正しい水分補給の方法とは?頻度や量、経口補水液の作り方まで徹底解説!

皆さんは、効率的な水分補給をご存じですか?

普段当たり前のようにおこなっている水分補給ですが、「喉が渇いたから水でも飲むか」となんとなくで済ませてしまっている人も多いかと思います。

スポーツ自転車のように屋外でおこなう運動をするときは、常に正しい水分補給を心がけて、自分の体を『脱水症』の危険から守らなければいけません。

特に、夏の炎天下でおこなうサイクリングは脱水症をキッカケにして、『熱中症』になってしまうリスクも大きいものです。

熱中症の症状、予防、応急処置をまとめました。正しい知識を身に付けて、夏の炎天下でのサイクリングを楽しみましょう!

今回は、知っているようで知らない『水分補給』の話をしていきます。

水分不足が引き起こす『脱水症』とは?

なぜ水分補給が大切なのか?それは、体から水分が失われることで、『脱水症』という病気を引き起こしてしまうからです。

では、脱水症ってどんな病気?まずはそこからお話していきます。

人間の体のほとんどは、水でできています。

体の中に満たされている液体(体液)は、大人だと体重の約60%を占めているそうです。僕の体重が”62kg”なので、そのうちの実に”37.2kg”が体液なんですね。

そして、体に入ってくる水分量と体から出ていく水分量のバランスが崩れて、体から出ていく量が多くなったとき、つまり体液量が減少したときに脱水症がおこります。

それでは、脱水症の主な症状を見ていきましょう。数字は体から失われた体液の割合です。

1%:大量の汗、のどの渇き

2%:強いのどの渇き、めまい、吐き気、食欲減退、尿量減少

3%:汗が出なくなる

6%:手の震え、ふらつき、混迷、頭痛、体温・脈拍・呼吸の上昇

8%:幻覚、呼吸困難、チアノーゼ

10~12%:筋痙攣、失神、腎機能不全

15~17%:皮膚がしなびる、目がくぼむ、目の前が暗くなる、排尿痛、聴覚損失、皮膚の感覚鈍化

18%:皮膚のひび割れ、尿生成の停止

20%:生命の危機、死亡

体の中の水分がたった20%失われただけで生命の危機につながるとは、恐ろしい。

これを見てもわかるように、人間の体には水分が必要不可欠ということですね。

効率的な水分補給

人間は普通に生活しているだけでも、1日に2.5Lの水分が体から出ていきます。

3食しっかり食べることで、食事から1Lの水分を補給できますが、正常なバランスを保つためには、残りの1.5Lを補給する必要があるのです。

これは、あくまでも”普通に生活している”ときの一例です。

夏のサイクリングでは、普通に生活しているときの何倍もの汗をかくので、その分、体から出ていく水分は多くなります。

そのため、正しい知識をもって効率的な水分補給をおこなわなければ、脱水症になるリスクを大幅に高めることになります。

前置きが長くなりましたが、効率的な水分補給とはどのようなものか?見ていきましょう

水を飲みすぎて起こる”自発的脱水症”とは?

「水分補給っていうくらいなんだから、”水”を飲めばいいんだな」

その認識、間違っています!

間違っているどころか、たくさん汗をかいたときに水分補給として大量の水を飲むと、かえって体調を崩す恐れがあるんです。

汗をかいた肌を舐めるとしょっぱいですよね?

人間の体の中には一定量の塩分(ナトリウム)が含まれていて、汗と一緒に塩分も体から出ていってしまうんです。

つまり、”汗をかく”ということは、体から”水分”だけでなく”塩分”も失う生理現象なのです。

たくさん汗をかいて、体から水分と塩分が失われている状態で、水だけをがぶ飲みしてしまうと、体内の塩分濃度が正常時よりも薄まってしまいます。

すると、脳が「これ以上、塩分濃度を下げてなるものか!」と指令を出して、『水を飲みたい』という気持ちがなくなってしまいます。

同時に、体内の水分濃度と塩分濃度のバランスを正常に戻そうと、余分な水分を尿として排出してしまいます。

これを『自発的脱水症』といいます。

その結果として、体内の水分が不足してしまい脱水症を引き起こすのです。

水分補給とは、汗をかく前(水分を失う前)の正常な量まで体液を回復させる行為のことなので、水だけを飲むという水分補給は大失敗ということになりますね。

なにを飲めばいいの?

『水に0.1%~0.2%の塩分を溶かした食塩水』

これが、環境省熱中症予防情報サイトが提唱する水分補給に適した飲み物です。

「0.1%とか0.2%とかよくわからない!」

「イメージしにくい」

…という人は、百聞は一見に如かずです。実際に食塩をつまんでみましょう!

親指と人差し指の2本で食塩をつまみます。これが、『少々=0.5g』です。

親指と人差し指、そして中指の3本で食塩をつまみます。『ひとつまみ=1g』です。

食塩水を500ml作る場合は、『少々』から『ひとつまみ』、食塩水を1L作る場合は『ひとつまみ』から『ひとつまみ×2』ということですね。

こうしてみると、結構お手軽でしょう?

サイクリングに出発する前、ボトルに水を入れますよね。そのときに、食塩少々を入れてあげれば、脱水症予防の水分補給飲料が完成するわけです!

さらに!余裕があれば、ここに『1%~2%の砂糖』を加えることをオススメします。

砂糖を加えることによって、腸管内で水分と塩分が体内に吸収されるスピード(吸収率)がアップするのです。

まとめると、『水+0.1%~0.2%の食塩+1%~2%の砂糖』が水分補給に最適な飲み物と言えるでしょう!

ちなみに、この飲み物を『経口補水液』といいます。

大塚製薬の『OS-1 オーエスワン』が有名です。

自宅でも簡単に作ることができますが、面倒な人は買ってしまうのも手。…ですが、『4,280円÷24本=1本178円』とそれなりに値は張りますね。

経口補水液を実際に作ってみた

水分補給の強い味方、『経口補水液』を実際に作ってみました!

材料はこちら。

経口補水液の材料

●水500ml

●食塩1g(水500mlの0.2%)

●佐藤10g(水500mlの2%)

今回は食塩、砂糖共に規定値マックスまで投入してみました。溶けるまでシェイク!

そして、完成したのがこちら。

経口補水液

ででーん!

それでは、早速試飲してみたいと思います!

ひと口、ゴクリ。

思った以上に甘い!砂糖が10g入っているだけで、こんなに甘くなるのか。

そして、砂糖の甘さに紛れているかと思いきや、後味にほんのりと顔を出す食塩。ただの塩水だと飲むのがキツそうですが、これなら問題なく飲めそう。

砂糖は塩水を飲みやすくする効果もあるってことだ!

規定値さえ守れば、濃度の調整は容易なので、自分が飲みやすいベストな味を模索するのもおもしろいかも。

個人的には、水をもう100ml追加して、砂糖を若干減らせばいい感じになりそう!

「これがオレのベストな配合。オリジナルの経口補水液、飲んでみるかい」…なんて、ドヤれること間違いなしですね。

『OS-1 オーエスワン』と飲み比べてみた

それにしても、この自作した経口補水液、以前飲んだOS-1にかなり近い気がする。

完全に蛇足ですが、ドラッグストアまでダッシュ!飲み比べをしてみることにしました。

OS-1 オーエスワン

パッケージにはさまざまな注意書き。少し抜粋してみましょう。

●1日当たり目安量を参考に、脱水状態に合わせて適宜増減してお飲み下さい。学童~成人(高齢者を含む):500~1000ml

●医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲み下さい。

OS-1がただの飲料水ではないことがうかがえますね。

それでは、飲んでみましょう!ゴクリゴクリ。

うん、おいしい!

味は薄めたスポーツドリンクといった感じで、甘さは控えめ。塩味もほとんど感じないので、とても飲みやすい。

自作の経口補水液との最大の違いはクエン酸の有無かな?クエン酸が含まれているためエネルギー補給もでき、甘酸っぱさもいい感じ。

お値段は190円。

水や普通のスポーツドリンクよりはやや高めの値段設定ですが、なんだか納得。これは効果が期待できそう。

さすがです!

スポーツドリンクはどうなの?

各社がさまざまなスポーツドリンクを販売していますが、これはどうなの?まさにスポーツ中の水分補給のために生み出されたものじゃないの?

結論から言うと、個人の好みと注意点があると思っています。

個人の好みとは、ズバリ、味!基本的に、どの会社のスポーツドリンクも甘いんですよね。

そして、注意しなければいけないのはカロリーと糖分の多さ。500mlの一般的なスポーツドリンクで、1本125カロリー、糖分は30gも入っています。

僕が作った経口補水液の実に3倍ですね。

夏場のサイクリングで失った大量の水分と塩分をスポーツドリンクで補おうとすると、糖分を撮りすぎてしまう恐れがあります。

水で薄めて飲めばいいのではないか?

それだと、今度は十分な量の塩分が補給できなくなってしまので、脱水症予防の水分補給には不向きといえます。

お茶やコーヒーはどうなの?

お茶やコーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があるため、水分補給には向いていません。

利尿作用により尿の排出が促進されると、尿として出てくる水分の量、そして回数が多くなるため、他の飲み物よりも水分が余計に排出されてしまい、水分不足に陥ります。

別問題として、サイクリング中にあまり何度もトイレに駆け込むのは避けたいですよね。なので、お茶やコーヒーなどカフェインが入っている飲み物は避けるのが無難です。

ちなみに、夏の風物詩である麦茶はカフェインゼロなので飲んでも大丈夫ですよ~!

水分補給の頻度と量

環境省熱中症予防情報サイトでは、『200ml〜250mlの水分を1時間に2〜4回に分けて補給』することが望ましいと提唱しています。

少しわかりにくいですか?

例えば、『200mlの水分を1時間に4回に分けて補給』するときは、『15分おきに50mlの水分を補給』すればいいわけです。

1回のごっくんで20ml~30mlの水分を飲み込めるといわれているので、『50mlの目安は2回ごっくん』と覚えましょう。

これで、正しい水分補給の頻度と量をわかりましたね!

注意点は『のどが乾いてなくても飲むこと』です。

前述した脱水症の症状一覧を見ていただくとわかるように、喉の渇きを感じているとき、すでに体から1%の水分が失われているのです。

水分を補給してから体に吸収されるまで30~40分ほどかかるので、のどを渇いてからでは時すでに遅し。

水分が体内に吸収されるまでに軽度の脱水症は進行中ということです。

”のどの渇き具合”を水分補給のタイミングにするのではなく、きちんと”時間”で管理することが大切なのです。

脱水症の応急処置

しっかりと水分補給をしていたのに、それでも脱水症になってしまったら?

一緒に走っている仲間が脱水症になってしまったら?

はたまた、道端で脱水症と思しき人を発見したら?

そんなときのために、脱水症の応急処置についても頭に入れておきましょう!

夏場は熱中症を併発している可能性も高いので、そちらも一緒に覚えておくと、より的確な応急処置ができるはずです。

①水分補給をおこない安静にする

なにはともあれ、大切なのは水分補給。

体の熱を下げて発汗を抑えるためにも、なるべく涼しい場所で水分を摂りながら安静にしていましょう。

②症状が重いときは救急車を呼ぶ

吐き気、嘔吐、意識がはっきりしない、失神など、自力で水分補給ができない場合はすぐに救急車を呼びましょう。

熱中症と同じく、『意識があるか』『自力で水分補給ができるか』ということは、重症度をはかる大きなポイントになります。

③判断に困ったときは『救命救急安心システム(#7119)』に電話する

応急処置のやり方を忘れてしまったとき、救急車を呼ぶか判断に迷ったとき、ひとりでは対応できないと思ったときは、『救命救急安心システム(#7119)』に電話しましょう。

『救命救急安心システム(#7119)』とは?

急な病気や怪我をしたときに、「救急車を呼ぶか」「いますぐ病院に行った方がいいのか」「応急処置はどうしたらいいのか」など、判断に迷う場面があると思います。

そんなときに、この番号(#7119)に電話をすると、相談員の方から電話で的確なアドバイスを受けることのできる救急相談サービスです。

脱水症の記事を書くにあたり、応急処置の正確な情報が知りたくて、このシステムに電話をさせていただきました。

「緊急の要件ではないのですが」と断ってから事情を説明すると、快く応急処置についてアドバイスをもらうことができました。

そこで強調されていたのは、「不安だったら、判断に迷ったら、とにかく電話をしてください」…ということ。

重症度が高くなるほど的確な対応が求められるので、電話で状況を説明して指示を仰ぐことが賢明だと学びました。

これは脱水症だけではなく、すべての病気、怪我に共通することです。この番号を覚えておいて損はありませんよ!

まとめ

今回は『意外と知らない水分補給』ということでお話させていただきました。

僕自身、この記事を書くにあたりたくさん調べ物をしましたが、知らないことばかりだったのでとても勉強になりました。

夏はたくさんの汗をかきます。しっかりと水分補給をしなければ、体はバテて、楽しいはずのサイクリングが一転、苦行に変わってしまいます。

今回お話させていただいた内容を、真夏の炎天下、自転車にまたがる前に少しでも思い出していただけたら幸いです!

経口補水液は作りましたか?

それでは、ギラギラ燃える太陽の下、最高に楽しいサイクリングに出かけましょう!

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