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小説『追い風ライダー』著・米津一成 (徳間文庫)
僕は結構本を読むのが好きでして、あるとき「そう言えば、自転車を題材にした小説ってあるのかな?」と調べてみたところ、見つけたのがこの小説です。
おもしろそうだと本屋に行ってみると、残念ながら在庫切れ。3軒回ったのですが見つからなかったので、仕方なくAmazonでポチリ。
便利な世の中ですね。
そうして手に入れた『追い風ライダー』は一体どんな小説なのか?
さっそくご紹介していきたいと思います!
どんな話?大まかなあらずじ
先立った旦那が残したコースを巡る未亡人———
自転車通勤をする猫好きなOL———
ひょんなことから自転車に乗ることになるサラリーマン———
思い出の道をブルベのコースにしようと挑戦する青年———
沖縄出身のおミズの女の子———
”自転車”によって繋がる彼ら・彼女らの人生のワンシーンを集めた小説です。
以上です。説明終わり。
それだけ?と思うかもしれませんが、それだけなのです。
悪人も出てこないですし、恐ろしい謎や怪奇が待ち受けているわけでもない。もちろん驚くどんでん返しなんてありません。
この小説は、ただ、さまざまな形で”自転車”と共に生活をしている人々が出てくるだけ。
自転車好きの方なら、「それだけ」だからこそ、読んでみたくなりません?
読んでみて感じたこと
これから「読んでみよう」とこの本を手に取る人が100%楽しめるように、詳細な内容には触れないようにするので、ご安心を。
読んでみて感じたのは、「とても読後感の良い小説だなぁ」ということでした。
すごくさわやかで、ほっこりしちゃいます。
それぞれの環境で生活する人たち。悲しいこと、嬉しいこと、苦楽を感じながら生きている中に、やっぱり”自転車”がある。
そんな人たちの『自転車人生』、そのほんの一部分を垣間見ることができるような感じ。
小説は、5人の男女の物語とエピローグの全6編から構成されています。
各話はそんなに長くないので、とても読みやすい。
小説内に出てくるサイクリングコースが、話の冒頭に地図として載っているのがおもしろいところなんです。
基本的な舞台は関東なので、関東出身の僕にとっては見聞きしたことのある地名がバンバン出てきます。うーん、思わず走ってみたくなる。
自分が自転車に乗っていると、「あの人はなんで自転車に乗っているんだろう」とか、「どんなコースを走っているんだろう」なんて考えません?
僕は、結構考えちゃいます。
そんで、他人様の自転車ブログを拝見して、走行ルートを参考にさせてもらったり、自分も一緒に自転車で走っている気分になってます。
この小説は、それに近いものがあると思っています。
自転車を知らない人がイメージしづらい描写もありますが、それもほんの少しです。
まったく知識のない人でも楽しめると思いますし、この小説をきっかけに「自転車に乗ってみたい」と思う人がいても全然不思議じゃありません!
読んだ後、優しい気持ちになれて、また少し自転車を好きになる。
そんな小説でした!
おわりに
小説を紹介するのは、とても難しいです。
あんまり自信がありませんが、小説『追い風ライダー』の魅力を10分の1でも伝えられればいいなと思い、ブログ記事にしてみました。
著者の米津一成さんは、中学時代に熱中した自転車に40歳で出戻り。
以降は、ロングライドイベント『ブルベ』を中心に楽しんでおり、なんと”シュペールランドヌール(SR)”の称号も獲得しているそうです!
SRとは?1年間に、200km・300km・400km・600kmの公式ブルベに参加して完走することで得られる称号なのです。
これ、僕も狙ってます!
そんなに厚い本ではありませんし、文体もとっても読みやすい。
ご興味があったら、ぜひ手に取ってみてください。
そして、最後に!
小説『追い風ライダー』の背表紙と帯にあるキャッチフレーズが、とても気に入ったので紹介させていただきます。
まずは背表紙。
自転車は、人生も遠くまで連れて行く。
そして帯。
人生が走り出す一瞬がある。
なんか良くないですか?
自転車で走るときの、なんとも言えない高揚感、万能感、ちょっとの不安とワクワク感。それらを内包しているキャッチ―なフレーズでした。
以上!読んでいただき、ありがとうございました。
自転車を題材にした小説はまだまだあるので、読み次第、また紹介させていただきます!
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