ひさしぶりにヒルクライムを走りたい!
どこかよさそうなところはないかな?探していると、埼玉県ときがわ町に以前から行ってみたかった峠があるのを思い出しました。
その名を『白石峠』といい、埼玉県ではかなり有名なヒルクライムスポットです。
善は急げ!思い立ったら即行動ということで、瞬時に計画を立てて家を飛び出しました。
目次
出発地点は『ふれあいの里 たまがわ』
自宅からかなり距離があるため、埼玉県ときがわ町までは車を使って移動します。ロードバイクを積み込んで、いざ出発!
車でめざすのは白石峠ではなく、その近くにある『ふれあいの里 たまがわ』という施設です。
のほほんとドライブを楽しみ、9時50分に無事到着しました。
道の駅っぽいですがそうではないらしく、ときがわ町で採れた安心・安全の農林産物、特産品を販売している地域おこしの拠点だそうです。
建物の裏手には都幾川が流れており、そこではバーベキューも楽しめるようです。
この施設のすごいところがこちら!
なんの変哲もない駐車場のようですが、地面には我らが自転車マークが輝いています。そうなんです!これはサイクリスト専用の駐車場なんです。
ときがわ町がサイクリングに力を入れている町ということは知っていましたが、まさかこんな素晴らしい駐車場まであるとは思いませんでした。
サイクリスト専用駐車場は5台分くらいあり、隣の車との距離がかなり広めに作られています。
具体的にはロードバイク1台と50cmくらいかな?車と車の間でロードバイクを取り回せるくらいの間隔があり、細かい配慮に嬉しくなります。
利用方法を施設の人に問い合わせしたところ、駐車場に車を止めたまま自転車でときがわ町サイクリングに出かけても大丈夫とのことでした。
施設利用のための一時的な駐車場ではなく、サイクリングの拠点に利用していいみたいですね。まさに至れり尽くせりです。
もちろん無料なので、ときがわ町や白石峠を車で訪れるときは『ふれあいの里 たまがわ』を出発地点にするのがベストでしょう!テンション上がってきた!
ちなみに、サイクルラックもばっちり完備してあります。
大きな看板には、ときがわ町が推奨するサイクリングコースが3つほど紹介されていました。
距離は38km、24km、21kmと適度なサイクリングを楽しめる距離が設定されていますが、よく見ると山あり谷ありのコースもあり、走りごたえはありそうです。
どこを走っても間違いなく素敵な景色を望めると思いますので、自分の走力に見合ったコースを選んで走り出しましょう!
そうこうしている間に準備が整いました。『ふれあいの たまがわ』から白石峠まで約10kmのサイクリングを楽しみながらヒルクライムに挑戦していきます。
白石峠まで約10kmのサイクリング
青空が広がる天気。風も少ないので走っていて気持ちのいい絶好のサイクリング日和です。
埼玉県道172号を走っていると、案内標識にさっそく”白石峠”の文字が見えてきました…が、ここは左折して寄り道します。
関東の駅百選にも認定されている八高線の『明覚駅』は、白石峠に電車でアクセスするときの最寄り駅になります。
レトロですが、どことなくオシャレさを感じる駅舎。
明覚駅から白石峠までは約8.5kmなので、輪行で訪れても適度にウォーミングアップできる距離が残されているのも嬉しいですよね。
明覚駅から県道172号に戻るとき、ときがわサイクリングコースの案内看板を発見しました。
迷わないようにしっかり案内してくれているので本当にありがたい。こういうところに、ときがわ町のサイクリング熱を感じます。
それにしても、この写真!電線がビッシリだな!なんか笑えました。
しばらく走っていると、あんなに青く広がっていた空が黒い雲に浸食されていきます。
天気予報を見るかぎり雨は降らないと思いますが、なるべくなら晴れてほしい!
ときがわ町は自然豊かで本当に素晴らしく、景色を眺めながら走っているだけで幸せな気持ちになります。ゆっくりとペダルを回して景色を堪能しよう。
町名の由来にもなっている都幾川です。水が澄んでいてきれいですね。
写真を撮った場所の向かい側に『峠の駅 ときがわベース』というお店を発見。調べてみると2020年8月に新規オープンしたそうで、サイクリストで賑わっていました。
更に調べると、元々は有志で作られ運営されていた?今は”峠の駅”として生まれ変わったのかな?謎は深まるばかりですが、どちらにせよ興味深い。次回は立ち寄って突撃取材でもしてみよう。
曼殊沙華がきれいに咲き誇っていました。深紅の花びらが美しいですね。
曼殊沙華、別名『ヒガンバナ』…だと今の今まで思っていたのですが、逆なんですね。ヒガンバナが正式名称で別名が曼殊沙華らしい。
埼玉県で曼殊沙華といえば、日高市の巾着田でしょう。500万本の赤い花が咲き広がる光景は圧巻らしいのですが、まだこの目で見たことがありません。
見ごろは毎年9月中旬から下旬にかけて。今年こそはロードバイクにまたがり、この足で巾着田を訪れてみよう!
なんて思いながら曼殊沙華を眺めていたら、道端に落ちているゴム手袋が人の手に見えてかなりビビッた。
走っていると、めちゃくちゃ心に響くものを発見しました。
これ、よくないですか?『都幾川渓谷鉄道 川の駅』ですって!駅名が『蛍』なのもいいですし、進めば『山』、戻れば『里』という駅名もいい味出しています。
少しずつ建物が減っていき、木々が茂る林道に入っていきました。
緩い上り坂になっているので、ウォーミングアップには最適ですね。ひさしぶりのサイクリングなので、すでに疲れはじめてきたことは内緒にしておこう。
そして、出発から約50分で白石峠の入口に到着しました!
青い案内標識にデカデカと書かれているので、見落として通り過ぎることはないと思います。ご安心ください。矢印の方を向くと、白石峠の山頂へと続く道がお出迎えしてくれました。
峠を走ろう!と思って峠に来たのはいつ以来だろう?ここから白石峠ヒルクライムチャレンジが始まります。楽しんで走ろう。いざ、出陣!
クリアなるか?脱初心者の30分切り
走りはじめてすぐ、カラーコーンに取り付けられた注意書きに目を奪われます。
林道崩落!?秩父方面・飯能方面への道路は通行止めになっているようですね。いつだかの台風の影響かな?解除の情報は書いてありません。気になるところですね。
中途半端なところで立ち止まってしまったので、スタート地点に引き返してヒルクライム再開。
スタート直後から結構な急勾配の洗礼を受けます!これはキツい!
平均勾配は8.6%らしいですが、10%超えの箇所も結構あるので油断できません。
全長6.2kmの白石峠ですが『30分切れれば脱初心者』という地元ならではの目標タイムが設定されているそうです。よっしゃ!やったろうじゃないか!
なんて気合いを入れてペダルを回しはじめましたが、激しいアップダウンに体力と足をガリガリと消耗させられます。このところ怠けていたせいか、いつも以上にキツく感じる。
それにしても、白石峠はサイクリストで賑わっています。
前を走るロードバイクを追い抜いたり、追い抜かれたり、追い抜かれたり…と、抜かれることの方が圧倒的に多いのですが、とにかくたくさんのヒルクライマーがしのぎを削っています。
これはおもしろい!なんだか、ヒルクライムイベントに参加している気持ちになりますね。
注意しなければいけないのは、山頂から下ってくるロードバイクもたくさんいるということ。上るのが大変だからといってフラフラしているとぶつかってしまう危険性があります。
白石峠を上るときに限らずですが、左側走行は順守しましょう。それだけで事故は防げます。
必死の形相でペダルを回していると、ピキン!と足に嫌な痛みが走り、両足のふくらはぎ、右足の太ももをつりそうになります。
もはや、ここまでか…!こうなった以上、脱初心者の30分を切ることをいさぎよく諦め、目標を『無事に完走すること』にシフトします。
完全に足がつってしまっては、そこから一歩も先に進めなくなってしまうので、力が入りすぎないように注意しながら走ります。
そして、なんとか白石峠の山頂に到着!完走することができました!
走行タイムを確認すると47分36秒でした。脱初心者には、あと17分も早く走らなければいけないの!?かなりキツいですが、明確な目標があると燃えるし今後の課題にしていこう!
ロードバイクを止めたところに、なにか引っかかっているぞ。なんだろう?
よくよく見てみると『やっちゃん茶屋は頑張るあなたを応援します!』と書かれた白石峠タイム記録表なるものでした。
こちらが白石峠を走るサイクリストの間で有名な『やっちゃん茶屋』です。ガリガリ君やどら焼きなどのお菓子、飲み物を取りそろえている移動式茶屋。
お店の人に話を聞いてみると、ゴールデンウィークから10月中旬ごろまで白石峠山頂に現れるそうです。とりあえず、僕もガリガリ君を買いました。ヒルクライム後のアイスはうまいな。
堂平天文台までサイクリング
体力も回復したところで、堂平天文台まで残り2kmを走ってみようかな。
両足の疲労が心配ですが、ここまで来たらなんとか走っていこう。出発!
つりそうな足を庇いながらペダルを回すのは大変ですが、なんとか上っていける。白石峠よりも勾配は緩やかですし、平坦区間もたくさんあるので圧倒的に楽。大丈夫そうですね。
立ち寄りたい絶景スポットもあったのですが、足を着かないで上り切りたかったのでスルー。帰りにゆっくり見ることにしよう。
そして、無事に堂平天文台にたどり着くことができました。
堂平山の山頂876mの地点です。緑色の丸い屋根の建物が堂平観測所ドームです。
宿泊施設やテントサイトなんかもあるようで、予約さえすればこの天文台で夜空の星を観測することができるようですね。
堂平天文台『星と緑の創造センター』の受付にて、贅沢ブルーベリーソーダを購入。ときがわ町はブルーベリーが有名みたいですね。美味しくいただきました。
それでは、そろそろ堂平山を下っていくとしましょう。
スピードを出しすぎると危険なのでしっかりブレーキングしながら山を下り、立ち寄りたかった絶景スポットを訪れました。
ここは、堂平スカイパークというパラグライダースクールのフライト場というのかな?パラグライダーが飛び立つところです。
これから飛ぶぞ!という人がいたので、遠目から見学させていただきましたが、なかなかすごい世界ですね!気持ちよさそうなので人生で1回はチャレンジしてみたい。
飛び立ったパラグライダーを目で追っていると、2人のバイク乗りの方に声をかけていただきました。どうやらロードバイクに興味があるようです。
「ギアは何段階なの?」「軽いの?ちょっと持たせてよ」「変わったペダルだね」
なんて雑談をしながら交流を深めることができました。自転車旅をしているときにも思いましたが、バイクに乗っているライダーさんはは気さくな人が多い気がします。
僕がツラそうにペダルを回していると、激励してくれたのは大体がライダーさんです。
さて、白石峠ヒルクライム、そして堂平天文台を存分に堪能できたので本格的に下山しよう!
ヒルクライムのポイント解説
上っているときはデジカメを構える余裕なんてなかったので、下りながら白石峠のポイントとなるところを写真に収めながら帰ることにします。
写真撮影の注意点!
走っているサイクリストが多く、高速で駆け下りてくる人もいるので、絶対に安全な位置に停車する。見晴らしの悪いところでは止まらない。ササっと撮影してなるべく早くリスタートする。
写真は順番をすべて逆にして、あたかも上りながら撮影したようにしておきます。こうすればこれから白石峠を上る人の助けになるでしょう。参考にしてください!
では、まずは白石峠の出発地点から見ていきましょう。
おさらいになりますが、ここが白石峠の入り口となります。かなり目立つ案内標識があるので、見落とす心配はまずなさそうですね。
全長6.2kmの白石峠を300mほど走ると、道路の右側に『起点から6.0km』という案内標識が現れます。ここから1kmごとに案内標識が立っているので、ペース配分を考えやすい。
分かれ道が出てきますが直進です。まだまだ先は長いですが、このあたりの勾配は8%を超えているので油断せずペダルを回しましょう。
そして、木で半分くらい隠れてしまっていますが『起点から5.0km』の案内標識が現れます。
このあたりは民家が立ち並んでいるポイントなので、上りのときはもちろん、スピードが出やすい下りではいっそうの注意が必要です。地元の人の迷惑になる危険運転はしないように気をつけます。
次第に建造物は減っていき『起点から4.0km』では、完全な林道を走ることになります。
自然の中を走るのは、本当に気持ちがいいですね!車の交通量はさほど多くはありませんが、まったくのゼロではないので意識してください。
白石峠の中間地点に、きれいな湧き水が流れ出ているスポットがあります。
僕は、「足を着かずに上り切る!」と目標を立てて走っていたので行きはスルーしましたが、そうでない人は休憩ポイントにするといいかもしれません。
湧き水に触れてみるととても冷たく気持ちがいい。僕が走ったのは10月上旬だったのですが、時期や気候によって水量は変わるのかな?どうなんだろう。
白い石には可愛らしいトトロとまっくろくろすけが描かれていました。誰が置いたんだろう?なんかほっこりしますよね。
湧き水スポットから600m進むと、勾配のキツい『起点から3.0km』があります。
実際に走ったときは、この時点でかなり疲労していたので案内標識の存在に気がついていなかったと思う。発見していたら、「まだ3kmもある…」と心が折れていたかもしれない。
そして、『起点から2.0km』はつづら折りの最中にあります。
つりそうになった足を庇いながら必死で走った記憶がよみがえる。ヒルクライマーで賑わう人気の峠だけあった走りごたえは十分ですし、楽しいは楽しい。
いよいよ、山頂までのラストスパートに入ります。
もうお馴染みになりつつある案内標識『起点から1.0km』を越えると、すぐに『勝負平橋』という案内看板が見えてきます。
橋自体は小さくてわかりにくいですが、山頂まで1kmを切ったところにあるので最後のひと踏ん張りをする目印にするといいでしょう。印象的な名前もそれっぽいです。
勝負平橋の案内看板は小さく、必死で走っていると見落としてしまう可能性があるのでこちらを目印にしてもいいかもしれませんね。
山頂まで約800m地点にある看板です。大きくてカラフルなので、まず間違いなく視界に入ります。
ついに、白石峠の山頂にたどり着きました!
突き当りを右に進んでいくと、やっちゃん茶屋や東屋があるので、ヒルクライムの疲れを思う存分に癒しましょう!
山頂にある案内標識にはもちろん『起点から0.0km』と書かれています。
ここまで上ってきたことに感動しますが、山頂でも特別きれいな景色がお出迎えしてくれるわけではないので、その点は残念。
山の上からの絶景を眺めるためには堂平天文台まで上らなければいけませんが、前述したように白石峠ほどの急勾配はないため楽にたどり着けると思います。
白石峠の全貌を写真と一緒にお伝えしてきましたが、なんとなくのイメージは湧きましたか?
もっと具体的な攻略ポイントなんかを解説できればよかったのかもしれませんが、「とにかく坂がキツかった」という記憶しかない。
いや!ヒルクライマーたるもの、自分の足で峠を攻略してなんぼですもんね!参考程度にしていただいて、ぜひ実際に訪れてみてほしいと思います。
白石峠ありがとう!帰路を行く
時刻は13時15分。実に2時間以上も白石峠を走っていたことになるのか。存分にヒルクライムを堪能することができたので、出発地点である『ふれあいの里 たまがわ』まで戻るとしよう。
急ぐ必要もないので、まったり走っていきます。
八角形の変わった建物にサイクリストが集まっています。一度は素通りしたものの、なんだか気になったので写真だけ取らせてもらいました。
ここは『ときがわ町大野特産物販売所』です。ときがわ町の大自然で育まれた椎茸や柚子などの特産物を中心に販売しています。喫茶スペースでは美味しいコーヒーもいただけるようですね。
都幾川に架かる『越瀬橋』から見えた癒される景色。基本的に川は好きです。
ときがわ町は本当に自然豊かですね。走りやすい道が続いているので、ただペダルを回しているだけでも楽しい。
空は相変わらず少しばかり曇っていますが、寒くはないので快適です。
同じ道を走るときって、行きよりも帰りの方が時間が過ぎるの速く感じません?あっという間に出発地点に到着しました!
白石峠の山頂でガリガリ君とチョコパイを食べたのですが、少し走ったらまた小腹が減ってきた。
施設内で食べ物を物色し、パウンドケーキと梅どら焼きを購入。ムシャムシャといただき、サイクリングで失ったエネルギーを補給します。
あとは帰るだけなので、エネルギーは必要ないんですけどね!
駐車場を歩いていると、地面に”自転車”と描かれたスペースがあることに気がつきました。
これはなにに利用するスペースなんだろうか?輪行作業をする場所かな?
とにかく、とことんサイクリストに優しい施設、町なんだということを改めて感じることができました。本当に素晴らしかった!
これから白石峠にはちょくちょく訪れて、とりあえず『脱初心者の30分切り』クリアを目標にトレーニングをおこないたいと思います。
ご安心ください。白石峠を30分以内に走り切っても、このブログの名前は変わりませんよ!永遠の初心者、それが僕です。
それでは、また次のサイクリングでお会いしましょう!
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