時が経つのは本当に早いもので、クロスバイクに乗りはじめてから1年と10ヶ月が経ちました。
いろいろなところを走り、思い出にあふれた時間を過ごすことができました。
そんな僕ですが、ここにきて『ロードバイク』に強い興味を持つようになり、「乗ってみたい!」という欲求は日々高まるばかり。
そして、ついに購入を決断!
今回はクロスバイク歴1年10ヶ月の初心者がロードバイクに興味を持ったきっかけ、ロードバイクに対して思うこと、そして購入に至るまでのプロセスをお話しします。
ロードバイクに興味を持っている人、購入を検討している人は、同じような立場にあった僕の経験を参考にしていただければ幸いです。
興味を持ったきっかけ
クロスバイクで十分にスポーツ自転車ライフを満喫していた僕ですが、どうしてロードバイクに興味を持ったのか?
そのきっかけになったのが、アニメ映画『茄子 アンダルシアの夏』の存在です。
もうね、めちゃくちゃよかった!この映画を観たことによって、「ロードバイク、カッコよすぎる」と気持ちが熱くなりました。
そして、この映画の大きなテーマともいえるキャッチコピーにも心を動かされました。
遠くへ行きたい。
当時の僕もまさにそういう心境だったので、映画と気持ちがリンクして、ロードバイクで走り出したいという欲求が高まったのです。
ロードバイクに対する考え方
当時の僕がクロスバイクを買った理由、つまりロードバイクを選ばなかった理由を振り返ってみると大きく3つあったようです。
②ロングライドよりも近場でのサイクリングを想定
③金銭的な問題
それでは、なぜロードバイクを購入する気になったのか?考え方や気持ちの移り変わりを改めて見ていきましょう!
初心者だったら誰もが思うことだと思いますが、なにがそんなに敷居を高めているのか?僕が考えるに、その主な原因はスポーツに特化した性能と着用するウェアだと思います。
サイクリングロードで見かけるロードバイクからは、高いサドル、前傾姿勢、ピチピチのサイクルジャージにスパッツ、サングラス、すごいスピードで疾走、そんな印象を強く受けました。
「自転車の選手・・・なのか?」
そんな風に思いながら、自分がロードバイクに乗るイメージがまったく浮かびませんでした。猛スピードを出す必要もないし、ピチピチのウェアは恥ずかしすぎる。
だからこそ、もっと気軽に楽しめるであろうクロスバイクを購入したのです。
しかし、時は経って考え方は変わりました。
ロングライドやヒルクライムのイベントに参加してみたい。クロスバイクで参加できるイベントもあるのですが、ロードバイクによる参加が圧倒的多数なので、気持ち的にハードルが高くなる。
多種多様のサイクルイベントに気兼ねなく参加するために、よりスポーティーな性能を持つロードバイクに興味を持ちはじめたのです。
ピチピチのウェアについても、イベント参加時にはむしろ着ていないと恥ずかしいくらいですが、ひとりでサイクリングロードを流すときはゆるっとした恰好でもいいですよね?
たかだか着るもので、敷居を高めて”乗りたい”気持ちを抑える方がもったいないと思いました。
クロスバイクを購入したときの僕は、近場でのまったりサイクリングを楽しもうと考えていたんですね。すっかり忘れていました。
スポーツ自転車にハマった人”あるある”のひとつに『距離感の崩壊』があります。
クロスバイク納車時、お店から自宅までの30kmでさえ果てしないロングライドに感じましたが、今では30kmくらい近所の感覚です。
それから幾多のサイクリング、ロングライド、自転車旅を経験して、サイクリストとして順調に距離感の崩壊が進んでいきました。
クロスバイクで1日に走った最長距離は170kmです。
かなりキツい思いをして走り切ったときに、「クロスバイクでこれ以上走れるのか?」という疑問と「ロードバイクだったらもっと楽に走れるんだろうか?」という好奇心が芽生えました。
近場でのサイクリングを想定してスポーツ自転車に世界に飛び込みましたが、今ではもっともっと遠くへ走っていきたいと思っています。
クロスバイクが悪いというわけではなく、適材適所という意味で、その相棒はロードバイクが適任なのではないか?そんな風に考えるようになりました。
クロスバイクの購入を検討しているとき、予算は5万円でした。
結局のところ気に入った『Bianchi ROMA3』が8万円だったので、「自転車1台に8万円も払うのか」と恐れおののき、葛藤しながらも購入を決意した思い出があります。
しかし、今では「8万円は妥当。むしろそれ以上の価値はある」と考えています。
スポーツ自転車にハマった人”あるある”のひとつ『金銭感覚の崩壊』引き起こした状態ですね。自転車沼とも呼ばれる現象ですね。
ロードバイクを買うなら数十万円は必要という事実を受け入れているのも『金銭感覚の崩壊』の影響ですが、決してそれだけではありません。
スポーツ自転車には金額に見合った価値があるということを、クロスバイクを通じて理解したことが1番の要因だと考えています。
金額以上のなにかをもたらしてくれるので、”高額”ということがイコール”買わない理由”にはならなくなっていました。そんな自分が若干恐ろしくもなります。
クロスバイクを通じてスポーツ自転車を楽しむことで、ロードバイクへの認識も高まり、昔と今を比べると考え方がだいぶ変わってきました。
とにかく僕は、自転車のスポーツに特化した部分をもっと楽しんでみたくなったので、ロードバイクの購入を決意しました。
まだ漠然としていますが、まずは『Mt.富士ヒルクライム』に参加する。そして『ブルべ200km』を完走することを目標にしたいと思っています。
もうひとつの理由は純粋な好奇心です。
クロスバイクで走っていると、必ずと言っていいほどロードバイクに追い抜かれるんです。全力でペダルを回しても絶対に追いつけない壁を感じます。
「クロスバイクとロードバイクってそんなに性能に差があるの?」
ロードバイクに乗れば追いつけるようになるのだろうか?好奇心がチクチク刺激されます。
風のように走り去っていくロードバイクの世界を僕自身も体験してみたいと思うようになりました。
必要なものは?予算を決めよう
ロードバイクを購入するにあたり、考えなければいけないのは『予算』です。
どのくらいの金額を上限に設定するのか?それを検討するために、まず『ロードバイクを楽しむために必要なもの』を洗い出してみましょう。
●前照灯(フロントライト)・・・約3,000円
●反射板、尾灯(テールライト)・・・約1,500円
●ヘルメット・・・約9,000円
●鍵・・・約1,500円
●パンク修理道具(予備チューブ、タイヤレバー、携帯ポンプ)・・・5,500円
ロードバイクで公道を走るための必需品です。
なるべく安価で揃えられるようにAmazonでチョイスしたアイテムの金額を書き出しました。安価と言っても、クロスバイクで使用経験のあるアイテムばかりなので、品質に問題はないはずです。
合計金額は19,500円。いいお値段ですね。
前照灯、尾灯については、夜間ライドを想定しているのであればもっと光度が高いものが必要ですし、そうなると金額も高くなります。
鍵は無難なチェーンロックを選びましたが、こだわりを持って選びはじめるとまた金額も変動すると思います。高いものは高いですからね。
とにかく、どんなに安くても自転車以外に約2万円は必要ということを覚えておきましょう。
なくても走れますが、あった方がいいもの。準必需品です。合計で41,500円です。
リンクから飛んでもらえればわかりますが、サイクルコンピューターはキャットアイの『パドローネスマート』という商品の金額を参考にしました。
僕が望む最低限の機能を備えていると思いますが、ガーミンのようなもっと高ランクのサイコンにするのであれば3~4倍は予算を見ておかなければなりませんね。
ロードバイクといえばSPD-SLというイメージを、ご多分に漏れず僕も持っています。
せっかくクロスバイクでビンディングペダルに慣れたところなのでSPD-SLペダル&シューズは買っていきましょう。
「夜も安全に走れるようにフロントライトは光度が高いものが欲しい」
「サイコンはケイデンスと坂道の斜度を計測できるものがいいな」
そんな風にロードバイクでおこなうサイクリングのイメージを膨らませながら、ソロバンではじき出した予算は30万円!内訳はロードバイクに20万円、その他の必要なものに10万円です。
この予算に収まるようにロードバイク一式を購入する。方向性が少しずつ定まってきました。
それにしても、まさか自分が「自転車に30万円出してもいいだろう」という精神状態になるとは思いもしませんでした。
まぁ、32歳独身男の唯一の趣味だ!30万円くらいポンと出してやろうではないか!
乗りたいロードバイクを探そう
インターネットや雑誌を見ながら、どこのメーカーにしよう?どんな色にしよう?妄想を繰り広げながら選定をおこなうのは楽しいものです。
最初はクロスバイクと同じメーカーは避けようと考えていたのですが、いろいろと調べるうちに、やはり馴染みのある『Bianchi(ビアンキ)』がいいなと思い直しました。
しかし、インターネットの画像や情報だけで判断するのは危険なので、さっそくビアンキストア大宮店に実物を見に行くことにしました。
店内に並んだ自転車を見ていると『Intenso(インテンソ)』というロードバイクに目が留まりました。ロングライドを得意とする初心者向けモデル。フレームはフルカーボン。
お値段は208,000円です。予算を少々オーバーしていましたが、この程度なら許容範囲でしょう。
イイ感じ!これに決まりか?そう考えていたところに、タイミングよく店員さん登場。
今はクロスバイクに乗っていて、ロードバイクに興味を持っていること。自分の走行スタイル、これからおこないたいサイクリングなどを説明すると、とても親切に対応してくれました。
そして、ひとつの提案がなされたのです。
「それだけの経験があるのなら、もうワンランク上のモデルを紹介させてください」
そうして見せてもらったのが『Oltre(オルトレ)XR3』というモデルでした。
フレームがよりスポーティーなエアロ形状になっているのが素人目に見てもわかります。美しい曲線を描いているトップチューブ。タイヤに沿って変形しているシートチューブ。
めちゃくちゃカッコいい。
ここで店員さんからの渾身の追い打ち。
「フレームには振動を除去してくれる素材”カウンターヴェイル”が使われています」
素材の名前すらもカッコいい。なんでも、振動除去のおかげでロングライドでかかる体への負担が大幅に軽減されるそうです。
自転車旅やブルベに積極的にチャレンジしていきたいと思っていたので、まさにうってつけのロードバイクに巡り合えました。これが欲しい!気になるお値段は?
「358,000円です」
目ん玉飛び出るほど高い!予算を15万円以上オーバーしている。これはさすがに買えないだろう。
そんな僕の動揺を察知してか、店員さんの更なる追い打ち。
「さすがに学生さんには金額的にオススメできませんが、仕事をしている人であれば、なんとか手の届くラインかなと思いまして」
そうなんですよ。決して出せない金額ではないのが悩みどころなんです。これが50万円だったら無理の一言なんですが、358,000円というのはあまりにも微妙な数字。
しかしながら、ここで即決するのは危険すぎる。20万円の買い物をしに来たんだろ?プラス15万円ってほとんど2倍じゃん。金銭感覚がマヒしているよ!
「出直して検討します」
落ち着いけ。冷静になれ。流されず、本当に欲しいと思ったものを買うんだ。
そう自分に言い聞かせて、ビアンキストア大宮店を後にしました。
相棒は『OltreXR3』で決まり!
「こんにちは~!OltreXR3ください!」
後日、購入を決断して元気よくお店に再訪しました。大丈夫です。冷静に考えて出した答えなのでご安心ください。
ロードバイクだけで当初の予算30万円を軽々突破してしまいましたが、他のパーツと違ってフレームだけは替えがきかないので、本当に欲しいものを買おうと思いました。
予算を決めよう!なんて偉そうに言っていましたがこんなこともあります。大金を出して、「やっぱりあっちにするんだった」なんて後悔するのは避けたいですからね。
ということで、記念すべき初のロードバイクは『Bianchi OltreXR3』に決定です!
クロスバイクがチェレステカラーなので、差別化を図るためにもフレームカラーはマットブラックを選びました。光沢のあるカラーよりもマットな質感の方が好みですね。
コンポーネントは105(イチマルゴ)です。シマノのコンポで上から3番目のグレードのもの。
あと3万円出せば、もうワンランク上のUltegra(アルテグラ)にできたのですが、上を見たらキリがなくなるのでここでストップ。いざとなったら換装することもできますしね。
2,000人以上をフィッティングしてきたと豪語する店員さんに見ていただき、フレームのサイズも決まったのですが、どうやら僕は身長(171cm)に対して手足が長いらしいです。
店員さんが言うには、「手足が長いのでサドルを2cm前に出すとベストです。しかし、その分だけハンドルの位置が近くなるので、ステムも少し長いものに交換する必要があります」とのこと。
ステムとは、フレームとハンドルをつないでいるパーツです。お値段はなんと2万円。
「・・・買いましょう。ここまできて、妥協するつもりはありません!」
本当はもっと安価なステムも売っていたのですが、38万円のロードバイクに安物を付けられるか!性能の良し悪しもわからないのに高い方を買う。
金銭感覚が崩壊した男の末路です。皆さんもご注意ください。
なんやかんやありつつも、無事にロードバイクの選定とフィッティングが終わりました。
必要なオプションパーツも選びました。どんなものを買ったのか?納車編で改めて紹介させていただきますね。
納車は数ヶ月先になるようなので、ワクワク楽しみにしながら待つことにします!
おわりに
僕がロードバイクに興味を持ち、購入に至るまでのプロセスをお話ししました。
ロードバイクの購入を検討している人の参考になったり、背中を押してあげることができれば嬉しいです。先輩方は「あるある」「気持ちわかる」とか思いながら読んでもらえれば幸いです。
当初の”予算30万円”という設定は完全に消え失せて、あるのは『最高のロードバイクが欲しい』という欲求だけでした。
考えてみたら唯一の趣味である自転車です。あんまりケチっても仕方ありませんよね。
大切なのは勢い!そして、シンプルな欲求に従うこと。小難しいことは考えず、「乗ってみたい!だから買う!」でいいんじゃないかな?と思います。
ロードバイクで広がる世界がどんなものなのか?今から楽しみです!
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