茨城県つくば市から水戸市までの60kmを無事に走破した翌日。
せっかく水戸まで来たんだし、このまま帰るだけではもったいない!ということで大洗町にある『大洗港』までサイクリングをすることにしました。
目的は大洗港で昼ご飯に海鮮丼を食べること。
水戸から大洗港までは約10kmですが、60kmを走破した僕たちの敵ではない!クロスバイクにまたがるまではそう思っていました。
~前回のライドはこちら~
海鮮丼を求めて大洗港へ
ビジネスホテルの室内にアラームが鳴り響き、眠い目をこすりながら起床。全身の筋肉痛に嫌な予感を覚えながらも、大洗港に向けて身支度を整えます。
クロスバイクのサドルにまたがった瞬間、お尻に激痛が走る!
昨日のライド後半から痛かったお尻が一晩経って悪化している。それだけではなく、左ひざ、手のひら、手首にも鈍い痛みを感じます。
今日はトータルで70km近くも走るというのに、もうすでに満身創痍です。
無事につくば市まで帰れるのだろうか?
帰り道もスマートフォンでのルート検索は禁止。ただし目的地までの距離は確認してもいいというルールを追加して、いざライド開始。
青い案内標識を頼りに走りますが、大洗港までの道のりは一本道なので迷う心配はなさそう。
そんなときに現れたのが最初の難関、長くて急な上り坂です。
これを一息に登るのは難しそう。ギアを1番軽くしてペダルを回すと、ゆっくりですが確実に前に進んでいきます。
左ひざの痛みもあったので、無理をせずにクロスバイクから降りて歩く場面もありましたが、なんとか走破。坂を上り切った先に見えたのは、大洗の海!
車では何回も来ている大洗ですが、自転車で訪れるとより感動し疲れも吹き飛びますね。
無事に1時間ほどで大洗港に到着しました。
大洗港での目的はおいしい海鮮丼を食べること。どこにしようかとウロウロしていると、なにやら行列ができているお店があったのでつられて並ぶことにしました。
『大洗町漁協 かあちゃんの店』
偶然発見したお店ですが、結構な有名店のようです。ネーミングもいいね。期待に胸が膨らむ。
そして、食べた料理がこちら!
結局注文したものは海鮮丼ではないのですが、とてもおいしかった!
サイクリングでお腹を空かせたときの食事は本当に格別で、これぞグルメライドの醍醐味といった感じです。満足満足。
怪しい雲行き、まさかの雨
お腹もいっぱいになり、満足してお店を出るとなにやら空模様が怪しい。
慌てて天気予報を確認すると、お昼から雨の予報でした。
近隣にあった『かねふく めんたいパーク大洗』を見学する予定でしたが、雨の日のライドは危険という話を聞いていたので急いで帰路につくことにしました。
くそう!明太子、食べたかったぜ。
レインウェアを持っていなかったので、とりあえずコンビニで雨がっぱを購入。小一時間ほど走っていると、予報通り降ってきました。
さっそく雨がっぱを装備します。
しかし雨は防いでくれるものの、ペダルを回していると体温が上昇して熱がこもる。汗が止まらない!
雨脚も強まってきたので、コンビニに緊急避難して様子を見ることにしました。
大雨。
横殴りの雨。
バケツをひっくり返したような雨。
この中を自転車で走るのか!・・・というか、走れるのか!?
コンビニでアイスを食べながら30分ほど時間をつぶしましたが、弱まる気配がないので意を決してクロスバイクにまたがります。
雨が冷たい。30歳を過ぎて、ここまで全身で雨に打たれることなんてあまりないぞ。ある意味ではいい経験なのかな?
濡れた白線やマンホールは、とても滑りやすくて危険です。
安全運転を心がけたおかげて”滑って転倒”という事故は起きませんでしたが、ヒヤリとする場面があったり、水たまりに突っ込んだりと散々な目にあいました。
それにしても、メガネをかけている人にとって雨は天敵ですね。レンズに雨粒がついて視界不良!
信号で止まるたびにレンズを拭いていましたが、降りしきる雨の中では焼け石に水。
慎重に走らないと事故を起こしかねない状況の中、ついに雷まで鳴りはじめました。タイミングの悪いことに、走っているのは建物の少ない見晴らしのいい田舎道。
「雷に打たれるかも・・・」
そんな恐怖を、久しぶりに味わいました。
絶望的な状況でもめげずにペダルを回し続けていると、文字通り、天が味方してくれました。
強かった雨は次第に弱まり、そして・・・ついに止んだ!
友人「うおー!これはいけるぞ!あと何kmだ?」
僕「えーっと、あと30kmです!・・・って30kmもあるの!?」
もっと進んでいる気になっていて、あと10kmくらいかな?なんて思っていたのですが、全行程の半分くらいの地点でした。
愕然としましたが、嘆いていても仕方ない。雨が上がっているうちに、距離を稼ごう!
しばらく走っていると、日本で2番目に大きい湖『霞ケ浦』が視界に飛び込んできました!
雨上がり、雲間から差し込む太陽の光。そこに広がる雄大な霞ケ浦。美しい光景です。きれいな景色に出会えることがサイクリングの魅力だと改めて実感。
霞ケ浦に元気をもらうと、疲労困憊だった体と心がみるみる回復していきます。まだ走れる!
幸いなことにそれ以降は雨に降られることもなく、びちょびちょに濡れたクロスバイクも完全に乾きました。これで錆びる心配はないかな?
そして、お互いを励まし合い、なんとかゴールのつくば市までたどり着きました!
体中が痛く、とくにお尻と左ひざには激痛がはしります。
限界を超えていましたが”走り切った”という達成感はすさまじく、今まで味わったことのない心地よさを感じていました。
往復130kmの道のりを走破
2日目は茨城県水戸市から大洗港まで10km、そこからつくば市まで60km、合計70kmもの道のりを走破しました。
上り坂や雨に絶望し、弱音を吐いたり、嘆いたりもしましたが、今回のライドで最長走行距離をなんと40kmも更新できました。
サイクリストとして成長できた気がします。
それにしても、1日目と合わせて130kmとは我ながらよくぞ走ったものだ。
スポーツ自転車を趣味としない人が読んだら、きっとこう思うでしょう。
「こんなにツラい思いをしているのに、なにが楽しいの?」
確かに大変なことも多いですし、体も痛くなりましたが、振り返ってみるとそのすべてが”楽しい思い出”に変わってしまうから不思議なんですよね。
知らない場所を走る高揚感。ふとした瞬間に見えるきれいな景色。
疲れたときに飲む一口のスポーツドリンク。少しずつ目的地に近づいていく快感と走り切ったという達成感。
道と自転車の上で起こるすべてのことが、サイクリングの醍醐味だと思います!
これからスポーツ自転車をはじめようと思う人、興味がある人に、少しでもサイクリングの楽しさが伝わったら嬉しいです。
袖振り合うも他生の縁
サイクリングをしている最中、たくさんの人に声をかけていただきました!
●畑仕事をしていたおばちゃんは、「雨が降ってきたから早く帰りなー!」と心配してくれました。
●上り坂を走っていると、杖をついたおばあさんから、「がんばって」とエールをいただきました。
●つくば市の信号待ちで、「霞ケ浦一周したの?」とサラリーマン風のおじさんが声をかけてくれました。
普段の生活で、知らない人に応援されたり、声をかけられることなんて滅多にありません。
その”滅多”がサイクリング中は結構頻繁に起こるからおもしろい。
一期一会ともいえないような一瞬の、すれ違いの出会い。これも自転車旅の魅力ですね!
コメント