伊良湖岬周辺をサイクリングしたあと、海を渡り、篠島での島ライドを堪能しました。
そして、次に向かうは同じく愛知県の『日間賀島(ひまかじま)』です。
1日のうちにいくつもの島を巡るのは、いろいろな文化や景色に触れられる反面、輪行の繰り返しになるため、ほんの少しあわただしい。
しかし、逆にいえばスムーズかつスピーディーな作業を練習できる場でもあります。ものは言いよう・とらえよう……ですね。
日間賀島を走ったあとは知多半島の師崎港に渡り、自転車旅3日目はフィニッシュです。
乗り遅れないように、高速船が出る時間だけには注意して楽しんでいきます!
~前回のライドはこちら~

多幸(たこ)の日間賀島ライド
篠島を出発してから約10分。

日間賀島に到着しました。

『ようこそ日間賀島へ』
どうやらここは東港というらしい。アーチをくぐり、島に足を踏みいれます。
日間賀島は一周約5.5km。

地図で見るとこんな感じです。
一周約8.2kmの篠島よりも小さい島ですが、島の外周を走れる道路が整備されています。ぐるりと走っていきましょう。
船を降りてすぐに、手ごろなスペースを発見。輪行を解除していきます。
時刻は13時45分。
準備も整ったので、いよいよ日間賀島サイクリングに出発です!
まずおどろいたのが、人の多さ。
名古屋市からいちばん近い島であり、知多半島の先端・師崎から2km、高速船で約10分のところに位置する日間賀島。
アクセスのよさもあいまって、たくさんの観光客でにぎわっています。沖縄本島を除き、僕がこれまで訪れた島の中で、上位に食い込むワチャワチャ感があります。
なんの変哲もない交差点に見えるでしょう?

実はここ、愛知県の島で唯一の信号機なんだそうです。
そう聞くと、「記念に1枚撮っておこう!」という気持ちになるから不思議です。
近くには『歓迎タコのモニュメント』がありました。

日間賀島はタコが有名。水深が浅く、エサが豊富な海域に浮かんでいるので、タコが育つのに適した環境なんですね。
『多幸(たこ)の島』
縁起物としてキャッチフレーズになるほど、島のシンボルとして愛されているようです。
さて、それでは交差点を左折して、島を一周していきましょう。

道路の左側、一段高くなっているところは歩道です。海を一望しながら、気持ちよく散歩ができそうですね。歩いている人もちらほら……いや、割とたくさん見受けられます。
なんともまったりしたこの道は”タイルロード”と呼ばれているそうです。
その由来がこちら。

壁面に飾られたたくさんのタイルアート。
これは、日間賀小学校の6年生が卒業記念制作として作成するもの。思い思いのことが描かれていて、見入ってしまいます。
数百メートルにも渡って飾られているため、見ごたえは十分です。
タイルロードがおわると、視界が開け、海があらわれました。

篠島でも思いましたが、5月にもかかわらず日差しが強くてかなり暑い。
それにしても、歩いている人が本当に多い。どこに行くんだろうか?観光名所があるのなら、お供させていただきたいところ。
自転車や電動キックボードを利用している人もいて、島の観光人気がうかがえます。
海の上に島が浮かんでいます。

手前はおそらく『築見島(つくみじま)』だと思います。
調べによると、愛知県犬山市にあるサル類専門動物園『日本モンキーセンター』が、その昔、アヌビスヒヒを放し飼いにしていたそうです。
島全体がいわば猿山。なんとスケールの大きい話でしょうか。
その奥にあるのは、もしかして篠島?
高速船で10分、約2kmの距離にあるため、こうして見ると本当にご近所さんですね。島同士の交流とか盛んなのかな?
サイクリスト走ればタコにあたる
進んでいくと、のぼり旗が目に入りました。

『カフェまりんぶるー』
しかし、お店が見当たらない。
立て看板を読んでみると行き方が書かれており、どうやら”天国の階段”とやらを上っていく必要があるようです。

薄暗くてわかりにくいですが、確かに階段がありますね。
ここに立ち寄ってみるのも一興。
とくに、たことアイスの新食感と謳われている『たこアイス』は気になるところ。しかし、まずは島を一周しましょうか。
おお、あれはなんだろう?

巨大なタコを模した建物。
入口に”駐在所”と書かれています。地域安全の拠点でしたか!日間賀島ならではのデザインは、とても愛着がわきますね。
駐在所と交番の違いは?
調べによると、駐在所はお巡りさんが原則”単独”で、寝泊まりしながら勤務するところ。交番は読んで字のごとく”交代で番をする”ところ。勉強になるぜ。
もうひとつのタコモニュメントを発見。

ほんのちらりと”西”という文字が見えているとおり、ここは『西港』という日間賀島にあるもうひとつの港です。
こちらの方が、飲食店やお土産屋が充実している印象があります。東港から歩いていた人たちは、もしかしたらこのあたりをめざしていたのかもしれません。
賑やかな区間を抜けて走っていると、ふたたび海に突きあたりました。

知多半島がこんな近くに見えます。水泳の得意な人なら、泳いででも行き来できるのでは?
眺めていると、ひときわ高い建物を発見。

どうやらあれば、南知多町のシンボル的建築物『ナポリタワー』のようですね。
リゾート施設『チッタ・ナポリ』にあり、地上34階建て、高さ111mの超高層マンション。そのあたりは施設名のとおり、イタリアのナポリがイメージされているとのことでした。
海を眺めながら走っていると、行き止まりにぶつかります。

こんなこともありますよね。いさぎよく引き返そう。
このあたりは『荒井浜港』という漁港です。

何隻もの漁船が停泊している様子は、圧巻です。海の盛り上がりを感じます。

ずらりと並べられているのは、東港・西港のタコモニュメントも入っていた”タコつぼ”です。
タコは外敵から身を守るために狭いところに隠れる習性があります。このタコつぼを海に沈めておき、自ら入り込んだタコを捕獲する”タコつぼ漁”で利用されるんですね。
日間賀島を象徴とするアイテムのひとつといえるでしょう。
それにしても、島ライドで目に飛び込んでくるものはタコに関連したものが本当に多い。
多幸(たこ)の島は伊達じゃありませんね!
日間賀島のハイジとドラえもん
壁面に描かれた大きな案内。

このまま道なりに走っていけば、出発地点である東港に950mでたどり着くようです。
あっという間に一周してしまいそうな勢い。
足元には、日間賀島オリジナルのマンホール。

やはり、描かれているのはタコでした。
旅先でマンホールカードを収集している身としては、ぜひカード化してほしいくらいかわいい。発見できませんでしたが、フグのデザインもあるようです。
勾配5%くらいの丘を越え、少しだけ道を逸れたところに目を引く外観の建物が見えます。

『日間賀島資料館』
なんだか、歴史を感じるところですね。
時間もあるし見学してみようかな?しかし、よく見るとひと気がなく、おりたシャッターには”12月5日~閉館致します”の案内。
残念!文章的に、おそらく一時的な閉館。次に訪れる楽しみにしておきます。
さあ、もう少しで一周達成だ。走っていこう。

ずらりと並ぶ漁船。その多くが、やはりタコ漁のものなのでしょうか?
観光客でにぎわう海辺。

透明度が高く、浅い海底がはっきり見えます。のぞき込んでいる人たちは、泳いでいる魚でも追いかけているのかな。
空には鳥も飛んでいます。

大きな翼を広げて、気持ちよさそう。
僕の自転車旅は、えてして”修行”のような過酷なものになりがちです。しかし、こういうのんびりしたサイクリングもいいもんです。
島の風情を、五感すべて使って楽しみ……あれ?味覚がまだでした。どこかで食を堪能しなければなりませんね。
島のほぼ最東端に『サンライズビーチ』という海水浴場がありました。
時期的に海に入っている人はおりませんが、やたら賑わっているので興味を惹かれます。立ち寄ってみよう。

石で作られたタコのアート。
ここまでタコを推されると食べずにはいられない!僕の好物でもあるたこ焼き。どこかで売っていないかな。
ん?なんだろうこれ。

タコとフグのイラストと共に『ハイジのブランコ』と書かれた案内看板。
おそらく、懐かしのTVアニメ『アルプスの少女ハイジ』のオープニングに出てくる巨大ブランコのようなものがあるのでしょう。
おもしろそうだと足を運んでみましたが、まさかの行列ができていました。

見てみたい気持ちもあります。
しかしこれ、ひとりで行くのはかなり寂しい気がするぞ。ブランコを目の前にしても、どうすればいいのかわからない。
調べてみると、別名『恋人のブランコ』とも呼ばれているようで、その事実を知ってしまったからにはなおさらです。
よし、ここは素直に立ち去ろう。
サンライズビーチをウロウロしている最中、背の低い草が茂る広場に、これまた懐かしくも見慣れた”アイテム”を発見しました。
『どこでもドア』
ご存じ、国民的アニメ『ドラえもん』に出てくる秘密道具。思い描いたところに一瞬で移動できる、誰しもが憧れ、欲した夢のアイテムじゃないですか!
しかし、本来は鮮やかなピンクのはずですが、すっかり色あせて白に近づいています。ドアの片面は大きく壊れ、下地の木が無残に露出していました。
終焉を迎えたドラえもんの世界を連想してしまいます。これはこれで、独特の深みやストーリー性を感じさせるのでアリな気がします。
最後の五感・味覚をもとめて
そして、時刻は14時35分。一周をおえて、ふたたび東港に戻ってきました。

ゆっくり走って、大体出発から1時間。
しかし、ここでサイクリング終了というわけではありません。まだ”味覚”を楽しんでいない!
そんなわけで、島唯一の信号を通りすぎます。
実は目的地は決まっていて、タコ駐在所の近くに”たこ焼き”と書かれたのぼり旗が立っており、そこに目をつけていました。
一周目よりもガシガシとペダルを回し、あっという間に到着。
さあ!お目当てのたこ焼きを意気揚々と注文。ひとつください~!
「……売り切れ?」
日間賀島のタコ人気を、侮っていました。
メニュー表を見ると、いろいろなバリエーションの中に”シラスしょうゆ”なるものが。それ食べたかったなぁ!残念すぎます。
なにも買わないのもあれなので、たこ串を500円で購入。

飲み物はコーラ。普段はあまり買いませんが、自転車旅の最中は”エネルギー補給”という名目でちょくちょく飲みます。
いざ、実食。うんうん、おいしい!噛んだ瞬間のぷりっとした弾力、それでいてやわらかく歯切れがいい。濃厚なうま味が広がります。
日間賀島のタコを堪能するには、むしろ、このたこ串がベストなのでは?そうですね。何事もプラスに考えておきましょう。

さて、なんやかんやで味覚の方も大満足。
そろそろ東港に戻るとしよう。来た道を引き返します。
時刻は15時10分。
日間賀島を出航して、知多半島の師崎港に行く高速船には15時40分に乗る予定。
輪行作業の時間を考えると、残り30分は割とあっという間です。

海を眺めながら、抜かりなく準備をしていきましょう。
今日だけで5回目の輪行。
島巡りはこれが大変ですが、やらざるをえないので強制的なレベルアップをはかることができます。初心者にはオススメかもしれない。
天気がよく、最高のロケーションで楽しめた島サイクリングを振り返りながら、気持ち穏やかに船を待ちます。
そして、高速船に乗り込み、船出のとき。

ありがとう!日間賀島。とてもすばらしい思い出ができました!
【ここまでのライドデータ】
走行距離 8.80km(トータル365.81km)
所要時間 1時間20分
走行時間 0時間11分(-0時間9分)
知多半島最南端・師崎の羽豆岬へ
船に揺られること約10分。無事、師崎港に到着しました。

見事な逆光。
本来、次の便、16時10分発~16時25分着の船を利用する予定でした。しかし、旅が思いのほかスムーズに進み、1本早い時間に訪れることができたのです。

『師崎港観光センター』
せっかく時間もあるので、情報収集をしてぶらりとサイクリングをしていこう。
すぐ近くに『羽豆岬(はずみさき)』というスポットがあることを発見。
ここは訪れたい!そんなわけで輪行を解除し、あっという間に入口までやってきました。

案内看板によると、羽豆神社の社叢(しゃそう)……つまり、神社を守る森は、ウバメガシが主となる”暖地性常緑樹林”であり、国指定天然記念物になっているそうです。
暖地性常緑樹林というのは、年がら年中、緑が生い茂っている森。

海が近く、潮の香が鼻孔をくすぐります。
ゆるやかにカーブした海岸線を走り、風に背中を押されながら、知多半島の最南端・羽豆岬に降り立ちました!

当然ですが、見渡すかぎりの海。
太平洋岸自転車完走を最終目標にはじめた今回の自転車旅。
篠島、日間賀島を巡り、知多半島から名古屋駅まで走るこの区間は、ある意味では”寄り道”なのかもしれません。
しかし、ふと立ち寄った場所にこそ、思いがけないすばらしい景色との出会いがある。
羽豆岬に立って、改めてそう感じました。
道草を楽しめ。大いにな
ほしいものより大切なものが きっとそっちにころがってる
僕の好きな漫画『HUNTER×HUNTER』の登場人物・ジンの名言が心に響きます。
海をバックに記念撮影。
愛車『Bianchi OltreXR3』はよく走ってくれる自転車旅の相棒です。

所有するロードバイクは、生涯この1台だけと決めています。それほど気に入っていますし、安易な気持ちで乗りかえなんてできない!
振り返ってみましょう。

太陽光の中に茂る木々。これが、案内看板にあった羽豆神社の社叢ですね。

立派な石灯篭と神社に続く階段。ウバメガシの濃い緑色が目にやさしい。
さて、それでは本日最後のスポットに移動することにしよう。
来た道を引き返し、国道247号に合流。

羽豆岬の入口にあたるここが目的地。
首を右に90度ひねると、青空を仰ぐ巨大伊勢海老のモニュメント!

これはすごい!このあたりでは、さぞかしおいしい伊勢海老が獲れるのでしょう。
少しアップで見てみます。

うーん、リアルな造形。縦になっている海老って、ビジュアル的にめずらしい気がする。
実はさきほど、伊勢海老モニュメントの存在だけは知っていたので、交通整理をしているおっちゃんに場所をたずねたのですが、「よくわからん!」的な反応でした。
地元の人からしたら、わざわざ県外から見にくるものでもない……という認識なのかも。
しっかり堪能させていただいたので、宿にむかいます。

南知多町諸崎の風景。
少しずつ日が落ちてきていて、なんだか哀愁が漂います。
時刻は16時35分。
海を渡り、2島を駆け抜けて、本日の寝床にたどり着くことができました!

『Tabist 崎っぽ 南知多』
昔ながらの日本家屋のようなたたずまい。
名前もいいですよね。僕のようなサイクリストは、最北端や最南端など、とにかく”さきっぽ”が好きなのです。
さっそく中に入ります。宿の人が……あれ?いない?呼んでも返答がありません。
見回すと、連絡先の携帯番号が書かれていたので電話してみます。どうやら少し出かけられていたようで、宿に到着した旨を話すと、駆けつけてくれました。お騒がせします。
ロードバイクは広い玄関に置かせていただき、無事にチェックイン完了。
これで一安心。さあ、ゆっくり過ごすぞ~!
【本日のライドデータ】
走行距離 2.72km(トータル365.81km)
所要時間 0時間19分
走行時間 0時間17分(-0時間2分)
さきっぽをぶらり散歩
部屋までの道のりで、宿の利用について説明を受けます。
自由に使えるアメニティや、共用のお風呂、洗面所、冷蔵庫などがありました。
部屋の扉にはしっかりと鍵がかかっており、外出しても安心な仕様です。
ありがたい配慮。しかし、この鍵の開け方にクセがあって手間取りましたが、なんとか入室することができました。

おお!思わず声をあげてしまいます。
掛け軸のかかっている床の間や床脇などがある、とても立派な畳敷きの和室。これはいい。広々した室内の中央に布団が1枚。寝返りし放題ですね。
荷物をおろして、まずは明日の準備をします。
自転車旅を記録する重要アイテム、サイクルコンピューターとデジカメはバッテリーがなくなったらおわりです。
忘れないよう、いの一番にコードを指して充電開始。
それから、ヘルメットやシューズに除菌消臭スプレーを吹きかけておきます。効果のほどはさておき、これだけで気持ちがリフレッシュしますからね。
最後に今着ているサイクルウェア。頼もしい回転音を期待して宿をうろうろしましたが、どうやらランドリーはないようです。
洗濯機はまだしも、乾燥機がある宿はそれなりの規模のところでないと厳しいとわかっていましたが、今回の自転車旅をはじめて3日、まだ1回も洗濯していないぞ!?
近所にコインランドリーもあるようですが、そこまで行くのがめんどくさい。真夏ではないし、そんなに汗もかかなかったから伝家の宝刀・ファブリーズの除菌消臭力で乗り切るか。
風呂に入り汗を流したら、小腹を満たすために町散策。

夕暮れ時です。
飲食店は少ないもののなくはなさそう。食事だけを利用できる観光ホテルがあったので入ってみましたが、この時期は予約のみとのこと。
残念。その後、歩きまわりましたがよい出会いはなく、しぶしぶコンビニ飯。

泊まっている宿の自室。
日当たりのいい窓際にサイクルウェアを干しています。ファブリーズと太陽光のダブル除菌消臭を期待。早くも生活感がにじみ出ていて、なんかいいですね。
さて、夕ご飯を済ませてひと息つきました。
明日は今回の旅の最終日。名古屋駅まで走ります。走行距離は約80kmなので、ひとっ走り。余裕でしょう!……と油断せずいきたいと思います。
次回に続く!
~次回のライドはこちら~

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