Mt.富士ヒルクライムに参加するには?富士ヒル参加完全攻略マニュアル!

にしきロゴ 役立ち情報・体験談

2019年6月8日~9日に山梨県富士吉田市で開催された『第16回Mt.富士ヒルクライム』にはじめて参加してきました。

第16回Mt.富士ヒルクライムに初参加してきました!【富士ヒル】
日本のほぼ中央部にそびえ立つ、標高3776.24mの独立峰。その風貌の美しさから、見る者の心をつかむ日本のシンボルとも言うべき山。 そう、富士山です。 2019年6月9日(日)に、富士山を舞台にした日本最大級のヒルクライムイベント『第16回...

 

日本有数の大規模ヒルクライムイベントである富士ヒルですが、はじめて参加する人には少しハードルが高く感じる部分もあると思います。

そこで今回作成した『富士ヒル参加完全攻略マニュアル』で、そのハードルをグワッと下げていきますよ~!

 

スポンサーリンク

エントリー期間、参加料、申込方法

2019年で第16回をむかえた富士ヒルですが、毎年6月第2週目の土日に開催されています。

エントリー開始は毎年3月に入ってからです。3月の中でも年によって多少前後するので、近くなったら公式ホームページをチェックしましょう。

エントリー期間は開始から約1ヶ月間。大人気のイベントなのでなるべく早いお申込みを!

 

参加料は10,000円。正確に言うとここに消費税と手数料540円がかかってきます。

結構いいお値段ですよね。日本一の山を走れると思えば、これくらい仕方ないかな?

 

肝心のエントリーは公式ホームページの『お申込み』からおこないます。そこから、走る仲間のランニングポータル『RUNNET』に移動してエントリーをおこないます。

RUNNETへの登録は必須ですが、無料なのでご安心ください。

 

基本的には画面に従って必要事項を入力していくだけなので、とても簡単。

しかし、この手のイベントにまったく参加したことない場合、少し戸惑う項目があるので解説していきます。

 

①走行タイムの申告

富士ヒルは走力順スタートとなるため、その目安としてエントリー時に『自分がどのくらいの時間で富士ヒルを走れるか』を申告しなければなりません。

「そんなこと聞かれても、走ったことないからわからないよ!」

ごもっともです。ここはあまり深く考えずに、目標のタイムでも書いておきましょう。

速いタイムで申告するほど、出走時間の早いウェーブに組み込まれることになります。僕は2時間で申告しましたが、20あるうちの第18ウェーブになりました。

 

ひとつ注意点を挙げるとすれば、早く出走したいからと言って極端に速いタイムを申告してはいけません。

あくまでも自分の脚力に見合ったタイムを申告しましょう。そうでないと、自分の周りはめちゃくちゃ速い人ばかり…という場違い感を味わうことになります。

 

②下山用荷物を預ける日

下山用荷物を預ける日は、エントリー時に『前日』または『当日』のどちらかを選択することになります。

富士ヒルを走り切り、下山用荷物を受け取る場所とタイミングは、前日・当日どちらで預けても変わらないので、都合のいい方で構いません。

個人的には、当日の朝にバタバタしたくない人、そして下山用荷物が準備万端な人は前日に預けてしまった方が楽だと思います。

下山用荷物預かりの時間や場所、方法などの注意点は後述しますので、そちらを参考にしてください。

 

エントリーから大会まで

さて、エントリーが済んだら大会案内を読んだり、必要なものをそろえたり、参加に向けた準備をおこないます。

一つひとつ説明していきます。

富士ヒル参加のご案内を確認

富士ヒルでは、大会運営から事前郵送物などが一切ありません。

そのため、参加のご案内や持ち物チェックリストは自分自身で公式ホームページからダウンロードして、内容を確認しなければなりません。

パソコン、スマートフォン、タブレットなどのディスプレイ上で確認するか、プリントアウトして内容を熟読しましょう。

第16回Mt,富士ヒルクライムの大会案内

僕は紙ベースの方が読みやすいのでプリントアウトしました。

 

参加可能な自転車と競技上のルール

そもそも、富士ヒルにはどんな自転車で参加できるの?

富士ヒルに参加できる自転車の枠はとても広いです。ロードバイクに限らず、クロスバイクやマウンテンバイク、ミニベロと呼ばれる小径車でも参加可能です。

シティサイクル、いわゆるママチャリしか持っていないという人でも、買い物カゴと両足スタンドを外せば参加できます。

 

富士ヒルでは、事前車検制は採用されておらず、受付時に車検証の提出を求められることはありません。

つまりは自己責任。整備不良で泣きを見ないように、大会までに行きつけの自転車屋でメンテナンスをおこなってもらいましょう。

 

競技上のルールとして、グローブとヘルメットの着用、下山時は防寒具の着用が義務付けられています。大勢の人と一緒に走る大会なので安全第一が大切です。

そして、DHハンドル、スピナッチ、クリップオンなど、アタッチメントバーの類いは装着が禁止されています。

主催者が危険と判断した選手や改造車両は失格となり、悪質な場合は次年度以降のエントリーがお断りされてしまう可能性もあります。

 

持ち物チェックリスト

富士ヒル参加にはどんなものが必要なの?知りたい!という人のために『持ち物チェックリスト』をそのまま記載しました。

 

◇は必須、◆は個人的にはいらないのでは?と思ったもの(と、その理由)なので、参考にしてみてください。

持ち物チェックリスト

◇マイナンバー引換券(RUNNETマイページから印刷)
◇参加のご案内(大会ホームページからダウンロードして印刷)
◇ジャージ上下
◇ヘルメット
◇グローブ
◇シューズ
◇その他レース用衣類
◇着替え
◇下山用装備
◆宿泊用の衣類(宿にある確率高い)
◆アメニティセット(同上)
◆ゴミ袋(何に使うんだろう?)
◆傘や雨具(傘は不要。レインウェアがあれば○)
◇宿泊先の予約
◇財布
◇保険証
◆時計(携帯電話があれば○)
◇携帯電話
◇補給食
◇飲料・ボトル
◆お腹が空いたときの食料(待機時間で補給が必要であれば)
◇自転車本体(自転車を分解して来場する場合は、◇ペダル、◇クイックリリース、◇ホイール、◇サドル+シートポスト)
◇サイクルコンピュータ
◆自転車用カギ(盗まれる可能性は低そう。自己責任)
◆交換用チューブ(難しいところ。タイム狙いなら不要?)
◆パンク修理キット(同上)
◆その他補修パーツ(同上)
◆その他工具(同上)

最後に…

◇安全にイベントを楽しむ気持ち

 

個人的に必要だと思ったもの

◇日焼け止め
紫外線が気になる人には必須アイテム。太陽が照っているときはもちろん、曇り空のときでもぬりぬりしておきましょう。

 

◇コンパクトにたためるウインドブレーカーまたはレインウェア
富士ヒルは当日の会場入りからスタートまでの待機時間がとても長いです。僕は全20ウェーブ中18番目の出走ウェーブだったので、2時間半くらい待っていました。

開催時期の朝は気温がとても低いです。雨が降っていればさらに寒くなるので、待機時間に体を冷やさないようにウインドブレーカーまたはレインウェアを持参しましょう。

コンパクトにたためるタイプなら出走間際まで着ていて、スタート直前にジャージポケットにしまっておくことでストレスなく防寒できます。オススメです。

 

次に、下山時に必要な装備についても記載しておきます。

下山時に必要な装備

◇ウインドブレーカー
◇長指グローブ
◇シューズカバー
◇レッグウォーマー
◇ネックウォーマー
◇レインウェア
◇着替え
◇タオル
◇ティッシュ
◇お金(1,000~2,000円くらい)

富士山五合目はとにかく寒いです。その中でおこなうダウンヒルはまさに極寒の一言。暖かい装備を心がけて準備しましょう。

僕が参加した第16回富士ヒルはあいにくの雨で、下山時の気温は7℃くらいでした。UNIQLOのウルトラライトダウンの上にレインウェアを着るという戦法で乗り切りました。

また、必ずお金は持って行きましょう。五合目で疲れた体、冷えた体を癒すのは食事や暖かい飲み物。無一文ではそれすら買えませんからね。

 

会場までの交通手段は?

メイン会場となる富士北麓公園までの交通手段は?

前日と当日で若干交通状況が違うので、それぞれで確認していきます。

 

①前日

【車の場合】
車で向かう場合、富士北麓公園の駐車場は利用できません。そのため、車で直接会場に向かうことはできないので注意が必要です。

前日に利用できる駐車場は『富士急ハイランド駐車場』と『富士山パーキング』の2か所です。どちらかに車を止めて、そこから自走またはシャトルバスで会場に行きます。

もちろん、泊まる宿が近くて駐車しておけるのであれば、宿から自走しても大丈夫です。

 

ちなみに、駐車場から富士北麓公園までの距離は、富士急ハイランド駐車場が約3.9km、富士山パーキングが約2.9kmです。

事前申請や駐車券はありませんので、好きな方を選びましょう。

 

【電車の場合】
電車の場合、最寄り駅は富士急行線『富士山駅』となります。

距離は4.4kmなので、そんなに離れていませんよね。最寄り駅から会場までアクセスがいいのも富士ヒルの魅力です。

 

②当日

【車の場合】
前日と同様、富士北麓公園の駐車場は利用できません。会場周辺に設けられた駐車場に車をとめて、そこから基本的には自走で会場に向かいます。

当日の駐車場利用はエントリー時に申請する必要があり、受付時に渡される駐車券を忘れず持参しなければなりません。

駐車場は全11か所あり、遠いところは約5km、近いところは約1.4kmと駐車場によって会場までの距離に差があります。どこに割り振られるかは運次第。

会場までのシャトルバスが出ている駐車場もありますが、自転車は載せられません。前日、会場に自転車を預けている人はシャトルバスを利用して会場入りが可能です。

 

【自走の場合】
車で向かう以外の人は、おのずと自走になります。会場近くの宿を確保しておくと、朝も焦る必要がなくなっていいと思います。

 

宿の確保

富士ヒルには毎年1万近くのエントリーがあります。参加者全員が宿泊するとは限りませんが、多くの人は宿泊がセットになると思います。

そこで注意しなければならないのが、「宿の確保はお早めに!」ということです。

エントリーできたら、すぐに宿を探して予約しましょう。その方が、近くて安い宿が空いている可能性が高い。

 

僕は、基本的には最安価の安宿に泊まることが多いです。大会参加がメインイベントですし、宿では寝るだけという感じ。

「値段の割にはいいじゃない!」

そんな予想外の宿に出会えるのも楽しみのひとつだと思います。

 

大会前日

大会前日に必ずおこなわなければならないのは選手受付です。

その他にも、前日にできること、知っておくといいことがいくつかあるので説明します。

 

参加選手の受付

富士ヒルはエントリーしただけでは走ることができません。前日の選手受付をおこなうことで、はじめて走る権利を得るのです。

受付日時:大会前日の土曜日。12時~18時
受付場所:富士北麓公園 陸上競技場
必要な物:ナンバーカード引換券

 

ナンバーカード引換券は『RUNNET』のマイページから印刷できます。

印刷できる環境がない人は、スマートフォンや携帯電話で『大会インフォメーション』画面を表示して受付スタッフに見せれば大丈夫。

第16回Mt.富士ヒルクライム選手受付

ちなみに、大会に参加する選手本人が来れない場合は代理受付が可能です。

 

受付で配布されるものの一覧をご紹介。

◇荷物預け袋
◇ナンバーカード…1枚
◇五合目荷物預けシール…2枚
◇ヘルメットシール…1枚
◇安全ピン
◇計測タグ、装着説明書
◇参加賞
◇当日選手駐車券(エントリー時に申請した人のみ)

ひとつでも欠けたら困ってしまうアイテムの数々。紛失注意です。

 

前日荷物預かり

エントリー時に五合目荷物預かりを『前日預け』とした人のみ、前日に荷物を預けることができます。

選手受付を済ませた後、配布された『荷物預け袋』に下山用荷物を入れて、指定されたカゴに預けましょう。

預かり時間:12時~18時
預かり場所:富士北麓公園の大駐車場

 

オフィシャルメカニック

富士ヒルの会場には、オフィシャルメカニックサポートが常駐しています。

事前に行きつけの自転車屋でメンテナンスをしてもらうのは大前提ですが、突然のマシントラブルにも対応できるので安心です。

基本的には無料ですが、部品が必要になる整備についてはお金が発生するようです。

また、トピークの無料セルフメカニックブースもあるので、自分でできる簡単な調整はここでおこないましょう。

受付時間:11時〜18時

 

自転車預かり

富士北麓公園体育館メインアリーナで、希望者は自転車を預けることができます。

富士ヒルの自転車預かり受付

体育館に自転車を預けるとスタッフから荷札を渡されますので、大会当日はそれを照合して受け取ることになります。

大会当日まで自転車に乗ることがなければ、預けてしまうのも手。身軽になりますし、選手駐車場からシャトルバスで会場入りできるのも魅力です。

預かり時間:前日12時~18時
受け取り時間:当日4時~7時30分

 

その他

①サイクルショップ

会場内にはたくさんのサイクルショップが出店されています。

販売されているものの多くは値引きされているので、欲しかったものや用意が足りなかったものを買い足すことができます。

僕も、会場内のショップでレッグウォーマーとシューズカバーを購入しました。

 

②ウェルカムパーティー

富士ヒルのウェルカムパーティーは16時からスタートです。会場内の特設ステージでゲストを交えたトークショーがおこなわれます。

僕は会場に到着したのが12時過ぎと早かかったため、残念ながらこのウェルカムパーティーを見ることはできませんでした。

そのあたりの時間も考えながら会場に向かうと無駄がなさそうですね。

 

③飲食ブース

会場を出ると、そこにはさまざまな種類の出店が並んでいます。富士吉田市の名物もあるので、ここで空腹を満たすのもいいでしょう。

僕は焼きそばと餃子をいただきました。

富士ヒルの出店で買った富士宮焼きそばと餃子

飲食ブース内には、テーブルと椅子が用意されています。ただし、参加者に対して数が圧倒的に少ないため、道端や階段で食事をしている人もいました。

公園内のモニュメント広場を訪れると、木製のテーブル兼椅子がありました。

富士北麓公園のモニュメント広場

1~2分歩きますが、ひょっとしたら穴場かな?

 

④宿でおこなう当日の準備

前日に会場ですべきことが終わったら、観光でもしながら宿に向かいましょう。

大会当日の朝はかなり早いので、朝食に対応してくれる宿は少ないと思います。事前にコンビニなどで朝ご飯を買っておくのがオススメです。

 

大会当日に荷物を預ける場合は、忘れ物がないように下山用荷物を準備します。

荷物預け袋、ヘルメットには忘れずにナンバーシールを貼ります。

ジャージには、安全ピンでグサリとナンバーを貼り付けます。ジャージの穴は大会に参加した勲章!ですよ。

 

これで、準備万端。翌日は朝早いので夜更かしぜずにしっかり寝ましょう!

スポンサーリンク

大会当日

待ちに待った富士ヒルの当日がやってきました。当日のタイムスケジュールを確認しつつ、注意点も含めて説明していきます。

 

4:00 駐車場オープン

選手駐車場は午前4時から開場となります。指定された駐車場にしかとめられないので、場所の確認はしっかりしておきましょう。

入場には駐車券が必要となります。持参した駐車券は車のダッシュボードなど、外から見える位置に置いておきます。

駐車場から自走して会場まで向かいます。他の参加者もたくさん走っているので大丈夫だとは思いますが、駐車場から会場までのルートも確認しておきましょう。

 

4:30 当日荷物預かり

当日に下山用荷物を預ける人は、4時30分〜5時50分の間に指定された荷物預所に行きます。

富士ヒルの荷物預かり所

自分のナンバーに対応したカゴの中に、荷物預け用袋を入れればOK。

時間に間に合わないと、袋を背負って富士山を上ることになるので、早め早めの行動を心がけるのが吉です。

 

スタートまでの待機時間

荷物を預けたら、あとは自分の出走ウェーブのスタートまで待機です。

6月の富士山麓は冷えます。雨が降ってなんかいると、ジッと待っているのが余計に辛い。

まずオススメなのは、コンパクトにたためるタイプのウィンドブレーカーまたはレインウェアを用意すること。

保温効果が期待できますし、軽いので、たたんでジャージのポケットに入れても邪魔になりません。直前まで着てられるのが魅力ですね。

 

会場には荷物預かり所もあります。なので、待機時間はガッツリ厚着していて、走る前に預ける…という方法もあるかな?

預けに行く時間を考慮すると、あまりギリギリまで着ていられないというデメリットはありそうです。

場所:富士北麓公園 体育館 サブアリーナ
預かり時間:4時30分〜8時15分
受け取り時間:9時30分〜13時

 

肝心の待機場所は、出走ウェーブによって違います。スタート地点に近いところから順に、A〜Uまでのウェーブが並んでいます。

僕は、第Sウェーブだったのでかなり遠い富士北麓野球場が待機場所。

富士ヒルの選手待機場

ロードバイクはこのように整列して置いておきます。

自分もそうですが、おそらくみんな鍵はかけていません。スタッフも常駐していますし、信頼関係で成り立っている部分もあります。

富士ヒル当日の富士北麓公園野球場

野球場内は雨風を防げるのでオススメです。多くの人がこの中で待機していました。

 

6:00 選手整列開始~6:30 スタートセレモニー

すいません!完全攻略マニュアルを謳っておきながら、この部分、イマイチ自分でもなにが起きていたのか把握していません。

おそらく、最初にスタートする第Aウェーブ選手の整列と特別ゲストによるなにかしらのセレモニーがおこなわれるのでしょう!

次回参加したときは、きちんとリサーチしておきます。

 

7:00 スタート

いよいよ、全長25kmの富士ヒルクライムの幕が落とされます。

出走ウェーブは第Aから第Uの20ウェーブあります。第Aスタートが7時00分、第Bスタートが7時02分、第Cスタートが7:05分、以降は5分間隔でのスタートとなります。

 

スタート後は、富士北麓公園から1.3km地点にある記録計測開始地点までパレード走行となり、先導車を追い越してはいけません。

記録計測開始地点を越えたらフリー走行です。思いきり走り出しましょう!

 

①コースデータ

25.0km(計測距離24.0km)、平均勾配5.2%、最大勾配7.8%

勾配はさほどキツくありませんが、とにかく長いです。平均完走率98%以上と謳っているので油断しましたが、僕自身はかなりの苦戦を強いられました。

 

②走行上の注意

左側走行を基本とし、センターラインを越えての右側走行は禁止です。

前方の参加者を追い越すときは、「追い越します!」「抜きます!」と声をかけてから右側からおこないます。追い越しのときもセンターラインからはみ出ないように注意しましょう。

大人数が密集して走るので、体力がある前半はまだしも、フラフラと蛇行しがちな後半は接触事故の危険性が高まります。お互いが譲り合って走行することが大切になります。

 

③給水所

給水所は、スタートから3.4km地点の『一合目駐車場』、17.2km地点の『大沢駐車場』、そして24.0kmフィニッシュ地点の『富士山五合目』に設置されています。

なので、ヒルクライム中に立ち寄れる給水所は実質2か所ですね。

富士ヒルの給水所は、走りながら紙コップに入った飲み物を手渡しされるタイプではありません。給水所内で停車して、各自で用意したボトルに水を入れてもらうようになっています。

 

かなりのタイムロスになりそうですし、僕のように”足着き厳禁”ルールで走ってる人には合わない給水所です。

ただし、水分補給は大切!必ずボトルを用意しましょう。僕はボトルの中に経口補水液を8割くらい入れていましたが、それで十分に足りました。

 

④補給食

走行中に補給食を口にしている人を僕もたびたび見かけました。必要か?と言われれば、個人の走力、体力、体調などによる…と言ったところでしょうか。

恐ろしく速い人は、「1時間ちょいで走り切るんだから不要!なんなら水もほんの少しでいい!」という考えのようです。

 

第16回大会で初参加した僕は、「来年は用意しておこう」と思いました。

朝ごはんを食べたのが午前3時半で、それ以降食べ物を口にしてないとなると、なんとなく補給したい気持ちになるんですよね。

実際のところはよくわかりませんが、「エネルギー切れた?!」という強迫観念への対抗策です。プラシーボ効果狙いで、軽めの補給食をひとつでも用意しておこうと思いました。

 

⑤関門制限時刻

富士ヒルには3か所に関門が設けられています。決められた時刻までにそこを通過しないと、走行できなくなってしまいます。

第1関門 10.5km地点 関門閉鎖 10:05
第2関門 17.2km地点 関門閉鎖 10:55
フィニッシュ 24.0km地点 関門閉鎖 11:40

関門を閉鎖されてしまった場合は、係員の誘導に従って走るのを中止しましょう。

各関門からは収容車に乗って五合目まで上がり、下山用荷物を受け取ってからバスに乗って下山します。

 

⑥リタイア

走行中になんらかのトラブルでリタイアをする場合は、コース上の係員に申し出ましょう。

リタイアすると、収容車に乗り換えて五合目まで上がり、下山用荷物を受け取ってから収容車で下山となります。

下車そして自転車の返却は、富士北麓公園の大駐車場です。

 

機材トラブルや体調不良に見舞われた人は、退くのも勇気です。

楽しみにしていたのに途中リタイアなんてしたくない!という人が多いと思いますが、富士ヒルは来年、再来年と続いていきます。体さえ元気なら何度でも挑戦できますからね!

取り返しのつかないことが起きる前に、リタイアすることを検討しましょう。

 

⑦山岳スプリット賞

スタートから19km〜20km地点、標高差50m、最大勾配7.8%、この1kmが山岳スプリット区間に設定されています。

この区間をどれだけ速く走れるかを競うもの。最速タイムの人は表彰されます。

僕はこの区間を走るころにはボロボロで、「山岳スプリット区間?!無理に決まってるだろ!」と叫ばずにはいられませんでした。

 

完走後について

無事に25km走り切り、富士山五合目までたどり着いたらフィニッシュです。

富士ヒルのフィニッシュ地点、富士山五合目

富士山五合目の様子です。僕が参加した第16回大会は、あいにくの雨模様でした。気温はかなり低かったです。

それでは、完走後の動きを、順を追って説明していきます。

 

①自転車の駐車

まずは、空いているスペースに自転車をとめておきます。

富士ヒルのフィニッシュ地点、富士山五合目

上の写真を見てもらうとわかるように、ところ狭しと自転車が横たわっています。

僕は鍵を持ってなかったのでノーロックでしたか、不安な人は軽くワイヤーロックでも持参しましょう。

 

②下山用荷物を受け取る

荷物を受け取る場所は、第1駐車場と第2駐車場の2か所あり、自分のナンバーによって受け取れる場所が異なります。

ナンバーに対応した場所に移動しましょう。

 

③下山用の防寒具を着用する

下山用荷物を受け取ったらさっそくお着替え。晴れていたらまだいいのですが、雨の中を走ったビチョビチョジャージは脱ぐしかありません。

更衣室があるわけではないので、そこら辺で着替えるしかない。一刻も早く寒さから逃れたく、人が少ないところでササッと着替えちゃいました。もちろん上だけですよ!

 

④飲食物を補給する

富士山五合目にはいくつかお店があります。

富士山五合目の五合目レストハウス

正式店名はわかりませんが、入口の上に小さく『五合目レストハウス』と書いています。

富士山五合目のこみたけ売店

そして、『こみたけ売店』というお店。大きな鳥居は『富士山小御嶽神社』のものだそうです。もしかして、御朱印もらえたのかな?

富士山五合目の富士急雲上閣

最後に『富士急雲上閣』という宿泊施設です。中にはレストランやお土産屋さんもあります。

 

このように、たくさんの売店が軒を連ねています。ありがたいことに、店内は暖房が効いているので、冷え切った体に染み渡る。

ここで飲食物を購入して、エネルギー補給をしましょう。

 

そして、白いテントの下では『富士山五合目観光協会』の方々が、美味しいラスクを無料で配ってくれています。

僕が到着した頃には、食べつくされていて欠片しか残っていなかった…。来年は口いっぱいにラスクをほおばる!

 

⑤トイレ

五合目のお店でトイレを借りると100円かかります。お金を持っていなかったので、「いっそ漏らすか?」と諦めかけたそのとき、公衆トイレを発見!

富士山五合目の公衆トイレ

助かった…。こちらの方が断然お得ですよね。

 

下山について

あまり五合目に長居すると続々と到着する参加者で溢れてしまう…ということで、大会運営側は速やかな下山を呼びかけています。

五合目にいても寒いだけなので、休憩や補給、記念撮影が終わったら早々に下山しましょう。

 

①下山スタート地点まで移動

準備ができ次第、下山スタート地点まで移動します。

富士ヒルの下山スタート地点

そして、整列順にグループ単位で下山をおこないます。危険防止のため、個人での下山は禁止されています。

 

②下山時の注意点

下山最終グループの12:20分に下山できない人、防寒具やグローブを着用していない人は自転車での下山ができず、バスで富士山を下ることになります。

下山グループの先頭と最後尾には誘導車がつきます。追い越したり、誘導車より遅く走ることは禁止です。

そして、上ったときと同じように道路の左側走行を徹底してください。

 

③下山の体験談

僕の体験談を少しお話しします。

このようにグループでダウンヒルを走った経験がなかったので、最初は少し不安でした。でも、走りはじめると案外大丈夫。

みんな同じくらいの速度で走ってるので、周囲へ目配せや気配りも容易にできます。

 

ただ、下山時にも少し雨が降っていたのでブレーキの制動力低下だけが少し怖かったです。

体勢的に下ハンを握るのがキツかったので、ブラケットに手を置き、指3本でブレーキ操作をおこないました。問題なくダウンヒルに専念できたのでよかったです。

 

ダウンヒル中に睡魔に襲われるというアクシデントが起きました。

ペダルを回さなくても自動的に進んでいくので気持ちよく、欠伸を連発。これは危ないと思い、大声で歌を歌うことの爽快感と羞恥心により、睡魔に打ち勝ちました。

 

「朝起きるのが早かったこと、ヒルクライムで疲れたことが原因かな?」

軽く考えていましたが、ブログを読んでくれている方から「それはハンガーノックや低体温症になりかけていたんじゃない?」というご指摘をいただきました。

そうだとしたら恐ろしい。無事故で下ってこれて本当によかったです。フィニッシュ後は、しっかり補給&休憩しようと心に誓いました。

 

④下山時のトイレ休憩

寒い中を走っていると、無性にトイレに行きたくなるものです。

グループ単位での下山が基本的なルールなのですが、どうしても我慢できない場合はどうすれば?

これに関しては確認しておきます。僕の場合は、もうほとんど下り切っているマルマル料金所のトイレをお借りしました。

幸か不幸か、その辺りになるとたくさんの人がいたので残りのダウンヒルも単独になることはなかったです。

 

⑤スタート地点に帰還

スタート地点のアーチをくぐったら下山終了です。

富士ヒル、富士北麓公園のスタート地点

ここまで来たら、もう帰っていいの?いいえ、もう少しだけやることがあります。次項で説明していきますね。

 

下山後、富士ヒルの終わりに

下山後におこなうべきことは、大きく2つ。楽しい富士ヒルもあとわずかな時間ですが、最後まで楽しみましょう!

 

①完走証とフィニッシャーリング

無事に下山したら、スタート地点にあるサイクルラックに自転車を置いて、徒歩でメイン会場まで向かいます。

富士ヒル下山後、会場までの道のり

参加者たちの大行進です。

富士ヒル、フィニッシャーズリング渡し

会場までたどり着いたら、前日に選手受付をした場所まで行きましょう。流れに身を任せて歩いていけば大丈夫なはず。

富士ヒル、フィニッシャーズリング渡し

ここで、ボランティアスタッフの人から完走証とフィニッシャーリングを受け取ることができます。これらは、計測タグと交換になるので準備しておきましょう。

フィニッシャーリングについては、下記を参照してください。

富士ヒルのフィニッシャーリングとは?

ハンドルの高さを調整するステアリングコラムスペーサーで、完走したタイムによってもらえるリングの色が変わります。

プラチナ…60分(1時間)切り
ゴールド…65分(1時間5分)切り
シルバー…75分(1時間15分)切り
ブロンズ…90分(1時間30分)切り
ブルー…完走
グリーン…ミニヒルクライム完走
ピンク…女性完走

ちなみに、計測タグを紛失したり返却しなかった場合は罰金5,400円を請求されてしまうので気を付けてください。

 

②表彰について

表彰対象は下記の通りです。

◇男女主催者選抜クラス 1~8位
◇男女年代別 各1~8位
◇山岳スプリット賞(19~20km地点間の最速タイム) 男女各1位
◇ブライテストホープ賞(22歳以下の最速タイム) 男女各1位

 

表彰式は11時30分からメイン会場にておこなわれるので、興味がある人は見ていってください。僕は、疲労と寒さとうどんの誘惑に負けて、早々に会場を立ち去りました。

 

③締めは”吉田のうどん”

最後に、無料配布している吉田のうどんをいただきましょう。

富士ヒル、うどん配布エリア

うどんの配布場所は、メイン会場を出て左手側の出店ブースです。完走証&フィニッシャーリングをもらった足で向かいましょう。人波に乗ればたどり着くはずです。

ボランティアスタッフの人が真心込めて作ってくれた吉田のうどんは絶品です。下山で冷えた体に染み渡る!

富士吉田うどん

これを食べて、富士ヒルは終了となります。皆さん、お疲れさまでした!

 

おわりに

今回、初めて参加した人向けに富士ヒルの参加マニュアルを作成してみました。

完全攻略を謳っておきながら、抜けてるところもあります。しかし、これから僕はできるだけ毎年参加していきたいと思っているので、気付いた点は随時追加していきますね。

 

初めての大規模なイベント参加、人によっては「ハードルが高いよ!」「難しそう」「走り切れるかな?」など、不安を感じる人もいると思います。

「大丈夫!気軽に参加してみよう!」

この言葉を送りたくて、マニュアルを作成したと言っても過言ではありません。

 

不明点やもっと詳しく聞きたい部分があれば、わかる範囲でお答えします。コメントやメール、なんでも構わないのでお待ちしております。

他ではできない貴重な体験を一緒に楽しみましょう!

コメント

  1. 通りすがりのランドヌール より:

    こんにちは。

    ハルヒルの時も思いましたが本当に細かく説明されているので参考になります。
    私はほぼヒルクラ系のレース出たことはありませんが来年はひょっとしたらな可能性が
    出てきたので助かります。

    防寒・眠気対策なんですが、、、
    もちろん場所と環境にもよるんですがやばいと感じたら安全なとこに退避して5~10分寝る。が一番効果的かと思います。
    熟睡は出来ませんが目を閉じるだけでも非常に効果的です。

    その際、エマージェンシーシートというのがありますのでこれを使用すると身体を温めることも出来ますし、大きさもバックポケットに入るぐらいです。
    元々は登山者向けのモノなのでひょっとしたらレストハウスに売っていたりするかもしれません。

    当日は知り合いのクライマーやランドヌールが参加しており、
    クライマーはランドヌールの耐久力に驚き、
    ランドヌールはクライマーの登坂力に戦慄していたりでまったく違う楽しみ方を
    しておりました。

    最近、江戸川や荒川を走ることから再開することにしました。
    機会があればどこかでご一緒できたら面白いですね。

    • にしき にしき より:

      こんにちは!
      一応、大会案内には載っていないようなことも書いてある”痒い所に手が届く”マニュアルの作成を心がけています。
      そう言っていただけると作った甲斐があります!来年はぜひ一緒に参加しましょう!
      眠気対策もご教示ありがとうございます。ブルベ関連のブログなどを見ると、みんな当たり前のように道端で仮眠をとっていますもんね。
      安全第一で走る姿はカッコいい。やはり、ランドヌールになりたいですね。
      ・・・というか、僕も『クライマー』とか『ランドヌール』なんかの肩書が欲しい!現状、だたの『ホビーライダー』なので。
      通りすがりのランドヌールさんのお知り合いの方も、富士ヒルを満喫していたようでなにより。
      江戸川CRはちょくちょく走りますよ。そのときは、ぜひともブルベについて色々教えてください~!

  2. なまこ より:

    もうこれは参加するしかないですな!
    わかりやすい参加ガイドで意欲もりもり、来年はチャレンジしてみます!

    乗鞍は足つき10回くらいしながらゾンビクライムしてきたので、富士ヒルは足つきなしで完走が目標ですかね…近場のヒルクラポイントで修行してきます。ライドのたびに1000mアップしてこよう。にしきさんもブロンズ目指してがんばってください!

    • にしき にしき より:

      自分のブログで参加の決意をしてもらえるとは、こんなに嬉しいことはないですね!
      なにか不明点あればお気軽に聞いてください。とは言え、僕も初参加だったので大したアドバイスはできないと思いますが・・(笑)
      僕の住んでいるところは近所にヒルクライムがないので、どーしようかなぁと考え中です。
      ありがとうございます!お互い、ブロンズリングめざしてがんばりましょう!

タイトルとURLをコピーしました