クロスバイクで日本横断!太平洋と日本海を結ぶ旅(1日目)【葛西臨海公園⇒群馬県高崎市】

群馬県高崎市 自転車ライド

記念すべき『日本横断ライド』の1日目は、東京都江戸川区の葛西臨海公園から群馬県高崎をめざして走ります。

ザックリと調べたところ、走行距離は約120km

 

吹き荒れる暴風雨の中、自宅から葛西臨海公園まで走った30kmで早くも結構な体力を持っていかれています。これは、厳しいライドになりそうだ…!

そんな僕の背中を後押しするかの如く、雨脚は弱まってきました。今がチャンスとばかりに、日本横断に向けてペダルを踏み出します。

 

~前回のライドはこちら~

クロスバイクで日本横断!太平洋と日本海を結ぶ旅(準備編&0日目)【自宅⇒葛西臨海公園】
クロスバイクで日本横断に出かけました!東京都江戸川区の葛西臨海公園を出発し、新潟県上越市の直江津まで約280kmを走る2泊3日の自転車旅。その初日は朝から嵐に見舞われましたが、びしょ濡れになりながらも出発地点をめざして走ります。

 

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ブログ記事をもとに、大幅な加筆修正を加えた電子書籍です。

興味のある方はご一読ください。

 

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スタート3分、まさかの立ちゴケ

時刻は8時30分。

日本横断ライドの出発地点である『葛西臨海公園』で太平洋を眺めながら、「必ず、日本横断を成し遂げる!」と心に誓って、クロスバイクにまたがりました。

 

1日目の目的地は『群馬県高崎市』です。

荒川サイクリングロードを北上し、適当なところで国道17号に乗り換えてひたすら走る…というのが走行計画なのですが、園内が広すぎてどっちが荒川だかわからん!

 

ウロウロしていると園内マップがあったのでルートを確認。

ふむふむ、まったくの逆方向に進もうとしていました。危ない危ない。それじゃあ、改めて日本横断に向けて出発しましょ…ガッチャーン!

スタート3分でまさかの立ちゴケ。ううっ…状況はこうです。

 

園内マップを見ているとき、横着して右足のビンディングを外していませんでした。ルートを確認後、180度方向転換しようとしたら、バランスを崩して右側からバタン。

葛西臨海公園まで走っていた中で、1回も危ない場面がなかったため完全に油断していました。

 

最悪、立ちゴケするときは、手足を出さずにそのまま倒れ込んだ方が軽傷で済むのですが、僕は咄嗟に右足を出そうとしてしまい、膝を思いきり擦りむきました。

アンダータイツは破れ、膝からは血が出ています。

 

いや!そんなことより、クロスバイクは無事か!?ここまで来て、「故障したので日本横断できませんでした…」では、笑い話にもならないぞ。

フレームの傷は増えてしまいましたが、幸いなことに故障はしていませんでした。本当によかった。

 

荒川サイクリングロードを往く

いきなりの負傷で先行きが不安ですが、荒川サイクリングロードへの道を発見。

葛西臨海公園のサイクリングロード

ほっと一安心。この広大な園内から永遠に出られないかと思ったぜ。

 

空は灰色の雲で覆われていますが、雨は完全にあがりました。雨天…いや、嵐ライドを経験した身からすると、それだけでとても走りやすくなります。

荒川サイクリングロード

葛西臨海公園から荒川沿いに伸びる道は赤茶色に舗装されていて、段差やデコボコが一切ありません。完全にフラット。

クロスバイクが、まるで滑るように進んでいきます。

路面状態が悪かったり、信号機の多い市街地を走ってきたフラストレーションを発散させるべく、軽快にペダルを回し爆走します。風を切って走る!気持ちいい!

 

15分くらい走っていると、唐突にサイクリングロードが終わりを告げました。

あれ!?この道がずっと続くわけじゃないんだ

進むべき道を見失ってしまったので、とりあえず目の前にあった『清砂大橋』を渡ってみます。しばらく北上すると『葛西橋』にぶつかったので、少し悩んでから、またまた渡ってみます。

 

謎な行動をとりつつも、「要は荒川沿いを走ればいいんでしょ?」という気持ちで走っていたら、再びそれらしき道を発見しました。

路面状況は悪くないので、軽快に走ることができます。

しかし、ここは本当に荒川サイクリングロードなのか?左手に見える川は荒川なのか?という不安がつきまといます。

 

そんなとき、ちょうどいいタイミングで案内板があったので確認。

荒川サイクリングロード案内板

うん、どうやら間違いなかったようです。この案内板を見て、荒川と中川に挟まれた道を走っていることが分かりました。

スマートフォンの地図アプリで来た道を確認してみると、どうやら最初に渡った『清砂大橋』あたりで川が分かれていたようです。

あのまま進んでいたら中川沿いを走ることになっていたのかな?そう考えると、橋を渡って戻ってきた一連の行動は正しかった!…ということになりますね。そういうことにしておこう!

 

道を間違えていないという確信も得られたので、あとは気兼ねなくペダルを回すのみ。

雲間からは熱い太陽光が降り注いでいます。いいね!やっぱりお日様の下で走るのが、なにより楽しい。サイクリングに天候は重要な要素だと改めて実感しました。

 

それにしても日差しが強すぎるので、立ち止まり、日焼け止めをぬりぬり。紫外線は人体に悪影響を及ぼしますし、日焼けは体力を奪いますからね。

長時間、外を走るサイクリストにとって肌ケアは大切ですよ!

紫外線から体を守ろう!人体への悪影響とサイクリングの日焼け対策
紫外線とはなにか?人体にどんな影響をあたえるのか?まとめてみました。真夏のサイクリング、太陽光の降りそそぐ中を走るのはとても気持ちがいいですが、肌の老化や日焼けを防ぐためにも紫外線対策は必須です。

 

15kmくらい走り、埼玉県川口市周辺に来ると、今まで走っていた道の先が唐突になくなってしまいました。あれ?見落としたかな?

ウロチョロして川沿いに続く道を探します。

土手を上がると大きな学校があったので、「校舎の裏側から回り込めないかな?」と、クロスバイクを走らせていると、本日2回目の立ちゴケ。

 

周囲を見回しながら走っていたら、柵で道幅が狭くなっていることに気づきませんでした。

自転車に乗ったまま通過できそうなくらいの微妙な幅だったので、「走り抜けてやる!」と思ったんですが直前でビビり、思わず急ブレーキ!そのまま立ちゴケ。

幸いなことに、左側に倒れたのでクロスバイクの故障はなし。

これ以上、愛車に無用な傷をつけないためにも、早くビンディングに慣れていかなきゃな。もちろん、自分自身の怪我も怖いですしね。

 

結局、後者の裏側から回り込むことはできませんでしたが、高い土手から見渡してみると、荒川沿いに続く正しいルートを発見することができました。

結果オーライですね。まだまだ、荒川のお世話になりますよ~!

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榎本牧場との偶然の出会い

スタートしてから3時間くらいが経ちました。

この時点で結構な疲労が溜まっていたのですが、荒川を頼りに走り続けます。たまに地図アプリで現在地だけは確認しておきます。

 

荒川運動公園を越えて走っていると、なにやら大きな駐車場に吸い寄せられていきました。

引き返した方がいいのかな?なんて思いましたが、とりあえず道なりに進んでみると、景色のきれいなところにたどり着きました。

彩湖

きれいな池…ではなく、湖か。ここはどこだろう?案内板を見てみると、なんと埼玉県戸田市にある『彩湖』でした!

彩湖のまわりには、きれいに整備された市営の公園『彩湖・道満グリーンパーク』があり、地域住民の憩いの場になっているようです。

一周約5kmの周回コースもあるので、まったりサイクリングするのにちょうどよさそう。実際にロードバイクに乗っている人がたくさんいました。

 

彩湖を横断して、再び荒川沿いの道に合流。先に進みます。

荒川サイクリングロード

隠れてしまっていますが、木々の先には荒川が流れています。午前中の嵐がウソのようないい天気。ただし、風はかなり強めで嵐の影響が残っている感じです。

 

彩湖の先にある埼玉県さいたま市の『秋ヶ瀬公園』を越えたあたりで、名残惜しいですが、そろそろ荒川から巣立つときがきたようです。

きたようです…というか、走っていた道がどんどん荒川から離れていってしまい、元に戻れなくなってしまったんですよね。

仕方ないので、とりあえず国道17号をめざして走りましょう!

 

なんとなくの方向感覚だけを頼りに走っているので、いまいち場所がわからない。

こっちかな?あっちかな?と、道に迷いながらも走っていると、とても素晴らしい偶然の出会いがありました。

榎本牧場

自転車アニメ『ろんぐらいだぁす!』の聖地としても有名な『榎本牧場』です!

いつかは来てみたいと思っていた場所だったので、目の前に榎本牧場ののぼり旗が現れたときは目を疑いました。

 

榎本牧場内でおいしいジェラートを販売している『フォルトゥーナ』というお店。『ろんぐらいだぁす!』の主人公たちのチーム名とまったく同じなんですが、どっちが先なんだろう?

榎本牧場 フォルトゥーナ

細かいことは置いといて、失ったエネルギーを補給するためにもジェラートを注文。たくさんの種類がありましたが、ここは王道”ミルク”をチョイス。

榎本牧場のジェラート

…おお!めちゃくちゃおいしい!

思わず心の中で叫んでしまいました。さすが牧場のジェラートです。疲れた体に染みわたる柔しいミルクの甘味が絶品。

食べ足りないのでおかわりをしたいところですが、次回の楽しみに取っておこう。

 

牧場内には子豚や牛などがいたので、しばし動物たちと一緒に休憩。

榎本牧場は荒川サイクリングロード付近にあるので、サイクリストの休憩の地としても多く利用されているようです。

ありがたいことに、入口にはサイクルラックが設置されています。たくさんのクロスバイク、ロードバイクが駐輪されていることからも、その人気ぶりがうかがえますね。

 

さて、休憩も済んだし出発するかな。

榎本牧場から高崎市に予約したビジネスホテルまでのルートと距離を調べます。スマートフォンをポチポチ。画面には”70”という数字が映し出されました。

あと70km!?まだそんなあるのか!

自宅から葛西臨海公園まで約30km、葛西臨海公園から榎本牧場まで約50km、トータル80km走ってきて、さらに同じくらいの距離が残っているのか。

 

ここにきて、はじめてツラいという感情が芽生えましたが、負けるわけにはいかない。

気合いを入れて、榎本牧場を出発しよう!

 

自転車人生で1番ツラかった日

事前に走行ルートを確認したおかげで、無事に国道17号に合流できました。この道路を群馬県方面にひたすら走っていきます。

それにしても、風が強い!

早朝の嵐ほどではないにしても強風、いや…体感的には”突風”という言い方が当てはまるような感じの勢いのある風が吹いています。

 

追い風なら嬉しいのですが、当然のように向かい風。踏み込むペダルが重く、「この道、上り坂じゃないよね?」と錯覚するくらい走るのが大変です。

必死にペダルを回しますが時速15kmくらいしか出せず、いい加減ツラくなってきました。

 

実は朝から食事らしい食事をしていません。食べたのは、葛西臨海公園で菓子パン、道中で塩飴とカロリーメイト、榎本牧場でジェラートのみ。

ロングライドをしているときって、食事をおそろかにしがち。目的地まで距離があるという状況で、お店に入ってゆっくり食事ができない性格なんです。

 

ああ、お腹減ったなぁ…

なんて思いながら走っていると、ついに青い案内標識に”高崎市”の文字が出てきました!

熊谷、高崎、前橋方面への交通標識

正直、この向かい風の中での47kmは相当しんどいです。

自転車で日本横断することを唯一伝えた友達にその旨を連絡してみると、「もうちょっとじゃん!ガンバ!」という、なんとも軽い返事が来ました。くぅ~!

 

見上げると、さきほどまで熱いくらいの日差しを降り注いでいた太陽はなく、空には黒雲が広がっていました。とても嫌な予感がしてきたぞ。

夏の”暑さ”をアピールしていることで有名な『埼玉県熊谷市』に入ったところで、悪い予感は見事に的中。雨がポツポツと降ってきました。

服も荷物もクロスバイクも、せっかく乾いたのにー!

 

急いで立ち止まりレインウェアを引っ張り出します。リュックサックにはレインカバーを被せて、できる最大限の雨対策。

顔を打つ水滴に耐えながら走っていると、雨雲の下を抜けたようですぐに雨は止みましたが、進行方向にはさらに大きな黒雲が広がっていました。

悪いことは続くようで、埼玉県深谷市にて三度目の雨に降られましたが、ここまで来ると慣れっこですね!大したことありません。

 

太陽が沈みはじめてきました。スタートから何時間経ったんだろう?

強い向かい風、度重なる雨の中を走るのは本当にツラい。もうペダルを回したくないと思いはじめてしまっています。

クロスバイクに乗っていて、ここまで精神的にダメージを受けたのははじめての経験です。

趣味としての”自転車”に疑問すら感じてしまい、「高崎市から輪行で帰っちゃおうかな…」なんて考えまで頭に浮かぶ始末。

 

日本横断ライド1日目にして、まさかのリタイヤか?どちらにしろ、予約したビジネスホテルまではいかなければなりません。

早く休みたい。ベッドの上で寝ころびたい

その一心でペダルを回し続けます。

 

神流川という小さい川に架かる橋を越えたところで、ついに”群馬県高崎市”と書かれたの案内標識が出てきました!これはテンション上がる!

神流川付近の群馬県高崎市の案内標識

思わず写真を撮りましたが、逆光で文字がまったく見えません。しかし、間違いなく”高崎市”の文字が刻まれた看板なのです。

来た!ついに来た!

時刻は17時40分。葛西臨海公園をスタートしてから、9時間10分が経過しています。

四の五の言ってられず地図アプリでルートを確認すると、ビジネスホテルまでは残り約15kmとのこと。短いようで長い!気合いを入れなければ。

 

群馬県に入ると、さらに向かい風が強くなりました。これが、噂に名高い群馬名物『赤城おろし』というやつか!?時速10kmくらいしか出せないぞー!

群馬県高崎市

ふと視線を上げると、とてもきれいな夕焼けが映りました。

1時間かけて10kmしか進まないというジレンマは、この素敵な景色を見たことによって吹き飛びました。そういうことにしておきます。

 

榎本牧場から国道17号をひたすら走ってきましたが、ついに自転車では走れなそうな道路に来てしましました。これ、先に進めるのかな?

周囲に『自転車通行禁止』の交通標識はなさそうですが、歩道や路側帯がないので危険すぎます。

はじめての道路を薄暗い夕暮れに走るのはとても怖いので、迂回することにしました。城南児童公園の脇を抜けて、市街地を走るルートを選択。よし、残り5km!

 

住宅の間や商店街を通り抜けることにより、わずかですが高崎市の街並みに触れることができました。時間があれば観光でもしたかったのですが、今回はとても無理だ。

そして、日が落ちて暗くなった19時30分!ついに1日目の宿泊地であるビジネスホテルに無事到着しました!

めちゃくちゃ疲れた。体も心も疲労困憊です。でも、たどり着けて、泣きそうなくらい嬉しい!

 

祝!日本横断1日目を完走!

僕の自転車旅では、宿はほとんど寝るためだけに存在しているようなものなので、とにかく”料金の安さ”第一で選んでいます。

今回のビジネスホテルは1泊3,000円!値段の割にきれいで嬉しい。

 

チェックインをすると、真っ先にシャワーを浴びます。

サイクリストの方なら共感してもらえると思いますが、ロングライド後のお風呂は格別ですよね!本当なら銭湯にでも行きたいところですが、時間的にも体力的にも厳しいので割愛。

 

お風呂に入ったあとは、そのままベッドにダイブ!…したいところなのですが、まだ”洗濯”という仕事が残っています。

ビジネスホテルにランドリーがあればよかったのですが、残念ながら設置されていなかったので、汚れた洗濯物をリュックに詰めると、再びクロスバイクにまたがり夜の街に繰り出しました。

 

ウロウロしていると、無事にコインランドリーを発見。

替えのサイクルウェアを持ってきていないので、その日のうちに洗濯しておかないと汗だくウェアを明日も着るはめになりますからね。

洗濯&乾燥中に食事を済ませ、帰り道のコンビニでひとり宴会の買い出し。これが自転車旅の醍醐味といっても大げさではありません。癒されるひと時です。

お菓子とせんべいをつまみに、缶チューハイで乾杯!お疲れさまでした~!

 

サイコンを見てみると、今日だけで170kmくらい走ってた。1日の最高走行距離を余裕で更新しちゃってますね。そりゃ、疲れるわ。

疲労し切った体にお酒がよ~く染みわたり、気持ちよくなってきたので早めに就寝です。

 

走っている最中はかなりツラくて、「自転車辞めちゃおうかな…」とか、「高崎市から輪行で帰ろうかな…」とか、とても弱気になっていました。

しかし、完走すると達成感と充実感が湧きあがり、弱気な気持ちを完全に打ち払ってくれました。

もちろん、2日目もがんばりますよ!

 

【本日のライドデータ】

所要時間 11時間00分
走行時間  8時間23分(-1時間37分)
走行距離 141.01km(トータル170.37km)

 

~次回のライドはこちら~

クロスバイクで日本横断!太平洋と日本海を結ぶ旅(2日目)【群馬県高崎市⇒長野県長野市】
最高のサイクリング日和の中、長野県長野市をめざして国道18号を走ります。メインイベントは中山道最大の難所と名高い『碓氷峠』でしょう。ふもとから12km続く峠道に悪戦苦闘しながらも、楽しく走っていきました。

 

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