河口湖一周サイクリングを走りおえると、見計らったように雨が降ってきました。
ここからは富士ヒルモードに突入です。まずは受付に行きましょう!
2022年6月。
日本最大級ヒルクライムイベント『第18回Mt.富士ヒルクライム』の参加記録です。
僕が目標達成に向けて用意した”10の秘策”とは!?
~前回のライドはこちら~
~前回大会の様子はこちら~
雨の中の前日受付
受付会場は富士吉田市の『富士北麓公園』にあります。
降りしきる雨の中、やってきました。友人Kは車の中でお留守番。単身で乗り込みます。
公園内を歩いていくと、正面に『陸上競技場』と書かれた建物があらわれました。受付会場はこの先になります……が、関係者以外は入れなかったのでぐるりと迂回します。
会場の入口には、おなじみの大きな看板。
『Climb Japan!』
いいですね!テンション上がります。
昨年に引き続きコロナ禍ということで、検温をおこなうテントが設置されていました。
体温に問題がなければ通過できます。
その証として、腕に赤い紙製のリストバンドが巻かれます。感染防止対策を徹底しているため、安心して参加できますよね。
コロナ禍における感染防止対策については、前回大会の記事で詳しく触れています。
興味があれば読んでみてください。
さて、今年の富士ヒルの様子はどうだ?
雨が降っているせいか、時間帯のせいか、人が少なく感じましたが、それでも昨年よりは全体的に活気がある印象。
出店の数も増えているようですね。
ゆっくり見て回りたいところですが、友人Kを待たせているのですみやかに進もう。
トラックを半周くらい歩くと、受付テントが並んでいるのが目に飛び込んできました。
今回の大会では”参加通知書類”は郵送されてきません。すべて、メールで送られてくるURLからのデジタル確認となります。
ナンバーカードの引き換えに必要な”参加票”をスマートフォンに表示するか、紙に印刷して持参することになっています。僕は心配性なので紙で持ってきましたよ。
そして、無事に受付が完了しました。
こちらが戦利品です。
チラシやパンフレットの他に、補給食や富士吉田市の名物うどん、チェーンオイル、ステッカーなどをいただくことができました。
そして、写真左上の参加賞は『ネックゲイター』でした。ネックウォーマーよりも薄手ですが紫外線カットやある程度の防寒をしてくれるアイテム。僕も多用しています。
そして、道中の出店で購入したものがあります。
ツール・ド・フランスの山岳ジャージを思わせる赤い水玉の『サイクルボトル』です。
持参するつもりがすっかり忘れました。そんなにガバガバ飲みはしませんが、あるとないとでは精神的な安心感が違います。
次に下山用の荷物を準備しよう。
シューズカバー、レッグウォーマー、UNIQLOのウルトラライトダウン、モンベルのサイクルレインウェアの4点を受付でもらったビニール製の巾着袋に入れます。
あ、しまった。
サイクルジャージも入れるつもりだったのに、今まさに着ちゃってる。しかも、その下はタンクトップ1枚のみ。
雨の降る中、二の腕を出しながら車まで戻るのは寒すぎる……というわけで、サイクリングジャージはあきらめることにしました。
明日、会場まで走るときにも着るし、むしろ入れない方がいいな。
すべてを入れおわったら、巾着袋にナンバーの書かれたシールを忘れずに貼りつけます。これがないと五合目で自分の荷物を見失いますからね。重要です。
さて、準備が整いました。
競技場をあとにして、五合目行きの『荷物預かりカゴ台車エリア』に向かいましょう。
道中、おもしろいものを発見。
『レース前日にできる足つり対策』
マグネシウムに特化した栄養機能食品のメーカーである『Mag-on』の出店。足つり対策がおこなえるエネルギージェルを無料配布しているらしい。
「ほほう、自分と同じような発想をしているとは……」
思わずニヤリとしてしまう。
それというのも、今回の富士ヒルはタイムを縮めるために”10の秘策”を用意したのです。詳しくは、おいおい話していきましょう。
五合目行き『荷物預かりカゴ台車エリア』に到着しました。
ナンバーに対応した台車に荷物を預けます。
これが、当日はゴールの富士山五合目に運ばれて、各自で受け取り、防寒具を着て山を下るというわけですね。
荷物を預けられるのは前日のみ。忘れてしまうと巾着袋を背負って山を上るか、極寒の中をダウンヒルすることになります。
冗談抜きで命にかかわるので要注意です。
前日受付のすべてが完了しました。
友人Kと合流して、本日泊まる宿に向かいましょう。長い1日だった。
走れ!ウォーミングアップライド
富士ヒルは完走タイムによって色分けされた”フィニッシャーリング”が贈呈され、挑戦のモチベーションアップに一役買ってくれます。
ハンドルの高さを調整するステアリングコラムスペーサーで、完走したタイムによってもらえるリングの色が変わります。●プラチナ…60分(1時間)切り
●ゴールド…65分(1時間5分)切り
●シルバー…75分(1時間15分)切り
●ブロンズ…90分(1時間30分)切り
●ブルー…完走
僕のこれまでの走行タイムは以下のとおり。
第17回(2021)……2時間7分
なかなかの体たらくですね。
僕がめざすのは90分(1時間30分切り)のブロンズリング!……なんて、口が裂けてもいえるようなタイムではありません。
100%達成できない壁は目標になり得ないので、今回は”2時間切り”を達成しよう!
身の丈に合った目標タイムを達成するため”10の秘策”を用意しました。
実践した順番にご紹介していきましょう。
年明けくらいから、なるべく毎日『スピンバイク』に乗るようにしました。
スピンバイクとは室内でペダルを回す運動ができるトレーニング器具。
やることは、負荷を強めにして30分間ひたすらペダルを回す。それだけです。
トレーニングといえるほどのものじゃありませんし、半年で鍛えられるかわかりません。
しかし、「富士ヒルに向けてやった!」という気持ちは自信につながり、プラシーボ効果かもしれませんが”力”になるはずです。
僕は単純なので、人よりも思い込みの恩恵は大きいことでしょう!
前日の夜にたくさん食べるようにします。夕ご飯はもちろんですが、食後もバクバク食べて体内にエネルギーを蓄えるのです。
冬眠前のクマ作戦とでも名付けましょうか。
過酷な富士ヒル。正直、どのくらいのカロリーが必要になるのか正確に把握していませんが、とにかく大量のエネルギーを使うという意識だけはいっちょ前にあります。
そこで、「体の中にはエネルギーが蓄積されている!だから大丈夫!」という精神的な安定を得るために食べるのです。
ここまでが、前日までにしたこと。話を富士ヒル当日の朝に戻します。
大会当日の朝は早く、6時半に起床。直後に”10の秘策”を発動!
当然、朝ご飯もしっかり食べます。
スタートする時間から逆算して1~2時間くらい前に食べると、いい塩梅に消化されエネルギーになってくれるらしい。
そして、あまりきれいな話ではありませんが……トイレにこもります。
たくさん食べるのはチャージができる反面、「お腹が痛くなったらどうしよう」という不安を抱く”諸刃の剣”でもあるのです。
そうならないよう、とにかく出す。身も心も軽くなり一石二鳥。
時刻は7時30分。友人Kの激励を受けて、宿の外に出ます。
ロードバイクにまたがり、ここで畳みかけるよう秘策を発動します。
昨年までは近隣駐車場を利用して会場に訪れていましたが、今回は宿から『富士北麓公園』まで自走することにしました。
距離は12km程度なので、いい準備運動になるというわけですね。
会場にはウォーミングアップをするための小さな円周コースがあるにはあるのですが、そこを走る人たちってレベル高そうなんですよね。
僕みたいなもんは混ざりにくく、冷えた体を無理やり叩き起こし走っていました。
しかし、今年はひと味違います。秘策により万全の状態でスタートを切ることができるはず。
それでは出発です。ゴーゴー!
昨夜の雨のせいで路面はウェッティですが、今日は降雨の心配はなさそう。嬉しいかぎり。
ここが『山中湖温泉 紅富士の湯』です!
ヒルクライムの疲れをこの温泉で癒す予定。今から楽しみですね。
きれいな湧き水が有名な天然記念物『忍野八海』も越えていきます。
道路に設置された気温表示板によると現在は14℃らしく、体感としては走りやすい。
おお、雲が晴れてきた!広がる青空にテンションが上がります。
道中、コンビニに立ち寄りドリンクを補給。そこで、秘策の準備に取りかかります。
用意していた粉末状のエネルギー補給剤を、購入した水に混ぜ込みます。
効果のほどはわかりませんが、いい感じに”思い込みの力”が発揮されることを期待します。
しかし、ここでアクシデント発生。
パッケージの切れ端、紙の部分がボトルに混入。取り出そうとすればするほどボロボロになっていきます。
四苦八苦しながらおおむね取り出すことはできましたが、特製ドリンクの大部分を捨てることになってしまいました。
無念。とりあえず、水を継ぎ足しておこう。薄まりはしたものの多少は効果があるだろう。
さて、そんなこんなで『富士北麓公園』まで残り3.3km地点までやってきました。
ここまでは基本的に下り基調で、勾配2~3%くらいの緩やかな坂道が続いていました。
「ウォーミングアップにならないのでは?」
そんな風にさえ思っていましたが、ここから先は違います。地味に上り坂がきつい!
急なところだと勾配6%くらいあるぞ。あまり体力を使うわけにもいかないので、そこそこのスピードで無理せず走ります。
それにしても、林道を走るのは気持ちがいいですね。
茂る木々に日光が遮られ、路面が乾かずに濡れたままですが、それすらも美しく感じます。
会場が近づくにつれて、同じように自走で向かっている参加者と出くわします。ひとりじゃないということに妙な安心感を覚えます。
メイン会場到着!10の秘策と共に
そして、会場に到着しました!
前日と同じように検温をおこなうテントが設置。長蛇の列ができていました。
検温をおこなうと同時に、大会当日までの体調と体温を記録した『体調チェックシート』を提出します。受付がおわると、ヘルメットに貼りつけたナンバーに”赤丸シール”を重ね貼り。
これが、「体調万全!がんばって富士山を上るぞ!」という証なのです。
検温テントを抜けて、会場に入ることができました。
たくさんの”ヒルクライマー”が集結しています。
これだけ大勢の同じ趣味を持つ人たちが一堂に会するのは、とてもすごいこと。なんだか感動してしまうのと同時に、ワクワクが込み上げてきました。
しかし、感傷に浸っている場合ではありません。せっかくのウォーミングアップ自走が無駄にならないようスピーディーに行動しよう!
まず向かったのはこちら。
『会場内荷物預かり』
看板にあるとおり、フィニッシュ地点の富士山五合目までは運ばれません。あくまで会場内で荷物を預かってくれるところ。
そして、これが秘策のひとつ!
これまでに参加した富士ヒルは”完走”が目的だったので、サドルバッグを取りつけて、その中に予備チューブを含むパンク修理道具を持参していました。
しかし、今回は置いていきます。少しでも車体を軽くする作戦です。
パンクしたら?ロードバイクを担いで、この2本の足で上ってやりますよ!
リュックサックにヒルクライムに不要なものをすべて入れて、預けましょう。
防寒用に羽織っていたジャージも脱ぎ、サイクルウェア1枚に身を包んだ、まさに戦闘形態。
コロナ禍に配慮して、今大会も各ウェーブ一斉スタートではなく、決められたスタート時間から30分以内に自分の好きなタイミングで走りはじめる方式となっています。
一斉にスタートする方が”熱さ”はありますが、仕方ありませんね。
そして、ここでも僕の秘策が輝きます。
あまりゆっくりしていたら、自走ウォーミングアップでほぐれた体が冷えてしまう。
そのため、僕が走る第7ウェーブのスタート時間、8時40分ピッタリに会場入りできるよう時間を調整して宿を出発していたのです。
戦いはすでにはじまっている……!
走りはじめる直前、さらなる秘策。
ポケットから取り出した透明なカプセルを口にふくみ、水で流し込みます。
これは自分の中で、「若干グレーか?」なんて心配があったのですが、昨日の会場で似たような”足つり対策”のエネルギージェルが販売されていたのでホワイトの判断。
この『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』は、足のつりやこむら返りに効く漢方薬で、これまでの自転車旅でも数回ほどお世話になったことがありました。
元々は登山家のおっちゃんに教えてもらったもので、かなりの即効性があります。
しかし、この場合はむしろ即効性が足をひっぱる要因になります。
足がつりそうになったときに飲まないと意味がないのですが、さすがに顆粒状の漢方薬をヒルクライム中には飲めません。確実にむせます。
いろいろ考えた結果、たどり着いた答えが『カプセルに入れてスタート直前に飲む』でした。
ドラッグストアに行き、透明カプセルを吟味。
「名探偵コナンだったかな?カプセルをトリックに使った犯人がいたっけな……」
そんなことを思い出しながら、一番サイズの大きいものを購入します。
自宅に帰り、夜な夜な『芍薬甘草湯』をカプセルに詰める作業に没頭。自分はいったいなにを?と冷静になることもしばしばありましたが、無事に完了です。
胃袋のカプセルが解けるのは30分くらいかな?
とにかく、体内で足つり対策が眠っていることを考えればプラシーボ効果も期待できる!
大きいカプセルとはいえ1包で4粒くらいになってしまい飲み込むのに苦労しましたが、これですべての準備は整いました。
残りの2策は走りはじめてからのもの。
それでは2022年の富士ヒル、いよいよスタートです!
2時間切りをめざして富士山クライム
ロードバイクのペダルを踏み込み、アーチをくぐります。
会場から約1km先の『胎内交差点』を左折したところに記録計測の開始地点があり、そこからが富士ヒル本番となっています。
そんなわけで、計測開始。
速い人やガチでタイムを獲りにきている参加者は、ポイントとなる地点、そこを通過する目標タイムを設定しているみたいですが、僕みたいなもんにはレベルの高すぎるおこない。
『愚直に走る』
それが僕の作戦です。
シンプルに考えて、全長24kmを2時間以内に走るということは、半分の12km地点を1時間弱で走ればいいということ。
小学生の算数ばりに簡単な計算式ですが、このくらいじゃないと無理。覚えられない。とりあえずそれを目標に、前半に飛ばしすぎてバテないようにだけ気をつけよう。
富士山五合目までのコースマップは、事前に用意した『参加のご案内』に載っています。
基本的には単調な上りが続きますが、勾配8%前後あるポイントもいくつか存在します。その最初が、計測開始地点から『富士スバルライン料金所』まで。
はじまりの興奮に身を任せて必要以上にペダルを回しがちですが、ここは抑えるんだ。
速度やペースが近い人がいたら、ついていくことを心がけます。これが走行中の秘策。
スピード的に”風よけ”的な効果を期待してのことではありません。マラソンでもそうですが、人のうしろを走ると気持ちがひっぱられてラクに走れると思いませんか?
ペースメーカーがいることで、余計なことを考えず一心不乱に走れるからでしょうか。
なんとなく、体が軽い気がする。
気持ちの問題かもしれませんが、1年前より速く上れている気がするぞ。
しかし、なんだろう?なんかカシャカシャと変な音が聞こえてきます。よく耳を澄ませると、後方からスマートフォンのシャッター音が響いているではありませんか。
富士ヒル中、この上り坂でカメラを撮りながら走っている猛者がいるのか?すごいな!
なんやかんやと、半分の約12km地点まで走ってきました。計測開始と同時にスタートさせたサイクルコンピューターに表示されているタイムは”57分”です。
ギリギリ!ですが、とにかく第一の目標は達せられた。
あとは、残り半分を同じペースで走るのみ。それで2時間を切ることができる!
ここで、ダメ押し!最後の秘策を発動!
サイクルジャージのバックポケットから、おもむろに”ようかん”を取り出します。
もちろん包丁で切り分けて食べるサイズじゃありませんよ?コンビニやスーパーで売っているような、ひと口大のようかんです。
「半分を超えたらようかんを食べよう!ようかん……ようかん……」
これぞ、目の前にニンジンをぶら下げられた馬作戦!
テンションを維持できますし、完食後は”エネルギーが補給された”というプラシーボ効果を得るので、まさに一石二鳥というわけです。
ちなみに、ようかんは食べやすいように、口のところを開封してポケットに入れておきました。走りながら包装を剥くなんて僕には無理。
ジャージがベタベタしそうですが、家に帰ってからきれいに洗うので無問題です。
それにしても、サイクリング中の甘味はおいしい。これは絶対の方程式。よし、魂に火が入った!まだまだ走れるぞ!
なんて気合いを入れたのも束の間、急に足がつりそうになってきた。いや、もうほとんど……つりかけてない?なにこれ?
本当に、強がりではなく体力的には余裕なんですが”足つり”だけがヤバい状態。
ゴールまで残り10km以上あるのに、ここで足を痛めたらすぐには回復しないでしょう。ゾッとしますが、こういうときに『芍薬甘草湯』が効果を発揮するはずです。
「さあ、カプセルよ溶けろ!そして、足のつりを癒すのだ!」
しかし、待てども待てどもよくならい。
カプセルはすでに溶けているのか、まだなのか。正確な溶解時間を調べておくんだった。そもそも、そこまでの効果が期待できるものなのか、漢方薬自体に疑いを持ちはじめます。
とにかく、もうあてにはできない。万策尽きたか?いや、まだだ!
「真に最後の秘策がある。それは……諦めない心だ!」
普段から『週刊少年ジャンプ』を愛読しているのが功を奏し、幼き頃から目にしてきた”主人公魂”が火を噴きました。まだ走れる!
そんな感じで変なテンションになりながらも、えっちらおっちら上っていきます。
ここからはとくに語れるような内容もなく、淡々と富士山を進みます。五合目が近づいてくると、急に気温が低くなりますね。
過去に走ったときは雨が降っていて、本当に極寒だったな。過去回想まではじまる始末です。
スタートから約21.5km地点で、急に勾配が緩くなりほとんど平坦になりました。
ここが勝負所。
正直、2時間切れるか微妙なところ。ここで加速しなければ絶望的だ!足は限界ですが、とにかくペダルを回します。いいぞ、いける!
最後の力を振り絞り、無我夢中で平坦区間を疾走……そして、抜けた先には最後の山場。勾配8%前後の急な上り坂。
「忘れてた!前回も同じように苦戦したっけ!」
もう、足がつる!つる!やばい……本当にぶっ倒れる!力が入らない。がんばれ、自分!
生まれたての小鹿の方がまともに歩けてるのでは?と思うくらいヨロヨロしながらも、あきらめずに自分自身を鼓舞します。
心の中で太鼓を叩き、勢いのまま踊り狂い、なんとかゴール!
疲れ果てた。タイムは二の次。とにかく完走できてよかった。
【第18回富士ヒルのライドデータ】
走行距離 23.70km
所要時間 1時間58分
走行時間 1時間58分(-0時間00分)
完走、下山、そして温泉
息も絶え絶え、なんとか五合目のフィニッシュアーチをくぐり抜けることができました。
そのまま人の流れにのって、第1・第2駐車場に設けられた『荷物受け取りエリア』まで移動していきましょう。ロードバイクから降り、よちよち歩きながら自分の荷物をゲット。
標高2,305mはさすがに寒く、ヒルクライムで熱くなった体がみるみる冷えていきます。とにかく防寒具を着よう。
地上で待機している友人Kに完走の報告と、待ち合わせについて相談しようとスマートフォンを取り出したとき、異変に気がつきます。
「あれ?電源切れてるじゃん」
フル充電していたし、雨が降っても大丈夫なようジップロックに入れていたのに……壊れた?本来であれば五合目の様子を感動と共に激写したかったのですが、それもできず。
とりあえず、巾着袋の中に入れた1,500円を有効活用。補給をしながらひと休み。
落ち着いたら下山していきましょう。
スタッフさんの誘導に従い、十数人のグループで下山します。フィニッシュ地点から約2km下ったところが下山スタートの待機場所です。
皆さん、とても速そうなのでグループ後方を位置取り。無理せず前の人についていこう。
正確なタイムはわかりませんが、約2時間かけて上ってきた山。下るのも相当な時間がかかるので、準備と覚悟が必要です。
冷たい風を切り裂きながら、日本一の山を駆け下ります。
なんだか気持ちがいい。一生懸命上ってきた坂道を今度はひと息に下っていく。これも富士ヒルの醍醐味なのかもしれませんね。
走っていると、すごくていねいに手信号を出してくれているサイクリストを発見。
その所作、佇まいから相当に”走れる人”とお見受けしました。この人のうしろは安心感がある。お供させていただくことにしましょう。
下山グループの解散場所は、富士スバルラインの料金所までとなります。
必ずしも『富士北麓公園』まで戻る必要はありません。僕は会場に荷物を預けているので、忘れずに取りにいかなければなりません。
トイレ休憩を済ませて再度出発。そんなこんなで帰ってきました。ただいまです。
【第18回富士ヒルDHのライドデータ】
走行距離 23.79km
所要時間 0時間45分
走行時間 0時間45分(-0時間00分)
興奮冷めやらぬところですが、急いで友人Kと合流しよう。
待ち合わせ場所は、行きで通り過ぎた『山中湖温泉 紅富士の湯』です。約10km、緩い上り坂になっているので疲れた体に響きます。
道中でコンビニに立ち寄り、電池を入れて充電するタイプの充電器を購入。しばらくケーブルを差していると画面に光が灯りました。
単純にバッテリーが空になっているだけだったようです。ひと安心。それにしても、なぜ?
思い当たる節があり、おもむろに”写真”を開いてみると原因がわかりました。
このような写真が大量に保存されているではないか!
走っている最中に聞こえた”カシャカシャ”というシャッター音は、どうやら僕のスマホから発せられていたようです。
誤ってカメラが起動、そのままスリープになることなく電源が尽きたというのが真相でした。
凡ミスです。しかし、なんだろう?
バックポケット越しに映る風景はどこか幻想的で、これはこれでおもしろいものが撮れたぞ。結果オーライですね。
友人Kと合流し、温泉に入りながらこの2日間を振り返ります。
ひとりで参加していると、語り合う人がいなくて寂しいですからね。助かります。それにしても、自転車で走ったあとの温泉は最高すぎる!
暖かいお湯が体に染みわたる。至福の時間。
しかし、あまりゆっくりしていると高速道路の渋滞につかまってしまう。家に帰るまでが富士ヒルです。安心安全に運転していきましょう!
【本日のライドデータ】
走行距離 12.17km
所要時間 0時間58分
走行時間 0時間46分(-0時間12分)
ありがとう富士ヒル!タイムと感想
楽しみ尽くした『第18回Mt.富士ヒルクライム』でしたが、タイムはどうだったのか?
後日届いた完走証には、このような数字が書かれていました。
『1時間58分』
おお!ギリギリだったものの、なんとか目標である2時間を切ることができました!昨年と比べると”9分”も短縮しています。
これは嬉しい!
今回の反省点は”自走での練習”をほとんどしなかったことでしょう。
やはり、実際に峠や山道を上らないとダメですね。ヒルクライムを走る感覚を忘れていた。
それに気合いが入りすぎていた……というか、「極力足を使わないようにラクに漕いでいこう」という考えが空回りして、普段とは違うペダリングになっていた気がします。
変なところに負荷がかかり、結果として”足つり”を引き起こしてしまいました。
負け惜しみではなく、いつもどおり走ればもう少しいいタイムが出せていたと思います。その点はすごく悔しい。
富士ヒル対策”10の秘策”はどうだったか?
大げさに語りましたが、人によっては秘策でもなんでもなく当たり前におこなっていること。
しかし、やっていなかった僕からすればまさに秘策。
効果の有無もはっきりしないことばかりですが、自分なりに考えて準備・実践した結果が、この”9分”にあらわれていると思います。
己のテンションを高める意味もあり、まったく無駄ではなかったと自信をもっていえます。
次回参加するときは、この”10の秘策”も僕の中では”当たり前”になっているでしょう。
そこで新たに秘策を考えたら?
これはもう90分切りのブロンズリングも夢ではない!そんな風に思います。
とにかく楽しかった!
心配していた雨も当日にはやみ、晴れた中をヒルクライム&ダウンヒルできたのは本当に気持ちよかったです。
1年に1回のお祭り騒ぎ。
また参加したいと思います!お疲れさまでした。
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