遡ること2年前くらいに加入した地元のサイクリングチーム。
これまで予定とタイミングが合わずに参加を見送っていましたが、このたび満を持して参加することに相成りました!
旅の道中で知り合った人と走ることは何回かありましたが、最初から最後まで複数人で走るグループライドははじめての経験。
そこには、ひとりで走っていたのでは味わえない楽しみがあるはず。
緊張もありますが、新しいことへのワクワクを存分に感じながら走っていきましょう!
ビワイチはどうした?
本題に入る前に、少しお話させてください。
数か月前から入念な準備をしていた琵琶湖一周、通称・ビワイチへのチャレンジ。このブログでもちょこっとだけ予告させてもらいましたね。
当初、11月14日(木)の仕事おわりの夜中に車で滋賀県米原市までドライブ。15日(金)と16日(土)の2日間かけて琵琶湖を一周する計画でした。
一周する中で、マキノ高原のメタセコイア並木も見るぞー!と意気込んでいたのですが、悲劇は出発と同時に起こりました。
車にロードバイクと必要な道具一式を積み込み、いざ琵琶湖へ出発だ!エンジン始動!
―――キュルキュル…
あれ?あれれ?
静まり返った夜に妙な異音が鳴り響くばかりで、一向にエンジンがかからない。これはもしかして、いわゆる『バッテリーが上がった』という状態?
「え?うそでしょ!?」
しばらく待ってからキーをひねってもダメ。完全にダメ。
(これからJAFを呼んで、速攻でバッテリー交換してもらって向かうことは可能か?)
(その場合、出発は何時になる?琵琶湖に到着するのは?)
(最悪、琵琶湖を1日で回れば…いけるか?)
さまざまな考えが脳裏を駆け巡りますが、行き着いた答えは無念の中止。
ずっと楽しみにしていたビワイチ、観光協会に電話して資料まで送ってもらったのに…。苦渋の決断でしたが、出鼻をくじかれたこのテンションでは琵琶湖を真に楽しめない。
と言うわけで、車のトラブルによりビワイチまさかの断念!
でも冷静に考えたら自宅駐車場での出来事だったので、むしろ運がよかったですよね?これが琵琶湖までの道中だったら…。考えるだけでゾッとします。
翌日、自動車整備工場にバッテリー交換をお願いしたら、他にも危ないところが見つかったのでこれまた不幸中の幸い。車が危険を察知してくれたのかな。
メタセコイア並木は紅葉だけではなく新緑も見応えがあると聞きますので、その時期に改めてチャレンジしたいと思います!
集合は『道の駅 しょうなん』
ビワイチが中止になったおかげというのもなんですが、予定がぽっかり空いたのでグループライドに参加できることになりました。
当日の集合は朝8時半に千葉県柏市の『道の駅 しょうなん』です。手賀沼のほとりにある道の駅らしいのですが、今まで訪れたことはありません。
調べてみると自宅から10kmくらいなので、ロードバイクで自走しても1時間あれば余裕で到着できるでしょう。車は修理に出しているのでちょうどいいや。
11月も中旬になると、さすがに朝は冷え込みますね。しかし、風が少なく太陽も照っているので「寒い!」と身震いするほどではなさそう。
念のため、ビワイチに備えて新調した防寒装備に身を包み、出発しました。
道中で信号待ちをしていると、元気なおばさまから声をかけていただきました。
「ずいぶん背が高いね~!すごいね!」
最初はなんのことを言っているのかわかりませんでしたが、どうやらサドルの高さに驚いてくれているようです。
「いやいや!転びそうになりますよ~!」
なんて返答しながら、おばさまとの一期一会を楽しみました。
スポーツ自転車に乗っているときや自転車旅をしているときって、普段の10倍くらい見ず知らずの人から声をかけてもらえます。
あいさつや雑談、時には軽い声援をいただくこともあります。ありがたいですよね。これも自転車の素敵なところです。
道幅は狭く、舗装も行き届いていない道路はとても走りにくかったですが、土曜日の朝ということで交通量はさほど多くない。
めちゃくちゃいい天気!最高のサイクリング日和です。
10kmくらい走ると、いよいよ手賀沼も目と鼻の先。ひさしぶりのサイクリングだったのですでに若干疲れてしまいましたが、本日のメインイベントはこれからだ!
時刻は8時20分、結構ギリギリになってしまいましたが『道の駅 しょうなん』に到着。
ライドの起点や集合に適した場所なのか、ロードバイクに乗ったサイクリストがたくさんいました。皆さん、これから思い思いに走っていくんだろう。無事故で…!
さあ、僕のチームはどこにいるんざんしょ?
連絡してみると、サイクルラックの近くに集まっているとのこと。そこで、チームの方々と感動の初対面を果たしました。
「ようやくお会いできましたね」
それが、チームの皆さんからいただいた最初の言葉。
加入から2年の間、ライドには参加していないものの、LINEで質問させていただいたり、コメントしたり、ちょこちょこアクションは起こしていたので一定の認知度はあったようです。
なんだか嬉しかったですね!普段LINEでやり取りしている人たちが、現実に目の前にいるというのがとても不思議でした。なかなかに感慨深い。
今日のサイクリングメンバーは僕を含めて総勢7人。
ひとしきり自己紹介が済んだところで、どこまで走ろうかというミーティング。いろいろな案が出ているようですが、道を知らない僕はただただ決定を待つのみ。
他力本願ですいません!
そして、無事に目的地が決定。
リーダーから、「市街地では3人と4人に分かれて、車2台分くらい距離をあけて走りましょう」という取り決めが全員に伝えられました。
車への配慮もバッチリですね。自分が車を運転しているときもそうですが、長い列を作って走っているロードバイク集団って抜きにくくて怖いんですよね。
時刻は9時。ついに出発することになりました。
サイクルラックのマイロードバイク。今日も頼むぜ、相棒。
それはそうと、他の人の自転車を見るのは楽しいですね。皆さんそれぞれ、思い思いの工夫がされたカスタマイズをしているようです。
僕のロードバイクはほとんど納車時から変化のないノーマルな感じですが、ゆくゆくは自分の色?味?個性?…そんなものを出していければいいなと思います。
談笑もほどほどにロードバイクにまたがります。ビンディングをはめる音がバチンバチンと当たりから聞こえます。うーん、高まる!
グループライド、どんな感じなんだろう?ワクワクしながら、出発のときを待ちます。
はじめてのグループライド
グループ内で走る順番とかあるのかな?そう思い、様子を見ているとリーダーを先頭になんとなく出発し、なんとなく列になっていきました。
僕ははじめてのグループライドということもあり、後方を位置取り。メンバーの自転車歴や走力はわかりませんが、走り慣れていそうな人が最後尾をキープ。
どこから得た知識かわかりませんが『しんがりは重要!』という話を聞いたことがあるので、この采配は納得。なんだか、見守られている安心感があるぞ!
まずは、手賀沼サイクリングロードを大堀川方面に向けて走ります。
手賀沼湖畔1周20kmを囲むように整備されているサイクリングロードは、とても走りやすくて気持ちがいい。
自転車道と歩行者・ランナー優先道に分かれているのもポイントが高いところです。
グループライドでは、自分の前を走る人との車間を詰めすぎず、離れすぎず、ちょうどいい間隔になるように調整しながらペダルを回すようにします。
そして、走りはじめてすぐに単独走行とグループライドの違いをハンドサインの有無で感じることができました。
前方に人や障害物があったら避けろのサイン、スピードを落とすときのサイン、右折や左折のサインなど、多くのハンドサインが先頭から流れてきます。
事前にどんなハンドサインがあるのか予習してきましたが、実際におこなうのははじめてなのでとにかく前の人の真似に専念。
前を走る自転車との距離が近すぎると、ハンドサインを受けてから少し慌ててしまいます。余裕がない状況での片手運転&ハンドサインは車体がフラつくので気を付けよう。
車間の取り方やハンドサインの出し方も慣れですね。少しずつ感覚に馴染んでいこう。
10分くらい走って手賀沼を抜けると市街地に入ります。県道47号を走って、新大利根橋で利根川を越えていきます。
過去に利根川サイクリングロードをひたすら走って、銚子市まで行ったことを思い出すなぁ。
茨城県に入り、少しばかり街の中を走ったところで川から川へ。今度は小貝川沿いのサイクリングロードに乗り継ぎます。
しばらく快適なライドが続きそう…と思った矢先、T字路が出現して強制的に小貝川に架かる橋を渡ることになりました。
そして、今まで走っていた逆サイドのサイクリングロードを走っていると、リーダーが突然のストップ。どうやらおもしろいスポットがあるようです。
趣がありますね。つくばみらい市にあるこの橋は『小目沼橋』というそうです。
幅は1.5mほどで、欄干(手すり)がないのが特徴です。川が増水した時に、欄干がない方が橋へのダメージが少ないという配慮なのかな?
みんなで歩いて渡るのは、なんだか妙におもしろかったです。
小目沼橋を渡り切ったら、小貝川サイクリングロード再び!
目的地まではほとんど一直線なので、思う存分ペダルを回していきますよ~!
目的地は豊田城
今回のライドは茨城県常総市にある地域交流センター、別名『豊田城』が目的地です。
常総市地域交流センター『豊田城』
平安時代末期から戦国時代まで当時の常総市がある地域を支配した豊田氏が、東部に流れる小貝川沿いに城館を築き、豊田城と呼ばれていた。
その豊田城を模して建築されたのが常総市地域交流センターである。
なるほど、あくまでも豊田城を模した建築物なんですね。実際の豊田城はもっと別のところにあったようです。
出発地点の『道の駅 しょうなん』から豊田城までは片道45kmくらい。長距離ではないんですが、なぜだかやたら疲れる。まだ半分くらいしか走ってないぞ?
ひさしぶりのライドということもあるのでしょうが、いつもひとりで走るペースよりも少し速いことが大きな原因でしょうか。
僕が楽に走れるペースは時速23kmくらいなのですが、今回のライドでは時速25kmで巡航しています。この2kmの違いがなかなかツラい!
ひとりだと疲れたらペースを落とせばいいし、いつでもどこでも立ち止まって休憩できるのですがグループライドはそれができません。
遅れないように追従するので精いっぱい。毎回こういう走り方をしていれば、おのずと走力も上がるというわけですね!
「お腹減った…」
油断して朝食にパン1枚しか食べていなかったのでエネルギー切れを起こしそう。コンビニで休憩したときに補給しておけばよかった…。
なんて嘆いていると、前方に大きな天守閣が出現!
エネルギーが底をつく前に、なんとか目的地である豊田城にたどり着くことができました!
貼って剥がして、また貼って。そんな形跡が見受けられる案内看板ですが、豊田城の内部は地域交流センターの名にふさわしい資料館になっているようです。
これは見学するっきゃない!
その前に昼ご飯を食べることになり、近くにあった中華料理のお店で腹ごしらえ。
それにしても、自転車仲間との昼食休憩はやはり自転車の話で盛り上がりますね!いろいろな話を聞けましたし、自分の話も聞いてもらいました。
さて、食休みがてら豊田城を見学しましょう。中に入ると、真っ先に目に飛び込んできたのはマンホールカードののぼり旗!あるの!?
アンケートに答えて常総市のマンホールカードをゲットしちゃいました。実物を見に行きたかったのですが、今日は団体行動なので断念。
マンホールの実物が飾ってありましたので、今回はこれで我慢しておこう!
僕につられて他のメンバーも2~3人ほどカードをもらっていましたが、マンホールカードの存在を知っている人は誰一人としていませんでした。
うーん、マイノリティな趣味ですね。
みんなでビンディングシューズをカツカツ響かせながら城内を見学します。
内部はかなり充実していて、3階では常総市の歴史、4階では常総市の産業、6階ではデジタル展示がおこなわれていました。
驚いたのは、タッチパネル式の資料、昔の人の服装で写真が撮れる機械、VR体験コーナー、プロジェクションマッピングなど、ハイテク技術を駆使した展示物の数々です。
やるな、豊田城。意外にも…と言ったら失礼ですが、想像以上に楽しむことができました。
7階の展望室からの眺めも格別でした。
遠くに見えるのは、いつかは上りたいと思っている筑波山。待ってろよー!
それにしても、日差しは暖かいし風もない最高の天気。このまま布団でも敷いて眠りたい。そんなことを考えつつ、小1時間ほど見学して帰路につくことにしました。
【往路のライドデータ】
走行距離 44.14km
所要時間 2時間46分
走行時間 2時間23分(-23分)
時速28kmのドラフティング
無事に帰るまでがサイクリングです。基本的には来た道を戻るのかな?道がわからないので、後方から追従させていただきます。
出発して小貝川サイクリングロードを2kmくらい走ると、なにやら古びた石碑が立っていたので一同ストップ。
おお!これは『豊田城跡の石碑』…ということは、ここに本来の豊田城があったのかな?
ポツンと石碑が立っているだけなので、なんだか哀愁が漂いますね。
再スタートしてライドは続きます。
先日、ビアンキバイクストアで”正しい姿勢”で乗れているのか?ポジションを見てもらいました。その際に、サドルを5mmくらい高くしてもらったのですが…。
その影響かいつも以上にお尻が痛い。
たった5mmですが、サドルが上がると乗ったときの感覚が大きく変わります。それに慣れていないだけなのか、そもそもポジションが合っていないのか。また見てもらおうかなぁ。
実は今回のライドでは、長年憧れていた『ドラフティング』がどのようなものなのか?実際に体験できるチャンスだとワクワクしていました。
ドラフティングとは、前方を走る人に”風よけ”になってもらうことで、単独で走るよりも楽にペダルを回すことができるようになるという有名なアレです。
僕のような初心者が、あまりピッタリと人のうしろに張り付くのは危険が伴うのでやりませんが、車輪1~1.5個分くらいかな?距離をあけて走ってみます。
すると、プラシーボ効果も入っているのかもしれませんが、風よけ走行は確かに楽だ!少ない力でペダルを回せている…気がする!
前の人との距離があきすぎると、その途端にジリジリ離されていきます。風よけの恩恵を受けれていたからこそ、今までこの速度で巡航できていたのでしょうか?
風の抵抗、おそるべしですね。
行く手を阻むものがないサイクリングロード、帰り道の巡航速度は時速27~28kmくらいと行きよりも速いペース。
これはキツい!おいていかれないように必死で喰らいつきます。
何分くらい走っただろう?足を緩めることはなく、みんなペダルを回し続けている。
「そうか、これが『巡航』する…ということか…」
疲れたから足を緩めるのではなく常に一定。これこそが巡航。自分も走り込んで、少しでも楽についていけるようになろう!前向きな目標ができました。
その後、小貝川サイクリングロードを降りて市街地に入り、ルート確認と休憩のためにコンビニに立ち寄りました。
出発地点の『道の駅 しょうなん』に戻ると、家まで遠回りになってしまう人もいるため、ある程度のところで順次解散することになりました。
僕もその中のひとりだったのですが、スタートとゴールを同じところにしたかったこと、もう少しグループで走りたかったこともあり、道の駅まで戻ることにしました。
信号待ちでの1枚。なかなか写真を撮ることができないのが、グループライドの難点かな。
道の駅行きのメンバーは僕を含めて4人でしたが、この人たちが速いのなんの!気を抜くと一気に距離をあけられてしまいます。
これがこの人たちの本来の速さなんだろうな。
日も暮れはじめ、フロントライトが必要になるくらいの頃合いで道の駅に到着しました。時刻は17時。集合してから実に8時間以上も経っていたのか。あっという間でした!
メンバーの方に別れを告げて解散となりました。
さすがにこの時間になると、サイクルラックを独占状態。
少し休憩して、自宅までもうひと走り。それにしても、濃密な1日だった!
【復路のライドデータ】
走行距離 40.42km
所要時間 2時間28分
走行時間 2時間12分(-16分)
【本日のライドデータ】
走行距離 111.01km
なにげに100km以上走っていたんですね。そりゃ疲れるはずだ!
おわりに
はじめてのグループライドでしたが、皆さん良い方々だったので緊張せずに最後まで楽しく走ることができました!
単独走行は自分のペースで走れること、いつでも止まって写真を撮ったり休憩できること、その気軽さがメリットでしょう。
対してグループライドはどうか?
ひとりで走っていては得られない刺激を受けられるのが最大の魅力でしょう!
自分よりも熟練された人たちと走ることで、自転車の乗り方や交通マナーをたくさん学ぶことができました。
グループライドでは必要不可欠なハンドサインも学習の宝庫です。
ハンドサインを送るためにはいち早く周囲の状況を察知する必要があり、その”注意すべきポイント”がなんとなくですがわかるようになりました。少しだけ成長したぞ。
そして自分よりも速い人と走っていれば、自分の走力も間違いなく上がる!という確信が持てました。
その証拠が筋肉痛。自分のペースで走っているときは、足が痛くなることはあれど意外に筋肉痛って少なかったように思います。
グループライドではおいていかれたくない一心で必死に走る!自分の巡航速度の限界を超えて、体を追い込み走る!それにより走力が高まる!最高の循環じゃないですか!
最後に、やはり最大の刺激は”会話”でしょう。
集合のとき、コンビニ休憩での立ち話、昼ご飯を食べながら…など、口を開けばみんなで自転車の話に興じます。人とこれだけ自転車の話をしたの生まれてはじめて。
最高の刺激になり、自転車に対するモチベーションアップにもつながりました。
チームで走るグループライドはとても楽しいので、加入できそうなチームを探してみると自転車の世界がまたひとつ広がると思います。
インターネットで調べると割とたくさんの募集がありますし、なければイチから作る!のもおもしろいかもしれませんね。
ビワイチは延期になりましたが、とても新鮮なひと時を過ごすことができました。巡り合わせに感謝です。
また予定を合わせて参加してみたいと思いました!
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