残暑厳しい9月中旬、ひさしぶりに友人とクロスバイクで1泊旅行をすることになりました。
目的地は福島県いわき市の『小名浜』です。
1年ぶりにスポーツ自転車に乗る友人と一緒なので、無理は禁物。
走行距離を短めに設定した”まったりサイクリング”を企画して、楽しんでいこうと思います!
走行計画を立てて走り出そう
今回は日帰りではなく”1泊”の計画なので、まずは宿泊先を決めることにしました。男ふたり旅なので、とにかく安価で泊まれるところがいいでしょう。
いつも利用している『じゃらん』で検索し、適当なところをチョイス。
宿泊先が決まったら、走行距離をどのくらいにするか?を考えます。
帰りは電車輪行をする予定なので、「行きは少しくらいハードでも大丈夫だろう!」と思いましたが、その油断がいつもサイクリングを”修行”にしてしまうので、考えなおします
最後までバテずに楽しみながら走れる距離を模索。35~40kmくらいが妥当かな?
地図を見て、小名浜から逆算していき出発地点を探します。
よいところ発見!
茨城県の常磐線『高萩駅』です。ここからなら宿まで約37kmと手ごろな距離ですし、ほぼ平坦でアップダウンも少ない。常磐線沿線なので輪行で帰りやすいといいことづくめ。
出発地点までは車でむかうため、駅付近の駐車場が安いのも嬉しいポイントですね。
基本的に普段は”単独行”をしているため、人と走るのは新鮮でとても楽しみ。
しかし、自分よりも自転車経験が少ない友人とのサイクリング。いつも以上にしっかりと準備をおこない、万が一トラブルがあっても対応できるように気をつけよう!
いよいよ、サイクリングの当日。雲は多めですが風も少なく上々の天気です。
車の荷台に2台のクロスバイクを詰めこんで、まずは高萩駅の近くにあるコインパーキングまで高速道路・常磐自動車道を走ります。
自転車にまたがってからが本番ですが、談笑しながらのドライブ、それ自体もおもしろい。
途中、東海サービスエリアで休憩をしたときに茨城県ならではのスイーツを発見。

『水戸納豆ソフト』
茨城県水戸市といえばやはり納豆!
ソフトクリームとミントに隠れていますが、結構な量の納豆がトッピングされています。はたして合うのだろうか?好奇心を刺激されて、思わず購入。
おそるおそる、ひとくちパクリ。
「おおー!納豆の味がする!」
純粋に喜んでいたら友人から、「そりゃ、納豆を食べてるんだから当たり前でしょ」と冷静で的確なツッコミが入ります。
一体感を高めるためか、ソフトクリーム自体にもトルコ風アイスのような粘り気があります。あまいソフトクリームに醤油味の納豆が、絶妙に……合うか?
正直、手放しでおいしい!とは思いませんが、意外と悪くない組み合わせでした。東海SAを訪れたら話のネタに食べてみるのも一興です。
ドライブを再開して、お昼の12時ごろに高萩駅に到着しました。
駅に隣接しているコインパーキングは、なんと1日500円。安い!ありがたいですね。
駐車が完了したら、サイクリングの準備をおこないます。
そのままの状態では2台載せられなかったため、1台は両輪を外して輪行袋に入れてあります。ひっぱりだして、輪行を解除。タイヤに空気を入れたら完了です。
それでは、いよいよまったりサイクリングを楽しんでいきましょう!
時速15kmでサイクリング
高萩駅からは、国道6号を使っていわき市までむかいます。
道のりは思ったとおりのド平坦。それどころか、わずかですが下り坂になっているところもあり、とても楽ちんです。
風はほとんどなく、雲間からは気持ちのいい太陽光が降りそそいでいます。まさに絶好のサイクリング日和といえるでしょう。
それにしても、人と一緒に走るのっていいですね。見たもの、感じたことをリアルタイムで共有しながら走れるのは、単独行にはない楽しさ。
時間はたっぷりあるのでスピードを意識する必要はありません。時速15~20kmくらいでまったりと走っていきます。
出発から1時間くらい経ったところで、海を眺めながら小休止。

二ツ島観光ホテルという宿泊施設の駐車場から見える太平洋。
うつくしい景色ですね。空に浮かぶ雲が、なんだか海の白波に思えてきます。
そして、こちらがホテルの名前の由来になっている『二ツ島』です。

北茨城市・磯原海岸の観光スポット。
「どこらへんが、ふたつなんだろう?」
調べてみると、角度の問題のようです。
今の角度からだと”ひとつの島”に見えますが、横からだと”大小ふたつの島”が見え、それぞれがそびえる姿から『二ツ島』と呼ばれているそうです。
茨城百景にも選ばれているその島の景色を見たかったのですが、友人はあまり興味がなさそうだったのであえなくスルー。
ひとり旅ではないので、こういうときもあるでしょう。
それにしても、国道6号はなかなか走りやすいですね。
車道の白線、いわゆる『車道外側線』の外側の幅も広いですし、いざとなったら自転車が走行可能な歩道も整備されています。
車社会の茨城県だからか、たまたまなのか、ほとんど歩行者がいなかったので、まったり走るにはうってつけです。
3kmほど走ると、案内看板に『五浦海岸(いづらかいがん)』という文字があらわれました。なんでも”関東の松島”の別名をもつほどの景勝地なんだそうです。
立ち寄るには国道6号から海にむかって道をそれる必要があり、プラス6~7kmを覚悟しなければなりません。
見たい気持ちもあります。
しかし、友人の体力を考えると二ツ島と同様にスルーして先を急いだ方がよさそう。残念ですが、サイクリングはチームで楽しむもの。
五浦海岸の絶景は、また次回の楽しみにとっておくことにします!
景色を眺めながら、のんびり走ります。
そのとき、2人組のサイクリストがものすごい勢いで僕らの横を追い抜いていきました。
リアキャリアに大きなパニアバックが取り付けられており、見るからに”旅人”といった感じ。重装備なのにめちゃくちゃ速い!
対抗してスピードを上げますが、まったく追いつける気配がありません。無理をしても仕方ないので、引き続きマイペースを維持します。
ロードバイクの形をしていましたが、もしかしたら『グラベルロード』かもしれませんね。
グラベル、英語で”砂利””意味する名前を持つように、未舗装路を含めたすべての道を快適に走るために作られた自転車です。
太いタイヤ、八の字に開いている『フレアハンドル』という種類のドロップハンドルが特徴で、長距離をよりラクに走れるよう設計されているため旅人向けといえるでしょう。
自転車旅が趣味の自分にとっても憧れの車種。
しかし、僕には愛クロスバイク『Bianchi ROMA3』がある!これ以上を望む必要はありません。
さあ、小名浜までのサイクリングを楽しんでいこう!
道草を楽しもう!
高萩駅を出発して、なんやかんやと2時間が経過しました。
進んだ距離は約20km。ちょこちょこ休憩していますし、そのたびに10分くらい談笑をしているので、まぁ……こんなもんでしょう。
そして、突然ですがここで問題です。この地名、なんて読むでしょうか?
『勿来』
初見では絶対に読めないですよね。少なくとも僕はわかりませんでした。
答えは”なこそ”です。
字面から読み方が想像しにくいため、次の瞬間には忘れてしまいそうな地名ですが”来る勿(なか)れ”が由来なんだそうです。
なぜ、「来ないでください」という言葉が地名になったのか?歴史をひも解くと、なにかおもしろそうな物語が見えてきそう。
そんなここは、福島県いわき市。
いつの間にやら福島県に入っていました!県境の看板を見逃したかな?なんにせよ、自転車では人生初の土地となります。存分に楽しませてもらいましょう!
たどり着いた勿来駅の駅前には、源頼家の像が立っていました。

『吹く風を なこその関と 思へども 道もせに散る 山桜かな』
となりの石碑に、源頼家が勿来を訪れたときに詠んだ句が刻まれています。
今でいう茨城県と福島県の県境に位置する勿来、昔は旅人の出入りや荷物を調べる『関所』だったそうです。駅広場には関所をイメージしたオブジェもあったらしいですが見落とした。
近くに『勿来関跡』という施設もあるため、気になる人は立ち寄ってみるのもよいでしょう。
勿来駅を出発。鮫川に架かる橋を渡ります。
国道6号を利用し続ける予定でしたが、自転車が走ってよいのか微妙な雰囲気がただよっていたため側道にそれて福島県道20号に合流。
より安全な道を走ろうという考えでしたが、目の前にあらわれたのは上り坂!
ここまで平坦な道が続いていたので完全に油断していました。1.5kmくらいの短い坂ですが、坂ぎらいの友人は大苦戦を強いられます。
僕としては、「このくらいの坂!へっちゃらよ!」という感覚。クロスバイクに乗りはじめてからいろいろなところを走った経験の賜物。少しは成長しているようです。
上った坂を一気に下りきると、目的地までもう少しのところ。
そして、なんやかんやと国道6号にふたたび戻り、そこで今日1番の写真が撮れました。

藤原川に架かる橋からの眺めです。
穏やかな川で、水面が鏡のように空の景色を反射しています。出発したときよりも青空の割合が増えており、最近はとくに天候に恵まれるライドが多い印象。嬉しいかぎりです。
時計を見ると、時刻は15時30分ごろ。
このあと、少し道に迷ったり、砂利道を走ることになったり、少しだけ”冒険”のようになりましたが無事に目的地である小名浜の宿にたどり着くことができました!
サイコンに記録された走行距離は38.82km。

適度な負荷のサイクリングを楽しめる、いい距離でした。
走行時間は2時間41分。

あくまで”自転車が動いていた時間”です。
実際には高萩駅を出発してから4時間くらいが経過していました。つまり、1時間以上も止まっていたことになりますね。
休憩しながら景色を見たり、談笑したり、ひとりではできない楽しみ方を実践できました。そのために走行距離を短く設定したので、狙いどおりです。
チェックイン後は、なによりも先にまずはシャワー!かいた汗を流す至福のひと時。
身支度を整えたら、小名浜の街にくりだしましょう!居酒屋で打ち上げをおこない、空腹の胃袋をおいしい食事とお酒で満たします。
話のネタは、もちろんサイクリングの振り返り。これも、ひとりでは味わえない自転車旅の醍醐味ですよね。
おおいに楽しむことができました!
小名浜で観光ライド
翌日の予定はあまり具体的に決めていなかったのですが、とりあえず小名浜にある『いわき市観光物産センター いわき・ら・ら・ミュウ』を訪れてみることにしました。
出発の準備をして、クロスバイクにまたがり走り出します。ら・ら・ミュウまでは約5km。軽い二日酔いの体に、なでるように吹くおだやかな風が気持ちいい。
そう思うのも束の間、地面から伝わる振動で若干の吐き気。
まさか、自転車で”乗り物酔い”になるとは思いませんでしたが、その症状もすぐにおさまり一安心。コンディション良好とはいえませんが、今日は観光ライドだけなので大丈夫でしょう。
走ること30分。なんやかんやとたどり着くことができました。

海。そして、目の前に見えるガラス張りの建物は『環境水族館 アクアマリンふくしま』です。
東北最大の楽しく学べる”体験型水族館”というコンセプトで、老若男女問わず人気を博している観光スポット。
その先に見える大きな橋は『小名浜マリンブリッジ』ですね。
小名浜港沖合の人工島にアクセスする唯一の連絡橋。夕方はきれいにライトアップされ、小名浜港の新しいランドマークとなることが期待されているそうです。
それでは、ら・ら・ミュウを散策。
魚介類市場やお土産屋さんがたくさんあり、見どころ満載。外の広場では、よさこい踊りの大会が開かれていました。
食事処も、もちろんあります。せっかく港町に来たので、海鮮丼をいただきましょう。
ぺろりと完食し、デザートにはマンゴーのソフトクリームをチョイス。こちらも、とてもおいしかったです。熱い体に”涼”を得ることができました。
お腹がいっぱいになると、夜更かしが原因の眠気がピークをむかえたので、ひと気のないベンチを借りて仮眠をとることにしました。
照りつける太陽の下で昼寝。のんきですね。
小1時間ほど横になっていると、体調もすっかりよくなりました。
帰路につくにはまだ早かったので、思いつきでアクアマリンふくしまに入館。普通の水族館とは違い、川や海にいる生き物の生態を学習することに特化していて、とても楽しめました。
そして、帰る時間がやってきました。
帰りは常磐線『泉駅』から電車に乗って移動します。ら・ら・ミュウからは約5kmとわずかな距離ですが、サイクリングを楽しんでいこう。
泉駅に到着したら、クロスバイク2台を手早く輪行袋におさめます。
この作業もいよいよ慣れてきたものですね。
輪行袋を肩に担ぎ、友人と共に駅のホームに移動します。

輪行するときは、先頭か最後尾の車両に乗り込むのがいいですね。
さいわい電車の中はガラガラだったため、手すりに輪行袋の紐を括りつけて固定。これで、座席に座って帰ることができます。
電車に揺られながら、自転車で走った道を高萩駅まで戻ります。
行きはトータル4時間かかりましたが、電車なら30分の距離。文明の利器はすさまじい。
こうして、1泊2日の自転車旅は幕を閉じることになりました。
天候に恵まれての、とても楽しいサイクリングでした!
自分と自転車の力で知らない道を走り、はじめての場所に行くのって本当におもしろい。刺激的で、新鮮で、どんなところを目的地にしても絶対に楽しめると思います。
「次はどこに行こうかな?」
連泊する長距離の自転車旅も企画したいと思っていますので、また報告させていただきます!



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