るためです。

チェーンがギザギザの歯車に覆いかぶさることで、ガードの役割を果たすんですね。

リアギアをトップに入れる理由は、後輪を外すときのお約束です。

 

輪行作業に慣れていないうちは、この作業を忘れがちなので注意しましょう!…と言いながら、写真をみるとフロントギアをアウターに入れ忘れている。失礼しました!

 

④前後のブレーキを解放する

クロスバイクではVブレーキを、ロードバイクではキャリパーブレーキを、それぞれ”解放”することで、はじめてタイヤを外せるようになります。

クロスバイクのVブレーキ解放

この作業も慣れないうちは忘れがちです。

僕自身も、「あれ?タイヤが外れない」と思ったらブレーキを解放していなかったということがよくありました。前後のブレーキを忘れずに解放しましょう。

 

⑤後輪を取り外す

前輪から外すか、後輪から外すか、自転車をひっくり返してから前後輪一緒に外すか・・・人それぞれ手順が違うと思いますが、僕は最初に後輪を外します。

外し方はとても簡単です。

後輪のクイックレバーを起こして、外れやすいように少し緩めます。そして、後輪を抑えながらサドルを持ち上げればガチャンと外れます。

チェーンにギアが引っかかっているときは、リアディレイラーを動かしてチェーンをたるませて、ギアが外れる余裕を作ってあげましょう。

 

⑥自転車をひっくり返して前輪を取り外す

後輪を取り外したら、そのままクロスバイクをひっくり返します。

輪行作業でひっくり返したクロスバイク

クイックレバーを起こして、前輪を取り外します。

外したタイヤは邪魔にならないように地面に置いておくから、壁に立てかけておきましょう。

 

⑦リアディレイラーを一番内側に移動させる

手順③で後輪を外しやすいように一番外側に移動させたリアディレイラーを、今度は一番内側にシフトチェンジしていきます。

内側に移動させることによって、万が一自転車を倒してしまってもリアディレイラーが地面と接触しにくくなります。

 

⑧エンド金具を取り付ける

エンド金具を取り付けないと、自転車を自立させることができません。縦置き型輪行袋では必須アイテムとなります。

OSTRICH(オーストリッチ)エンド金具 エンド幅135mm MTB向け

エンド金具を買うと専用のクイックレバーが付属していますが、僕は後輪に付いているものを外して流用しています。荷物を少しでも減らす工夫ですね。

エンド金具の左側に付いている丸い形をしたものが、クロスバイク用のスペーサーです。これがないとクロスバイクに取りつかなくなってしまうので紛失に注意

クロスバイクに取り付けたエンド金具

このエンド部分に取り付けていきます。

クロスバイクに取り付けたエンド金具

エンド金具が輪行時の””になるため、グラグラしないようにしっかり固定します。

 

⑨自転車を倒して”サドル”と”エンド金具”で自立させる

自転車を倒して、サドルの端とエンド金具で自立させます。

クロスバイクをサドルとエンド金具で自立

ハンドルをギアとは逆方向に倒すことで左右での重さのバランスがとれて、自転車から手を放しても倒れることはありません。

クロスバイクに取り付けたエンド金具

エンド金具を取り付けるときは、写真のようにチェーンの間にクイックレバーを通すことで、チェーンがフレームにあたるのを防ぐことができます。

 

⑩スプロケットカバー、フレームカバーを取り付ける

自転車のフレームを無用な傷から守るために、カバーを付けていきます。

クロスバイクのスプロケットカバーとフレームカバー

エンド金具で使用するために後輪のクイックレバーを抜いているので、スプロケットカバーをきれいにかぶせることができます。

フレームのど真ん中、もっとも他のパーツとの接触が多くて傷がつきやすい部分にのみ、フレームカバーを巻いておきます。

 

⑪タイヤで自転車を挟み込んで紐で固定する

ハンドルを持ち上げて、タイヤで自転車を挟み込みます。

クロスバイクをタイヤで挟み込む

このとき、ペダルの位置に注意です。

輪行するときは、写真の奥に回り込み右肩で担ぐように持ち運ぶことになるのですが、このようなペダル位置にしておくと体にぶつからないので快適です。

クロスバイクをタイヤで挟み込む

逆から見るとこのようになっています。タイヤがハンドルで抑えられて固定されています。

 

そして、3本の紐で自転車本体にタイヤを縛りつけましょう。

クロスバイクにタイヤを縛りつける

紐を縛る位置は大体このあたりです。

まずは3本の紐を仮締めしてから、持ち上げても緩まないようにグイグイと縛り上げてしっかり固定させます。

 

⑫肩掛け紐をペダルに括りつける

正確に言うとペダルが付いている根本の部分に括りつけていきます。

クロスバイクに輪行の肩掛け紐を付ける

肩掛け紐の一方に輪を作り、その中を通すように括りつけます。

もう一方は輪行袋に入れてから自転車に括りますので、見失わないようにしておきましょう。

 

⑬輪行袋を広げて自転車をガイド通りに置く

輪行袋『L-100』の底には、自転車を入れる方向のガイドが『サドル位置』『変速ギア位置』という風にわかりやすく描かれています。

クロスバイクを輪行袋に入れる

このように入れていきます。まずは、ガイドの上に自転車を置きましょう。

クロスバイクを輪行袋に入れる

とりあえず、ザックリ置いてしまって大丈夫。

 

⑭輪行袋を持ち上げて入れていく

一気に入れようとせずに、少しずつ輪行袋を持ち上げていきます。

入りにくいと感じたら、自転車を少し持ち上げてみましょう。自然に自転車の”置き位置”が調整されてスムーズに入ります。

クロスバイクを輪行袋に入れる

ペダルの根本に括りつけた肩掛け紐は、フロントフォークに引っかけておくと見失う心配がないので安心です。

この段階では、まだもう一方の先端はどこにも括らずにブラブラさせておきます。

 

⑮肩掛け紐をハンドルのステム部分に括りつける

自転車がおおむね輪行袋に収まったら、肩掛け紐に手をつけていきます。

クロスバイクを輪行袋に入れる

輪行袋の『変速ギア位置』側に穴が空いているので、そこから肩掛け紐を引っ張り出します。

クロスバイクのステムに肩掛け紐を括りつける

そして、ステムのところに括りつければ肩掛け紐は準備完了です。

 

⑯自転車を輪行袋の中に入れて紐を縛る

自転車を完全に輪行袋の中に収めていきます。

ここで重要なのが『輪行袋からはみ出している部分がないようにする』ということです。自転車の一部分でもはみ出していたら輪行のルール違反です。

改めて全体を確認して、しっかりと収まっていれば口に付いている紐を縛り上げましょう。

 

⑰輪行作業完了

これで、輪行作業が完了です!

クロスバイクの輪行作業完了

どうでしょう?きれいに収まっていますよね。

クロスバイクの輪行作業完了

肩掛け紐に右肩を入れて、自転車が右側に来るように担ぎます。

 

体に当たらないようにペダル位置を調整し、タイヤをしっかり縛っていれば、安定して持ち運びをすることができます。

下ろすときは、まずは後方のサドル側、次に前方の変速ギア側という順番にゆっくりと着地させるようにしましょう。

勢いよく下ろしてしまうと、いくら固定していてもエンド金具が曲がってしまう恐れがあります。

 

番外編:輪行を解除するときは?

基本的には、輪行袋に入れた手順を逆に辿っていけば元に戻せます

唯一違うところがあるとすれば、後輪を取り付けるときは自転車をひっくり返した状態でおこなっています。その方が作業しやすいと思います。

 

また、忘れがちな注意点として・・・

●手順⑦で内側に移動させたリアディレイラーを元の位置(一番外側)に戻してから後輪を付ける

●手順④で解放した前後のブレーキをしっかり戻し、効きを確認してから乗車する

このあたりをしっかりと確認しながら、自転車を組み立てましょう。

 

輪行のルール

どんなにコンパクトに収納しても、自転車は大きな荷物です。

通行人、他の利用者や乗客に少しでも不快感をを与えないように、決められたルールはしっかりと認識し、守らなければなりません

ここでは、もっとも利用頻度が高いであろう『電車での輪行』についてお話しします。

 

①混んでいる電車は利用しない
②先頭または最後尾の車両を利用する
③手すりに紐を括りつけて輪行袋を固定しない
④輪行袋から離れない
⑤優先スペースには絶対に置かない

①混んでいる電車は利用しない

基本的に、混雑時の電車で輪行するのはマナー違反です。

人口が集中している都市部などは、電車を利用する人が多いことも予想できますので、そのような路線はなるべく利用しないようにしましょう。

 

朝や夕方などの通勤時間帯など、乗客が多くなる時間帯も避けるのが無難です。運悪く一時的に車両内が混んでいる・・・というような場合は、電車を1本見送ることも必要です。

電車で輪行するときは、気持ちと予定に余裕を持つことが大切だといえます。

 

②先頭または最後尾の車両を利用する

どんな電車でも、乗客は真ん中の車両に近づくにつれて増えていき、端になるほど少なくなります。

迷惑にならないように、駅ホームに入ったらまずは端まで移動して、少しでも乗客の少ない先頭または最後尾の車両を利用するようにしましょう。

重い輪行袋を担いで移動するのは大変ですが、端の車両には車掌室の壁があるので置き場所に困りにくいという大きなメリットもあります。

 

③手すりに紐を括りつけて輪行袋を固定しない

車両内で”動き”があるのは駅に停車するときです。このとき、ほかの乗客の乗り降りの妨げになってはいけません

そのため、輪行袋は手すりなどに固定せずになにかあってもすぐに移動できる状態と心構えを作っておきましょう。

 

④輪行袋から離れない

基本的には輪行袋から離れないようにしましょう。

しっかり立てかけていても急ブレーキで倒れてしまうかもしれませんし、目を離していたら他の乗客の迷惑になっていることにも気がつきません。

輪行袋には常に気を配り、最大限の注意と配慮を持って電車を利用することが大切です。

 

ただし!③と④については、ケースバイケースな部分もあります。

例えば、地方のローカル線を利用したとき、乗客は自分以外おらず、新たに乗ってくる気配もない。

こんなときは、立ちっぱなしも大変なので、倒れないように手すりにしっかり固定して、近くのシートに座って待機する・・・というのもアリだと思います。

 

とはいえ、乗客が自分だけだからといって気配りを怠ってはいけません。疲れたから少し目をつぶろうなんて居眠りするのはもってのほかです。

いつ何時、人が乗車して来てもいいように気を張っておきましょう。

 

⑤優先スペースには絶対に置かない

電車内にある優先スペースは、車いすやベビーカーで乗車した人のためのスペースです。

絶対に輪行袋を置かないようにしましょう

 

おわりに

今回は『輪行』についてお話しさせていただきました。

最初は輪行って敷居の高いものに感じると思います。初心者の人だったら、まずタイヤの着脱で苦戦すると思いますし、なかなか気軽にはできませんよね。

ですが、数回おこなえばすぐに慣れると思います。何事もチャレンジです!

 

あと一歩のところで輪行に踏み出せない人は『やらざるを得ない状況』を、なかば強制的に作ってしまいましょう。

僕の場合は埼玉県から山梨県甲府市まで130kmを走って、電車で輪行して帰る・・・という状況を作り出し、そこに向けて準備をしました。

まずはサイクリングの計画を立てる。

そこからはじめて、輪行にはなにが必要?手順は?どんなルールがあるの?ということを学んでいき、実践するのです。

 

慣れないことをぶっつけ本番でやろうとすると、焦ってしまいトラブルの原因になります。本番を迎えるまえに、必ず2~3回は輪行袋への出し入れを練習してみてくださいね。

 

輪行で自転車の世界が広がる感覚を、ひとりでも多くの人に味わってほしいです。わからないこと、気になることがあれば、コメントでもメールでもお気軽にご連絡ください。

適切な手順とルールを守った輪行で、自転車ライフを満喫しましょう!

コメント

  1. PALCOM より:

    輪行方法を記した本記事が一番読まれているようですね。

    一点だけ気になったのですが、本記事中、自転車の一部が少しでもはみ出しているとマナー違反というのは、正しくはルール違反ですね(旅客運輸規則の定める「収納」に当たらない)。

    どうでもいい違いのように思えますが、ルール違反だと駅員や乗務員に拒まれたら乗車できないので、疲労困憊していたり、自走不能になってしまったケースだと非常に困ったことになってしまいます。

  2. PALCOM より:

    旅客運輸規則ではなく、正しくは旅客営業規則です。
    失礼しました。

    • にしき にしき より:

      該当箇所は、文言を『マナー』から『ルール』に訂正させていただきました。
      認識はしていたはずなのにうっかりしていました・・・。自分では気づけなかったので、ご指摘いただきとても助かりました!
      旅客営業規則に関しても、改めて勉強してみようと思います。
      ありがとうございます!

      • 通りすがり より:

        僕のクロスバイクは工具を使ってタイヤを外すタイプです。ママチャリみたいな?
        ワンタッチ金具に取り替えることができるんですか?

        • にしき にしき より:

          コメントありがとうございます!
          タイヤがボルトとナットで固定されているタイプのクロスバイクにお乗りなんですね。
          結論から言うと、おっしゃられているワンタッチ金具(クイックリリースと言います)に取り替えることは可能です。

          ですが、あまりオススメできない理由が2つあります。
          ①安全性が低下する可能性がある
          クロスバイクのフレーム機構にもよりますが、脱輪の危険性があります。
          ②お金がかかる
          ナット止め式からクイックリリース式に換装する場合、交換しなければいけないパーツが何点かあります。前後のタイヤ、チューブ、ホイール、後輪のギザギザした歯車(スプロケットと言います)です。安いのを買ってもトータルで35,000円、自転車屋での作業工賃5,000円、ザックリとした計算ですが約4万円ほどかかります。

          愛車で輪行を楽しみたいのであれば、手間はかかりますがモンキーレンチを持参してタイヤを外すのがベストかと思います。
          クイックリリース式で気軽に輪行を楽しみたいのであれば、現行のクロスを改造するのではなくプラス1〜2万円出して新しい自転車を購入するのも一つの手ですね。

          参考になりましたでしょうか?
          輪行は自転車の世界を広げてくれる素晴らしい移動手段です。ぜひ、自分の納得する方法を見つけてトライしてみてほしいです。

          なにかお手伝いできる方があれば、また気軽にコメントくださいね(^^)

  3. PALCOM より:

    東海道・山陽・九州新幹線で、特大荷物置き場(最後部座席と壁の間のスペース)が予約制になったようですね。

    予約制になったことを知らずに今までどおり自転車を置いていたサイクリストが、途中駅で乗り込んできた予約者に自転車をのけるように言われたりするのでしょうか?逆に、予約したサイクリストが予約していない外国人旅行者に特大荷物をのけるように指示しなければならないのでしょうか?

    予約制になると、違法輪行に対するチェックは厳しくなりそうです。

    • にしき にしき より:

      特大荷物置き場というのは、僕も何度か利用してブログでも写真を載せたあのスペース!?これは輪行サイクリストにとっては、聞き逃せないトピックです。
      PALCOMさんのおっしゃるような懸念も生まれますよね。正しく把握していないと、乗客同士でトラブルが起こりそうです。
      逆に予約制になるメリットは、予約さえしてしまえば自転車の置き場所には困らないことでしょうか?
      詳しくリサーチする必要がありそうですね。ちょっと確認して、早速記事にさせていただきます!
      貴重な情報をありがとうございます!

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