輪行への影響は?東海道・山陽・九州新幹線の特大荷物置場設置と事前予約制について

ロードバイクなどの自転車を解体して専用の袋に収納し、公共交通機関を利用して移動することを『輪行』と言います。

今、その輪行を巡ってサイクリスト界を騒がせているニュースがこちら。

『東海道・山陽・九州新幹線 特大荷物置場の設置と事前予約制の導入について』

2019年8月29日に、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社の3社から発表された新制度導入の案内です。

「いったいどのような制度なの?」

「輪行には影響あるの?」

さまざまな疑問を解消するために、今回はこのニュースを取り上げていきます。

メリット、デメリットはもちろん、実際に電話問い合わせをした内容を盛り込んでいますので、この記事を読めば新制度の全貌が把握できると思います。

輪行については、こちらの記事を参考にしてください。

今回は輪行についてお話しします。敷居が高いように感じますが、しっかり手順を確認しながらおこなえば、数回でマスターできると思います。輪行で世界が広がる感覚を味わってください!

それでは、早速いってみましょう!

事前予約制についての案内文

近年、海外からのお客様の増加もあり、新幹線車内に大きな荷物を持ってご乗車されるお客様が増加しています。来年には東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、車内に持ち込まれる大きな荷物は更に増加することが見込まれます。

これに備え、東海道・山陽・九州新幹線では、車内に一定以上の大きさの荷物を持ち込む際は、今回設置する荷物置場を指定席とセットで予約したうえでご乗車いただく事前予約制を導入します。

これにより、ご旅行前からお座席の近くに荷物置場を確保いただけるとともに、乗降扉付近などの荷物置場に荷物を収納することでスムーズに乗降していただくことが可能になりますので、さらに安全で安心かつ快適に新幹線をご利用いただきたいと存じます。

なるほど。

つまり、新幹線内に大きな荷物を持ち込む人が増える見込みがあるので、大きな荷物を置く場所を事前予約制にしてサービス向上をはかりますよ…ということのようです。

「予約が殺到しそう!」

「事前に予約できなかったら、大きな荷物は持ち込めないの?」

「アクシデントで急きょ輪行する用な場合はどうしたら…?」

発表文を読むと多くの疑問が湧いてくると思いますが、一つひとつ丁寧に確認して疑問を潰していきましょう!

事前予約制が導入される新幹線と開始日

今回、特大荷物置場の事前予約制が導入されるのは、こちらの3つの新幹線です。

①東海道新幹線
東京駅から新大阪駅までを結ぶ、東海旅客鉄道の高速鉄道路線。

②山陽新幹線
新大阪駅から博多駅までを結ぶ、西日本旅客鉄道の高速鉄道路線。

③九州新幹線
博多駅から鹿児島中央駅までを結ぶ、九州旅客鉄道の高速鉄道路線。

こうしてみると、かなり長い区間に事前予約制が導入されることになりますね。西日本にも自転車旅に行きたいと思っているので、輪行の可否が気になるところ。

さて、この特大荷物置場の事前予約制はいつから導入されるのか?

『2020年5月乗車分よりスタート!』

このように明言されています。

半年以上先の話なので、まだ制度的に確定していない部分、曖昧なところはあるようですが、現状で知り得る限りの情報をかき集めてきました。

特大荷物とは?

事前予約制の対象となる『大きな荷物』とは、3辺の合計が160cm~250cmの荷物のことを指し、これを『特大荷物』と言います。

『荷物置場の事前予約制の対象となるのは特大荷物』

ここが重要なポイントです。しっかり覚えておきましょう!

僕が愛用している輪行袋『OSTRICH(オーストリッチ)輪行袋 L-100』を見てみましょう。

公式データを基に3辺の合計を計算してみると、110cm+95cm+25cm=230cmとなりました。サイズ的には、特大荷物のカテゴリーに含まれますね。

この輪行袋は前後輪を外して収納するタイプなので、かなりコンパクトになるのが特徴です。

輪行袋の中には、前輪のみを外して収納するタイプもあります。そちらのサイズも確認してみましょう。

同じメーカーの『OSTRICH(オーストリッチ)超速FIVE輪行袋』です。

こちらも、公式データを基に3辺の合計を計算。138cm+80cm+20cm=238cmなので、サイズ的にはL-100と同様に特大荷物。

ちなみに3辺の合計が250cmを超える荷物はいかなる理由があろうとも、新幹線内に持ち込みできません。

上記2つの輪行袋は持ち込み規定の範囲内に収まっていますが、新幹線内の限られたスペースをシェアするわけですから、なるべくコンパクトにした方が無難だと思います。

少し横道に逸れましたが、特大荷物について確認することができましたね。

おさらいにもう一度!

『3辺の合計が160cm~250cm以内の荷物を”特大荷物”と言い、事前予約制の対象になる』

これで完璧です!次に進みましょう!

特大荷物置場とは?

今回の事前予約制の肝となるところ、『特大荷物置場』について解説していきます。

まず、前提として特大荷物置場には以下の2つがあります。

①荷物スペース

②荷物コーナー

似たような名前で混乱しそうですが、それぞれの特徴と利用方法を見ていきましょう。

荷物スペース

新幹線の指定席客室内の最後部座席の後ろにある既設のスペースが、新たに特大荷物置場となります。ここを『荷物スペース』といいます。

輪行で真っ先に確保したい場所と言えばここですよね。僕も何度か利用したことがあります。

上越新幹線Maxときで輪行

これは日本横断したときの帰り道、新潟駅から大宮駅まで利用した上越新幹線の車内です。指定席を予約するときに、『後方座席』を希望したら運よく最後部座席をゲットできました。

こちらは、千葉県から本州最北端をめざしたときの写真です。

JR東北新幹線でロードバイクを輪行

岩手県で途中リタイアして、急きょ一関駅から大宮駅まで輪行したときに利用した東北新幹線の車内です。

少しでも安く済ませたかったので自由席の切符で乗り込むと、車内はガラガラで最後部座席に難なく座ることができました。

写真で輪行袋を置いているこのスペースが、事前予約制により2020年5月から『荷物スペース』として、特大荷物置場に指定されることになるのです。

荷物コーナー

車内デッキにある2か所の洗面所、そのうち一方の洗面所が新たに特大荷物置場として生まれ変わります。

客室座席から離れているため、盗難防止の二重ロック方式が採用されているなど、防犯性も考慮されています。

トイレがなくなります…と言うのであれば全力で反対しますが、洗面所が1つ減っても大した影響はなさそうですし、いいと思います。

荷物コーナーは現在は整備中で、2023年を目処に導入されるようです。

どのくらいの数の特大荷物が置けるかなどは決まっていないようですが、これから具体的になっていくでしょう。

特大荷物スペースつき座席

特大荷物置場である『荷物スペース』は、『特大荷物スペースつき座席』という特定の指定席を予約することで利用できます。

まーた、新しい言葉が出てきましたね。

つまり、特大荷物置場を利用するのであれば、指定席の中から『普通席』ではなく『特大荷物スペースつき座席』を事前予約してください、ということです。

この『特大荷物スペースつき座席』は、通常の指定席と金額は変わりません。特大荷物を持ち込んでも追加料金は発生しないのです。

それでは、どこが『特大荷物スペースつき座席』になるのでしょうか?

①荷物スペース
対応した指定席は、『荷物スペース』の直前にある最後部座席になります。

つまり、普通車であれば最後部のABCDEの5席が『特大荷物スペースつき座席』になり、その後方が『荷物スペース』となるわけです。

ただし!この『特大荷物スペースつき座席』ですが、新幹線の全車両に設けられるわけではありません。自由席や一部の指定席号車には、この座席は設定されません。

そのため、『特大荷物スペースつき座席』が設定されていない(=『荷物スペース』がない)自由席や一部の指定席号車の最後部座席後方のスペースは従来通りの利用方法になります。

ただし!ただし!『従来通りの利用方法によるスペース』には、特大荷物は置くことができなくなります。特大荷物はあくまで『特大荷物置場』に置かなければいけません。

読んでいただいている皆さんの代わりに、叫ばせてもらいます。

「うーん、ややこしい!」

②荷物コーナー
最後部座席以外の指定席が対応するようです。

こちらは導入が2023年とまだまだ先なので、電話で問い合わせてもほとんど情報がありませんでした。

内容が具体的になってから、改めて説明しますね。

事前予約のない特大荷物の持ち込み

では、以下のような場合はどうでしょう?

「『特大荷物置場つき指定席』が埋まっていて予約ができなかったよ!」

「急きょ新幹線を利用する場合、特大荷物は持ち込めないの?」

ご安心ください。

結論から言うと、このような場合でも特大荷物は持ち込めます。ただし、いくつかの条件・制限があるので確認していきましょう。

①持込手数料が発生
事前予約なしに特大荷物を車内に持ち込む場合、持込手数料が1,000円(税込)かかります。

持込手数料を支払うタイミングは乗車後とのことです。

②特大荷物を置く場所の指定
事前予約なしに持ち込まれた特大荷物は、乗務員の指定する場所に収納しなければなりません。手元から離れてしまう可能性があるということですね。

この『乗務員の指定する場所』というのは、まだ具体的には決まっていないそうです。

③未確定情報!自由席+持込手数料1,000円
自由席切符で新幹線に乗り込み、持込手数料1,000円を支払えば特大荷物を持ち込むことはできるのか?

電話で問い合わせてみたところ、「現在では詳細が決まっていない」とのことでした。

超重要!新幹線輪行の大前提

僕自身、案内文を熟読したり、疑問点を洗い出して電話で問い合わせをおこなったりと、なかなかの苦労をしました。

その甲斐もあって、この『特大荷物置場の設置と事前予約制の導入』について、かなり詳しくなり、今回の記事を皆さまにお伝えできるようになったと思います。

ただ残念なことに、新制度のことを追いかけすぎて、途中から重要ワードの『輪行』が頭からすっぽり抜けていたんですよね…。

改めて調べはじめるとすぐに、超重要な超大前提を見逃していたことに気付きました。

それが、こちらです。

『自転車は、解体して専用の袋に収納したものであれば、スポーツ用品と見なし、特大荷物に該当しない』

そうなんです!輪行袋に入れた自転車は特大荷物に該当しないのです!

3辺の合計が160cm以上だったので特大荷物になると勘違いしていました。だからこそ、事前予約制の導入は輪行に大きな影響を与えると思っていたのですが…。

なるほど、なるほど。ん?じゃあ、つまり、どうなるの??

事前予約制と輪行の影響について

はい、それでは仕切り直し!

『輪行袋に収納した自転車は特大荷物に該当しない』

この前提を踏まえて、これまで説明してきた『特大荷物置場の事前予約制』を最初から見ていきます。

2020年5月以降の西日本への輪行はどうなるのでしょうか?

輪行袋を置く場所は?

①特大荷物置場について
情報の少ない『荷物コーナー』はいったん置いておいて、『荷物スペース』の話をします。

ずばり、事前予約制を利用して『特大荷物スペースつき座席』の切符を購入をすれば、『荷物スペース』に輪行袋を置いても大丈夫なのか?

電話で問い合わせたところ、「大丈夫です」という回答をもらいました。

この『荷物スペース』は、基本的には特大荷物を置くための場所なのですが、ベビーカーや重量があり荷物棚に載せられないものなど、一部のものは例外的に置いてもいいそうです。

その”一部の例外的なもの”の中に、輪行袋に入れた自転車も該当するとのことでした。

この事前予約制をうまく利用すれば、置く場所の心配をせずに、安心して新幹線を利用することができるようになりそうですね。

②自由席または『特大荷物スペースつき座席』がない指定席号車について
これは従来通り、最後部座席後方の既設スペースを利用することになります。

既設スペースには特大荷物は置けません。

特大荷物以下のサイズ、つまり3辺の合計が160cm以内の荷物のみになるのですが、『輪行袋に収納した自転車は特大荷物に該当しない』という前提から置くことが可能です。

ちなみに、この既設スペースは基本的に先着順です。スペース直前の最後部座席に座る人に荷物を置く優先権があるわけではないそうです。

③車内デッキについて

ここも、従来通りに利用することが可能です。車内デッキの邪魔にならないところに自立させて、なおかつ倒れないようにしましょう。

駅に停車し、人の乗り降りがあるたびに邪魔にならないように移動させたり、なにかと気を遣う場所ですので、置きたい場所ランキングでは下の方ですね。

事前予約のない持ち込みについては”無関係”

当初、輪行袋が特大荷物になると思っていたときには、「急きょ輪行すると持込手数料1,000円も取られるのか…」などと嘆いていました。

しかし、もう持込手数料の心配をする必要はありませんね。

輪行袋に収納した自転車は特大荷物に該当しない!なので、持込手数料はかかりません。

むしろメリットあり?まとめ

なんだか、事前予約制の影響って少なそうじゃないですか?いや、むしろ逆に輪行サイクリストにはメリットすらあるように思えます。

新幹線全車両のうち、何車両に『特大荷物スペースつき座席』が設けられるかはわかりませんが、特大荷物自体そうそう持ち込まれないような気がします。

実際にメジャーで測ってみましたが、特大荷物ってかなり大きいですよ?

航空機で預けるときに有料になる代物ですし、通常の旅行者だったら特大荷物以下のサイズで荷物をまとめてきそうなものです。

該当3社も、『特大荷物スペースつき座席』は、『現状の特大荷物のご利用状況に対して十分な座席数をご用意しておりますが…」と謳っています。

もちろん、その後に『列車によっては込み合う場合もありますので、早めのご予約をお願いします』と続けていますが、『特大荷物スペースつき座席』が常時満席になることなさそう。

常時満席になる可能性が低い=輪行サイクリストが『特大荷物スペースつき座席』を確保しやすいということで、ここがひとつメリット。

事前予約で置き場所に困らずに、安心して輪行できるようになりそうです。

万が一、『特大荷物スペースつき座席』が満席で確保できなかったとしても、従来通りの方法で持ち込めるのでデメリットはありません。

何なら、特大荷物の置き場所が明確になったので、むしろ自由席または『特大荷物スペースつき座席』がない指定席号車の既設スペースが”すく”可能性もありません?

明確なルールがあるわけですから、乗客同士のトラブルもそこまで多発するとは思えません。

新制度の導入なんですし、3社もわかりやすい形で案内してくれることでしょう。トラブルになりそうだったら乗務員に間に入ってもらえばいいですしね。

ちなみに、『特大荷物スペースつき座席』の事前予約がされず、『荷物スペース』がガラガラに空いていても、そこはあくまで『特大荷物スペースつき座席』を予約した乗客のもの。

基本的には、他の乗客はそこに荷物を置いてはいけないそうです。

おそらく、事前予約をしないで持ち込まれた特大荷物の置き場所になるのだと思いますが、ここら辺が徹底されればトラブルも少なくなりますよね。

こんなところでしょうか?

『東海道・山陽・九州新幹線 特大荷物置場の設置と事前予約制の導入について』

輪行サイクリストにとって、個人的にはメリットはあってもデメリットはないと思っています。…が、なにか見落としをしているかもしれない。

実際に自分で体験してみたい派なので、2020年5月以降に事前予約制を利用して新幹線輪行をしてみたいと思います。

そのときの体験談や2023年に導入される『荷物コーナー』についても、随時情報をフィードバックしていきますね。

「自分が何時間、何日もかかって走った道を新幹線は一瞬で…」

という、妙な爽快感を、新幹線輪行をしたことないすべての人に味わってほしい一心で、今回の記事を書いてみました。

新幹線輪行はハードルが高く感じますが、慣れてしまえばとても楽しい遊び方なのです。

皆さんも、ルールやマナーをきちんと把握して、輪行サイクリングを楽しみましょう!

それでは、読んでいただいてありがとうございました。

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コメント

  1. PALCOM より:

    理屈の上では、メリットだけのようですね。東北・上越・北陸新幹線や在来線特急にも広がってほしいです。

    むしろ、JRの用語の使い方が制度運用開始時に混乱を招く原因になりそうです。「特大荷物」という用語は、明らかにサイズ概念なので、楽器・スポーツ用品・ベビーカーなども「特大荷物」に含まれると誤解するのが普通だと思います。

    個人的には、「特大荷物」を2つのカテゴリーに分けて
     (1)予約必須の特大荷物
     (2)予約任意の特大荷物
    という名称にするのがよいと思います。現在のJRの用語法だと、スポーツ用品などは「あのスペース」に置けなくなるのではないかという問い合わせが殺到するような気がします。

     (1)予約必須の特大荷物
     例)海外旅行者が使うような巨大スーツケース
     最後部座席の予約が必須。予約なしだと1000円のペナルティ+不本意な場所へ置くことを命じられる可能性
     (2)予約任意の特大荷物
     例)スポーツ用品、楽器、ベビーカー
    最後部座席を予約して「あのスペース」に置くことができる。予約しなくてもペナルティ1000円を支払う必要はなく、置き場所を強制的に指定されることもない(自由席の「あのスペース」においてもよいし、デッキに置いてもよい。)。

    • にしき より:

      情報ありがとうございました。
      ルール的には問題ないのに、場所を取ることからなんとなくグレー寄りの扱いになっている輪行。事前予約制が広がっても、もっと堂々と、そして気軽に輪行ができるようになってほしいものですね!若干の懸念は、あのスペースに輪行袋と特大荷物を置けるのか・・・?ということですが、きっと大丈夫でしょう。
      確かに、JRの用語は紛らわしい!PALCOMさんのカテゴリー分けはわかりやすいですね。
      結局、『輪行袋に収納した自転車が特大荷物に該当しない』ということが、意外と周知されていないように思います。その点、その分け方だったら一目瞭然ですもんね。
      細かい話をさせてもらえれば、『荷物スペース』と『荷物コーナー』という名称もなーんか紛らわしいです。
      百聞は一見に如かず!ということで、事前予約制がスタートしたら実際に利用してみますね。なんかよい旅先あれば教えてください(笑)