標高2,172mの空の色を。満天の星空を求めて渋峠ライド【渋峠(長野県下高井郡山ノ内町)】前編

道の駅 北信州やまのうち 自転車ライド

夏真っ盛りの7月。

夏らしいことがしたい!ということで、”天の川”を見に行くことにしました。天体観測というやつです。

今まで生きてきて、天の川はもちろん、満天の星空というものを見たことがないんですよね。

 

どこに行けば見れるだろう?

いろいろ調べた結果、サイクリストの間では超有名な『渋峠』に行ってみることにしました!

 

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星空を楽しむための条件と渋峠

きれいな星空を楽しむための条件を調べてみると、大きく2つのことがわかりました。

①周囲に余計な光源がない。

②空気が澄んでいる。

 

これらが重要みたいなので、条件に合った場所を探してみました。そして、行き着いたところが渋峠です。

サイクリストの間では”超”が付くほど有名な峠ですよね。

渋峠は群馬県吾妻郡中之条町と長野県下高井郡山ノ内町の間にある峠で、標高は2,172mもあります。

日本国道の最高地点があったり、群馬県と長野県の県境に建てられた渋峠ホテルがあることでも知られています。

 

標高2,172mまで上がれば、余計な光源はないだろう!…と、ここで油断してはいけません。

天体観測で1位・2位を争う光害となるのが月明り。とくに満月前後の月明りは、星の光をかき消してしまうそうです。

それなら逆に新月だったら月明りも少なくて、星もきれいに見えることでしょう!新月から2日後の連休で渋峠ライドを企画しました。

観測するのは当然夜中なので、今回は渋峠ホテルにチェックイン。

電話予約したときに、天体観測をしたい旨を説明すると、「星空目当てで来る人も多い。今もきれいに星が見える」という心強い情報をいただきました。

空気の澄み具合、こればっかりは運でしょう。僕の日頃の行いのよさを信じます。

 

渋峠を走るルートは、群馬県側からのルートと長野県側からのルート、大きく2つあります。

しかし、2018年7月時点では、今年1月に発生した白根山噴火の影響で交通規制がかかっていて群馬県側からは上れません。

そのため、今回は長野県側から渋峠を攻略していきたいと思います。

 

当日の朝、クロスバイクを車に積み込んで、長野県に向かいます。自宅から長野県は結構遠くて3時間くらいかかりました。

今回の渋峠ライドの出発地点にしたのは、長野県下高井郡山ノ内町の国道292号沿いにある『道の駅 北信州やまのうち』です。

道の駅には事前に、「道の駅に車を止めて、渋峠ホテルで一泊してから戻ってきたい。そういう使い方をしても大丈夫ですか?」と確認して、「大丈夫」という回答をいただきました。

 

さて、時刻は12:30。『道の駅 北信州やまのうち』でライドの準備を済ませて、あとはペダルを漕ぎ出すだけです。

ジリジリと突き刺す真夏の日差しが心地いい。

道の駅 北信州やまのうち

国道292号は目の前に広がる山々に一直線に続いています。

渋峠ホテルまでは約26kmなので、15時のチェックインには余裕で間に合うでしょう。

ちなみに渋峠ホテル、サイクリング限定の宿泊プランがあります。1泊2食付きで通常プランより少し安くなっているのかな?

うーん、夕食が今から楽しみです。早めに着いてしまったら、夕食までゴロゴロして日頃の疲れを癒そうかな。

 

それでは、満天の星空を観測するために渋峠を走っていきます!

 

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熱中症にはご用心

連日猛烈な暑さが報道されている2018年7月の夏。言うだけあって、さすがに暑い。

この時期のライドには日焼け止めが必須です。僕は日焼けすると真っ赤になって、夜のお風呂で悶絶するタイプなので出発前に入念に塗り込みます。

 

道の駅を出発した直後からゆるやかな上り坂になっていますが、そこまで急な坂じゃない。そのはずなのに、妙に足にくる。なんだろう?

水分補給を怠るまいと、麦茶を飲みながらペダルを回しました。

 

それにしても、『渋峠』を走ることについては、とても感慨深いものがあります。

サイクリストの人達のブログを見ていると、必ずと言っていいほど絶賛されている渋峠。森林限界を超えたその景観は圧倒的だそうです。

こんな景色をいつか自分の足で見に行きたいと思っていました。それが叶った。

今日のライドは心の底から楽しんで走ろう!

 

道の駅をスタートして約5km地点、志賀高原の看板があらわれたところで少し休憩。

まだ走りはじめて30分しか経っていないのに、体が悲鳴をあげている。気持ちとは裏腹に、足が重くてフラフラする。

ペダルを漕ぐのもしんどいので、仕方なく降りて自転車を押して歩きます。

軽いめまい、立ちくらみ、手足に力が入らない、異常に喉が渇く。これは、紛れもなく熱中症の初期症状。

自分の身に起きたことですが、すぐには信じられませんでした。だって、走りはじめて30分くらいしか経っていないんですよ?

しかし、思い当たることもある。仕事の疲れ、そして前日はどうしてもお酒を飲まなければいけない用事があって、ほろ酔いで夜遅くに帰宅。今日の朝は寝不足気味でした。

 

さて、どうしよう?

ここでのベストな対応は、引き返して車で休むこと。そして、回復してから車でホテルまで向かい星空を見ることです。

ただ、わかっていても引き返すのは抵抗があります。それに、星空を見るのが目的ですが、渋峠は自分の足で上らなければ意味がありません。

そのとき、僕が下した決断は「ゆっくりでもいい。歩いて上ろう」というものでした。

国道292号の渋峠

炎天下の中、20km以上先の渋峠ホテルをめざして、自転車を押して歩きます。

振り返ると、とても危険なことをしたと思うので、僕と同じような状況になっても真似しないでくださいね。

国道292号の渋峠

雲一つない快晴。空に道が続いているみたいです。このときの気温は36度くらい。暑い。

 

うーん、それにしても荷物が重い!今回は恒例のパンク修理道具に加えて、1泊分の着替えとお泊り用品、そしてiPhone用の三脚を持参しています。

渋峠を舐めているのかと思うくらいの重装備。

ちなみに、三脚は星空をきれいに撮るために必須だと言うのでAmazonで購入したのですが、届いたら予想外に大きくて重かったという代物。

そして、iPhoneには星空撮影用の有料アプリを導入したので、撮影準備は万全なはず。

 

渋峠を走り切って、きれいな星空を見るために後戻りはできない!

 

自転車を押して歩く一生忘れない道

歩きながらもドリンクをたくさん飲み、日陰があったら小まめに休憩を繰り返していたら、熱中症は少しずつ回復していきました。

しかし、ここにきて用意していたドリンクがゼロになってしまった!

自動販売機は!?見当たらない。大ピンチだ!

 

喉がカラカラになりつつ、クロスバイクを押して歩いていると、目の前に潤満滝展望台という施設の駐車場があらわれました。

ここになら自動販売機があるかもしれない!

ただし、結構な階段を上っていかないと展望台には着かないようなので、今まさに降りてきたおっちゃんに「この上に自動販売機はありますか?」と聞いてみると、「そんなものはない」と一蹴。

自動販売機がないのであれば、滝を見ている余裕もない。先を急ぐとしましょう。

 

そこから500mくらい歩くと、今度は沓打名水公園という施設がありました。

名水という文字に期待を込めて公園内に入ってみましたが、こじんまりしたところで自販らしきものは見当たりません。うーん、残念。

 

せっかく熱中症が回復したのに、再発しそう。

飲み水を求めてさまよい歩いていると、『森の温泉宿 ビワ池ホテル』という宿泊施設を発見。

中に入ってみると、夢にまで見た自動販売機がありました!助かった~!

この先のことも考えて、500mlペットボトルを3本購入。重量は増えてしまったが、背に腹は代えられない。

森の温泉宿 ビワ池ホテル

九死に一生を得ました。ありがとう、ビワ池ホテルさん。

ちなみに、このホテルの近くに琵琶池という形状が楽器の琵琶に似ている池があるようなので、余裕があれば見たかったのですが今回は諦めます。

 

時刻は14:50。

渋峠ホテルまでの距離を調べてみると、まだまだ13km以上あるらしい。普通に自転車に乗っていても長い距離なのに、今は満足にペダルも漕げない状態。

先が思いやられます。

15時くらいに到着してまったり過ごしているはずだったのに、どうしてこうなった?いや、予定通りにいかないのも旅の醍醐味!

 

再び歩きはじめます。

自転車に乗ってペダルを漕げるのは、下り坂と平坦な道、そして本当に緩やかな上り坂のみです。少しでも勾配が急になると、足がつりそうになるので降りなければなりません。

これ、なんだろう?

熱中症の後遺症?それとも、ハンガーノック?食事はきちんとしてきたんだけどな。

おそらく、汗をかきすぎて塩分を失ったせいだろう。塩タブレットを買っておけばよかった。

 

ビワ池ホテルから約5km進むと、遠くに立ち上る煙を発見。なんだろう?ワクワクしながら近くに行ってみると、煙ではなく地下から噴き出た湯気でした。

平床大噴泉

ここは、志賀高原の名所のひとつ平床大噴泉。

すごい硫黄臭ですが、それが「温泉地に来たぞ!」感を高めてくれます。

 

それにしても、ビワ池ホテルからここまで来るのに1時間くらいかかっているぞ!そりゃそうか、ほとんど歩きだから時速5~6kmだもんな。

渋峠ホテルに着くのは、何時になるんだろう?夕食には間に合うのだろうか?

不安を感じながら進んでいると、案内看板に”渋峠ホテル”の文字がはっきり見えました!

国道292号の看板

こういうのを見ると安心するんですよね。よし、がんばって進もう!

 

相変わらずいい天気。これは天体観測にも期待ができそう。そして、たまに出てくる標高が書いてある看板。

国道292号、標高1,700m地点

標高1,700mかぁ。上って来たなぁ。

佐渡島の大佐渡スカイラインでも最高点が942mでしたよね。それよりはるかに高いところにいるはずなのに、見通しがよくないから全然実感が湧かない。

ただ、標高が高くなるにつれて確実に気温が低くなっています。山頂は快適な温度だろうな。

 

少しでも早く着きたくて、無理してペダルを漕いでいたら、左足の太ももをつってしまいました。めっちゃ痛い。

生まれてはじめて太ももをつったんですが、足がピーンとなって膝が曲がらなくなるんですね。降りることもできなくなったので、立ったまま太ももをマッサージ。

 

この後、ただ歩いているだけでも足がつりそうになるくらいまで消耗してしまいます。

休憩の回数を増やすしかありません。

渋峠の7割くらいを自転車に乗らずに押して歩いているけど、自分がやっているのはサイクリングなのか?…という疑問が頭をよぎります。

そのたび、「自転車と共に在ることがサイクリング!」「乗らずに、押していようとも、自分は今まさにサイクリングをしているのだ!」という訳の分からない理屈で自分を奮い立たせました。

 

歩きます。

国道292号の渋峠

ひたすら歩きます。

国道292号の渋峠

山がきれいだ。空に浮かぶ雲が近くなった気がする。高いところまで上ってきたんだな。

 

自転車を押して歩いていたら、バイクに乗った人たちから「がんばれー!」という激励の言葉をいただきました。ありがとうございます!

見知らぬ人から激励されたことありますか?僕ははじめてです!よっしゃあ、気合い入った!

 

そして、標高2,000m地点に到達。顔を上げてみると、それらしい建物が目に入りました。

国道292号の渋峠

あれ、渋峠ホテルじゃない?インターネットで調べたとき、あんなような形をしていた気がする!きっとそうだ!

もう少し…なのか?

颯爽と自転車にまたがり、ペダルに足をかけます。最後の力を振り絞って、ペダルを回すときがきました。

いざ、渋峠ホテルまでのつづら折りに挑みます!

 

前編のおわりに

待望の渋峠でしたが、自己管理ができていないばっかりに、サイクリングとは名ばかりの苦行になってしまいました。

しかし、思い出深いものになったことは間違いありません。

僕は、クロスバイクを押して歩いた20数kmの道のりを一生忘れないでしょう。

 

今回は、『道の駅 北信州やまのうち』から渋峠に入り、標高2,000mまで走りましたが、景色的にはあまり変わり映えのしない道のりだったのが残念。

もちろん、とてもいい景色はたくさんありました。しかし、両脇に草木が生い茂っているせいで基本的には見通しが悪く、高いところを走っている感じがあまりしません。

森林限界を超えて走る!ということに憧れていたのですが、あまり実感が湧かず、景色を楽しむのであれば、やはり群馬県側から上がった方がよさそう。

交通規制の解除が待ち遠しいですね!

 

後編は、渋峠ホテル到着から天体観測、そして帰路についてお話します。

それでは皆さんも、体調管理は万全にしてライドに望んでくださいね~!

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