新型コロナウイルス感染症の脅威が続く2021年5月。
新しい生活様式や”巣ごもり自粛”なる言葉が生まれる一方で、換気100%の屋外で楽しむことができる”自転車”の需要は高まりました。
満員電車を避けるために、サラリーマンが通勤に使う交通手段を自転車にした…なんて話も聞いたことがありますよね。
そのような状況で迎えたゴールデンウィーク。自粛か?自転車旅か?とても迷いましたが、僕は旅に出ることにしました。
僕の住んでいる千葉県でも”緊急事態宣言”は発令していました。
そのため、他県への往来を自粛して、千葉県内で完結する千葉県一周、通称『チバイチ』にチャレンジすることにしたのです。
コロナ対策を万全におこない、誰にも迷惑をかけないように旅をしよう。自転車だったら、それができると確信して旅の準備をはじめました。
憧れの『チバイチ』始動———!
自転車旅に向けたコロナ対策
コロナ禍で自転車旅をすることに対して賛否はあるかもしれませんが、僕の旅スタイルだったら問題は少ないと考えました。
まずは、大前提として僕が自転車旅でおこなう新型コロナ対策についてお話していきます。大袈裟なものはなく、当たり前のことを実行するだけですけどね。
今回の自転車旅のテーマである千葉県一周『チバイチ』をおこなうキッカケです。
緊急事態宣言を発令している千葉県が他県への往来自粛を呼びかけているのであれば、素直に従い、協力させていただきます。
ただし!千葉県内は一周させてもらうぜ!
僕は普段の自転車旅からあまりお店には立ち寄らない方ですが、今回はより強く意識していきます。
補給食やドリンクは、出発前にある程度は用意しておきます。どうしても必要な場面では、滞在時間をできるだけ短くするように瞬時の判断で買い物をしていくことにしよう。
コンビニや宿泊施設ではマスク着用を徹底します!
これはもう、改めて宣言する必要がないくらい当たり前のことですよね。コロナ禍での”新しい生活様式”として、日常生活に定着しています。
ただし、ライド中はマスクを外させてもらいます。
運動中のマスク着用は息苦しく、喉の渇きを感じにくくなることから脱水症や熱中症を引き起こす危険性があるため…というのが判断の理由です。
その代わりに”ネックゲイター”を着用して口元を覆い、万が一の飛沫感染を防止していきます。
こんなところでしょうか?
単独でおこなう自転車旅の場合、新型コロナをそこまで過剰に恐れる心配はないというのが持論です。
その日のほとんどの時間を屋外でひとりで過ごします。一か所に留まっているわけではなく、時速20~30kmくらいで移動しているので、たとえ歩行者がいたとしてもすれ違うのはほんの一瞬。
お店や宿泊施設の人に接客してもらう機会はありますが、マスク着用している上に短時間。1日を通してでも、自分の範囲2m以内に人がいる時間は、おそらく5分にも満たないと思います。
コロナ禍での自転車旅に思いを巡らせ、自分の中で”大丈夫”という確信を得ることができました。あとは、無事故で完走すること。それに尽きます。
千葉県一周に出かけましょう
2021年のゴールデンウィークは新型コロナへの対策をしながら、自転車旅をおこなうことを決めました。では、具体的にはどこをどう走ろうか?
他の県に足を踏み入れることなく、千葉県内でサイクリングを完結させるのが前提。千葉県で走りたいところといえば、やはり”房総半島”でしょう。
房総半島はサイクリングを推奨していて、都内から『B.B.BASE(BOSO BICYCLE BASE)』という自転車をそのまま載せられる電車で行き来することができます。
素晴らしいですよね!まさにサイクリストのために作られた電車。
「よし!房総半島を一周しよう!」
善は急げと地図とにらめっこしていると、当たり前の話なんですが、房総半島って千葉県の大部分を占めていることに改めて気がつきました。
その様子はもはや”房総半島県”といっても過言ではない。いや、あるか。
とにかく、それに気づいた僕は、「あれ?もう少しがんばれば、千葉県一周できるんじゃない?」と考えて、今回の自転車旅を『チバイチ』にしたというわけです。
正直なところ、そのときまで、自分が千葉県を一周するなんて発想すらありませんでした。それは走行距離や難易度の問題ではなく、単純に千葉県が”自分が住む県”だからです。
生活圏から離れることで得られる解放感も自転車旅の魅力のひとつだと思っているので、「より遠くへ…」という気持ちになってしまうんですね。
なんだか、いいですね!
コロナ禍じゃなかったら、自分が生活するこの地に目を向けることはなかったかもしれない。この特殊な状況だからこそ気づけたことにチャレンジする。
なんだかすごく前向きじゃないですか?これを機に、千葉県をじっくり堪能しよう!
自転車旅で使える日数は3泊4日。この期間内に千葉県を一周しなければなりません。
「…そもそも、千葉県の外周って何キロあるの?」
調べてみたところ”約520km”だそうです。結構あるな。4日で割ると1日130km…だったら、走れないこともないか?
多少の無茶は要求されそうな雰囲気がガンガンに漂っていますが、いいでしょう。走りましょう。僕の辞書に『案外距離があったから止める』という言葉はないのだ!
走行計画を立てる
いろいろと考えたり、不都合なことからは目を背けたりしながら立てた走行計画がこちら。
ザックリとですが地図を作成したので参考にしてください。
自宅を出発して、まずは旅の出発地点である流鉄流山線の『流山駅』にむかいます。
そこから江戸川サイクリングロードを走り、北上して野田市の『関宿城』を経由して、利根川サイクリングロードに乗り継ぎます。
あとは利根川沿いでひたすらペダルを回し、1日目のゴールは銚子市です。クロスバイクで銚子市まで走ったことがあるので、「問題ないだろう!」という妙な自信があります。
距離は長いですが、道中のほとんどが平坦なサイクリングロードなのであまり心配はしていません。
我らが千葉県のマスコットキャラクター『チーバくん』で説明すると、鼻孔(流山駅)を出発し、鼻先(関宿城)をぐるりと回ります。
そのまま、眉間、おでこ、頭を通って、耳の先の銚子市まで走る。そんなイメージです。
正確にどこからどこまでが房総半島なのかよくわかっていませんが、2日目は房総半島を走っていきます。
ただひたすらに海沿いを走る。これだけです。
チーバくんでいうと、耳の先を出発して後頭部、首の後ろ、お尻を通って、アキレス腱あたりにある南房総市まで走っていきます。
チバイチもいよいよ後半戦突入。
1日目・2日目共に160km超えのライドですが、この日からは走行距離を少し落としていきます。体力がある前半に距離を稼ぐ作戦ですね。
南房総市を出発して、チーバくんのつま先である洲崎(すのさき)灯台、おへその富津岬をきちんと経由して、みぞおちあたりの袖ヶ浦市がゴール。
ほんのわずかですが観光スポット的なところに寄れるので、楽しみ。特に富津岬にある『明治百年記念展望塔』は不思議な形状をしていることで有名なのです。
最終日。100kmを切る比較的短いルートを設定したのには理由があります。
袖ヶ浦市あたりから工業地帯に入り、先に進むと都市の中心部に向かうので交通量が多くなるそうなんです。
疲労がたまった体で走ることになると思うので、安全のためなるべく距離を減らそうとした結果です。少々過敏になりすぎて、前半と後半の走行距離の落差がすごいことになってしまった。
すっかりおなじみになったチーバくんでいうと、みぞおちの袖ヶ浦市を出発して、胸の市原市を走り抜ける。首、喉を通って、あごにある浦安市のディズニーランドで記念撮影。
初日に走った江戸川サイクリングロードに戻り、出発地点である鼻孔の流山駅でチバイチ完走!
こんな感じで千葉県一周『チバイチ』の走行計画を立ててみました。前半の2日間が鬼門すぎますが、考えなしにこのような配分にしたわけではありません。
千葉県は山岳が少なく、全体的に平坦な道が多いのです。チバイチのルートにいたっては、道中ほぼ平坦と考えて間違いないでしょう。
サイクリングロードを走れる区間も非常に多いため、他県よりも圧倒的に楽に走れる!というのが千葉県の強み。そのため、少し無茶な計画のようですが完走できるはずなのです。
3泊4日の旅に持っていく道具たち
過去におこなった自転車旅を参考にして、持参する道具を取捨選択していきます。
・ヘルメット
・サイクルキャップ
・サイクルジャージ
・アンダーウェア
・ハーフパンツ
・アンダータイツ
・パット付きインナーパンツ
・グローブ
・SPD-SLシューズ
・靴下
・ネックゲイター
・マスク(人と接する際のみ着用)
サイクリングをするときのおなじみ装備です。5月なのでそこまで寒くないと予想して、防寒具はリュックサックの中にしまっておきます。
注目すべき初アイテムは”ネックゲイター”ですね。
運動するときの負荷、いわゆる”運動強度”が高いロードバイクでのサイクリング。
走っている最中にマスクをしていると、息苦しさを感じたり、のどの渇きに鈍感になってしまったり、熱中症や脱水症を引き起こす可能性が高くなってしまいます。
そこでネックゲイターの出番。通気性のいい素材でできているので、口元を覆ってもマスクほどは苦しくないと思いますし、自らの飛沫を飛散させる心配もなくなります。
UVカット機能もあるので、首回りの紫外線対策にもつながるのはありがたいですね。
きちんとしたマスクは、サイクルジャージの背中ポケットに収納しておきます。
走行中以外は常時着用して、安全安心なサイクリングを心がけます。
・輪行道具(輪行袋、エンド金具、フレームカバー、スプロケットカバー)
・パンク修理道具(携帯ポンプ、タイヤレバー、予備チューブ×2、修理パッチ)
・アーレンキー
・鍵
千葉県を一周して自宅に戻るため、輪行道具のお世話にならないのが目標ともいえます。
ただ、長距離を走る自転車旅ではなにが起きるかわからないため、輪行道具を持参するのは”絶対”ですね。かさばりますが、自走不能になったときに帰宅手段がないのは怖すぎる。
本州最北端・青森県大間崎をめざす旅では、予備チューブを購入できるお店が見つからず、苦肉の策としてホームセンターで”修理パッチ”を購入しました。
結局、使うことはなかったのですが最初から持っていた方がいいな…と痛感したので、今回の旅では忘れずに持参します。
安価で購入できますし、もの自体も小さいので、お守り代わりとしてサドルバッグの中に忍ばせておくことにします。
・着替え衣類(Tシャツ、ハーフパンツ、下着、靴下)
・島ぞうり(ビーチサンダル)
・速乾性フェイスタオル
・ハンドタオル
・財布(現金、クレジットカード、保険証など)
・スマートフォン
・デジカメ
・モバイルバッテリー
・充電器類
・洗面具(歯ブラシ、歯磨き粉、洗顔剤、髭剃りなど)
・消臭剤
・救急用品(絆創膏、オロナイン、頭痛薬など)
・日焼け止め
・トラベルノート
着替えは各1着、最低限を持参します。もちろん毎日洗濯することを前提にしますが、時期的にそう汗もかかないでしょうから最悪はファブリーズの消臭&除菌効果で乗り切ります。
観光、夜間の外出、リタイアで輪行することになったとき用に軽くて歩きやすいマリンシューズを…と思っていたらビワイチで紛失していたんだった。
急きょ石垣島で購入した”島ぞうり”を持参。いわゆるビーチサンダルですが、島ぞうりと呼ぶことにこだわりを感じてほしいところですね。
少し重くなっても洗面具とトラベルノートを持参するのは、僕の中の旅ルールみたいなもん。
トラベルノートについては別記事を参考にしてください。
こういうノートが1冊あると、なんというか旅がおもしろくなると個人的には思っています。自分の軌跡や思い出が蓄積されていく感じが好きなんですよね。
旅に持参する道具はこんなところですね。お決まりになりつつあるラインナップですが、これで困ったことはないので現状での最適解と言えるでしょう!
次回はいよいよ出発!
このような流れでコロナ禍での自転車旅に踏み切り、走行計画や道具の準備を進めてきました。
次回はいよいよ出発です!2泊3日の旅路では、どのような景色や出会いが待ち受けているのか?楽しみでなりません。
なんだかんだで、「都道府県を丸々一周しよう!」というテーマで走るのは初めての経験。千葉県への理解度も深まり、より愛着が湧きそうなのでその点もワクワクします。
千葉県一周520kmを超える長距離に渡るライド。
前述したとおり『サイクリングロードを多用する』『千葉県は全体的に平坦』ということもあり、そこまで道中の心配はしていませんでした。
しかし、そこに僕自身の”見通しの甘さ”という悪癖と”雨男”という要素が加わることで、この自転車旅もブログのネタに困らない内容となりました…。
一体なにがあったのか?それは、走行編をお楽しみください!
~次回のライドはこちら~
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