第17回Mt.富士ヒルクライムに参加してきました!【フジヒル2021】

第17回富士ヒルクライムのオブジェクト 自転車ライド

2021年6月6日(日)におこなわれた『第17回Mt.富士ヒルクライム』に参加してきました!

富士ヒルには2019年の第16回大会で初参加。

ヒルクライムイベントの楽しさを肌で感じ、「毎年出るぞー!」なんて意気込んでいたのですが、2020年は新型コロナのため中止。

 

翌年に持ち越された第17回大会に満を持して参加してきたというわけなので、2回目となる大会の様子を語っていきたいと思います。

 

~前回大会の様子はこちら~

第16回Mt.富士ヒルクライムに初参加してきました!【富士ヒル】
日本のほぼ中央部にそびえ立つ、標高3776.24mの独立峰。その風貌の美しさから、見る者の心をつかむ日本のシンボルとも言うべき山。そう、富士山です。2019年6月9日(日)に、富士山を舞台にした日本最大級のヒルクライムイベント『第16回Mt...

 

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コロナ禍における変更点

日本最大級のヒルクライムイベント『Mt.富士ヒルクライム』には、どのようにしてエントリーすればいいのか?

そのあたりについては、僕が過去に作成したマニュアル記事をご覧ください。

Mt.富士ヒルクライムに参加するには?富士ヒル参加完全攻略マニュアル!
2019年6月8日~9日に山梨県富士吉田市で開催された『第16回Mt.富士ヒルクライム』にはじめて参加してきました。日本有数の大規模ヒルクライムイベントである富士ヒルですが、はじめて参加する人には少しハードルが高く感じる部分もあると思います...

 

基本的には、この記事の内容を参考にしていただければ大丈夫…ですが、コロナ禍ということで、エントリーから大会本番、終了後に至るまでに若干の変更点がありました。

新型コロナの脅威はまだまだ続きそうなので、次回以降も参加するであろう自分自身の備忘録も兼ねて、覚えているかぎりの変更点を書き出してみます。

 

新型コロナ感染症防止対策の実施

当たり前ですが新型コロナ感染症防止のため、以下の6項目が対策として実施されました。

①体調チェックシートの記入・提出

体調に関する10のチェックリスト、体温、薬剤の服用状況の全12項目からなるシートを、大会の2週間前から記入し、当日に提出することが求められます。

1つでも異常のある方、当日の体温が37.5℃以上の方は、参加できませんのでご了承ください

このような注意も書かれています。

 

②検温の実施

前日受付と大会当日の2日間、会場に入る全員にサーモグラフィーによる検温が実施されます。

体調チェックシートにも記載がありましたが、体温37.5℃以上の方は出場見合わせ・退場していただくことになります。

 

③マスク着用

走っている最中、下山時以外はマスクの着用を求められます。

選手待機スペースで自分の出走を待っている間も、必ずマスクを着用しておきましょう。

 

④こまめな手洗い、アルコール消毒 ⑤ゴミの各自持ち帰り

これはもう、そのまんま!読んだ通りです。

 

⑥給水所がない

2019年大会ではコース上に3か所の給水所が設置されていたのですが、これがなくなるという大きな変更がありました。

しかし、富士ヒルの給水所は走りながら受け取るタイプではなく、停車して各自が用意したボトルに水を入れてもらうという仕様です。

ありがたいですが、タイムロスも大きそうなので利用する人は限られていたのかな?基本的には、参加者は自分で水分を準備すると思うので、そこまで影響はないと思います。

 

参加料

2019年開催の第16回大会では『男子19歳以上~』の部が参加料10,000円だったのですが、第17回大会では参加料が11,000円に値上がりしていました。

コロナ禍で開催を模索するのに、なにかとお金がかかるのでしょう。

楽しいヒルクライムイベントを運営していただくためにも、1,000円くらいなんのその!ドンと支払いましょう。

 

五合目行き荷物預かりは前日のみ

富士ヒルのゴール地点である富士山五合目は6月とはいえ非常に寒く、上ってきた格好でダウンヒルに挑むのは無謀です。

そのため、各自で下山用の防寒具を準備する必要があります。下山用荷物は専用の袋に入れて指定の場所に持っていくと、大会当日にスタッフさんが五合目まで運んでくれるのです。

 

新型コロナの影響がなかった第16回大会では、エントリー時に『前日預け』と『当日預け』を選ぶことができたのですが、第17大会では預けられるのは”前日のみ”になりました。

これは、大会当日に会場となる富士北麓公園での””を避けるためでしょう。

ウェーブ毎に出走時間をバラけさせても、下山用荷物を当日に預かってしまったら、その短い時間に参加選手が集中してしまいますもんね。

 

自転車預かりの中止

富士北麓公園体育館メインアリーナで希望者は自転車を預けることができたのですが、新型コロナ対策の一環として実施しないことになりました。

大会当日まで自転車に乗らないのであれば、宿と会場の行き来が楽になる便利なシステムだったので、利用していた人も多いでしょう。

 

スタート方式の変更

参加者を複数のウェーブに分けて時間差でスタートする方式が取られていたのですが、第17回大会では大きく変わりました。

スタート時間が厳密に決まっていて、一斉に走りはじめるのは第1~3スタートの選手のみ。

第4スタート以降の選手は、決められた自分のスタート時間から30分以内に自由にスタートできる方式となりました。

 

各ウェーブ一斉にスタートするワクワク感や熱さみたいなものがあったので、これはなんとなく残念ですね。

僕レベルでしたらデメリットを感じるほどのことはないのですが、上位を競う方々にはなにかしらのマイナス点がありそうですね。よくわかりませんが、きっとあるはず。

 

完走後の変更点

①下山終了地点(解散場所)の変更

以前は、スタート地点である富士北麓公園だったのですが、今回は『富士スバルライン料金所』が下山の終了地点となりました。

富士北麓公園まで戻る必要がなくなったので、そこで解散。各自、駐車場に戻るなり、宿泊施設に戻るなり、帰路につくこととなります。

 

②完走証とフィニッシャーリングは後日郵送

富士北麓公園で、スタッフの方から直接受け取っていた完走証とフィニッシャーリングは、後日郵送となりました。

これは寂しい!

ヘトヘトになりながら、「自分のタイムはどのくらいだったんだろう?」と完走証を見るのが楽しみだと思うのですが、郵送では味気ない。どうしょうもないんですけどね。

 

③当日表彰の中止

主催者選抜クラス以外の当日表彰は中止となりました。その他の表彰対象者には、賞状と副賞が後日郵送されるそうです。

なるほど。これも””を避けるためには、仕方ないか。

 

来たる富士ヒル!前日受付の様子

前置きが長くなりましたが、いよいよ僕の大会の思い出を振り返っていくとしましょう。

富士北麓公園陸上競技場

やってきました。会場となる『山梨県富士北麓公園』です。

出店が…飲食ブースがない…!

メイン会場となる陸上競技場の入口まで歩いてきて、最初に驚いたのがそのことでした。

新型コロナ対策を万全に施した大会なのだから、少し考えれば感染リスクの高い飲食を伴うブースの廃止は想像できたのですが、楽しみにしていただけに残念です。

 

気を取り直して会場内に入ろうとすると、看板には『スタッフ以外通行禁止』の文字。そして、黒板には『選手一般の方、左側第一ゲートへ』と書かれていました。

確かにここは、大勢が入退場するには狭すぎる。

 

道なりに歩いていくと、今日の青空と同じ色のオブジェクトを発見。テンション上がりますね。

第17回富士ヒルクライムのオブジェクト

日本の象徴ともいえる富士山を上る大会は、まさに『Climb Japan!』だ。

オブジェクトの左側には陸上競技場への入口があり、黄色いカラーコーンで仕切られた一方通行になっています。

 

入場する方に進んでいくとテントがあり、サーモグラフィーによる検温がおこなわれていました。

富士ヒルの会場入口テント

平熱を確認し無事にテントを通過する際、手首に目印として青い紙製のリストバンドを付けてもらいます。

 

陸上競技場の中も、運動トラックを時計回りに進むよう一方通行になっていました。

富士ヒル会場の富士北麓公園陸上競技場

トラック沿いには、自転車に関係するショップやブースが立ち並んでいました…が、2019年よりも規模が縮小されているようですね。

 

サイクルコンピューターなんかのメーカー『GARMIN(ガーミン)』では、なにやらアンケートを実施しています。答えてみると、サイクルキャップをいただきました!

GARMINのサイクルキャップ

ヘルメットの下には必ずサイクルキャップを被るので、これは嬉しい!

 

かなり見応えがあるので、進むスピードがどんどん遅くなってしまいますね。

自転車系YouTuberけんたさんのロードバイク

自転車YouTuber『けんたさん』が乗っているロードバイクも展示されていました。あまり動画を拝聴したことはないのですが、何台も持っているうちの1台なのでしょう。

 

ちなみに、僕のイチオシの自転車YouTuberは『最強ヒルクライマー』さんです。ブログの書き方もめちゃくちゃおもしろいですし、動画での歯に衣着せない語り方も愉快痛快。

富士ヒルのゴールドリングを獲得するためストイックにトレーニングに取り組む様子は、本当に素晴らしい刺激をいただくことができます。

 

話が横道に逸れてしまいましたが、なんやかんやと選手受付に到着です。

富士ヒルの選手受付

自分のスタートする番号のテントに行き、参加票をスタッフさんに渡すと、ナンバーカード、荷物預け用の袋、参加賞なんかが一式でもらえます。これで受付完了。

 

今回、下山用荷物は『前日預け』しかないので、邪魔にならないところで準備をします。

下山に必要なのは五合目の寒さをしのぐための防寒具。僕の場合は、シューズカバー、レッグウォーマー、ユニクロのウルトラライトダウン、モンベルのサイクルレインウェアの4点。

あとは、フェイスタオルと五合目で飲み物を買うためのお金。500円玉もあれば十分足りるだろうと、レインウェアのポケットに忍ばせておきます。

 

それらをすべて詰め込んだのが、こちらです。

富士ヒル、下山用荷物と参加賞

受付でもらったビニール製の巾着袋に入れないと、預かってもらえないので注意です。

また、巾着袋にはナンバーカードを貼り付けるところがあるので忘れないようにしましょう。決められたナンバー毎に分けられ、五合目に並べられます。

 

ちなみに、左にあるのは今回の参加賞。上からネックゲイター、消臭スプレー、富士ヒルの舞台となる富士吉田市の名物『吉田のうどん』ですね。

2019年は完走後に、地元ボランティアの方が大きな鍋で作った温かい吉田うどんを振る舞ってくれたのですが、今回は食べられないのか。

ヒルクライム、極寒のダウンヒルを乗り越えて、震えながら食べたのを思い出します。

 

感傷に浸りながらも、荷物預かりをおこなっている大駐車場まで歩きましょう。

道中で興味を引く看板を見つけました。

志賀高原ヒルクライムの看板

求ム、坂バカ

常駐していたスタッフさんに話を聞くと、我が青春の渋峠を舞台にしたイベント『志賀高原ヒルクライム』の開催を告げる看板だったのだ。

初心者が渋峠をヒルクライム!国道最高地点をめざして走る(from長野県側)前編
夏真っ盛りの7月、満天の星空が見たい!という理由で、ヒルクライムの聖地・渋峠を訪れてみることにしました。長野県側から上り、渋峠ホテルに一泊して天体観測。翌日に下山という計画でしたが、スタート直後に熱中症?過酷な旅が今はじまる。

 

なんでも、長い月日を費やして許可を取り、準備をおこない、昨年2020年にやっとこさ開催にこぎつけたそうです。

しかし、その記念すべき第1回大会も新型コロナの影響により泣く泣く中止。2021年が第1回大会になる!ということでした。

スタッフさんの熱い気持ちを感じ、僕も予定が合えば積極的に参加しよう。そう決意しました。

 

誘惑が多い道のりを乗り越えて、ようやくたどり着いた大駐車場。

富士ヒル、富士北麓公園の大駐車場

駐車場いっぱいに、大きなカゴが並んでいます。

どこでも好きなところに放り込んでいいわけではなく、カゴに貼ってあるナンバーと自分のナンバーカードが対応しているところに置きましょう。

五合目で再会しようぜ…!

お互いの無事を祈りながら、下山用荷物とはそこで別れました。本当に富士山を下るときの命綱と言っても大袈裟ではないくらい重要なものですからね。頼みますよ!

 

スタート直前のドキドキ

そして、大会の当日がやってきました。

朝6時に起床し、準備をして宿泊施設を出発します。まずは、車に乗り込み指定された駐車場までドライブです。

指定駐車場は全部で11か所あり、メイン会場となる『富士北麓公園大駐車場』まで近いところ、遠いところとさまざま。どこになるかは完全にランダムです。

 

駐車場は朝4時から開放されていますが、僕は8時15分~45分スタートの第7グループだったので、そこまで急ぐ必要もありません。

運よく近場の駐車場をあてがわれたこともあって、1時間くらい前に会場入りを目安に行動をおこなうことにしました。

 

少しわかりにくかったですが、無事に到着。

駐車場を利用するにはエントリーの段階で申請する必要があり、前日受付の際にもらう”駐車券”を提示しなければいけません。

 

車の外に出ると、気温は18℃くらいで少し肌寒い。待機している最中に体が冷えそうなので、折りたたむと小さくなるウインドブレーカーを着ることにしました。

少し緊張しながらロードバイクにまたがり、駐車場をあとにします。

標高1,035mにあるメイン会場までは約2kmですが、緩い上り坂が続いていて、早くも足が疲労していきます。こんなんで完走できるのだろうか?

 

大勢の参加選手がメイン会場をめざしているので、その流れに乗っていけば道がわからなくてもたどり着けそうですね。

帰りが心配になりますが、今は目先のことを考えよう。

 

大駐車場に到着。

富士ヒルメイン会場、富士北麓公園大駐車場

これから上る富士山と我々の頭上には、どんよりとした黒雲が広がっています。

もちろん昨日から気がついていたんですが、天気予報によると雨…ぽいんですよね。冷たい雨の中を震えながら完走した2019年大会を思い出します。

 

参加選手は談笑したり、ウォーミングアップ専用のコースをぐるぐる周回して体を温めていたり、それぞれスタートの刻を待ちわびているようでした。

富士ヒルのスタートアーチ

富士ヒルのスタートアーチ。

6時45分に第4グループがスタートとなってから、30分毎に次のグループの出走時間になるため、なんやかんやと走りはじめる参加選手があとを絶ちません。

 

グループは全部で第10まであり、僕は8時15分出走の第7グループと後ろの方ですね。しばらく時間があるので、ウロウロしながら時間をつぶします。

富士ヒルの会場内に持つ預かり場所

ちなみに、会場内には荷物を預かってくれる場所があります。

大会終了後に再び取りに戻ってくる必要がありますが、不要な手荷物などを持っていたら預けさせてもらった方がいいでしょう。

 

スタートの時間も迫ってきたので、最後のトイレ休憩にいこう。

Bianchi OltreXR3

他の皆さんの真似をして、ロードバイクは地面に寝かせておきます。もちろん鍵なんてかけていませんが、この会場で盗みを働く不届き者はおらんでしょう!

 

サドルバッグにはパンク修理道具を入れています。

多くの人は軽量化のためか持参していないようですが、「パンクしたらどうするんだ?」と思う反面、「チューブ交換して、再び走りはじめる余裕があるだろうか?」とも思います。

 

そんなこんなで出発のお時間。前回のタイムを短縮できるようにがんばってくるぞ~!

気合いを入れたのも束の間、スタート時間直後のアーチ付近は大変混雑していたので、少し落ち着いてから走りはじめることにしました。

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駆け上がれ!日本一の山

メイン会場をスタートして約1km先にある『胎内交差点』を過ぎたあたりが記録計測の開始地点になるので、そこまではゆっくり走ります。

 

富士ヒルのコースデータは以下の通り。

距離:25km(計測距離24.0km)
平均勾配:5.2%
最大勾配:7.8%

全体を通して勾配自体はそこまでキツくないものの、参加案内のコースマップには『コース上8%前後の勾配』を表す印が計10か所あります。

 

今年の目標は90分を切って”ブロンズリング”の獲得!…と言いたいところですが、なんのトレーニングも積んでいない僕には無理すぎる。

素直に、前回の”2時間6分”というタイムを短縮して、2時間切りを目標にしよう。

富士ヒルの公式ホームページによると、平均完走タイムは”1時間49分”らしい。あわよくば、平均を上回るタイムを出したいという野望を抱きつつ、記録計測開始地点を越えていきます。

 

ここから『スバルライン料金所』までの約500mは勾配が上がります。前述した”8%前後の勾配”のうちの1つですね。

レース開始直後ですが、張り切りすぎるといきなりバテます。

 

序盤は体力を温存し、中盤から少しずつペースアップしていこう!

そんな風に考えていたのですが、集団で走る大会ではこれがなかなか難しい。いつも自由気ままに単独行をしている僕は、人と一緒に走るのに慣れておりません。

本能というほどカッコいいものではありませんが、前に人が走っていたら追い越したくなりますし、抜かされたら追いかけたくなりますよね。

とにかく、ペースが乱れる。もっとゆっくり走るべきなのに、どうしても急いでしまう。明らかに飛ばしすぎなのに、ついつい一生懸命ペダルを回しすぎてしまいます。

 

ゴールまで24kmなので、単純に計算して12kmを60分以内に走っていけば当面の目標である2時間切りは達成できる。

息を切らしながら、それだけを意識して走ることにしました。難しいことは考えられん!

 

5km地点を約26分、10km地点を約50分で通過。非常にギリギリなペースですが、これが限界。

そこから500m先にある『樹海台駐車場』は、第1関門に設定されています。制限時刻までに通過していないと走行中止にされてしまいます。

 

スタート直後は持ちこたえていた天気ですが、走っている最中にポツリ…ポツリと空から雨が落ちてきて、気がつけば本降りになっていました。

ヤバい…めちゃくちゃ寒い…

標高と雨のせいでグッと気温が下がります。そして、濡れた体からは体温が一気に逃げていくのを感じました。

 

運動強度の高いヒルクライムでは筋肉が熱を生み出し、むしろ体が”熱くなる”はずなのにいっこうに温まりません。

なんだか体の調子がおかしいぞ?

15km地点を約1時間17分で通過し、残り7kmというところで全身に力が入らなくなり大失速。その原因が”寒さ”なのか”エネルギー切れ”なのかわかりませんが、ペダルを回すのがキツい。

スタートから17.2km地点にある第2関門『大沢駐車場』にたどり着いたことには、すでに虫の息でした。ペースを上げるどころか、1m進むのも大変です。

 

第2関門を過ぎると、短い区間で”8%前後の勾配”が4か所も出現する、まさに最終局面。

フラフラになりながら20km地点までたどり着いたときには、すでに1時間51分を経過。残り4kmを9分以内に走ればいける!…とはなりませんよね。

悲しきかな、とっくの昔に2時間切りをあきらめ、前回と同じ『無事完走』に目標を下方修正していました。とにかく、ゆっくりでも走ります。

 

そして、ついにゴール!本当の本当にフラフラになりながらの完走です。

走り切った喜びよりも、極寒ヒルクライムがおわった安堵の方がはるかに大きい。達成感を嚙みしめている余裕もないくらい寒いので、ブルブル震えながら下山の用意をしていきましょう!

 

極寒の五合目でとん汁に助けられる

富士ヒルのゴール地点は富士山五合目。標高は2,305mです。

人の流れに従って歩いていると『荷物受け取りエリア』がありました。第1駐車場と第2駐車場の2か所に設けられており、ナンバー毎に分類されて置かれています。

 

自分の荷物を受け取ると、急いでタオルを引っ張り出して体を拭きます。依然として雨は降り続けていますですが、少しでも水気をとってから防寒具を着たい。

疲労し切った体、震える手足でなんとかレッグウォーマーを装着。

歯をガタガタ鳴らしながら、ウルトラライトダウンとレインウェアを着て、今できる最大限の寒さ対策はしたものの、体の芯が冷えているのでまったくの無意味!

 

なにか熱のあるものを摂取して、内側から体を温める必要があります。

富士山五合目のお店

雨の降る極寒をさまよう亡者のごとく震えながらウロウロしていると、人だかりのできているお店を発見。軒先には『とん汁400円』の看板が!

これは悩ましい!

手持ちのお金は500円玉のみ。とん汁を買ったら、他になにも買えなくなります…が、下手な飲み物を買うより食べた方が温まるのではないだろうか?

 

店内で食べれる魅力もあったので、意を決してとん汁を購入します。

富士山五合目で食べたとん汁

ヘルメットから流れ落ちる数滴の雨水がとん汁の中に吸い込まれていきましたが、気にしている余裕なし。びしょ濡れの手で箸を持ち、とん汁を食らいます。

うんめぇ…!あったけぇ…!

言ってしまえば”普通のとん汁”なのですが、この状況下で食べるとめちゃくちゃ美味い。五臓六腑に染みわたるとは、まさにこのこと。

 

幸運にもストーブ近くの椅子を確保でき、体の内側と外側からダブルで温まることができたので、少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

とん汁もあっという間に食べてしまいました。この場から離れたくないですが、お客さんも増えてきたので迷惑にならないように潔くベストスポットを明け渡そう。

 

外に出ると、せっかく温まった体が急速に冷えていくのを感じます。

富士ヒル、下山

これ以上の長居は無用!富士山五合目を下ることにしましょう。

 

個人での下山は禁止されているため、グループでまとまっておこないます。

フィニッシュ地点から約2km下りたところが”下山開始地点”となるので、まずはそこまで移動。スタッフさんの誘導に従い、整列してグループが一定数になるのを待ちます。

この動かない時間がめちゃくちゃ寒いですが、何分も待つわけではないので忍耐です。

 

そして、下山グループが形成された!出発です。

先導スタッフを追い越したり、極端にゆっくり走ったり、危険な走行は当然ですが禁止されているのでグループの和を乱さないように安全第一で下っていきましょう。

 

ダウンヒルは足を動かさなくてもオートメーションで進んでいきます。否が応でも心拍数が上がるヒルクライムとは違い、筋肉が熱を生み出しません。

さらに、冷たい雨風を切って高スピードで駆け下りるので極寒です。

前回の大会では、下山中に”睡魔”に襲われるというアクシデントが発生。軽度の低体温症を引き起こしていた可能性もあり心配だったのですが、とん汁効果か眠気がやってくることはなさそう。

 

そして、無事に下山終了地点である『富士スバルライン料金所』にたどり着きました。

距離は20.73km、走行時間は38分。上ってきたときと同じ道のりを”3分の1”程度の時間で下ることができ、地球の重力の大きさをひしひしと感じます。

 

今回は新型コロナの影響で、この場所で解散です。完走証やフィニッシャーリングは後日郵送なので、富士北麓公園に立ち寄る必要がありません。

なんだか締まりがない大会終了に感じてしまうので、早く復活してほしいものです。

 

車の中に放置していた朝ご飯の残りを胃袋に詰め込み、エンジンをかけてエアコン全開!暖かい風を受けながら、近隣の温泉施設で温まりました。

このために富士ヒルを走ったといっても過言ではない…!

大袈裟ではなく、それくらいの気持ちよさ。最高でした。

そんなこんなで帰路につき、僕の『第17回Mt.富士ヒルクライム』はおわりを迎えました。

 

ありがとう!富士ヒル

それから数か月後、忘れた頃に完走証とフィニッシャーリングが届きました!

完走証は長3封筒に折らずに入れることに配慮したためか、はがきサイズになっていました。さて、問題のタイムはいかほどだろう?

2時間7分

前回大会より1分遅くなっているじゃないか!

 

トレーニングはおろか、直近1か月くらいほとんど自転車に乗っていませんでしたからね。

当たり前の結果なのですが、タイムが落ちた事実を公式に突きつけられると、「この2年間、なにをやっていたんだ!」とダメ出しされているような気分になります。

この悔しさをバネに来年はめざす!90分切り!ブロンズリングをゲットするぞ!

 

こちらがフィニッシャーリングです。英語表記になった?

第17回富士ヒルクライムのフィニッシャーリング

もちろん”ブルー”ですが、なんやかんやで嬉しい。

ちなみに発送遅延の原因は『新型コロナで世界的な自転車パーツの製造がひっ迫しているため』…だそうです。各方面に悪影響をもたらす新型コロナの恐ろしさを改めて感じました。

そのような状況でも、安心して参加できる大会の開催に尽力していただいた大会事務局の皆さまには、本当に感謝しかありません。

 

新型コロナの影響で多少は制限される部分もありましたが、楽しく参加することができました。

また次回も参加するぞ!

そう思ってはいるのですが、本当に””だけは勘弁してほしい!極寒ヒルクライムはもう十分経験したので、次は晴れた富士山を上り、気持ちよく五合目の景色を堪能したいものです。

 

富士ヒルは、距離こそ長いものの勾配自体は緩やかなので、誰でも気軽に参加できると思います。

僕でも走り切ることができたので、公式が謳う『平均完走率98%以上』は伊達じゃない。

興味がある人は、迷っていないでぜひ参加してみてください。年に一度の”お祭り”を、強烈な”非日常”を一緒に楽しみましょう!

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