記念すべき日本横断ライドの1日目は、葛西臨海公園から群馬県高崎市をめざします。
走行距離は約120kmを予定。
あがりかけの雨の中、日本横断に向けてペダルを踏みだしました!
いきなりのトラブルと荒川CR
時刻は8時30分。
葛西臨海公園で太平洋に向かい、「必ず、日本横断を成し遂げる!」と心に誓って、クロスバイクにまたがりました。
さて、荒川サイクリングロードはどっちだ?
少し走ったところに園内マップがあったのでルートを確認。ふむふむ。まったくの逆方向だったわけね。よし、それじゃあ、改めて出発しましょ———ガチャン!!!
スタート3分でまさかの立ちゴケ。ううっ…状況はこうです…(´;ω;`)
園内マップを見ているとき、横着して右足のビンディングを外していませんでした。ルート確認後、180度方向転換しようとしたら、バランスを崩して右側からバタンです。
葛西臨海公園まで走っていた中で、1回も危ない場面がなかったので完全に油断していました。油断大敵とは、よくぞ言ったものだ…。
最悪、立ちゴケするときは、手足を出さずにそのまま倒れ込んだ方が軽傷で済むのですが、僕は咄嗟に右足を出そうとしてしまい、膝を思いきり擦りむきました。
アンダータイツは破れ、膝からは血が出ています。
そんなことより、クロスバイクは無事か!?ここまで来て、故障したので日本横断できませんでしたじゃ笑い話にもならないぞ!
傷は増えてしまいましたが、幸いなことに故障はしていませんでした。本当によかった。
いきなりの負傷で先行きが不安ですが、荒川CRへの道を発見。
空は雲で覆われていますが、雨はあがりました。それだけで、だいぶ走りやすくなります。
そして、荒川CRを爆走!なにこれ、めちゃくちゃ走りやすい!
信号の多い街中を走って来たフラストレーションを発散させるべく、軽快にペダルを回します。風を切って走る!気持ちいい!
15分くらい走っていると、唐突にサイクリングロードが終わりを告げました。あれ!?この道がずっと続くわけじゃないんだ。
荒川CRを見失ってしまったので、とりあえず清砂大橋を渡ってみます。しばらく北上すると葛西橋にぶつかったので、少し悩んでから、またまた渡ってみます。
謎な行動をとりつつも、「要は荒川沿いを走ればいいんでしょ?」くらいの気持ちで走っていたら、再び荒川CRらしき道を発見しました。
路面状況は悪くないので、軽快に走ることができます。しかし、ここは本当に荒川CRなのか?左手に見える川は荒川なのか?という不安がつきまといます。
そんなとき、ちょうどいいタイミングで案内板があったので確認。
うん、今走っている道は荒川CRで間違いないでしょう。この案内板を見て、荒川と中川に挟まれた道を走っていることが分かりました。
スマートフォンの地図アプリで来た道を確認してみると、どうやら最初に渡った清砂大橋あたりで川が分かれていたようです。
気づかないで中川沿いを走っていたら、今ごろ大変な目に合っているところでした。清砂大橋を渡るという直感は正しかった!…ということにしておこう。
道を間違えていないという確信も得られたので、あとは気兼ねなくペダルを回すのみ!
雨は完全にあがり、雲の間からは熱い太陽の日差しが降り注いでいます。
15kmくらい走り、埼玉県川口市周辺に来ると、今まで走っていた道の先がなくなり、行き止まりになってしまいました。あれ?道を見落としたかな?
基本的にはスマートフォンの地図アプリには頼らない方針なので、ウロチョロして川沿いに続く道を探します。
土手を上がると大きな学校があったので、校舎の裏側から回り込めないかな?と、クロスバイクを走らせていると、本日2回目の立ちゴケ(ノω・、)
状況はこうです。
周囲を眺めながら走っていたら、柵で道幅が狭くなっていることに気づきませんでした。
器用な人なら自転車に乗ったまま通過できそうなくらいの微妙な幅だったので、走り抜けてやる!と1度は思ったんですが直前でビビり、思わず急ブレーキ!
そのまま立ちゴケです。幸い、左側に倒れたのでクロスバイクの故障はなし。
また傷を増やしてしまった。これ以上、愛車に無用な傷をつけないためにも、早くビンディングに慣れていかなきゃな。もちろん、自分自身の怪我も怖いしね。
結局、校舎の裏側から回り込む道の先は行き止まりでしたが、高い土手から周囲を見渡してみると、行き止まりだと思っていた道の先を通り抜けられるのに気づきました。
無事に荒川沿いの道に合流。まだまだ荒川のお世話になりますよ~!
偶然の出会い~榎本牧場のジェラート
スタートしてから3時間くらいが経ちました。
この時点で結構な疲労が溜まっていたのですが、荒川を頼りに走り続けます。たまに地図アプリで現在地だけは確認しておきます。
荒川運動公園を越えて走っていると、なにやら大きな駐車場に吸い寄せられていきます。
なに?道間違えた?と思いましたが、とりあえず走っていると、景色のきれいなところにたどり着きました。
わーい、どこじゃこりゃ?案内板を見てみると、なんと埼玉県戸田市にある彩湖でした!
2020年東京五輪のカヌー・ボート会場の候補地として注目されましたよね。
彩湖は自然豊かで癒されますね。調べてみると、一周5kmくらいなので、まったりサイクリングするのにちょうどよさそう。実際にロードバイクに乗っている人がたくさんいました。
彩湖を横断して、再び荒川沿いの道に合流。先に進みます。
隠れてしまっていますが、木々の先には荒川が流れています。午前中の嵐がウソのようないい天気。ただし、風はかなり強め。嵐の影響が残っている感じです。
彩湖の先にある埼玉県さいたま市の秋ヶ瀬公園を越えたあたりで、名残惜しいですが、そろそろ荒川から旅立つときが来たようです。
来たようですというか、走っていた道がどんどん荒川から離れていってしまい、元に戻れなくなっていました。
仕方ないので、とりあえず国道17号をめざして走りましょう!
道に迷いながらも、こっちかな?あっちかな?と走っていると、とても素敵な偶然の出会いがありました。
自転車アニメ『ろんぐらいだぁす!』の聖地としても有名な榎本牧場です!
いつかは来てみたいと思っていた場所だったので、目の前に榎本牧場ののぼり旗が現れたときは目を疑いました。
榎本牧場内でおいしいジェラートを販売しているお店。なんと、店名は『フォルトゥーナ』と言うそうです。
この名前は、『ろんぐらいだぁす!』の主人公たちがチームに付けた名前とまったく同じなんですが、どっちが先なんだろう?
まぁ、細かいことは置いといて、ジェラートを注文。たくさんの種類がありましたが、ここは王道”ミルク”をチョイス。
めちゃくちゃ美味しい!さすが牧場のジェラートです!疲れた身体に染み渡る優しいミルクの甘さが絶品(〃v〃)
食べ足りないのでおかわりをしたいところですが、次回の楽しみに取っておきましょう!
牧場内には子豚や牛などがいたので、しばし動物たちと一緒に休憩。子豚に触りましたよ。
榎本牧場、とてもいいところだった。
ただ!ひとつだけ言わせてもらえるのなら、牧場内の広場におもちゃのクルマや三輪車が『ご自由に遊んでください』と置かれているんだけど、その台数も、お子様たちの人数もとても多くて、何度轢かれそうになったことか…。
結構カオスな状況でした。
さて、榎本牧場から高崎市までの距離はどのくらいだろう?ポチっとな。うん、あと70kmくらいあるのね。
うわー!ここにきて、初めて辛いと思いましたが、めげるわけにはいかない!
気合いを入れて、榎本牧場を出発しましょう。
自転車人生で1番辛かった日
榎本牧場から無事に国道17号に合流できたので、群馬県方面に向かいます。
それにしても、風が強い!朝の嵐ほどではないにしても強風、いや、突風という言い方が当てはまるような感じの風が吹いています。
ええ、もちろん向かい風です。時速15kmくらいしか出ません。出せません。
必死にペダルを回しますが、いい加減辛くなってきたぞ。実は朝から食事らしい食事をしていません。口に入れたものと言えば、塩飴、カロリーメイト、ジェラートのみ。
ロングライドをすると、食事をおざなりにしがちなんですよね。目的地まで距離がある状況でお店に入ってゆっくり食事ができないタチなんです。
腹減ったァ…なんて思いながら走っていると、ついに青い案内標識に”高崎市”の文字が出てきました!
あと、47km!…47km!?
正直、この向かい風の中での47kmは相当しんどいです。
自転車で日本横断することを唯一伝えた友達にその旨を連絡してみると、「もうちょっとじゃん!ガンバ!」という、なんとも軽い返事が来ました。くぅ~!
空を見ると、さっきまであんなに晴れていたのに、徐々に黒雲が広がってきました。うーん、とても嫌な予感。
暑いことで有名な埼玉県越谷市に入ったところで、悪い予感が的中し、雨がポツポツ降ってきました。服もクロスバイクもせっかく乾いたのに…。
レインウェアを着て、リュックサックにレインカバーを装着して、ささやかながら雨対策。
しばらくすると雨雲の下を抜けたようで、すぐに雨は止みましたが、目線の先にはさらに大きな雨雲。悪いことは続くようで、埼玉県深谷市にて三度雨に降られました。
まぁ、ここまで来ると慣れっこですね!
スタートから何時間経っただろう?太陽が沈みはじめています。
とても辛いです。もうペダルを回したくない。
クロスバイクに乗っていて、ここまで精神的に辛かったのは初めてかもしれません。
趣味としての自転車に疑問すら感じてしまい、高崎市から輪行で帰っちゃおうかな…なんて考えまで頭に浮かぶ始末。
どちらにしろ、予約しているビジネスホテルまでは行かなければいけません。その一心でペダルを回します。
神流川という小さい川に架かる大きな橋を越えたところで、ついに群馬県高崎市の案内標識が出てきました!これはテンション上がる!
思わず写真を撮りましたが、逆光で文字がまったく見えません。しかし、間違いなく高崎市の文字が刻まれた看板なのです!
来た!ついに来た!
時刻は17時40分。葛西臨海公園をスタートしてから、9時間10分が経過しています。
四の五の言ってられず地図アプリでルートを確認すると、ビジネスホテルまでは残り約15kmとのこと。短いようで長い!気合いを入れなければ!
群馬県に入ると、さらに向かい風が強くなります。これが、ウワサに名高い群馬県の”からっ風”というやつか!?時速10kmくらいしか出ないぞー!
夕焼けがきれいです。1時間かけて10kmしか進まないジレンマは、この景色を見て吹き飛びました。
国道17号をひたすら走ってきましたが、ついに自転車では走れなそうなところに来てしまいました。多分、自転車通行禁止ではないけど、歩道や路側帯がないので危険極まりない。
城南運動公園の脇を抜けて、市街地を走るルートを選択。残り5km!
住宅街や商店街を走ることで、わずかながら高崎の街並みを知ることができました。時間があれば観光でもしたかったけど無理だ。
そして、日が落ちて暗くなった19時30分、ついに1日目の宿泊地であるビジネスホテルに到着しました!
めちゃくちゃ疲れた。心も体も疲労困憊。でも、たどり着けて、泣きそうなくらい嬉しい!
祝!日本横断1日目を完走!
自転車旅の場合、宿はほとんど寝るためだけにあるようなものなので、安さ第一で選んでいます。今回のビジネスホテルは1泊3,000円!その割にきれいでよかった。
チェックインをすると、真っ先にシャワーを浴びます。
サイクリストの方なら共感してもらえると思いますが、ロングライド後のお風呂は格別ですよね!本当なら銭湯にでも行きたいところですが、時間的にも体力的にも厳しいので割愛。
シャワーを浴びて落ち着いたら、洗濯物をリュックに詰めて、夜の街に繰り出します。そう、コインランドリーで洗濯をしなければなりません。
替えのサイクルウェアを持ってきていないので、その日のうちに洗濯しないと、汗だくウェアを翌日も着なければいけなくなってしまうんですよね。
洗濯、そして乾燥中に食事を済ませ、帰り道のコンビニでひとり宴会の買出し。これが楽しみなんですよ!
お菓子とせんべいをつまみに、缶チューハイで乾杯!お疲れさまでした~!
サイコンを見てみると、今日だけで170kmくらい走ってた。1日の最高走行距離を余裕で更新しちゃってました。そりゃ、疲れるわ。
さて、疲れた身体にお酒がよ~く染み渡り、気持ちよくなってきたので、早めに就寝です。
走っている最中は、かなり辛くて、自転車辞めちゃおうかな…とか、高崎から輪行で帰ろうかな…とか、かなり弱気になっていましたが、走り切ると、やっぱり達成感、充実感の方が圧倒的に勝りますね。
もちろん、2日目もがんばりますよ!
【本日のライドデータ】
所要時間 11時間00分
走行時間 8時間23分
走行距離 141.01km(トータル170.37km)
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