2021年5月。待ちに待ったゴールデンウィークの到来です。
今回の自転車旅のテーマは千葉県一周、通称『チバイチ』へのチャレンジ!
そのキッカケとなったのは、コロナ禍における他県への往来自粛。本来はネガティブな要請なのですが、逆転の発想で自分が住んでいるの千葉県を丸ごと楽しむことにしたのです。
新型コロナ対策をしっかりおこない、千葉県をぐるりと走っていきますよ~!
~前回のライドはこちら~

夜に音声配信アプリ『stand.fm』で旅の備忘録を兼ねて、ライブ配信をおこないました。
リアルな体験談を話していますので、ぜひご視聴ください。
銚子市に向けて出発
千葉県一周自転車旅の1日目は流鉄流山線の流山駅を出発して、銚子市まで走ります。
千葉県のマスコットキャラクターである『チーバ君』で例えると、鼻の付け根を出発して、鼻先をぐるりと回り、そのままオデコ、頭を通過して、耳の先にある銚子市をめざします。
なんとなくイメージ湧きました?
Googleマップでざっくりと調べたところ、走行距離は約166kmとのこと。かなりの長距離ライドになりますが、「大丈夫だろう!」と考える理由がありました。
●千葉県はアップタウンが少なく、平坦道が多いため体力の消耗を抑えられること
●過去に茨城県取手市から銚子市まで走った経験があること
これらの理由に加えて、出発までの間、ほぼ毎日のようにスピンバイクで自分なりにトレーニングを積んでいました。

少しはパワーアップしているだろうという期待もあり、「166km程度、軽く走ってやるわ!」なんていう強気な気持ちが芽生えていました。
いよいよ、出発の日がやってきました。頭上には青空が広がっており、雨男の僕にしては非常に珍しい絶好のサイクリング日和です。
流山駅を朝6時に出発できるように自宅を出ます。軽くウォーミングアップをするつもりでペダルを漕ぎ、気がつけば到着していました。
朝焼けに照らされる流山駅。レトロな雰囲気が漂う、昔ながらの駅です。千葉県一周のスタートにはふさわしい場所かもしれませんね。
それでは、走行距離550kmを超えるチバイチの旅に出かけよう!気合いを入れて、最初にひと漕ぎを踏み出します。
最初にめざすのは江戸川サイクリングロードです。流山駅からの距離は短く、迷うことなくあっという間に到着することができました。
ここは、なんとなく自分の中では”走り慣れた道”になっています。
日本横断自転車旅のときは、この道を使って出発地点である葛西臨海公園まで行きましたし、今日最初のチェックポイントである『関宿城』にも数回ほど訪れたことがあります。
チーバ君の鼻先にある野田市の関宿城。江戸川サイクリングロードをひたすら北上すればたどり着くので、気楽なものです。
それにしても、本当に天気がよく、風も少ないので最高ですね。
サイクリングロードは整備されているので快適なのですが、時期的に道端の雑草が伸び始めていて、路上に進出しているエリアもあります。
ここよりも雑草が伸びているところもあるくらい、生い茂っています。生命の力強さを感じるぜ。
道幅が狭くなっているので、歩行者や自転車とのすれ違いには注意が必要。安全のためにも、譲り合いではなく”自分が譲る精神”でいきましょう。その方が間違いない。
過去に通過したことのある場所は、これから走る距離を考えるとなるべく速く進んでいくのがベストなのかもしれません。
しかし、暖かい太陽光を浴びていると、どうしてもまったりライドになってしまいます。
時刻は7時20分、関宿城に到着しました。
流山駅からの距離は約30km。ぼちぼちなペースで走れていますね。
せっかくの自転車旅なので、急いでも仕方ない!…という気持ちが強く生まれています。先は長いので、無理せず走っていこう。
晴天の中でのサイクリング
関宿城には自動販売機や公衆トイレがあるので、サイクリストの休憩場所にも最適です。少しだけ休んだら、再び出発です。
チーバ君の鼻先をぐるりと回ろうとしたときに、問題が発生しました。
まさかの通行止め!?『この先工事中につき、通り抜けできません』とのことでした。
自転車旅を開始して早々に”千葉県をきれいに一周する”という野望は崩れたわけですが、こればかりは仕方ない。あまり気にしないようにしよう。
長距離を走るわけですから、遅かれ早かれこういうことは起きるはずです。
ふたたび関宿城に戻り、迂回路を探します。
このあたりは過去、栃木県日光市までサイクリングしたときに走っているので、なんとなくの土地勘はあります。
とりあえず、利根川沿いに出ればいいんでしょ?くらいの感覚でロードバイクを走らせます。
関宿城から坂道を下っていると、野田市関宿の田園風景が目に飛び込んできました。思わずブレーキをかけて立ち止まり、写真を撮ります。美しい風景で癒されますよね。
しばらく走っていると、通行止め区間の終了地点にドンピシャで到着。無事に利根川サイクリングロードに合流できたので、銚子市に向かって進むことにします。
しかし、実はこの先のルートについて、あまり下調べをしていなかったんですよね。
「利根川沿いに走っていれば、銚子市にたどり着くだろう!」
そんな風に考えていました。
もちろん、まったくの無根拠な自信からではなく、過去に利根川サイクリングロードを使って、茨城県取手市から銚子市まで走った経験に基づいての判断でした。
誤算だったのは、野田市関宿から走行経験のある地点までの道のりが、結構ややこしかったこと。道がわからず、右往左往するはめになるのは、もう少し先のお話です。
利根川沿いには、土手の上と下を通る道路がそれぞれ1本あるのですが、僕はタイミングを逃してしまい土手の下の道を走ることになりました。
川こそ見えないものの、そこそこ快適な道が続いて…いくはずだったのですが、10分くらい走ると突然”砂利道ゾーン”が出現してげんなり。
未舗装路があります当然スピードを落とす必要がありますし、パンクの可能性も上がります。サイクリングにおいて、いいことはひとつもありません。
強いていうなら、ブログのネタになることくらいか?それだけじゃ釣り合いがとれないよ!
幸いなことに、そこまで激しい砂利道ではなかったので、ロードバイクに乗ったまま慎重に進んでいきます。
土手の上に続く道を待ち続け、10分くらい走っているとついに現れました。その道自体も舗装されていなかったため、「上り坂の砂利道はさすがにコケる…」と、降りて歩きます。
そして、ついに利根川サイクリングロードに上がることができました。助かった。これでスピードを出して走れる。
悠々と流れる利根川沿いを、ひたすら走る。これが、これだけが今日の走行計画です。
ふと視線を落とすと、川の手前に整備されて走りやすそうな道路が通っていました。
思わず、「あそこを爆走できれば気持ちよさそう…」なんて考えたのですが、どうやら河川の整備や工事をする車両専用の道路らしく、一般人は立ち入り禁止でした。残念。
出発から2時間が経過しましたが、まだまだチーバ君の鼻先を少し走ったくらい。今後の行程のことも考えて、飛ばせるところはなるべくペダルを回していきましょう。
気が付けば”野田市”一周に?
しばらく走ると、橋が現れました。千葉県野田市と茨城県坂東市を結ぶ『下総利根大橋』です。昔は橋を渡るのにお金が必要だったみたいですが、令和2年1月から無料開放されています。
川沿いサイクリングの楽しみといえば、橋を眺めることです。構造や種類などの詳しい知識はありませんが、陸と陸を繋ぐその様子を見ているだけで、なんだかワクワクしてきます。
あとは、まぁ、川の眺めはあまり変わり映えせず、割とすぐに見飽きてしまいますからね。たまに現れる橋はサイクリングのいい刺激になるというわけです。
少し雲が多くなってきましたが、天気は最高。軽快に走っていると、再び橋が現れました。
この『芽吹大橋』のふもとで利根川サイクリングロードはブツ切りになっており、横断歩道のない車道を渡らなければなりません。
交通量が多く、車があまり途切れないので、焦らずに安全なタイミングを見計らいましょう。
無事に横断すると、大きく『とねがわ』と書かれた看板があったので記念撮影。
いいですね!利根川サイクリングロードを走っている感がにじみ出た1枚が撮れました。
そこから4kmほど、まったりとしたサイクリング。河川敷を眺めながら、「サッカーグラウンドがあるなぁ…」なんて見たまんまのことをつぶやいていると、前方で異変が発生。
サイクリングロードが途切れてる!?どうしよう!
「…なぁんてね」
こうなることは、インターネットで情報を集めているときに確認済み。その対処法もバッチリ予習をしていたので抜かりはありません。
あるサイクリストの方のブログ記事に写真付きのわかりやすいルート解説が載っていたので、参考にさせていただきます!
勉強したところがドンピシャでテストに出題された小学生のように、「ブログで見たのはこのT字路だ!」とか、「この建物を右折だな!」なんて、テンション高めに走っていると、ふたたび川沿いまでやってくることができました。
これが利根川なのかな?快適そうな道が続いていて安心します。空も青々としていて、とても気持ちがいい。思わずパシャリと写真を撮影。
よく撮れていますね!…って、あれ?ここで正真正銘の”異変”を感じます。
立っている案内標識に『江戸川から4.5km』と書いてあるぞ?これから調子に行くのだから、江戸川に近づくのは絶対におかしい。
改めてブログを見返してみると、なんてこった!これは千葉県一周ではなく、千葉県野田市を一周することを目的に書かれた記事だった!
思いっ切り勘違いしていました。例えるなら、一夜漬けでテスト勉強したのにもかかわらず科目を間違えたようなものですね。うっかりミスにもほどがあります。
危うく、今まさに走ってきた江戸川まで戻るところでしたが、そうなる前に気がついたのでよしとしておこう。そうしよう。
砂利道、農道、右往左往
兎にも角にも、利根川まで戻る必要があります。
スマートフォンで地図アプリを見ていると、どうやら左手側に流れているのは江戸川と利根川を繋いでいる『利根運河』であることが判明。
なるほど、そういうことだったのか。頭の中でなんとなくの地図ができあがり、妙に納得することができました。
来た道を国道16号まで戻り、柏大橋の脇から利根運河沿いの道に入っていきます。先ほど間違って進もうとしていた方向とは真逆、利根川方面に向かいます。
利根川サイクリングロードが途切れたところから、千葉県道7号を走るのが正解だったのかな?…と後になってから思います。
まぁ、これも経験!なにはともあれ、利根川運河沿いを進んでいけば大丈夫。確実に正しいルートに復帰することができるでしょう。
道幅こそせまいものの、整備されていて快適なサイクリングが楽しめます。
対岸に、名前はわかりませんが高校?…が現れました。何気なく眺めていると、白い練習着の野球部らしい団体が土手を駆け上がるトレーニングをおこなっていました。
うさぎ跳びやタイヤ引きを連想させる”古風”な練習法に、なんとなくニンマリ。彼らも青春真っ只中でしょうが、その点については僕も負けてはおりません。
青春のペダルをブン回していくとしましょう!
そして、無事に利根川に戻ってくることができました。少し道に迷いましたが、ここまでは順調に進んでいます。
この調子だ!…という意気込みとは裏腹に、この先、僕が過去におこなったサイクリングの中でも1位・2位を争うほどの過酷な旅路が待ち受けています…。
意気揚々と利根川沿いの道を走っていたのですが、急に荒れたオフロードが出現。とてつもない砂利道です。なんだこれ?
『これより先は、河岸管理用道路です。関係者以外、車両通行禁止』
おいおい、待ってくれよ!ここは利根川”サイクリング”ロードじゃないのか?
ごていねいに”通行禁止”なんて書いてありますが、こんな未舗装の道路じゃ走りたくても走れないよ!
とりあえず、土手を降りてみることにしたのですが、絶望は続きます。
ほとんど予想はしていたのですが、思わず半笑いで叫んでしまいました。
「こっちもかーい!」
とはいえ、土手の上ははっきりと自転車で走ることが禁止されていたので、こちらを進むしか文字通り”道”がありません。
幸いにも石はそこまで細かくないので、スピードは出せませんが、なんとかロードバイクに乗ったまま走れそうです。ほとんど徐行ですが押して歩くよりは速いでしょう。
慎重に砂利の上を進んでいると、道が二股に分かれていました。利根川沿いに続く道、離れる道のY字路です。なにこれ、どっちに行けばいいの?
とりあえず、利根川から離れる道を進んでみると、田んぼの中を通る1本の大きな道路にぶつかりました。一見して、「ここは走りたくないな…」と本能的に思います。
大きなといっても”農道にしては”という意味で、中央線もなく、決して広いわけではありません。
抜け道にでもなっているのか交通量は多いですし、信号機もないのでドライバーの皆さま、かなりスピードを出されております。
なにより、自転車にとってのセーフティーゾーンである路側帯がない!ここを走るのは難儀だ。
トラブルも自転車旅の醍醐味か
仕方なく引き返して、再び土手に上がってみます。自転車に乗れないレベルの砂利道を押して歩いていると、ついに舗装された道に切り替わった!…のですが、例の通行禁止の看板とセットです。
「…いっそ、このまま走ってやろうか!」
そんな悪魔の誘惑を振り払い、元来た道を戻ります。まさに、右往左往という言葉がぴったり。
土手を降り、先ほどのY字路で今度は利根川沿いの道を歩きはじめますが、いつまで続くかわからない砂利道に心底うんざりします。時間ばかりが過ぎていき、もどかしい!
多分、チバイチはここを走る…みたいな、暗黙の”正規ルート”があるとは思うんですよね。
「利根川沿いを走っていれば、銚子市にたどり着くでしょう!」
そんな風に気軽に考えていた出発前の自分をど突きたくなる半面、予定調和でなにが楽しい?未知の冒険こそ自転車旅の醍醐味よ!…という気持ちもあります。
そんな複雑な思いに駆られながら、この状況を打破すべく決心をします。
利根川と別れて、さっきの農道を走ろう!すでに体験したとおり、このあたりの川沿いは通行禁止や砂利道が当たり前のように存在しているので、ロードバイクで進むのは不可能と判断しました。
それは、しばし利根川と別れること。このあたりの川沿いは、先ほどのような通行禁止や悪路が当たり前のように存在しているので、ロードバイクで進むのは不可能と判断しました。
この区間を無事に通過したら再び合流することを誓い、利根川に背を向けます。また、会おう!
そんなこんなでやってきた、例の農道。
どうです?怖いでしょう?ここで引き返しても地獄なので進むしかありません。
車が途切れるタイミングを見計らって、農道をゴー!砂利道をノロノロ走っていたフラストレーションを爆発させてペダルを回す!回す!
幸いなことに、ほとんど車が通らなかったので安全に走り抜けることができました。
突き当たった国道6号の脇道を走り、大利根橋あたりで利根川に無事合流。
振り返ってみると、通行止め&砂利道区間を抜ける正規ルートは、この”農道を突っ走る”だったように思います。勇気を出して走ってよかった。
舗装されているサイクリングロードは本当に快適ですね。さぁ、銚子市までひとっ走りだ!
トラブルを回避して気分は上々。
出発前に入念な下調べをしていたら回避できていた気もしますが、あんまり決め込んで走るのもおもしろくない!…という言い訳をしながら、ペダルを踏む足に力を入れます。
右往左往して遅れた分を取り戻そう!そんな気持ちで走っていたのですが、この先で”回避不能”なトラブルに見舞われます。
自転車旅というのは、本当に刺激的。そんなことを改めて実感することになりました。
次回、1日目の後編をお楽しみください!
~次回のライドはこちら~

コメント
こんにちわ。楽しく読まさせていただきました。我孫子市に住むロードバイク乗りです。農道を走られたということで、地元のチャリダーはあの場所が危険ということが知っているので絶対に走りません。車で走行していて時々自転車で走行している方はきっとそれを知らないんだろうと思います。それではあの道を通らないためにはどうすれば良いかですが、新大利根橋から一度茨城県側にわたり、そこからしばらく走って大利根橋もしくは栄橋というとこからまた千葉に戻るというのが正解です。あの区間は完全にサイクリングロードが分断されていますので。もう走ることはないと思いますがご参考までに
ばんどうたろうさん、コメントいただきありがとうございます。
あの農道は本当に恐怖でした。やはり地元チャリダーの方々は避けて通る道路なのですね。思い返しても、なんと危険なことをしたのか…と自分自身で反省しています。
Googleマップで確認してみましたが、新大利根橋から栄橋まで15kmくらい茨城県側を走るのがベストなのですね。ブログ記事を加筆修正する際に、正しいルートとして載せさせていただきます。アドバイス、ありがとうございました!
かなり長い区間、サイクリングロードが分断されているようですが、なんとか繋がらないものか…なんて考えてしまいますね。
千葉県は道の整備が悪い 分かりにくい 景観が良くないと自転車で走るには向いてないと思います 少しは良くなったかと太平洋岸自転車道に去年行きましたが千葉県が一番最悪でした
千葉県で走るのはやめましょう
コメントありがとうございます。
千葉県はサイクリングに向いていませんか!2回に分けてチバイチを達成した身からすると、言わんとしていることは正直わかる気がします。
個人的には思い入れがあって好きですけどね。
どこかオススメがあれば教えてください。太平洋岸自転車道をひたすら走るのも楽しそうですね。