茨城県取手市から利根川サイクリングロードをひた走り、関東最東端である千葉県銚子市の犬吠埼をめざすロングライド。
片道90kmもの果てしない道をせっせと走り、5時間が経過。残り距離は25kmくらいか?
補給アイテムも尽き、ボロボロになりながらもペダルを回します。
~前回のライドはこちら~
補給の用意は計画的に
利根川サイクリングロードの代り映えしない景色、吹きつける向かい風に負けることなくクロスバイクで駆ける僕と友人。
関東最東端をめざす自転車旅も後半戦に差しかかったところで、あらかじめ買っておいたペットボトルの飲み物が底を突いてしまいました。
「なくなればまた買えばいい」
そんな風に簡単に考えていましたが、サイクリングロード上にはコンビニはもちろん自動販売機すらありません。うそだろ!?
じわじわと喉の渇きが強くなります。お腹も減ってきた。
手元にあるのは無駄にたくさん買った塩タブレットのみ。こればっかり食べていたんじゃ塩分の過剰摂取で体がおかしくなりそうだ!
サイクリングロードを降りてコンビニを探しに行くのが正解なんでしょうが、町を見下ろすと近くにお店がある気配がしません。
この時点ですでに疲れ果てていたので、あと20km程度だったら補給食を探しに行くタイムロスを避けて一刻も早くゴールしたい。宿で休みたいという気持ちが勝りました。
ロングライドでは補給食や飲み物が切れないように、きちんと事前に準備しておくことが大切なんだと身をもって学びました。
またひとつサイクリストとして成長できたぜ。
疲労感が体を包み、手足やお尻に鈍い痛みを感じはじめますが、休めばその分だけ到着が遅くなる。
ここまで来たら無心でペダルを回して、1分1秒でも早く銚子にたどり着く!
忍耐、そして根性が試される展開になってきたー!燃えるぜ。
橋を目印に銚子をめざす
僕と友人、ふたりの自転車旅にスマートフォンは不要!ということで、地図アプリに頼らずに走っているのですが、目的地が近づいてくるとさすがに目印がほしい。
ここまでは、サイクリングロードに設置されている『海まであと〇〇キロ』という案内看板を大まかな目安にして走ってきましたが、海に行くわけではないので最後までは頼れません。
このあたりの地図でもないかな?走っていると『公告』と書かれた看板を発見しました。
それ自体は『下記のとおり堤防の土地の区域へ自動車を乗入れることを禁止します』という文言が書かれた看板だったのですが、利根川とそこに架かる橋の簡単な見取り図が載っている!
「これは使える!銚子大橋っていうのがあるから、これを渡れば銚子に着くだろう!」
「さっきあったのがこの橋だから・・・あと3つ目が銚子大橋だ!」
こんな具合に現在地と銚子市までの目印を把握。ゴールまでの見通しが立つと、ペダルを回す足にも自然と力が入りますね。
ここからは次の橋を心待ちにするライドがはじまります。遥か彼方に橋が見えると、「橋だー!」と歓喜の叫び声をあげながら加速!
景色の変化も楽しみながら、走ることができました。
利根川に落ちる真っ赤な夕日
日が傾いてきました。
13時に出発して実に5時間以上も走り続けているので、あたりはすっかり夕方になりつつあります。
振り返ると、利根川に落ちる夕日を見ることができました。遮蔽物のないサイクリングロードで見る夕日は本当にきれいでした。
太陽は沈み切る直前が一番赤い。この光景を目に焼きつけて、残りの道のりを乗り越えよう!
そんな夕日を見ていて、「明日は関東最東端の犬吠埼から日の出を見れたら最高だ!」とテンションが跳ね上がります。
しかし、今は明日のことを考えている場合ではない!
日が落ちたらすぐに夜がやってくる。外灯のないサイクリングロードはなるべく走りたくないので急ぎましょう。
なんとか辿り着きました
順調に利根川に架かる橋を越えていきます。
少し道に迷ったところもありましたが、なんとか前に進んでいき、ついに『銚子大橋』が見えてきました!ここまで来たらあと一息!
太陽が完全に沈む前にサイクリングロードは脱出できたので、暗くて危険な目にあうことはありませんでした。
闇夜に架かる銚子大橋はとてもきれい。
橋を渡り切り、街中を2kmくらい走るとお世話になるビジネスホテルに無事到着しました!
走り遂げたという達成感と共に、疲労、手首、ひざ、アキレス腱、お尻の痛みに襲われます。それだけ経験に見合わない無茶な計画を立ててしまったということかな?
茨城県取手市を13時に出発して、千葉県銚子市に到着したのが20時でした。所要時間は7時間。我ながらよく走ったものだと呆れてしまいます。
ビジネスホテルのスタッフさんに駐輪場の場所を尋ねると、「室内に持ち込んでもいいよ」と許可をいただきました。これはありがたい。
室内で落ち着いたあとは、夕ご飯を食べに銚子の街へ繰り出します。
そして、宴会スタート!90kmの道のりを振り返りながらの食事は本当に格別。腹ペコだったこともあり涙が出るほどおいしかったです。
疲れのせいもあり、少しお酒が入っただけで眠くなってきたのでビジネスホテルで就寝。
クロスバイクを購入したときは30kmでへばっていましたが、その3倍もの距離を走れるようになりました。
なんとも感慨深いものがありますね。
取手市に向けて91km目を踏み出す
翌日、想像以上の疲労感と体の痛みを感じながら起床。
本来の予定であれば、夜明け前にビジネスホテルを出発して『犬吠埼灯台』から朝日を見るはずだったのですが完全に寝坊しました。この体調で起きられるわけがない!
犬吠埼はまたの機会にしましょう。
なんせ、これから出発の地である取手市までふたたび90kmを走って帰らなければいけないですしね。体力を温存しておかないと、たどり着けなくなる。
せっかく来たんだから銚子らしいものが食べたい!ということで、銚子漁港にある定食屋さんで朝ご飯をいただくことにしました。
ビジネスホテルから約2kmのサイクリング。
朝の風は気持ちがいいですが、それ以上に気になるのは体の痛み。大丈夫か?すでに満身創痍です。
刺身定食、とてもおいしかった。おかげさまで気力は充実しました!
10時30分、取手市に向けて出発。
行きは利根川サイクリングロードの茨城県側を走りましたが、帰りは千葉県側を走ります。さすがに、まったく同じ道を戻るのは精神的にもよろしくない。
昨日、茨城県側から対岸を見ていると千葉県側の方がいろいろとお店がありそうな雰囲気を感じたので、それを楽しみに走っていこうと思います。
予想通り、帰り道にはたくさんのすてきな施設がありました。
銚子漁港から40kmほど走ったところにあった『道の駅 水の郷さわら』に、昼ご飯休憩もかねて立ち寄りましょう。
のどかな風景ですね。青空が広がり、最高のサイクリング日和。これはテンション上がります。
迷うことなく、ひたすらサイクリングロードを走ります。会話も少なくなり、ペダルを回すことに集中することが多くなりました。
時刻は15時。出発してから4時間半が経過しました。
クロスバイクの後ろには、この旅で僕たちに進むべき道を示し続けてくれた利根川、そして神崎大橋が見えます。
神崎大橋を少し走ったところに『道の駅 発酵の里こうざき』があったので少し休憩しよう。
昼ご飯を食べたはずなのに小腹が減った。屋台で焼き鳥を販売していたので、3本ほど買って空腹を満たしました。
昨日と同じミスはしない!食べ物も飲み物も、補給できるときにしておきます。
それにしても、道の駅ってなんかいいですよね。
道の駅ごとに特徴がありますし、地元の名産物が置いてあるので見ているだけでもその土地のことを知れて楽しい。
高速道路のサービスエリア的感覚ですが、自転車旅の最中に遭遇するとまさにオアシスです。
銚子漁港から約50km走ってきましたが、左ひざの痛みが強くなってきた。それに加えて左足のアキレス腱にもピリピリとした痛みを感じます。
左足をかばうようにペダリングをして、なんとか前に進みますがかなりしんどい。無理はせずに休憩する回数を増やしてしのぎます。
痛みに耐えながら、なんとか、なんとか走り、出発から8時間後の18時30分に目的地である取手市に到着しました!
無事に帰ってこれて本当によかった。
走っても走っても縮まらない距離に嫌気がさしましたが、ペダルを回し続けるかぎり自転車は前に進むんですね。
帰り道もちょうど90kmの長旅。
2日間で180kmを走り切ったという経験は、僕の中で大きな自信になりました。
走っている最中は本当にキツくて、ツラくて、体中痛いんですが、おわってみると不思議なことにまた走り出したくなっちゃうんですよね。
車や電車では絶対に味わえない達成感。自転車っておもしろい乗り物です。
友人とは取手駅前のラーメン屋で自転車旅の思い出を振り返り、帰宅の途につきました。
犬吠埼灯台から日の出を見るという目標は叶いませんでしたが、必ず再チャレンジします!
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