クロスバイクで自転車旅!しまなみ海道と淡路島を走る(4~5日目)

オーシャン東九フェリー、展望デッキから眺める朝日 自転車ライド

今回の夏休み自転車旅は最初にお話したとおり”4泊5日”ですが、自転車に乗るのは前回の3日目でおしまいとなります。

なぜなら、帰りの交通手段に『オーシャン東九フェリー』の長距離航路を選択したため、自転車に乗りたくても乗れないのです。

 

そのようなわけで、ここからは完全にひとり旅日記。しかし、自転車あっての旅なわけですから、これも広い意味では”サイクリング”と捉えることができるでしょう。

しまなみ海道&淡路島を走る自転車旅の4・5日目。しばしお付き合いください!

 

~前回のライドはこちら~

クロスバイクで自転車旅!しまなみ海道と淡路島を走る(3日目)
3日目に訪れたのは、国生み神話が伝わる兵庫県の淡路島。最初は島一周、通称・アワイチにチャレンジしようと考えていたのですが、寝坊により断念。国生みにまつわる2つの神社をめぐることにしました。夏の島サイクリングは最高です。

 

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自転車に乗らない徳島の旅

昨日、淡路島から『大鳴門橋』を渡り、何気に人生初の徳島県に入りました。

宿をとっていなかったため、ふらりと訪れた『道の駅 第九の里』で2日連続の車中泊。翌日は早朝6時に起床します。

体を動かしてみると、とくに痛いところはない。どうしても快眠とはいきませんでしたが、疲れと眠気をいくぶんかはリフレッシュさせることができたのでよしとしよう。

 

フェリーの出船時刻は11時30分です。

1時間前には徳島ターミナルの受付窓口で乗船手続きを済ませなければいけませんが、それでも結構な時間があります。

さて、なにをしようかな?

徳島県鳴門市といえば、有名なのは”鳴門の渦潮”ですよね。ここは必ず見たい。

 

朝ご飯を買うためコンビニに移動しがてら調べてみると、鳴門市に『大鳴門橋遊歩道 渦の道』『エスカヒル鳴門』という、渦潮を眺められるスポットがあることを発見。

通常の営業時間は9時からですが、繁忙期のため1時間早まった8時から営業しているらしい。ここから車で30分というアクセスのよさも好都合です。

昨夜は暗くてよくわからなかった大鳴門橋、そして”鳴門海峡”を眺めに行くことにしよう!

 

朝のドライブを楽しみ、営業開始と同時に到着。観光客の方もチラホラいます。

受付でチケットを購入。渦の道とエスカヒルの共通チケットは710円と手ごろ価格でした。

大鳴門橋遊歩『渦の道』

ここが大鳴門橋の下にある遊歩道、通称『渦の道』です。

大鳴門橋遊歩『渦の道』

ガラス張りの床を発見。足元には鳴門海峡が広がっています。

高いところが苦手な人には厳しいかもしれません。僕自身も得意ではないのですが、海上に立つという貴重な体験をすることができました。

 

しばらく歩くと『渦の道展望室』という場所がありました。

大鳴門橋遊歩道『渦の道展望室』

展望室というだけあって、大海原の絶景を眺めることができます。

目の前には、1本の灯台が目を引く島がありますね。どうやら『飛島』というらしく、徳島県の天然記念物に指定されているイブキという植物の群生地として有名なようです。

 

思ったよりおだやかな鳴門海峡でしたが、お目当ての渦潮はどこなんだろう?

よくわからない。調べによると、渦潮には見ごろの時間帯があるようで、朝イチではあまりはっきりと見えませんでした。

残念でしたが、相手にしているのは自然です。それもまたやむなしでしょう。

それにしても今回の自転車旅では、多くの””に出会うことができたとしみじみ思います。

 

次に、エスカヒル鳴門に移動してきました。

エスカヒル鳴門のエレベーター

長くて急勾配なエスカレーターに乗って、パノラマ展望台まで上がります。

建設当時は”日本一長い”エスカレーターと謳われていましたが、今では2番目になってしまったそうです。それでも、移動時間に約3分間かかるため乗りごたえはばつぐん。

勾配が急すぎて、自分が上っているのか?下がっているのか?よくわからなくなる不思議な感覚に陥りました。たまにありますよね。

 

そして、パノラマ展望台に到着!

エスカヒル鳴門のパノラマ展望台からの景色

鳴門海峡に架かる大鳴門橋。その先には昨日サイクリングを堪能した淡路島が一望できます。

とてもうつくしい眺め。

エスカヒル鳴門のパノラマ展望台からの景色

展望台は”パノラマ”と名につくだけあって、360度を見渡せる作りになっています。先客はおらず、この絶景をひとりじめ。最高ですね。

 

振り返ると大鳴門橋から伸びる国道28号、そして徳島県の海岸線が広がっていました。

エスカヒル鳴門のパノラマ展望台からの景色

この光景を目に焼きつけることができて大満足です。思い残すことはなにもありません。駐車場に戻りましょう。

下りのエスカレーターは急なこともあって少し怖かったです。転げ落ちたら止まらなそう。

 

地上に戻ってきたところでジュース屋を発見。

鳴門市、うずしおソーダ

うずしおソーダ

名物と書いてあるものに弱いので、思わず注文。見切れていますが、黄色いストローの先がくるりと一周していて、おそらく”渦潮”をあらわしているのかな?と思います。

ハチミツのやさしい甘さとソーダの炭酸が絶妙にマッチしていて、おいしい!なんだか””を感じることができました。

 

こうして、ほんの一部分ですが徳島県の魅力に触れることができました。

いつかは自転車で四国を一周したい!

そんな野望が胸の中にわきあがりましたが、四国をぐるりと一周すると約1,000kmといわれています。ものすごい距離だ。

最低でも2回に分けなければ厳しい?そうすると、交通費がかさむ……などと、いずれおこなう自転車旅のことをかんがえながら、次の目的地に移動しました。

 

オーシャン東九フェリーに乗り込もう

車を30分ほど走らせて徳島ターミナルに着くと、すでに車やバイクがずらりと行列をつくっています。目に飛び込んでくるのは、そびえ立つように浮かんでいる大きなフェリー。

係員の方に指示されるとおりに車を駐車。そして、車検証をもって受付窓口まで行き、乗船の手続きを済ませます。

なんだか、ワクワクしてきました。

 

車に戻って身支度を整えていると、係員の方に早くフェリーに乗り込むようにと促されます。

どうやら僕は列の先頭だったらしい。

慌ててエンジンをかけ、誘導されるがまま、あれよあれよという間に乗船完了。フェリーの写真を撮る余裕すらありませんでした。

 

今回利用する『オーシャン東九フェリー』は、北九州、徳島、東京を結ぶ長距離フェリー。

8月14日の11時30分に徳島ターミナルを出発して、東京都江東区の有明にある港に到着するのは翌日15日の5時40分。実に18時間以上かかる長い船旅になります。

 

素直に往路と同じく高速道路で帰ってもよかったのですが、「何事も経験!」と思い、東九フェリーを予約したのです。もちろん、車も載せられますよ。

乗船時期や車の大きさで変わりますが、今回の料金は32,850円でした。結構な出費ですが、経験はお金には代えられないので仕方ありません。よしとしましょう。

車がなければもっと安いので、うまく利用すればお得に四国・九州の旅が楽しめそうです。

 

フェリーの中には所狭しと車やバイクが止まっています。ここには、船をおりるときまで戻ってこれないため車内に忘れ物がないよう注意しましょう。

持ち込むものを整理して、いざ船内へ!

オーシャン東九フェリー、フェリーびざん船内

とりあえず、乗船記念に撮っておこう。フェリーびざん、よろしく頼みますね。

 

HPの情報によると、総トン数が約12,636t!アフリカ像のオスが約6tだから約2,106頭分!?

なんて驚きましたが、よく調べてみると『総トン数』というのは船の大きさをあらわす国際的な指標のひとつで、船内の容量、つまり”船の内部の空間の大きさ”を示す数値らしい。

ちなみに全長は約191m、時速約40kmで航行されるようです。

 

船内の案内図を発見。

オーシャン東九フェリー、フェリーびざん船内案内図

ただただ広い。

見てまわる前に、荷物を置いて身軽になった方がよさそう。今回僕が利用するのは2等洋室。8人相部屋で一番安い等級の部屋です。

 

今夜の寝床に到着しました。

オーシャン東九フェリー、フェリーびざん、2等洋室

写真ではわかりにくいかもしれませんが、階段式2段ベッドの2階部分です。

オーシャン東九フェリー、フェリーびざん、2等洋室

入口はカーテンで仕切られています。中にはハンガー、布団一式、そして枕元にはコンセントと小さな照明がありました。

 

車中泊に比べれば十分すぎるお部屋。秘密基地のようでワクワクします。ただし、狭いといえば狭いので天井の低い”閉所”が苦手な人には厳しいかもしれません。

さて、貴重品以外の荷物を置いたら船内を探索しましょう!

 

船内には快適な船旅をサポートしてくれる施設で溢れていました。

エントランスホールには談笑できるテーブルとイス、各種の自動販売機、そして軽食を温める電子レンジが置かれています。

すばらしい!お酒の自動販売機もあるので、夜の海を見ながら晩酌しよう。

 

その他にも、売店やリクライニングチェアが置いてあるリラクゼーションスペース、コインロッカー、コインランドリー、ペットを預ける部屋までありました。

まさに至れり尽くせり。

 

そして、サイクリストとしてやはり気になるのはこちらです。

オーシャン東九フェリー、船内にある輪行スペース

輪行スペース

室内の様子は確認できませんでしたが、輪行袋に入った自転車が置かれているのでしょう。

 

船内の施設を見てまわり、おどろいたのはシャワールームだけでなく浴室があること!

考えてみたら一夜を明かすわけだからあって当然なのかもしれない。

しかし、今まで長距離の船旅には縁がなかった自分としては衝撃的です。あとで入ろう。

 

夢中になって探索していたら、いつの間にか出船時刻が近づいていました。

船出の時は、やはり外で迎えたいものです。そんなわけで、展望デッキに上がります。

オーシャン東九フェリー、展望デッキからの眺め

徳島ターミナルの建物が見えます。

入口付近にはお見送りの人たちが集まっていました。もちろん僕はまったくの無関係ですが、せっかくなので手を振っておきましょう。

 

そして、いよいよ出船。

オーシャン東九フェリー、出船

少しずつ港を離れていき、陸地が小さくなっていきます。

オーシャン東九フェリー、遠くなる徳島県

人生初の徳島県。ほんの少しの滞在でしたが、ありがとう!必ずまた来ます。

 

18時間の船旅はいかが?

それにしても、いい天気ですね。

オーシャン東九フェリー、展望デッキ

絶好のサイクリング日和。

今回の自転車旅は、本当に天気に恵まれたと思います。もっと時間があれば、この晴天の下で徳島県を走りたかったですね。

 

時刻は11時45分。長い船旅のはじまりです。

ここから18時間、つまり1日の75%をフェリーで過ごします。

まったくの未知の体験に、期待のワクワクと不安のドキドキが入り混じる。これも……いや、これぞ旅の醍醐味。

 

まずはお風呂に入ってみよう!

早い時間だったためか、浴室はガラガラのほとんど貸し切り状態。

体を洗うところあ6~7人分くらいあり、基本的には普通の”銭湯”のようですが、船の揺れに対応するためか洗い場の間に仕切り、浴槽には銀色の手すりがあるのが特徴的です。

 

丹念に体を洗い、いざ湯につかります。

窓からは当然ですが外の景色が見えており、快晴の空と真っ青な海が広がっています。船の中でお風呂に入るって、すごく不思議で贅沢なことをしている気分。

 

癒されます!癒されます……が、船の中なのでもちろん揺れます。

どこかで台風が発生したというニュースを耳にしましたが、その影響があるのか、船は想像以上に揺れて、まるで波のプールみたいになっているではありませんか。

バシャバシャと湯船からお湯が溢れ出ていってしまうのをとめる術もなく、心なしか湯量が少なくなっている気さえします。

 

外を眺めていると、あとから入ってきた男性に声をかけていただきました。

なんでも大学の夏休みを利用してバイクで四国を旅していたそうです。僕自身も自転車でしまなみ海道と淡路島を走っていた話をし、同じ旅人として交流を深めます。

ひとり旅をしていると、本当に積極的になれる……というか、道中あまり会話をする機会がないため、話せそうな人がいるとつい普段よりおしゃべりになってしまうんですよね。

のぼせそうになりながらも旅の話に花を咲かせ、一期一会の出会いを楽しみました。

 

お風呂からあがったあとは、アイスを食べながらまったりタイム。

オーシャン東九フェリーで食べるアイス

空と海とアイスで青づくし。とても幸せなひと時です。

 

それにしても、結構揺れるな!船!

油断して、酔い止めを飲まずに乗船したことを後悔しはじめます。そうこうしているうちに揺れは激しさを増し、軽い船酔い状態に突入。

うそでしょ?フェリーに乗ってからまだ2時間だよ?

持ちこんだパソコンでブログ記事を書こうとか、晩酌しようとか、星空を観ようとか、いろいろな計画を立てていましたが今はそれどころじゃありません。

 

船酔いが悪化しないように、寝床で横になり安静にします。

こういうときは寝るにかぎる。

残り16時間あるのに船酔いが重症化でもしたらと考えると、優雅な船旅から一転、逃げ場のない監獄にいるような気にさえなってきます。なんだかもったいない。くやしい。

自転車旅の疲れ、車中泊の影響か、昼間だというのにぐっすり眠ることができました。

 

体を起こすと、体調が回復傾向にあるのがわかります。ひとまず安心です。

しかし、船の揺れはあいかわらずなので油断はできません。テレビとリクライニングシートが設置されている『リラクゼーションスペース』でおとなしく過ごすことにしよう。

 

テレビではアクション映画が上映されており、物語のクライマックスなのか、嵐の海に沈んでいく豪華客船の上ですったもんだが繰り広げられています。

……おい!フェリーの上でいちばん見たくないシーンだよこれ!

なんて脳内でツッコミを入れながら、映画鑑賞を楽しみました。

 

そんな風に時間を使っていると、あっという間に夜の20時。お腹が減ってきたな。

東九フェリーにレストランはありませんが、代わりに自動販売機でレトルト・冷凍食品の販売が24時間おこなわれています。

オーシャン東九フェリー、レトルト・冷凍食品

本日の夕ご飯は『銀座焼チーズカリードリア』にしました。

備えつけの電子レンジで熱々に温めてからいただきます。うん、船の中で食べているという特別感を差し引いても、めちゃくちゃおいしい。

 

お腹が満たされたら、歯を磨いてからくつろぎの時間を過ごします。

東九フェリーに乗っておどろいたのは、スマートフォンがおおむね快適に利用できること。もちろん、電波が弱くて途切れることもありますが、それでも不便はしませんでした。

長い船旅に、電波の有無は死活問題。とても助かります。

 

時刻は22時をまわると船内にも就寝ムードが漂ってきました。とくにやることもないので、そろそろ本格的に寝ることにしましょう。

2等洋室に戻ると、同じ部屋のどこからか苦しそうな声が聞こえてきます。船酔いですね。

僕は幸いなことに悪化しなかったため快眠できそうですが、そうでない人にとっては、「早く陸地についてくれ」と願うばかりの時間。

 

油断していると、また酔ってしまいそうなので早いところ夢の世界を訪れよう!

おやすみなさい。

 

海上の朝と旅のおわり

船旅の朝は早い。朝日を見るため4時半に起床しました。

展望デッキに足を運ぶと、早朝の清涼な空気の中に思わず息をのむ景色が広がっていました。

オーシャン東九フェリー、展望デッキから眺める朝日

水平線からのぼりはじめる太陽が、空を幻想的な色に染めています。

 

快晴でないのも、これはこれで逆にいい。

多くの雲が複雑に絡みあっている様子が”描いている途中の絵画”のようで、なんとも見ごたえあります。

展望デッキには朝日を見るために早起きした人たちが、同じように空を見上げていました。

この空の色は忘れないだろうなぁ

そう思ったのは、僕だけではないはず。とてもいい時間を過ごすことができました。

 

海風を感じながら、東京の有明ターミナルに到着するまでもの思いにふけっていました。

オーシャン東九フェリー、東京有明ターミナル

そして、無事に下船!

乗るときに撮れなかったため、このタイミングで忘れずに撮影。こうしてみるとその大きさを改めて実感します。

 

18時間の船旅は、なかなかによい経験となりました。

船酔いさえしなければ、快適な空間で、逆にいえば他にやることもないので全力でまったりとした時間を過ごすことができるでしょう。

しかし、ひとたび酔ってしまったら……想像をするのもおそろしい。不安なときは、酔い止め薬を飲むことは必須です。

冷静に考えたら、船内で販売しているかもしれませんね。

 

こうして僕の4泊5日、夏休みの自転車旅はおわりを迎えました。

サイクリストの聖地である『瀬戸内しまなみ海道』『淡路島』を走ることができて、最高に楽しかったです。思い出がたくさん詰まった5日間となりました。

 

今回の旅で訪れたところでも、まだまだ走ったことのない道があります。見たことのない景色や観光スポットがあります。

また、自転車旅をしにきたいですね。

しまなみ海道はただ通過してしまった島を一つひとつじっくり巡りたいですし、淡路島ではやはり一周完走にチャレンジしたい。

 

ひとつの旅のおわりは、新しい旅のはじまりでもあります。

次はどこに行こうかな?こうご期待です!

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