静岡県御前崎市を出発し、前回のチャレンジで最終目的地にしていた浜松市・浜名湖に無事到着しました。
うつくしい湖面を眺めながら、雪辱を果たしたことにひとり達成感を覚えます。
ここまで海岸線特有の向かい風に見舞われましたが、平坦道が続いていたため、体力的にはそこそこ余裕をもって約半分の距離までやってくることができました。
めざす愛知県『伊良湖岬』まで残り50km!後半戦スタートです。
~前回のライドはこちら~

京と江戸の中間地点・潮見坂でひと休み
浜名湖で10分程度の小休止を挟み、ふたたび出発です。
湖を横断すると、すぐに浜松市から『湖西市(こさいし)』に入ります。

左に逸れて、静岡県道417号に舵を切ります。
矢印の先には『豊橋』の2文字。静岡県と隣接する、今回の自転車旅で最初の”愛知県”です。

写真には写っていませんが、太平洋岸自転車道のルートを示す”青い矢羽根マーク”は健在。従いながら、のんびり走っていきましょう。
しばらく進むと、道路脇に『道の駅 潮見坂 ココ入る』の看板と共に、左折の指示。
道中にあるようなので、立ち寄ってみよう。

自転車をおして坂道を上り切った先に、目当ての道の駅がありました。

『道の駅 塩見坂』
利用者の方々が写っていたため、写真の下半分をカットしてお届け。雰囲気だけで伝わるかな?タイミングがよかったのか、とても賑やかで活気があります。
HP情報によると、ここは静岡県最西端の湖西市白須賀。
潮見坂は、五街道『東海道』にある53の宿場町のひとつで、京(京都)から江戸(東京)に向かうとき、はじめて太平洋が見られる場所。
ここで大海原を見ると、「江戸まであと半分だ~!」といわれていたそうです。
レストラン、野菜果物や海産物の直売店、足湯など施設が充実していて、楽しいですね。
さすがにお腹が減ったので、エネルギーを補給しよう。

おにぎりと三ヶ日みかんジュースを購入。

おにぎりの具は浜名湖産のうなぎ。三ヶ日みかんは、浜松市の三ヶ日(みっかび)というところで生産されているので、ともに”浜松名物”といえますね。
とてもおいしかったです。いいリフレッシュになりました。
ひとしきりリフレッシュできたので、最後に潮見坂からの眺めを堪能しておこう。

国道1号・潮見バイパスを走る車のすき間から、太平洋がちらりと見えます。
江戸時代を生きた人たちも、京と江戸をむすぶ東海道、約492kmを往来する中で、この景色を見ていたのでしょうか?
そう考えると、胸が熱くなりますね!
自然に満ちた道、ときどき、絶景
時刻はもうすぐ14時になります。
道の駅を出発すると、細い道を走ることになりますが、青い矢羽根マークが導いてくれているので安心です。
このあたりは、素直に頼りになります。

国道1号と並走するように側道を走り、ついに目的地である『伊良湖岬』の文字!
これはうれしい!
あとは、この国道42号をひたすらに走ればいいんですね。わかりやすくて助かる。
ここまでで、出発してから実に6時間30分が経過し、走行距離は90kmを超えました。
残りの距離を調べてみると、伊良湖岬まで約50km。まだまだ結構あるな!
しばらく走ると、路面に”40m先左折“をあらわすペイント。ん?このままずーっと直進じゃだめなのかな?
指示のあった分岐点までやってくると『田原豊橋自転車道』と書かれた看板を見つけます。
遠回りの予感をビシビシ感じますが、太平洋岸自転車道として設定されているコースなので”進む”しか選択肢はありません。
左折した先すぐに、地図の描かれた案内板があったので眺めてみました。

赤いラインを『渥美豊橋サイクリングロード』というらしい。
そして、今から走る田原豊橋自転車道は、そこから外れたオレンジ色のライン。少し不安ですが、赤いラインにつながっているようなので大丈夫でしょう。
海岸線まで突き当たると、木々に囲まれた林道となりました。
自転車道のため車がいないのは快適そのもの。しかし、日頃の利用者が少ないためか、あまり……というか、とても路面状態は悪い。

落ち葉や枯れ枝がカーペットのように、一面に敷き詰められています。とんがったものを踏んでパンクしないかひやひやです。
おまけに、樹木が空を覆い隠し、日中なのにもかかわらず薄暗い。
木漏れ日といえば聞こえはいいですが、自分の他にひとっこひとりいないこの状況では心細さに拍車がかかります。
悪路、細かいアップダウンに予想外の苦戦。
しかしながら、ときおり顔を出す海を見ると元気がでる。足に力が入ります。

けっして”最短”ではないこの場所を太平洋岸自転車道のルートにしたのは、きっと、この景色をサイクリストに見せたかったからでしょう。
その心意気、しかと受けとりました。目と心に焼きつけておきます。
道の駅あかばね、自然派ジュースに舌鼓
田原豊橋自転車道を抜けて、ふたたび国道42号に戻ってきました。
時刻は15時にさしかかるところ。少しずつですが、日が落ちはじめているのを感じます。
残り40km。暗くなる前には到着したいので、あまりゆっくりもしていられません。ここからは、本当に直進あるのみ!
ライド後半になると、「暗くなる前に到着したい」という気持ちや、純粋な疲労で写真を撮る枚数が極端に減るのは僕の悪いところ。
もちろん、シャッターチャンスがあれば別ですが、撮影のために立ち止まるハードルは確実にあがってしまいます。
わき目もふらず、一心不乱にペダルを回し続けること1時間と少し。約20km走ったところで、道の駅の看板があらわれました。
ストイックに走ったおかげで、時間と気持ちに余裕が生まれています。よし、立ち寄ろう。

『道の駅 あかばねロコステーション』
愛知県田原市にある道の駅。
駅名にもなっている『ロコ』は、ハワイの言葉で”地元”とか、そういう意味になります。サーフィンの世界でよく使われているそうです。
中に入りうろうろしていると、ひときわ存在感を放つショーケースを発見。

純白に輝くロードバイク!ダウンチューブには『LEXUS』の文字が刻まれています。
説明文を読んでみると、自転車活用による地域活性化のため、田原市がトヨタ自動車田原工場から寄贈されたとのことです。
その名も『レクサス・Fスポーツロードバイク』といい、調べたところ、世界に100台しかなくお値段なんと105万円。見るからにハイクオリティな高級品ですね。
最後のエネルギー補給ということで、いちごミルクジュースを購入。

地元・マルカ農園の完熟いちごを贅沢に使用した一品。
甘味料や香料は使われておらず、いちごとミルクがもつ本来の濃厚な甘み、さわやかな香りが口いっぱいに広がります。やさしい味わい。とてもおいしい!
すっかりリフレッシュすることができました。
ライド再開。道の駅を出発して、国道42号をひたすら走るのみ。
伊良湖岬までの距離、残り約20km。完全に射程圏内!小1時間くらいで着くでしょう。

まっすぐに伸びる道。ペダルを回す以外にやることがありません。
整備されているためデコボコもなく、信号機も少ないので高速を維持することができます。反面、走りっぱなしになるので疲労の蓄積には要注意ですね。
輝く遠州灘!伊良湖岬に到着
ずっと続いていた平坦道ですが、最後の最後、思い出したように上り坂があらわれます。

なかなかの急勾配。
いいでしょう!伊良湖岬までの最終試練と受けとりました。気合いで駆け上がる!
ゆっくりですが、確実に進んでいくと結構高いところまでやってきました。

水平線に落ちはじめた太陽が、海を黄金色に染めています。きれいだ。
視線の先にあるのが、おそらく伊良湖岬なのでしょう。渥美半島の先端に、いよいよたどり着くことができそうです。
真横には、ずっと眺めていたくなるような風景があります。

海の向こうに広がっているのは、なんていう島だろう?調べたところ、もしかしたら、三重県鳥羽市に属する有人離島『神島』かもしれません……が、確証はなし。
とにかく、苦労してのぼった先でしか見ることのできないものがある。達成感がある。これがヒルクライムの醍醐味であり、自転車をやめられない理由のひとつです。
坂を上り切り、今度は一転ダウンヒル。

気持ちよく坂道を疾走していく!……はずだったのですが、ここで重大なミス。
ギアを”最軽量”にしていたのを忘れ、重力にひっぱられ速度が出ている状態で、思いっきりペダルを踏み込んでしまったのです。
想定していた重みが伝わらず、空を切る足。例えるなら、重いと思って持ち上げようとした荷物が軽かったような肩すかし感。
イヤな風に足の筋が伸び、右膝の外側にぴきりと鋭い痛みがはしります。
「これは、やばい……!負傷した?」
2日目も完走間近に、こんなつまらないミス。うっかりじゃすまないぞ。毎回毎回思いますが、サイクリングは本当に油断大敵ですね。
足は心配ですが、走れているのでとりあえずは問題ないでしょう。
時刻は17時20分。念願の伊良湖岬に到着しました!

観光案内図を見てみると、先端をぐるりと回れるようになっているんですね。ふた股に分かれている道路を、迷うことなく左折します。
最後の力を振り絞り、ここだけは走って今日をおわりにしよう!
そんな気持ちで走りはじめましたが、そこそこ急勾配の坂道もあり、少しばかり苦戦。
道中には『伊良湖岬灯台』もありましたが、自転車をおりて歩かなければいけないような道のりだったので、今日は断念。
明日、時間をとって万全の態勢でのぞもう。
先に進むと、船旅でお世話になる『道の駅 クリスタルポルト』を見ることができました。

港と隣接している道の駅。明日はここからフェリーに乗って島を巡る予定です。
うーん、楽しみ。少し無理をしましたが、今日ここを訪れてよかった。モチベーションが高まるのを実感できました。
そして、道の駅のすぐそばにある宿にたどり着き、無事に完走となりました。
お疲れさまでした!
【ここまでのライドデータ】
走行距離 143.18km(トータル329.14km)
所要時間 10時間01分
走行時間 8時間43分(-1時間18分)
夕ご飯を求めて、さらなるライドへ
そんなこんなでチェックイン。
荷物をおろして落ち着いたら、急におなかが減ったきた。しかし、ここからが思案のとき。
伊良湖岬に向かっている道中で宿に電話して、近隣の飲食店情報を聞いていたのですが、時期が時期だけに臨時休業のお店が多いとのことだったのです。
「行けばなんとかなるだろう!」
そんな軽い気持ちで走ってきました。しかし、なんとかなるはずもなく、頼みの綱のコンビニは約8kmも離れているらしい。
どうしよう?
かなり疲れていますし、もうすぐ日も暮れて暗くなるので、今からは正直なところロードバイクに乗りたくない。
お金にものをいわせてタクシーでも呼んじゃうか。宿の人に聞いてみると、この時間帯に伊良湖岬まで送迎に来てもらうのは難しいらしい。
万事休す。
しかし、メシを抜くわけにはいきませんので、こうなれば自走するしかない!
結構な距離があるうえに、街灯も少ない田舎道。暗闇でパンク修理なんてしたくありませんので、太陽が沈む前には帰ってきたい。
自分の力を信じて、ペダルを踏みこみます。
めざしたのは『ファミリーマート 田原保美店』です。人の名前のようなところですね。
道のりは単純。
とにかく、国道259号・田原街道を爆走すれば左手側に見えてくるはず。交通量の少ない平坦道なので、スピードを出すことができます。
快調に走っているとき、見えない”敵”がすぐそばに迫り寄っていました。
「なんだ、この匂いは!?」
鼻孔をつんざく強烈な臭気。
おそらく田畑で使われている”たい肥”なのでしょう。今までの人生を振り返っても経験したことのないくらい、濃くて、強い。
これはいかん!ネックウォーマーを鼻先までたくしあげ、なるべく呼吸を浅くして一気に通過。なんとかやりすごします。
いや、すごかったな。
過去に群馬県から『渋峠』を上ったときに”硫化水素ガス発生地区”があり、そこもすさまじい硫黄臭で苦戦を強いられましたが、今回はそれ以上だったかもしれない。

帰りも同じポイントを通過すると思うとげんなり。得意の”気合い”で乗り切ろう。
そして、目的地になんとか無事到着です。
すみやかに食料の調達を済ませ、リュックサックの中に詰め込みます。
コンビニ飯は少し味気ないですが、僕の自転車旅ではよくあること。
栄えている都市部ならまだしも、泊まるところによっては今回のように飲食店が少ない・まったくないこともありますからね。これはこれで仕方ないのです。
調子にのって買いすぎた!リュックサックの重みが両肩にのしかかります。
行きに比べて、帰りはほんの少しだけ勾配があるように感じましたが、それでも平坦には変わりない。ガンガン進んでいきます。
往復で約1時間かかりましたが、暗くなる前に宿に戻れたのでひと安心。
ようやくリラックスタイムに突入!
お風呂に入り、長旅の疲れをじっくり癒しましょう。心身ともに癒される。そして、空腹という最高のスパイスを得た夕ご飯。コンビニ飯とはいえ格別です。
今日1日を振り返っていると、自然とまぶたが重くなってきます。抗う必要もないため、睡魔に身をゆだねて就寝としました。
太平洋岸自転車道の自転車旅は、いったん今日でひと区切り。
3日目以降は、愛知県に属する『篠島』と『日間賀島』を巡ります。そして、海を渡り、知多半島を北上して名古屋駅まで走る予定。
島ライド。いったいどんな景色を見せてくれるのだろう?
楽しみですね。次回に続く!
【本日のライドデータ】
走行距離 15.96km(トータル345.10km)
所要時間 0時間56分
走行時間 0時間50分(-0時間06分)

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