第16回Mt.富士ヒルクライムに初参加してきました!【富士ヒル】

第16回Mt.富士ヒルクライムのフィニッシャーリング 自転車ライド

日本のほぼ中央部にそびえ立つ、標高3776.24mの独立峰。その風貌の美しさから、見る者の心をつかむ日本のシンボルとも言うべき山。

そう、富士山です。

2019年6月9日(日)に、富士山を舞台にした日本最大級のヒルクライムイベント『第16回Mt.富士ヒルクライム』が開催されました。

 

ヒルクライム好きを自称しているのであれば、このイベントは外せない。そんなわけで、通称・富士ヒルに参加してきました!

目標は高く、めざすは”ブロンズリング”の獲得。無謀な挑戦が今はじまる!

 

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富士ヒルに参加しよう

富士ヒルは日本全国から参加者が集まる超人気のヒルクライムイベントです。

必ず参加したいという想いを込めて、3月のエントリー開始と同時にすぐさま『RUNNET』にアクセス。無事にエントリーを済ませます。

参加費は1万円と少々お高いですが、日本一の山を走るのですからこの程度は必要経費。

 

富士ヒルを走るモチベーションアップのひとつとして、『フィニッシャーリングの獲得』という目標があります。

富士ヒルのフィニッシャーリングとは?

ハンドルの高さを調整するステアリングコラムスペーサーで、完走したタイムによってもらえるリングの色が変わります。

プラチナ…60分(1時間)切り
ゴールド…65分(1時間5分)切り
シルバー…75分(1時間15分)切り
ブロンズ…90分(1時間30分)切り
ブルー…完走
グリーン…ミニヒルクライム完走
ピンク…女性完走

聞いたところによると、脱初心者の目安となっているのが90分切りのブロンズリング獲得だそうです。

なるほど。そういうことでしたら、僕もブロンズリングをめざしましょう!

 

Mt.富士ヒルクライムのコースデータはこちらです。

25.0km(計測距離24.0km)、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%

さすが日本一の山!今まで走ってきたどんな山&峠より距離が長い。しかしその分、全体の勾配は緩やかなのかな?

 

僕が過去に参加したことのある大規模ヒルクライムイベントは、2019年におこなわれた第7回ハルヒルです。

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富士ヒル90分切りをハルヒルのタイムで換算するとどのくらいなんだろう?

調べてみると、信憑性のある情報は見つかりませんでしたが、『ハルヒル60分切り=富士ヒル90分切り』という回答が多かったです。

計算すればわかることなんでしょうけど、数学は苦手なのでこの情報を鵜吞みにします。

 

この方程式が正しいとすると、ハルヒルのタイムが1時間12分の僕にはブロンズリング獲得は難しいということになる。

「いや、待てよ?」

ハルヒルでは、ゴール手前2kmでスパートをかけるつもりでしたが、初参加ということもありフィニッシュラインを見誤ってしまった。

結果、かなり足を残してゴールしたことになる。

ゴール手前2kmをスパートできていたら、12分くらい縮まったのでは?そしたら、ハルヒル60分切りということで、富士ヒル90分切りも達成…?

 

おお!いけるじゃないの!

あきらかに無理な計算をしていることは都合よく頭からほっぽり出して、「いける!」という良いイメージを持ってチャレンジすることが大切。

そして素人なりに実走トレーニングもおこなうようになりました。自宅付近にヒルクライムがないので、とりあえずサイクリングロードをひたすら走るだけですけどね。

 

そして、あっという間に大会が目前に迫ってきましたが、大会案内やナンバーカード引換券が郵送されてきません。

調べてみると、ハルヒルと違って事前の郵送物は一切ないそうです。

第16回Mt,富士ヒルクライムの大会案内

なのでパソコンやスマートフォンのディスプレイ上から見るか、印刷して内容を確認しておきましょう。

選手受付に必要なナンバーカード引換券は印刷して受付会場に持参します。プリンターがない人は、そのページをスマートフォン等に表示させて受付に提示しても大丈夫みたい。

 

賛否両論あると思いますが、富士ヒルの郵送物を送らないペーパーレス化、大会運営の経費削減につながると思うので僕はアリです。

最悪、ナンバーカード引換券を家に忘れてもスマホさえあれば受付できますしね。

具体的な参加方法をまとめた『参加者マニュアル』も作成していますので、完成し次第、お披露目します!

 

※作成したので初参加の方は参考にしてください!

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大会1週間前から天気予報を気にする毎日が続きましたが、非常にあやしいところ。これ、雨降るんじゃないか?

はじまる前から心配ばっかしていても仕方ないので、雨雲を吹き飛ばすくらい気合いを入れて、富士ヒル前日を迎えました!

 

富士北麓公園で選手受付

大会前日、やってきました!富士山のふもと!

富士北麓公園

大会のメイン会場となる『山梨県富士北麓公園』です。

この公園には車をとめることができないので、『富士山パーキング』または『富士急ハイランド駐車場』を利用します。そこから、自走またはシャトルバスで会場入りしましょう。

富士北麓公園陸上競技場

そして、メイン会場となる陸上競技場の前にやってきました。入口手前は飲食ブースになっていて、いろいろな種類の出店が立ち並んでいます。

時間が早かったので人はまばらでしたが、お昼はここで食べようと決意。

富士ヒル会場 富士北麓公園陸上競技場

陸上競技場内に入ると、大勢の参加者の姿!そして、たくさんのサイクルショップが出店されています。

これは気分が盛り上がる!

 

散策する前にまずは選手受付を済ませてしまいましょう。ちなみに、受付時間は前日8日の12:00~18:00です。当日受付はおこなっていないので、遅れないように!

第16回Mt.富士ヒルクライム選手受付

ここだここだ。

第16回富士ヒルは第Aウェーブから第Uウェーブまで実に20もの出走ウェーブがあり、申告タイム順に振り分けられます。

受付は出走ウェーブごとにおこなっているので、混み合うこともなくスムーズに済ませることができました。

 

さて、それでは会場内を見て回ろう!

第16回Mt.富士ヒルクライムのオールサイクリスト

歩いていると、早速おもしろそうなものを発見。『ALL CYCLISTS』と書いてあり、近づいてみると細かい文字でびっしりと参加者の名前が書かれています。

こいつはすごい!五十音順になっているので、自分の名前も探してみよう。…発見。うーん、意外と同性少ないな。

 

お次はサイクルショップ巡りです。闇雲に見て回るのではなく、『下山用の防寒具を買う』という大きな目的があります。

富士ヒルのゴールとなっている富士山五合目は標高2,305mもあり、下山するときは極寒ダウンヒルが予想できるので、防寒具がないと話にならない!

上半身はユニクロのウルトラライトダウン&モンベルのサイクルレインジャケットの重ね着で対応できるとして、下半身の防寒具をなにかしら揃えないと…。

 

そして、ショップをウロウロして見つけたレッグウォーマーとシューズカバーを購入。お安くなっていたのでありがたい。

第16回Mt.富士ヒルクライムのサイクルショップ

品質はわかりませんが、まったくないよりは幾分マシでしょう!

 

帰り際、ちょうどお昼だったので富士宮焼きそばと餃子を購入。

富士ヒルの出店で買った富士宮焼きそばと餃子

腹ごしらえ完了!

それにしても、富士宮焼きそばって普通の焼きそばとなにが違うんだろう?少なくとも出店の焼きそばでは特徴を感じられませんでした。

でも、こういうときは地元の名物を食べたくなるものです。うん、美味しかった!

 

さて、宿に向かうにしても時間的に早すぎる。どうしよう?スマートフォンで周囲の情報を検索してみると、富士北麓公園から歩いてすぐにところに興味深い施設を発見。

山梨県富士山科学研究所

それがこの『山梨県富士山科学研究所』です。この施設の本館1階には、富士山サイエンスラボというブースがあり、自由に見学することができます。

山梨県富士山科学研究所

これから挑戦する山に敬意を表して、最低限の知識だけでも身に付けておきましょう。そうすることで、山に対する理解度も上がり、おのずとタイムも縮まる。

これぞ、にしき流のヒルクライムイメージトレーニング!

実際とても勉強になり、楽しかったです。施設周辺には生態観察園という全長300mの歩道もあり、五感を使って富士北麓の自然に触れることができます。

 

それにしても、大会当日の天気が心配。最近はなんだかんだ天候に恵まれていたので油断していましたが、明日は雨の中を走ることも想定しておかないとだな。

一抹の不安を感じながら、泊まる宿に向かいました。

 

大会当日のイメージをつかむ

宿に着いたら、改めて大会当日のタイムスケジュールを確認しておきます。

3:00 富士スバルライン交通規制開始
4:00 駐車場オープン
4:30~5:50 当日荷物預かり開始~終了
6:00 選手整列開始
6:30 スタートセレモニー
7:00~8:30 第Aウェーブ~第Uウェーブスタート
11:30 表彰式
13:45 富士スバルライン交通規制解除

 

ザックリですがこんな感じです。富士ヒルは初参加ですが、ハルヒルと大きく変わらないのでイメージを把握しやすい。

頭の中で当日の動きをシミュレーションしてみます。

 

宿から富士北麓公園までは距離があるので、割り振られた駐車場まで車で移動して、そこから会場に向かいます。

富士ヒルの選手駐車場は全11か所に設けられています。駐車場によって会場までの距離はまちまちで、最長で約5km、最短で約1.4kmです。

富士ヒル参加者の間では「ドギーパークの駐車場は当たり」というのが通説になっているようですが、僕はおそらく会場から2番目に近い『船津公園墓地駐車場』でした。

当日になって慌てないように、駐車場の場所とルートは事前に確認しておきましょう!

 

そして、ゴール地点で受け取る下山用荷物の準備です。例によって、必要な装備を大きなビニール製の巾着袋に詰め込みます。

大会当日の荷物預かり終了は5時50分なので、初参加の身としては遅くても15~20分前には会場に到着しておきたい。

宿から会場までは車で約30分、そうすると4時には宿を出発?3時には起床?わかってはいましたが、朝早いですね!

 

エントリー時の記憶が飛んでいて、申告したタイムを忘れてしまいましたが、僕が出走するのは18番目の第Sウェーブ。8時20分の出走です。

会場に到着して荷物を預けて、そこから少なくとも2時間は待機時間があるのか…。寒そう。

待機中のことを考えておらず、下山用の防寒具しか持っていなかった僕を見かねて、知人が折りたたむとコンパクトになるレインウェアを貸してくれました。

めちゃくちゃ助かります!薄手の半袖サイクルジャージだけで待っていたら、確実に風邪ひいちゃうよ。次からは自分で持参します。

 

なんとか大会当日のイメージが固まってきました。あとは、出たとこ勝負です。

最後の準備として、サイクルジャージ、ヘルメット、そして荷物預け用袋にナンバーカードを付けておきます。

富士ヒルのタイム計測チップは足に巻き付けるバンド式。ロードバイクに直接取り付ける手間がないので、こっちの方が楽ですね。

 

全ての準備は整った!あとは、しっかり寝て明日に備えるだけ。

3時にアラームをセットして10時に就寝。静かに響く雨音を聞きながら、眠りに落ちました。

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無事会場入り!出走までの過ごし方

アラームにたたき起こされ、予定通り3時に起床。窓を開けてみると外はあいにくの雨。

雨かぁ…。いや、天気についてはどうしようもない。気を取りなおして楽しもう。

 

軽めの朝ご飯を食べた後、忘れ物がないか確認して車に乗り込みます。駐車場まで30分のドライブ。

走っていると、自転車で会場に向かっている参加者を何人も見かけました。雨の中を走るのはブレーキの制動力も落ちるし、寒いし、本当に大変そう。

他人事じゃなくて、これから自分も走るんだよな。

 

そんなこんなで走っていると、船津公園墓地駐車場に着きました。指定された駐車場に車をとめるためには、受付で渡された『選手駐車券』が必要。忘れないように注意です。

そして、午前5時に駐車場を出発。会場である富士北麓公園まで約2kmの短距離ライド。

気温は15℃くらいで、控えめに言ってもめちゃくちゃ寒い。ここでこんな寒かったら、富士山五合目って何℃くらいなの!?

 

宿や各駐車場から集結する参加者の流れに乗って、無事に会場に到着。

荷物預かり所、そして選手の待機場所は出走ウェーブによって違います。僕が出走する第Sウェーブの待機場所は『富士北麓公園野球場』でした。

とりあえず、荷物預かり所をめざしましょう。

富士ヒルの荷物預かり所

ここが荷物預かり所。自分の番号のコンテナーに巾着袋を投入します。

 

これであとは出走を待つだけだ。時刻は5時15分。早め早めで行動していたので、第Sウェーブの出走8時20分までかなり時間がある。

…暇だ。

とりあえず、待機場所にロードバイクを置きに行くか。

富士ヒルの選手待機場

よっしゃ!1番ゲット!

 

それにしても寒い。雨は小降りになっているとは言え、気温が低くて外にいるのが辛いです。

富士ヒル当日の富士北麓公園野球場

富士北麓公園野球場で待機させてもらいましょう。中に入ってみると、大勢の参加者が出走を今か今かと待っています。

僕もスペースを見つけて座り込みます。屋根と壁があるだけで、こんなにも温かい!

ウトウトしたり、スマートフォンをいじったりして時間をつぶします。こういうときに単独での参加だと話し相手がいないので寂しい。

 

2時間くらい経ったので、なんとなく待機場所に足を運んでみました。

富士ヒルの選手待機場

ロードバイクが増えている!出走間近という感じですね。

初参加でウェーブの先頭は動き方もわからないので、僕には荷が重そう。ということで、1番のポジションをゲットしていた僕のロードバイクですが2列目に移動させました。

それにしても、ある程度から先の列が2列に狭まって伸びているのはなんで?途中まではきれいに7列くらいで並んでいるのに…。わからん。

 

時刻は7時15分。第Sウェーブ出走まであと1時間少し。再び野球場内でぬくぬくしながら待機。それから40分が経過して、ふと思います。

「これって、何時くらいまでには待機場所にいた方がいい、とかあるんだろうか?」

もしかして、アナウンスされてた?やばい、嫌な予感。

富士ヒルの選手待機場

うおー!あんなにたくさん並んでいたロードバイクがきれいさっぱりなくなっている!みんな、どこに行っちゃったの!?

 

スタッフの人に聞いてみると、すでにスタート地点への移動がはじまっているとのことなので急いで後を追いかけます。

富士ヒルのスタート地点

なんとか追いついた。それにしてもすごい光景です。見渡すかぎり人と自転車!

運がいいことに雨はほとんど上がっていたので、レインウェアをたたんでサイクルジャージのポケットにしまいます。

慌てましたが、第Sウェーブの最後尾からスタートです!

 

富士ヒルスタート!延々と続く富士の道

ついに、第16回Mt.富士ヒルクライムがはじまりました!

 

スタートしてから約1km先のタイム計測開始地点まではパレード走行になっているのでゆっくり走ります。

計測開始地点はかなり目立つので、普通に走っていれば見落とすことはありません。なにより周りで走っている参加者のペースが上がるので必ずわかります。

そうこう言っているうちに、計測開始地点を越えました!フリー走行のスタートです。ガーミンのボタンを押して、こちらも計測をはじめます。

 

さて、ここで富士ヒルのコースデータを改めてご紹介。

25.0km(計測距離24.0km)、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%

ハルヒルと比べて距離は10kmくらい長くなっていますが、平均勾配・最大勾配共にハルヒルより数字上は楽そうです。

ハルヒルは最大勾配14.0%というなかなかの激坂がありましたからね。

 

長丁場となるこのヒルクライム、飛ばしすぎると間違いなく後半バテる。前半は我慢の時間!

そうは思いつつも、初参加なので全体的なペース配分がわからないし、スタート直後の体力が有り余っている状態では、なかなかスピードを抑えられない。

前に人が走っていると、ついつい追い抜こうとしてしまいます。

 

走っていると、勾配は6~8%のところが多い印象。ガーミンの故障なのか、最大勾配7.8%という情報を上回る勾配9%の坂もありました。

「そこまでキツい坂ではないな」

ハルヒルと比較すると、やはり勾配は緩やかなのでグイグイ走っていくことができます。

とは言え、余裕ぶっているのはあくまで前半の話。中盤以降は富士山の洗礼をガッツリ受けて、最終的な辛さでは『富士ヒル>ハルヒル』となるのですが…。

 

給水所は、一合目駐車場(3.4km地点)、大沢駐車場(17.2km地点)、そしてフィニッシュの五合目(24.0km地点)に設置されています。

しかし、富士ヒルの給水所は走りながら受け取れるタイプではありません。給水所内で停車して、各自で用意したボトルに水を入れてもらいます。

これは、初心者の目から見ても明らかにタイムロスとなる。自前で用意したボトルの水でなんとか乗り切りましょう。

 

雨は大降りではないですが、止んだり降ったりを繰り返すのでひたすらにうっとおしい。

こんな悪天候の中、辛い思いをして山を上る。毎度毎度のことですが、「一体なにをやっているんだろう?」と自問自答してしまいます。

 

それでも周りを見渡すと、同じ参加者の人が息を切らしながらペダルを回している。もっと広い目で見れば、7,000人を超える仲間たちが富士山の走っている。

「自分も含めてだけど、この人たちは本当にバカなんだなぁ…」

念のため言っておきますが、ここでの”バカ”はもちろん”坂バカ”という意味。ヒルクライム好きな人たちからしてみれば最高の賛辞でしょう。

 

さて、走行距離も12kmを過ぎて、折り返し地点を越えました。時間は…1時間経過!?

残り30分で12km走るのは絶対に不可能。ブロンズリングには手が届かないどころか、指先がかすりもしないタイムになりそう。

目標を下方修正。とりあえず、2時間は切ろう!

 

初参加の富士ヒルにおいて、「富士山が牙をむいてきた!」と思ったポイントがあります。

①気温と雨

当然のことですが、上れば上るほど標高は高くなり、気温は低くなっていきます。気温8℃の中を時速10kmくらいで走っていると、全然体が温まらない!

震えるほどではないにしろ、雨の影響もあり「寒い…」と鼻水を垂らしながら走ります。

ヒルクライムの最中に体が温まらないって、ここまでパフォーマンスが落ちるものなの?と驚かざるを得ません。

 

②延々と続く上り坂

富士ヒルの平均勾配はそれほどでもないのですが、そのコースのほとんどが上り坂。平坦な道や下り坂がないに等しいので、延々と上り坂を走ることになります。

足を休められるところがないのは、かなりキツい!

体力と足のある前半は、「勾配7%なんて余裕だぜ」なんて思っていましたが、後半に差しかかるにつれて激坂並みに行く手を阻みます。

 

そして、ここにきてアクシデント。ヒルクライムの心強い味方、ガーミンに不具合が発生。

勾配が2%から上がらない?…と思いきや、次の瞬間には一気に10%まで跳ね上がり、止まることを知らない勾配は最終的に60%をマーク。どんな激坂だよ!

勾配表示は、ヒルクライムを走る上でのシフトチェンジやケイデンスの目安にしているものなので、ここが狂うとすべてが狂う。

気持ちの糸がプツリと切れました。とりあえず、ゆっくりでもいいから完走をめざそう…。

 

息も絶え絶え走っていると、残り約3km地点で平坦区間に突入!これは助かる!

ラスト1kmは若干の上り坂になっているものの、最後の力を振り絞りペダルを回す!

そして、フィニッシュ!

めちゃくちゃ疲れましたが、なんとか完走することができました。

 

フィニッシュからの極寒ダウンヒル

富士山との長きにわたる戦いを経て、フィニッシュ地点の五合目にたどり着きました。

もの凄い霧で遠方が見えません。

富士ヒルのフィニッシュ地点、富士山五合目

僕は出走ウェーブもタイムも遅かったので、フィニッシュ地点は先に到着した参加者でごった返していました。

自転車は通路を避けて、地面のいたるところに置かれています。僕もそれに倣って邪魔にならなそうな場所を探して寝かせます。

 

実は今回の富士ヒルにも、ハルヒルでサポートしてくれた友人が同行してくれていました。

その友人は一足先に応援バスでフィニッシュ地点まで移動。実に6時間くらい五合目で待機してくれていたのです。本当にありがたい。

 

友人と合流して、少し立ち話をしたり、記念撮影をしていると、汗が冷えて急激に寒くなってきた。ガタガタと体の奥から震えがくる。

これはダメだ…!

急いで預けた荷物を受け取り、体を拭いて防寒具を着込みます。ウルトラライトダウン&レインジャケットのおかげで多少はマシになりましたが、震えが止まらないぞ。

 

体内から温めようにもお金がない!下山用荷物の中にお財布を入れておいた方がいいですね。

今回は友人からお金を借りて、お茶を購入。あったかい~!体に染みわたる!そして、富士山五合目観光協会が無料で配ってくれているラスクをいただき、体力の回復に努めます。

その後、お土産を見るために暖かい店内をうろついていると、次第に体の冷えも解消され、震えも止まりました。

 

体も落ち着いたところで、下山するとしましょう!寒いところには長い無用です。

富士ヒルの下山スタート地点

下山スタート地点には十数人の参加者が待機していたので、待つことなく下山が開始されました。実にラッキーです。

富士ヒルのダウンヒルは想像通り寒い!ですが、想像以上ではない!今回用意した下山用装備で十分対抗できます。

 

参考までに僕の下山用装備を記載しておきましょう。

・乾いた長袖サイクルジャージ(濡れたサイクルジャージは脱ぎました)
・ウルトラライトダウン(UNIQLO)
・サイクルレインジャケット(mont-bell)
・レッグウォーマー(reric)
・シューズカバー(ON-YO-NE)
・ネックウォーマー…と言いたいところですが、用意がなかったので首にタオルを巻く
・長指グローブ

 

集団でのダウンヒルははじめてだったのでもっと怖いかと思いましたが、無茶な走りをしなければ全然大丈夫でした。

それよりも怖いのは雨のせいでブレーキが効きにくくなっていることです。

ダウンヒルは下ハンドルを握るのがベストだと思うのですが、経験が浅いためかなんだかしっくりこない。

仕方ないのでブラケットに手を置き、制動力を出すために3本指でブレーキを強く握ります。

 

下ハンを握ることも慣れないとダメですね。なんとかその場は気持ちのいい体勢でダウンヒルに望めましたが、新たな敵として”睡魔”が現れました。

朝が早かったとはいえ、ダウンヒル中に眠くなる。こんなことってあるもんなの?

マジで危ない。にっちもさっちもいかなかったので、最大最強の眠気覚まし術『大声で歌う』を発動!周囲に人がいたら恥ずかしい?だからこそ、目覚ましの効果があるんです!

 

寒さのあまり、トイレに行きたくなってしまったので富士スバルラインの料金場で下山グループを途中下車。

富士ヒル、富士スバルラインの料金場

同じようにトイレ休憩している人が結構いたから便乗しましたが、これって下山のルール的にはアリなのかな?

どんな理由があれ下山はグループ単位でおこなうと考えればアウト?でも、生理現象に抗う術もなく…。うーん、難しいところですね。

 

気を取りなおして、再スタートして無事に富士北麓公園まで戻ってきました!

富士ヒル、富士北麓公園のスタート地点

スタートアーチをくぐり抜けて富士山に挑んだことが、すでに遠い過去のことに感じる。

 

ありがとう、富士ヒル!来年はブロンズリングを

富士北麓公園に戻ってきたら、やるべきことがふたつあります。

富士ヒル、フィニッシャーズリング渡し

まずひとつ目!完走証とフィニッシャーリングを受け取りにいきます。

富士ヒル、フィニッシャーズリング渡し

寒さで震えながら待っていると、受付の女の子が大声で「こっちも空いていますよ~!」と叫んでいます。

端っこに位置しているためか、人がまったく並んでいません。ラッキーとばかりに計測タグを手渡し、完走証とフィニッシャーリングを受け取ります。

「お疲れさまでした!」

何気ない一言が嬉しいものです。高校生くらいの女の子でしたが、ボランティアなのかな?寒い中、頭が下がる思いです。

 

ちなみに、タイムは『2時間6分』でした。フィニッシャーリングはもちろんブルー。

ブロンズリングをゲットするためには、あと30分以上も縮めないといけないの!?どうやら甘く考えていたようです。

全参加者の中でも下から数えた方が早いくらいのタイムだったので、正直悔しい!

この気持ちをバネに、来年こそは90分を切ってみせます!

 

そして、お次はこの大会の締めである『吉田のうどん』をいただきにまいりましょう。

富士ヒル、うどん配布エリア

うどん配布ブースはメイン会場の外にあり、たくさんの参加者が冷えた体を温めるため、そして失ったエネルギーを回復させるためにうどんを求めています。

僕もゲットしました!

富士吉田うどん

吉田のうどん!

山梨県富士吉田市を中心に食べられている郷土料理です。硬くてコシが強い麺が特徴で、お店によってさまざまなアレンジがあるそうです。

さっそく実食!うん、めちゃくちゃ美味しい!

もうね、この寒い中でお腹を減らした状態で食べるうどんが、美味しくないわけがない!

 

お腹も満たされたので、名残惜しいですが富士北麓公園を後にしましょう。駐車場に向かい、準備を済ませて帰路につきました。

運営してくださったスタッフの皆さん、ボランティアの方々、そして富士山!本当にありがとうございました。

はじめて参加した『Mt.富士ヒルクライム』ですが、とても楽しかったです!

 

来年は今よりパワーアップして、必ずブロンズリングをゲットするということを目標にがんばっていきたいと思います。

とは言え、楽しくね!楽しまないと何事も続きませんので!

 

ちなみに、第16回Mt.富士ヒルクライムの参加賞はこちら。

第16回Mt.富士ヒルクライムの参加賞

オリジナルヘルメットケースだそうです。ヘルメットを入れるための袋なんてあるんですね。

自分では買わないけれど、あったら便利そう。

 

そして、こちらが完走した参加者がもらえるブルーのフィニッシャーリング。

第16回Mt.富士ヒルクライムのフィニッシャーリング

来年は見事に90切りを果たし、ブロンズリングをゲットできるのか!?

乞うご期待です!

コメント

  1. なまこ より:

    富士ヒルお疲れさまでした!
    きっと参加されてると思って記事になるのを楽しみにしてました(´▽`)
    今回は天候が厳しかったようですね。コンディションが上がらずに記録的には残念だったかもですが、読みごたえのある楽しい記事でした。自分も来年か…再来年か…いずれは挑戦したいと思います!w
    盆休みは台風にやられましたが、きっとどこかにロングライドしてきたと信じて、その記事も楽しみにしています!
    自分は乗鞍岳と、諏訪湖~霧ヶ峰~美ヶ原のほうにいってきました。帰り道のパーキングでコメントしてますw こちらも控えめにいって最高でした!にしきさんも、いずれぜひ!

    • にしき にしき より:

      ありがとうございます!
      予定が合うものはなるべく参加しようと思っています。しかし、いかんせん筆が遅く記事になるまでかなりの時間を要してしまいました。
      もっとスピーディーに情報発信できるように努力します!
      なまこさんも富士ヒル参加ですか!僕が走れたくらいなので大丈夫ですよ(^-^)一緒に参加しましょう!
      お盆休み直撃の台風10号、本当に恨めしい・・・。自転車で走った距離はロングではないですが、トータルの移動距離はなかなかのものになりました!
      そして、なまこさんもいいライドができたみたいで何よりです。霧ヶ峰やら美ケ原やら、結構上ったんじゃないですか!?
      今後のライドの参考にさせていただきますね!

  2. 通りすがりのランドヌール より:

    こんにちは。
    富士ヒルに参加されていたのですね。
    私は参加しておりませんが、仲間が数人参加しておりました。
    あの悪天候でDNSするのもあれば出走し結果出していたりして中々悲喜交々だったと記憶
    しています。

    個人的にも数年前ですがブルベ中の道中で富士ヒルに向かう車載クライマーから車中からエールを貰ったことがあるので思い出深くあります。

    一つ気になったことがあるのですがダウンヒル時に眠気に襲われたありますが恐らくですが原因はハンガーノックからくるカロリー切れからくるものだと思います。
    ヒルクライム時に思うように心拍が上がらないのは気温が低すぎるが故に身体が代謝する為に予想以上に消費したのではないかと思います。
    ひょっとしたら低体温症にもなりかけていたのかもしれません。

    体験しないとわからないことは多々ありますが、基本的にダウンヒル時に眠気がくるという状況はかなり危険な状態だと思います。
    これはブルベで数回オーバーナイトを経験している私もありません。
    基本的にダウンヒル時は気を張るので早々そういう状態にはなりづらくもし来た場合は
    身体的に問題があるときにくることが多いと思います。

    ブルベもそうなんですが時には引くことも勇気、また次の楽しみだと思います。
    ただ常日頃練習に明け暮れていたりすると中々この判断が難しいと思います。
    ですので怪我無し事故無しで楽しめるのが一番だと思います。

    話変わりますが富士ヒルチャレンジといい前回のハルヒルと本当に楽しんでいますね。
    六月以降今月に至るまで諸々と乗ることが億劫になっておりましたにしきのさんのブログを拝読していてまた荒川から始めるのもアリなのかと思う次第です。

    • にしき にしき より:

      一生で一度の初参加を楽しんでまいりました!
      お仲間が参加されていたのですね。エントリー数は9,000近くあったのですが、実際に参加したのは7,000人ほど。棄権が多かったのはやはり雨の影響なのでしょうか。
      長距離走るブルベはそういった思い出がたくさん生まれそうですね。素敵です。
      ダウンヒル時の眠気、ただ単に”朝早かったから”とか”疲れたから”とか、そういう類いのものじゃなかったんですね。
      確かに朝3時頃に軽食を食べただけで、その後は何も口にしていませんでした。フィニッシュ地点ではラスクを数個食べただけ。そして、あまりの寒さにガクガク震えていました。おっしゃる通り、ハンガーノック&低体温症が原因なのかも・・・。
      実際、ダウンヒルで眠くなるってめちゃくちゃ危険ですよね。軽いノリで書いてしまいましたが、僕からも注意喚起できるようにします。アドバイスありがとうございます!
      怪我無し事故無し、本当に大切です。割と無理をしてしまう性格なので、この言葉を心に刻んでおきます!
      そうですね、楽しんでいます!常に「次はどこを走ろうか」なんて考えちゃっています。僕のブログが通りすがりのランドヌールさんの”自転車魂”の琴線に少しでも触れたのであれば嬉しいです。一緒に楽しみましょう!

  3. PALCOM より:

    近所の神社を巡って御朱印をもらうという当初思い描いていた自転車ライフとは、全然違う方向に行っちゃいましたね。

    無理をするタイプのようなので、事故には気を付けてくださいね。

    麦草峠(メルヘン街道)を越えて、御射鹿池(みしゃかいけ)お願いします。

    • にしき にしき より:

      お久しぶりです!
      自分でも気付かないうちに、どんどんストイックな方に転がっていました。ただ、クロスバイクを乗りはじめは当初の気持ちは持ち続けていますよ!
      ゆるポタや御朱印ライドの回数もこれから増やしていきたいです。
      お気遣い、身に染みます。気をつけますね!

      またまた、素敵なルートを教えていただきありがとうございます!
      調べてみたら長野県ですね。前に計画した諏訪湖までのサイクリングも実施できてないですし、麦草峠&御射鹿池も走っていきたいと思います!

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