2023年4月、春まっさかり。
伊豆大島一周を共にした友人、さらにその友人の3人で旅行がてらのサイクリングをすることになりました。
単独行がほとんどの僕にとって2人以上でのライドは、割と長くなった自転車歴を振り返っても実に2回目である。
なんと孤独な……いや、孤高な男だろうか。
サイクリングの舞台は山梨県にある富士五湖のひとつ『河口湖』です。楽しんでいこう!
案外狭い世間の片隅から
土日でおこなう1泊2日でのサイクリング。
山梨県までは車で移動します。僕の愛車で友人と、その友人……以下”友人B”を迎えにいき、楽しいドライブがはじまりました。
僕自身、友人Bとは今回が初対面。この出会いがなかなかにおもしろいんです。
友人が友人Bに”僕と過去におこなったサイクリング”の話をしたそうなんですが、もともと僕のブログの読者であった友人Bが、「話が似すぎてる……」と思ったらしいのです。
ブログ運営について公表していなかったため、友人から、「ブログやってる?」と確認の連絡が来たときは度肝を抜きましたが、その縁で今回一緒に走ることになったのです。
世間って、自分が思っているより狭いのかもしれません。
友人Bはサイクリングをはじめたばかりで、初心者向けの情報を収集していたときに、僕のブログにたどり着いたとのこと。
狙いどおりのターゲット層に刺さっていたようでうれしい。
そんなこんなで、山梨旅行に話を戻します。
今回もっていくのは『Bianchi ROMA3』です。ひさしぶりの登場ですね。友人ふたりともクロスバイクなので、それに合わせます。
ただ、タイヤを外したとしても荷台に3台を載せるのはさすがに無理があったため、友人は現地でレンタルすることになりました。
当初の計画では朝イチに出発して、初日に河口湖周辺に到着。そこから”富士五湖すべてを巡る”と考えていたのですが、運悪く、高速道路で大渋滞に巻き込まれます。
時間をかなり圧迫してしまったため、予定を急きょ変更。サイクリングを翌日にずらして、宿泊先である甲府市に移動することにしました。
残念ですが、楽しむためには臨機応変も肝心。
道中、有名な温泉施設に立ち寄り、日々の疲れをデトックス。そんな時間も大切ですよね。
ほったらかし温泉と桃源郷
甲府市で夜を明かし、翌日。
旅人の朝は早いといいたいところですが、今回はイチ旅行者として遊びにきています。7時30分とそれなりの時間に出発。
ちなみに、ここが宿泊したところ。
『ゲストハウス ソノママ』
元ビジネスホテルを可能なかぎり”そのまま”再利用したゲストハウス。
和室貸切タイプを利用したので、普通の宿のように泊まることができました。
おもしろいのが、チェックイン・アウト含めて完全に無人だったこと。タブレットで手続きしたあと、お金を置いてある箱に入れるというシステムでした。
宿泊料金は3人で11,610円(2023年当時の値段)!ひとり3,870円と、甲府駅近くなのにもかかわらずとても安価なのはありがたい。
それでは河口湖まで車で移動……するはずでしたが、せっかく甲府市まで来たので、近くにある有名温泉に立ち寄ることになりました。
車で30分、山梨県にある『ほったらかし温泉』に到着です。
うわさには聞いていたが、ここがそうなのか!
トタン屋根の渡り廊下、階段をおりると、そこには年季の入った小屋があり、どうやら受付のようです。お金を支払い中に入ると、おどろきました。
ほったらかしとは名ばかり。めちゃくちゃきれいに整備された温泉施設が広がっています。
そして、なんといってもその美しい眺望に圧倒されました。
温泉に入りながら絶景を眺めることができるなんて、本当に贅沢です。本来の趣旨とはずれましたが、サイクリングの時間を削ってまで訪れた価値はあったと思います。
身も心も清まり、これで自転車に乗る準備は万全です。今度こそ河口湖に移動しますよ!
時刻は9時00分。3人で車に乗り込み、約1時間のドライブです。
4月の山梨県、はじめて訪れましたがこの時期を狙って来るのもいいかもしれない。
そう思った理由がこちら。
山の上からの景色です。
わかります?少しアップにしてみましょう。
山梨市の街が、桃の花でピンク色に染めあげられているのです。
写真だと伝わらないかもしれませんが、生で見ると、「おお、すごいきれい!」と思わず感嘆の声があがるほどでした。
まさに”桃源郷”といえる町の風景を眺めることができ、これだけで、ほったらかし温泉に立ち寄ったかいがあったというものです。
河口湖周辺に到着。
正午も近いいい時間だったため、走りはじめる前に昼ご飯を食べることにしました。
『ほうとう不動 河口湖北本店の不動ほうとう』
ここまで来たら、やはり山梨県の郷土料理・ほうとうですよね。
小麦粉を練った平打ち麺、野菜のたくさん入った味噌仕立ての汁。最高においしい。
もともと好物なのも相まって、大満足な一品でした。
春の河口湖を走ろう!
車は河口湖の無料駐車場にとめます。
そこから徒歩で『Natura Base(ナチュラ ベース)』というさまざまなアクティビティを提供してくれるお店に行き、友人の分のクロスバイクをレンタルします。
クロスバイクは1時間600円。微妙に時間が足りなそうなので3時間プランにしました。
さて、いよいよ……本当にいよいよ河口湖サイクリング、スタートです!
駐車場を出発してすぐに国道137号に突きあたるので、左折して、湖一周のセオリーどおり反時計回りに走っていきます。
湖畔には桜がきれいに咲いていました。
4月のライドは、なんというか”春の芽吹き”を感じることができていいですね。
信号『河口湖大橋北』を右折して、今度は山梨県道707号を利用します。
過去に一周したことのある道のりなのでサイクリングとしての新鮮味は薄いですが、一緒に走るメンバーが変わると、それだけでまた違った楽しさがありますね。
進行方向を見ると、なにやら不吉な雲。
天気予報を見るかぎり雨が降ることはなさそうなので、あまり気にせず進みます。
しばらく走ると、なにやら人の集まる場所があったので立ち寄ってみます。
どうやら『河口湖畔七福神』のひとり、福禄寿が祀られているようです。
のぼり旗に”黄金の七福神”と書かれているとおり、金ピカ。富士河口湖町在住の漫談家・綾小路きみまろさんが寄贈したとのこと。
すごい財力だな!
恵比寿天は河口湖大橋を渡った先にあるので少し離れていますが、それ以外の6人の神さまは割と近くに密集しているため歩いてでも見てまわれるでしょう。
それにしても桜がきれいです。
まさに満開。
空が晴れていればもっと映えるのでしょうが、これはこれで美しい。
次に訪れたのは『大石公園』です。
河口湖と富士山を同時に眺めることができる絶景スポットであるとともに、観光客や旅人の休憩所としても親しまれている公園です。
あいにく曇っていたため富士山は見えませんでしたが、かわりに”別の富士山”を2つも見ることができました。
まずはひとつ目。
『富士山の集いのモニュメント』
日本の象徴である富士山を後世に”美しい山”として継承するため、2月23日を記念日にし、その行事として全国にある”富士と名のつく山の石”を集めて作られたのがこのモニュメント。
昨年の夏に自転車旅をした北海道の富士山を発見。実際この目にしたのは『蝦夷富士』と『利尻富士』かな?
なんだか繋がりを感じて嬉しいですね。
そして、大石公園で発見した”もうひとつの富士山”がこちら。
富士山と書かれただんご。
なかなか実直でインパクトのあるビジュアル。紅白でなんだか縁起がいいですね。
モチモチしていておいしかった。サイクリングのいい補給食になりました!
シカ肉バーガーを補給し無事完走
充分に休憩をとったので、サイクリングを再開しましょう!
県道21号は別名『湖北ビューライン』とも呼ばれているようで、すてきな景観のよい道です。
もう少しすれば新緑でにぎわい、さらに美しさが増しそう。
交通量はあまり多くないため、まったりと走れるのも魅力のひとつでしょう。
小さい木にもピンク色の花がついています。
これも桜の一種?それとも、新しい桜を植えて育てているのかな?
北海道自転車旅の中で、桜の木は繊細なため”桜守”が必要ということを知りました。この若木たちも、数十年後には立派な大樹になっているかもしれませんね。
そして、サイクリングもあっという間に終盤。
河口湖上を横断するように架かる約500mの『河口湖大橋』を渡らずにスルーし、ショートカットなしの完全一周をめざします。
時間もあるため少し寄り道。
『自然工房 石ころ館』
山梨県産の天然石やガラスで作られたアクセサリーなどを販売しているお店。
中に入ると、ところ狭しと並んだアイテムたちがきらびやかで購買意欲をそそります。手作り体験なんかもできるみたいですね。
ふらりと立ち寄ったわりに、楽しませていただきました。
すぐ近くの広場では、ハンドメイド雑貨を持ち寄ったマーケットが開催されていました。
自分自身、自転車とは別に『木版画』という趣味があるため、手作りのアクセサリーとかアート作品ってとても興味がある分野。
偶然の出会いでしたが、創作意欲に火がつきましたよ!
道路を挟んでむかいの『KAWAGUCHI-DOG』というお店が目に入り、思わず購入。
『シカ肉バーガー』
その名のとおり鹿肉を使ったパティと、大きくスライスされたトマトが印象的なバーガー。
お腹が減っていたことも相まって、とてもおいしくいただきました。河口湖を眺めながら、あっという間に完食です。
時刻は14時30分、スタート地点である駐車場に戻ってきました!
これにて、河口湖一周を達成です!
ひとりではなく、3人で走るのも悪くないですね。とても楽しかったです。
【本日のライドデータ】
走行距離 19.38km
所要時間 2時間31分
走行時間 1時間34分(-0時間57分)
おわりに
人生2回目となる河口湖サイクリング。
一緒に走るメンバーが違うと、走るスピード、立ち寄る場所、休憩のペースも変わるため、新鮮に楽しむことができました!
単独行もいいですが、たまにはグループライドもおもしろいですね。
次にこのあたりを走る機会があれば、やはり当初の目標であった”富士五湖の制覇”は成し遂げたいと思います。
100km超えのライドになるためハードな行程が予想されますが、湖畔を走る気持ちよさを存分に味わうことができるはず。
やりごたえ充分。
ともに走ってくれた仲間に感謝!ありがとう、お疲れさまでした!
またどこかを走ったら報告させていただきますね。
コメント